カテゴリー「013 The Kinks」の記事

2018/03/18 Sun *ふわふわ / The Kinks

20180318sleepwalker


余韻。
冷めやらず。
その中で。
あっちへ。
ふわふわ。

目覚めても。
動きだしても。
どうにも。
こうにも。
地上から数センチ。

浮かんでいる様で。
足の裏に。
地面を感じられない。
未だ。
昨日の続き。

その。
ある種の躁状態。
その。
熱気の中から。
脱け出せていない。

今日は。
何処かへ。
行くのだっけ。
何かを。
するのだっけ。

どうにも。
こうにも。
尾を引いたまま。
ふわふわ。
ふわふわ。

『Sleepwalker』'77年リリース。
キンクスのアリスタ移籍第一弾となったアルバム。
ここから。このアルバムからロックンロールに心を決めて。
米国市場へと狙いを絞ったキンクスの新たな道程が始まったと。
どうも。古くからのキンクス・ファンの中には。それを好ましく思わないと言うか。
アリスタ時代は真っ直ぐに過ぎるとの意見も多いらしいのですが。
しかし。だからと言って。「You Really Got Me」の時代に逆戻りをした訳ではなくて。
ロック・オペラ偏愛時代?に磨き上げた、手に入れた多彩な色合いはそのままに。
その多彩な様はそのままに。よりシンプルな表現をストレートなサウンドでと。
そして。どんな表現だろうと。どんなサウンドだろうと。変わらないレイ・デイヴィスの。
その生み出す、奇妙で美しく、そして愛しい詞の世界とメロディ。それは健在で。
いや、むしろ様々なものが削ぎ落されただけに。より伝わりやすくなったかもしれなくて。
十二分にロックンロールとしてカッコよく、そして十二分以上にキンクスらしいと。
その魅力が引き出され、輝いていて。故に全米でも実に久し振りにチャート・インしたと。
「Sleep Walker」「Sleepless Night」「Full Moon」と。眠れない夜の物語。
夢遊病だったり、睡眠障害だったり、狼男であったりと。そんな歪みのある世界を歌いつつ。
「Life On The Road」と「Life Goes On」で挟み込み。憧れとか夢が破れても。
それでも人生は続いていくのだと。そんなことをロックンロールに乗せてさらっと示して。
聴く者の肩を軽く叩いて、皮肉な微笑を浮かべながらも背中を押してみせる。
そう、ここにもレイならではの。市井の人々に対する温かな眼差しを感じられるのですよね。
そして。その当人であるレイは。それこそ夢遊病の様に。ふわふわと闇の中を彷徨っている。
ジャケットの真夜中闊歩する者の孤独と悲哀。妖しい魅力。キンクス、レイが何者であるかが表れているなと・・・

余熱。
冷めやらず。
その中を。
あっちへ。
ふわふわ。

目を閉じても。
横になっても。
どうにも。
こうにも。
寝床から数センチ。

浮き上がっている様で。
背の裏に。
布団を感じられない。
未だ。
昨夜の続き。

その。
ある種の躁状態。
その。
熱気の渦に。
囚われたまま、そのまま。

今夜は。
何処にも。
行きもしない。
何も。
しもしない。

それなのに。
どうにも。
燼が燻ったまま。
ふわふわ。
ふわふわ。

ろくなもの。
じゃない。
大した。
ものじゃない。
そんなもの。

いつも。
どこかで。
怠けて。
遊んでと。
そんなもの。

いつも。
どこかで。
サボって。
ふざけてと。
そんなもの。

生まれついての。
根っからの。
夢遊病。
時も選ばず。
そんなところ。

筋金入りの。
治る見込みもない。
夢遊病。
場所も選ばず。
そんなところ。

開き直りの。
愛に飢えている。
夢遊病。
相手を選ばず。
そんなところ。

余韻の中。
余熱の中。
あっちへ。こっちへ。
ふわふわ。
ふわふわ。



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2018/01/16 Tue *少しばかり / The Kinks

20180116kindakinksrhino


大した。
ことではない。
たぶん。
そんなに騒ぐほど。
そこまでじゃない。

ただ。
どうも。
少しばかり。
何かが。
引っ掛かっている。

ほんの。
僅か。
目に見えないくらい。
その程度に。
何かがずれている。

そいつが。
どうやら。
歪ませる。
どうやら。
曲げてしまう。

だから。
時に。
歩みが止まって。
蹲って。
頭を抱えてしまう。

これで。
このままで。
良いのかと。
そもそも。
ここは何処なのだろうと。

『Kinda Kinks』'65年リリース。
キンクスの英国における2ndアルバム。
今回載せているのはライノからの再発盤で。
何故かジャケットは米国盤のデザインで内容は英国盤となっています。
ライノの仕事ですからね。敢えてのこの仕様でしょうが。ややこしいかな。
1stアルバムではカヴァーの比重も大きかったのですが。
「You Really Got Me」の大ヒットで発言権を増したのか。
このアルバムでは2曲を除いてはレイ・デイヴィスの手によるオリジナルとなっています。
ヒット曲が「Tired Of Waiting For You」しか収録されていないので。
全体的に地味な印象を抱かせるアルバムですが。その地味さもキンクスと言うか。
弾けるにしても、輝くにしても。完全に振り切りはしないところ。
もう少し、あと少しのところで。止まっていると言うか。いきそうで、いかないところ。
この、もどかしいところ。これこそがキンクス、レイならではだと思うのです。
アコースティックなナンバーも増えていて。一筋縄ではいかないぞと。
「Dancing In The Street」のカヴァーもあったりはするのですが。
それも、どうにも煽情的ではなくて。何となくヘナヘナと踊っている感じがすると。
「Tired Of Waiting For You」そして「Something Better Beginning」など。
今でも代表作と呼ばれるナンバーにおける、歪んだひねくれ具合などと共に。
そこにはレイの明確な意思があるかなと。一筋縄、ストレートではいかないぞと。
「You Really Got Me」の恩恵は享受するものの。その路線だけでは走らないぞと。
何とも頑固で、何とも意固地で。何ともひねくれもの。素直じゃないのですが。
それがアルバム・タイトルの少しばかり(Kinda)なる言葉にも表れているかなと。
ちょっとだけ手の内を見せるから、ちょっとだけ応援してよみたいな・・・

大した。
ものではない。
たぶん。
そんなに悩むほど。
そこまでじゃない。

ただ。
どうも。
少しばかり。
何かの。
加減が狂っている。

ほんの。
僅か。
指にも触れないくらい。
その程度に。
何かが外れている。

そいつが。
どうやら。
歪にする。
どうやら。
押し潰してしまう。

だから。
暫し。
歩みが止まって。
屈んで。
呻吟してしまう。

これを。
このままで。
良しとするのかと。
そもそも。
ここは何なのだろうと。

別に。
それほど。
騒ぐほどの。
悩むほどの。
そこまでの。

大した。
ことではない。
ものではない。
そんなもの。
その程度のもの。

ただ。
どうにも。
目に見えないくらい。
その程度の。
何かが引っ掛かってしまう。

ただ。
どうにも。
指にも触れないくらい。
その程度の。
加減が狂ってしまう。

少しばかり。
何かが。
ずれている。
外れている。
そいつが。

歪ませる。
曲げてしまう。
歪にする。
押し潰してしまう。
そいつが。

時に。暫し。
歩みを止めて。
頭を抱えさせる。
屈んで。
呻吟させる。

少しばかり。
歪んだ世界の中。
少しばかり。
手の内を探って。
見定めようとしている。



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2017/12/12 Tue *裏返し / The Kinks

20171212somethingelsebythekinksukor


そう。
そいつは。
裏返し。
反対側にこそ。
真実はある。

いま。
この時。
この胸にあるもの。
そいつも。
裏返し。

温かさに。
包まれている。
そう感じる。
その時には。
凍えている。

明るさに。
触れている。
そう感じる。
その時には。
見失っている。

そう思う。
そう感じる。
それは。
そう思いたいだけ。
そう感じたいだけ。

そうさ。
憧憬は。
実のところ。
激しい嫉妬の。
そいつの裏返し。

『Something Else By The Kinks』'67年リリース。
実に何とも、英国の香り漂うキンクスの傑作アルバム。
キンクスにとっては英国での5枚目となるこのアルバム。
このアルバムから、いよいよキンクス、レイ・デイヴィスが本領を発揮したかと。
その実に、アイロニカルで孤高で。そして何とも愛しくも儚い世界。
世界中がフラワー・ムーブメントやサイケデリックに向かっている時代に。
一人、喧騒から離れて。日向ぼっこをしながら、散歩をしながら。
見るとは無しに、人々の姿を目で追いながら、空想の世界で物語を編んでいると。
子供から大人まで。男女問わずに。市井の人々に寄り添いながら。
その様々な物語を皮肉たっぷりに、しかし温かく描いていく、紡いでいくと。
そんな短編の、連作小説集を読んでいる気分にさせられるアルバムなのです。
ロックンロールもあれば、トラッドやボサノヴァを思わせるナンバーもあって。
そして何とも、レイにしか書けないであろう美しいメロディもそこかしこに顔を出して。
そのメロディの美しさと、どこか空回りに聴こえるロックンロールとの取り合わせ。
明らかにキンキーなロックンロール・バンドとは異なる世界へと向かってもいて。
この後、その道を突き進むレイと、違和感を覚えたデイヴの兄弟の確執も生んでいくと。
それにしても。つくづくレイと言う人は。英国の市井の人々、労働者階級の人々。
そのあり様、その生活、その人生をよく見ている、そして愛していたのだなと。
「David Watts」から「Waterloo Sunset」まで。その徹底した愛情は偏執気味でもあって。
そこには強い憧憬と。その裏返しである激しい嫉妬すらも感じてしまうのですよね。
自分が生きられなかった、なれなかった。そんな人生、そんな人間への憧憬と嫉妬。
そこに、労働者階級の人々、総ての思いを代弁しようとする意図を見るのは穿ち過ぎかな。
でも。描かれている物語。その憧憬と嫉妬が多くの人々の共感を得たのは確かだと。
そう思いながら。「David Watts」を、そして「Waterloo Sunset」をこよなく愛している自分もその一人なのだと・・・

そう。
こいつも。
裏返し。
反対側にこそ。
事実はある。

いま。
この時。
この手にあるもの。
こいつも。
裏返し。

優しさを。
手にしたと。
そう感じる。
その時には。
飢えている。

煌めきを。
掌の中にと。
そう感じる。
その時には。
暗闇の中。

そう思う。
そう感じる。
それは。
思い込んでいるだけ。
錯覚しているだけ。

そうさ。
憧憬は。
いつだって。
激しい嫉妬の。
そいつの裏返し。

憧れて。
夢を見て。
それで。
それだけで。
いいのだと。

それで。
夢の欠片でも。
この胸に。
この手に。
できればいいと。

それで。
十分だ。
満足だと。
胡麻化しては。
みたところで。

温かさも。
明るさも。
優しさも。
煌めきも。
何も無いのだと。

総ては。
ただの。
思い込み。
錯覚に。
過ぎないのだと。

それに。
気づく時。
気づかされる時。
憧れは。
妬みであったと。

夢を見る。
それでは。
満足できないのだと。
そして。
満足する日はこないのだと。

真実。
事実。
そいつは。
反対側にある。
裏返し。

夕陽の中で。
その輝きに。
憧れながら。
取って代わりたいと。
妬んでいるのだ・・・



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2017/09/12 Tue *生かすも殺すも / The Kinks

20170912kovers


生かすも。
殺すも。
そいつは。
誰でもない。
自分次第だと。

そいつに。
そのことに。
気づいているのか。
それでも。
笑っていられるのか。

目の前に。
並べられた。
多彩な。
カードを。
選択肢を。

どう選んで。
どう使うのか。
それは。
豊かでもあり。
悩ましくもある。

豊かさに。
溺れることなく。
悩ましさに。
搦めとられることなく。
生かせるか。

それ次第で。
これからが。
大きく変わる。
大きな差がつく。
その覚悟は胸にあるのか。

『Kovers』'85年リリース。
デビュー当初のキンクスのアルバムやEP盤。
そこに収められていた様々なカヴァーだけを集めた編集アルバム。
『Covers』とすべきところを『Kovers』としているセンスが心憎いところ。
当時日本でキンクスの権利を持っていたSMSによる日本独自編集アルバム・・・
そう思っていたのですが。前年に英国で同名、同内容のアルバムがリリースされていて。
そのジャケットだけを日本独自に変えたもの、と言うのが真相かもしれません。
さて。キンクスと言うと。レイ・デイヴィスによる癖のあるナンバーの数々。
あるいはレイに反抗するかの如きデイヴ・デイヴィスによる尖がったナンバー。
どのみち。オリジナル・ナンバーが想起されて。あまりカヴァーの印象は無いかなと。
実際に同時期のブリティッシュ・ビート勢の中でもいち早くオリジナルへの固執を見せて。
「You Really Got Me」のヒットもあって。オリジナル路線をひた走るのですが。
当然、デビュー前のバック・グラウンドにはブルースやR&Bもあった筈で。
また特に1stアルバムの頃はレコード会社からそう言ったカヴァーも要求されていたと。
なので。カヴァーもお手の物と思われて。実際に、何とも決まっているものもあるのですが。
中には明らかにやる気のなさが如実に表れてしまっているものもあるのがキンクスかなと。
デビュー曲でもある「Long Tall Sally」の熱の無さ。無理矢理録音させられたとかで。
数ある同局のヴァージョンの中でもここまで体温の低いものも無いかなと。
一方でスリーピー・ジョン・エスティスの「Milk Cow Blues」とか。
スリム・ハーポの「Got Love If You Want It」なんかは何とも熱く、そして尖がっていて。
この落差の激しさ。好き嫌いのハッキリしているところ。その妥協しないところ。
カヴァーであっても、自分達の生きる道、活かし方を心得ていた。その証かなと思われます。
チャック・ベリーや、ボ・ディドリーのナンバーが、良くも悪くも無いと言うのもね。
ところで。このジャケット。日本の、あの著名なギタリストだと思うのですけどねぇ・・・

活かすも。
腐らせるも。
そいつは。
誰でもない。
自分次第だと。

そいつに。
そのことに。
感づいているのか。
それでも。
動かないでいられるのか。

掌に。
乗せられた。
多彩な。
キーを。
選択肢を。

どれを選んで。
どれを捨てるのか。
それは。
贅沢でもあり。
過剰でもある。

贅沢に。
奢ることなく。
過剰に。
埋没することなく。
活かせるか。

それ次第で。
この先の景色が。
見えてくる。
見えるものが変わってくる。
その覚悟は腹にできているのか。

選べる。
それは。
同時に。
選ばなければならない。
そう言うこと。

選べる立場に選ばれた。
それは。
同時に。
選ばれる側に立たされた。
そう言うこと。

選んだものを。
生かすも。
殺すも。
他の誰でもない。
自分次第。

選び方で。
活きるも。
腐るも。
他の誰でもない。
自分次第。

選んだもの。選び方。
そいつで。
生きるも。
死ぬのも。
自分次第。

生殺与奪。
それを手にしている。
同時に。
それを握られてもいる。
その覚悟はあるか、できているか。

生かすも。
殺すも。
その総ては。
自分次第なのだと。
だから面白いのだと。



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2017/07/12 Wed *向き合って、面と向かって / The Kinks

20170712facetofacemono


何かを読んでも。
何かを見ても。
誰かから聞いても。
どう手を尽くしても。
そこには限界がある。

本であろうが。
ネットであろうが。
メールであろうが。
あるいは。
電話であろうが。

何かが。
挟まっている。
間にある。
その存在が。
曇らせるものがある。

だから。
面倒でも。
手間はかかっても。
最後は。
向き合うしかない。

向き合って。
面と向かって。
対峙して。
聞かない事には。
見てみない事には。

信じてはいけない。
鵜呑みにしてはいけない。
皮算用してはいけない。
そいつだけは。
変わらないのだ。

『Face To Face』'66年リリース。
そのジャケットも不思議な印象を残すキンクスのアルバム。
この4枚目のアルバムから、いよいよレイ・デイヴィスのあの個性。
奇妙にねじれて、多分にひねくれて。でも愛情に溢れたあの世界が前面にと。
何か直接的なきっかけがあったのか。何から影響を受けたのか。定かではないものの。
ストレートなロックンロール、ブリティッシュ・ビートなナンバーが減って。
フォーク、トラッドを思わせるナンバーや。サイケデリックを思わせるナンバーとか。
ジャケットに描かれている如く。急に多彩になり、幅を広げ始めたなと感じます。
思えば。ここら辺りからレイとデイヴ・デイヴィスの確執も始まっているのかな。
電話のベルや雷の音がSEとして挿入されているナンバーもあるのですが。
実は商業的成功を手にして。初めて録音期間を数か月与えられたアルバムだったとかで。
ここぞとばかりに。レイとしてはアルバム一枚まるまるコンセプト・アルバムにしようと。
その着想、構想に夢中になって。本来は総ての曲間に何らかのSEが入る予定だったとも。
ところが。先行シングル「Sunny Afternoon」がヒットして。レコード会社は方向転換。
「Sunny Afternoon」が売れている間に何としてもアルバムもリリースしようと。
話が違うと抗議するレイの意向を無視して。アルバムの制作を急がせて完成させたと。
レイの志し、試みは半ばで挫折させられて。言わば未完の形で世に出てしまったのですね。
それを恨みに思ってではないでしょうが。結構サウンドは粗くて。デモみたいなものも。
まぁ、その粗さがレイの描く物語にリアリティを与えているのが皮肉な効果かなと。
様々な曲調、でもどのナンバーにも少しひねくれたキャッチーで、ポップなメロディがある。
そんなキンクスの骨格もよくわかるのです。「Sunny Afternoon」なんて最たるものかな。
このアルバムも、またキンクス・ファンにとっては堪らなく愛しい一枚なのですね。
それにしても。レイもねぇ、レコード会社と向き合って、対峙して話してれば・・・結果は同じだったかもですが。

何かを読んだだけでは。
何かを見ただけでは。
誰かから聞いただけでは。
どう頭を働かせても。
そいつは限界というもので。

どんな本でも。
どんなネットでも。
どんなメールでも。
あるいは。
電話でどれだけ話しても。

総てが。
あるわけでも。
正しいわけでもない。
その存在が。
眩ませるものもある。

だから。
面倒だろうが。
手間がかかろうが。
最後は。
向き合ってみる。

向き合って。
面と向かって。
対峙して。
開かせない事には。
語らせない事には。

信じられるものではない。
鵜呑みになどできるものではない。
皮算用などしてはならない。
そいつだけは。
確かなことなのだ。

予習は。
必要。
予備知識も。
必要。
手を尽くして。

頭を働かせて。
考察して。
予測して。
結果に対して。
推論を立てて。
でも。
それは。
あくまでも。
仮定の話。
事実はそこにはない。

本を捨て。
メールも捨て。
ネットから離れ。
電話も切って。
立ち上がり。

相手の下へ。
ノックして。
扉を開けて。
会釈して。
握手して。

向き合って。
面と向かって。
対峙して。
そこで感じられるもの。
そこにあるもの。

それこそが。
事実。
それこそが。
結論。
結果。

だから。
面倒でも。
手間はかかっても。
向き合って。
面と向かって。

茹だる様な夏の午後でもね。



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2017/05/18 Thu *出しなさい / The Kinks

20170518thegreatlostkinksalbum


どうして。
こうも。
出てこないのかと。
思ったら。
そう言うからくりだったのかと。

まったく。
そりゃね。
何も。
一から十まで。
杓子定規にとは言わないが。

やってはいけない。
掟破りと言うか。
それをやったらお終いよとか。
そんなこともあると。
どうして分からないのかな。

欲しいのは。
あなただけじゃない。
困るのも。
あなただけじゃない。
皆、同じなのだから。

公平かどうか。
そいつはともかく。
公正には。
それだけは。
担保しなきゃならないのさ。

だから。
隠しているだろ。
出しなさい。
囲い込みなんて。
下手な手を打つなよと。

『The Great Lost Kinks Album』'73年リリース。
米国のリプリーズから突如リリースされたキンクスの編集アルバム。
パイ時代後期の没になったナンバーやら、TVや映画で使われたナンバーやら。
それまでは公式にリリースされなかったレアなナンバーを集めたアルバムです。
その収められているナンバーの数々が実にキンクスらしい、レイ・デイヴィスらしい。
特にTVや映画で使われたナンバーの出来が良くて。どうにもキンクスなのですね。
なんで。こんなに素敵で、こんなに素晴らしくて、こんなに繊細で、こんなにひねくれて。
これはもう、本当にキンクスの世界以外の何ものでもないのですね。
しかし、リリース直後に突如回収されて。その後は再リリースされることも無く。
何故か・・・ここにもあの男、アレン・クラインが権利に絡んでいたのですね。
ストーンズ、ビートルズだけでなく。キンクスまで食い物にしていたとは・・・
そんなことで。長らくはこのアルバムでしか聴けない14曲はキンクス・ファンの羨望の的。
お陰で、何とか市場に出回ったアルバムには一時はとんでもないプレミアがついていたと。
本当にね。隠すなよ、囲い込むなよ。開放しろよって話なのですけれどね。
この10年くらいで殆どのナンバーは様々なCDのボーナス・トラックとかに収録されて。
漸く、それなりに落ち着いた価格で入手が可能になったのでした。
実は未だこのアルバムでしか聴けないナンバーが2曲はあったりもするし。
そもそもこのアルバムのフォーマットではCD化は実現していないので。
殆どオリジナル・アルバムと言ってもいい様な絶妙な曲順で聴く為に入手する価値はある。
そんな素晴らしいアルバムだったりするのです。本当にいいのですよ、これが。
当時キンクスが所属していたRCAからリリースしていた何枚かのアルバムよりも・・・
まぁ、流石にそれは言わない約束だろうって話だとは思いますけどね。
埋もれた財宝とも言うべきものを発掘し、開放しようとしたリプリーズの姿勢には拍手を送りたくなるのです。

どうして。
こうも。
見つからないのかと。
思ったら。
そう言う企みがあったのかと。

まったく。
そりゃね。
何も。
頭から爪先まで。
謹厳実直にとは言わないが。

やってはいけない。
文化の醸成と言うか。
それをやったら蔑まれるよとか。
そんなこともあると。
どうして気づかないのかな。

求めているのは。
あなただけじゃない。
不安になるのも。
あなただけじゃない。
皆、同じなのだから。

公平かどうか。
そいつは運にもよるけれど。
公正にことを運ぶ。
それだけは。
譲るわけにはいかないのさ。

だから。
隠しているだろ。
出しなさい。
出し渋りなんて。
下手な手はお見通しだよと。

材も。
限られている。
財も。
限られている。
そう資源は潤沢ではないのさ。

でも。
機会は。
落ちている。
広がっている。
そいつを見過ごすわけはいかないのさ。
需要と供給。
供給を待って。
需要に応える。
そんなに甘くはない。
そんなに待ってはくれない。

だから。
材を。
隠すな。
囲い込むな。
包み隠さず出しなさい。

ましてや。
財を。
隠すなど。
囲い込むなど。
言語道断。出しなさい。

探すぞ。
掘るぞ。
抉じ開けるぞ。
鵜呑みにしないぞ。
疑ってかかるぞ。

もっと。
いいのを。
上玉を。
隠しているだろう。
出しなさい。



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2016/11/28 Mon *沈みゆく夕陽を / The Kinks

20161128thekinksviking


沈みゆく。
夕陽を眺めながら。
今日一日を。
振り返り。
一日の終わりに思いを馳せる。

何かを。
誰かを。
待っていたのか。
待っていなかったのか。
もはやあやふやで。

確かに。
弛緩した時間の中で。
漠然とした疲労に包まれて。
流れ作業の様に。
一日が過ぎゆこうとする。

その半ばで。
足を止めて。
思いを呼び起こして。
夕陽の向こうに。
何かを探してみる。

待っていたのか。
待っていなかったのか。
もう、どうでもよくなっていて。
ただ感傷的に。
だけど幸福で。

沈みゆく。
夕陽を眺めながら。
胸の内の。
残照の。
沈むまでを数えてみる。

『The Kinks』'78年リリース。
何とも珍しいキンクスのベルギー盤の編集アルバム。
原盤は、この美麗なジャケットそして曲目も含めて。
その数年前にリリースされたフランス編集の同名アルバムだと思われます。
ヴァイキングなるシリーズものの一枚としてリリースされた様で。
パイ音源からヒット曲も含みながらも結構地味で渋い選曲となっています。
何故キンクスがシリーズのラインナップ入りしたのかは不明ですが。
当時、RCAからアリスタに移籍して再ブレイクの兆しがあったので。
その勢いを当て込んで、便乗してのものだったのかもしれません。
そうは言ってもA面頭が「Lola」ですからね。いきなり出鼻を挫かれますけど。
緩く、微妙に、奇妙に捻じ曲がったキンクスの世界へと誘われてしまいます。
B面頭が「Apeman」だったり、するので。それも狙いの内なのかな。
その実、「Lola」も「Apeman」もキンクスならではのヒット曲なのですけれどね。
他にも「Waterloo Sunset」「Til The End Of The Day」なんて必殺のナンバーもあり。
「Village Green Preservation Society」なんて渋くも珠玉のナンバーまで。
どうにも弛緩して。いかんせん疲労感に包まれて。だけどそれだけでは終わらなくて。
緩さの中に、切なさの中に。捻じ曲がった一筋縄ではいかない感情が潜んでいる。
そんな奇妙に美しく、奇妙に居心地の良い。そんなキンクスの世界は。
英国だけでなく、他の欧州諸国でも需要があったのかなと疑問を抱いたりもしますが。
ここ、東の果ての島国にも自分の様なファンが存在するのだから不思議ではないですね。
何にしろ。この美麗でありながら、不思議な、さかしまの感覚もあるジャケットも含めて。
結果として、実に何ともキンクスらしいアルバムになっているのが何ともです。

沈みゆく。
夕陽を背に受けて。
今日一日の。
締めくくり。
一日を終わらせる区切りをつけに。

何かを。
誰かを。
待っていたのだろう。
来ないとは知りながら。
それでも待ちたくて。

確として。
弛緩した時間が流れて。
漠然とした疲労が溜まって。
何事も無い様に。
一日が去ろうとしている。

その半ばで。
心を止めて。
思いを閉じ込めて。
夕陽のこちら側の。
世界を終わらせて。

来ないとはしりながら。
待ち続けていたことに。
そう、諦念と自虐が綯い交ぜになり。
妙に感傷的に。
それでも幸福で。

沈みゆく。
夕陽を背中に感じながら。
胸の内の。
残照の。
温もりを惜しんでいる。

沈みゆく。
夕陽。
帳を下ろす。
一日の。
終わり。

弛緩した。
時間の中。
漠然とした。
疲労に抱かれ。
流れ作業の様に。

何事も。
無かったかの様に。
弛緩して。
漠然と。
一日を見送り。

待っていた。
何かに。
誰かに。
出会えないまま。
思い出せないまま。

待っていたのか。
待っていなかったのか。
来ないとは知りながら。
それでも。
待っていたかったのか。

沈みゆく。
夕陽を。
掌に乗せて。
残照を。
惜しみながら。

沈みゆく。
夕陽を。
その残照を。
その温もりを。
胸の内に閉じ込める。



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2016/06/24 Fri *やっちまったなぁ / The Kinks

20160624kinkdom


帝国の。
栄誉とか。
尊厳とか。
その。
名残、残り香。

そいつが。
他の何物よりも。
大切なのだと。
愛しいのだと。
そういうことかな。

もう。
その。
気障とすら言えない。
嫌味にすら近い。
伝統に対する偏愛。

まったく。
どこまで。
偏屈なのだか。
呆れて。
ものも言えないけど。

その実。
そんな。
国民の。
そんな。
国だから。

惹かれて。
止まないし。
好きさ。好きさ。好きさ。
なのだが。
やっちまったなぁ。

『Kinkdom』'65年リリース。
キンクスの米国での4thアルバム。
ビートルズやストーンズも同様ですが。
この頃は英国と米国では異なる選曲、編集のアルバムがリリースされるのが通例で。
共通している特徴としては。米国ではシングル・ヒット曲を惜しげもなく収録する。
ユニオンの協定だとか、なんだとかで。米国ではアルバム収録曲は12曲まで。
そんなところかな。なので、正統は英国盤で。音質も英国盤が勝ると思いつつも。
兎に角。その時々のヒット曲をぶち込んで。後は限度まで何でもいいから入れとけな。
そんな、米国盤は米国盤で楽しかったり、面白かったりもするのですね。
さて。帝国を皮肉った様なタイトルを冠されたこのアルバムの中身ですが。
「A Well Respected Man」と「Who'll Be The Next In Line」、この2曲が当時のヒット曲。
そいつを入れておいて。後は前述の曲数制限の影響やらなんやらで。
この段階で米国では未発表となっていた曲をぶちこみました、そんな、やっつけ感で。
詳しくは調べていませんが。英国での発表時期からするとバラバラな選曲で。
思わず苦笑いしたくもなるのですが。それが何故だか。キンクスのガレージな側面。
そいつを引き立てる作用を果たしているようにも聴こえてくるから不思議なもので。
実際にキンクスってストーンズと並んで米国のガレージ・バンドには人気だったみたいで。
その影には、全米チャートの50位以内に入ったこのアルバムの存在もあったかなと。
「Dedicated Follower Of Fashion」とか「I’m Not Like Everybody Else」とかね。
その歌詞の内容も含めてガレージ・・・パンクですからねぇ。改めていいよなと。
またモノラル盤のザラザラしたラウドな音質も。相乗効果を生んでいるかな。
「I Need You」は誰かさんのせいで「うな重」に聴こえてしまうのですけどね(笑)。
そうそう。キンクスは当時ライヴで問題を起こして。米国には入国禁止だったのかな。
やっちまったなぁの最中だったわけですね。レイがどう思っていたかはわかりませんが。

帝国の。
栄誉とか。
尊厳とか。
その。
名残、残り香。

そいつが。
他の何物よりも。
大切なのだと。
愛しいのだと。
そういうことかな。

もう。
その。
気障とすら言えない。
嫌味にすら近い。
伝統に対する偏愛。

まったく。
どこまで。
偏屈なのだか。
呆れて。
ものも言えないけど。

その実。
そんな。
国民の。
そんな。
国だから。

惹かれて。
止まないし。
好きさ。好きさ。好きさ。
なのだが。
やっちまったなぁ。

米国主導の。
グローバリズムとやらには。
屈しないぜって。
そんな。
気骨のある主張なら。

それならば。
支持したいのだけれど。
どうも。
それよりは。
内を向いた理由が大きそうで。
懐古的で。
排他的な。
そんな匂いが。
どうにも強くて。
如何なものかと思ってしまう。

英国人の血なんて。
一滴も流れていないのに。
ユニオンジャックが大好きで。
目にするだけで。
血が騒いだりする質なので。

その実。
わからないでもないなと。
あの古き良き街並みに。
米国資本の。
ファストフードやカフェは似合わないと。

そりゃ。
フィッシュ&チップスだろうと。
紅茶だよ、紅茶と。
パブでギネスだろうと、
そう思いはするのだけど。

それこそ。
大英帝国が復活して。
米国とか。ロシアとか。中国とか。
その暴走を食い止めてくれるのなら。
歓迎もするけど。だけどねぇ。

それで。次はどの国の番なのかな・・・



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2016/02/28 Sun *晴れていようが、そうでなかろうが / The Kinks

20160228sunnyafternoon


晴れていようが。
そうでなかろうが。
どのみち。
心地良くも気だるい。
そんな、日曜日の午後。

特に。
予定はない。
探せばあるけど。
急ぐ必要もない。
してもいいし、しなくてもいい。

心のまま。
体が反応するまま。
気持ちが動くまま。
そのままに。
時を過ごせばいい。

そんな、日曜の午後。
窓の外の天気とは関係なく。
そうだな。
心の中は。
陽光が輝き。欠伸の一つでも。

レコードに針を落として。
ご飯を炊きながら。
味噌汁でも作って。
レコードをひっくり返して。
箸休めは何にしようかなとか。

平和だね。
緩んでいるね。
伸びているね。
でも。いいよな。
何にもない日曜日の午後だしさ。

『Sunny Afternoon』'67年リリース。
廉価盤として編集されたキンクスのベスト・アルバム。
英国には昔からお土産物さんとかで売られる廉価なレコードがあって。
中にはメジャーなレコード会社が専門に廉価盤専門のレーベルを持っていたりもして。
このアルバムを編集したマーブル・アーチってのはパイの廉価盤専門レーベルなのですね。
そこは廉価盤ですので。収録曲数が少なかったり、微妙に大ヒット曲は外されてたりと。
それなりだったりは当然するのですが。それがまた微妙にいい味を出していたりとかして。
更に意外とジャケットのセンスが本家のベスト・アルバムを凌駕したりもしていて。
このアルバムも。先ずは如何にもスウィンギング・ロンドンなキンクスのジャケットが素晴らしいと。
マーブル・アーチってのは他のアルバムにもジャケットの素晴らしいものが多いのですけどね。
流石は本家直営だけのことはあるってことでしょうかね。その利点を生かしていると。
さて。全10曲とボリューム的には物足りないものの。その選曲はマニアックと言うか。
痒いところに手が届いていると言うか。A面頭に「Sunny Afternoon」を持ってきて。
恐らくは一般大衆でも知っていそうなヒット曲はそれのみ。それだけで引っ掛けて商売して。
後は、「鰻重」・・・じゃなかった「I Need You」とか、「Louie」「Louie」とかね。
更には「Dedicated Flower Of Fashion」「I'm Not Like Everybody Else」とか「Deadend Street」とか。
如何にもキンクス、如何にもレイ・ディヴィスの気怠くも、ひねくれて、諦念が滲み出ていて。
だけど。その根底には英国の、その街角の市井の人々への愛情に溢れていると。
このどうでもいいんじゃないと。日向ぼっこでもしながら時を無駄に過ごすことへの皮肉と。
その裏側に潜む人々の楽ではない日々への温かい、少し捻くれたエール。その表裏一体。
これがなぁ、キンクス、レイの真骨頂なんだよな。特にね。「I'm Not Like Everybody Else」なんかは。
敢えてデイヴに歌わせて。その反骨心。屋探れ感を前面に押し出していて習ってるなと。
陽光の中で弛緩させている様でいて。気骨は示して見せていると。廉価盤で弛緩しながらも締めているんだな。

晴れていようが。
そうでなかろうが。
どのみち。
気だるくも心地良い。
そんな、日曜日の午後。

特に。
計画はない。
立てれば立てられるけど。
無理する必要もない。
立ててもいいし、立てなくてもいい。

心のまま。
体が反応するまで。
気持ちが動くまで。
それを待ちながら。
時を見送ればいい。

そんな、日曜の午後。
窓の外の天気すら気に留めず。
どのみち。
心の中は。
陽光で満ちて。微睡の中へと。

レコードを聴きながら。
お腹も満たされて。
心も満たされて。半ば夢の中。
レコードが止まったら。
次は何に針を落とそうかなとか。

幸福だね。
緩んで、崩れて。
伸びて、伸びきって。
でも。いいよな。
何にもしない日曜日の午後だしさ。

いつでも。
どこか。
行き詰まり。
どこかで。
行き止まり。

いつでも。
何かに。
追われていて。
何かで。
追い込んでいて。

このまま。
どんどん。
進めば。
追われれば。
袋小路。

それに。
寄ってしまえば。
巻かれてしまえば。
群れてしまえば。
流されてしまえば。

ある意味。
楽なのだろうと。
わかりつつ。
そいつだけは。
許せなくて。

誰とも。
違うぞと。
異なるぞと。
自分は自分だと。
張りつめている。

だから。
何にもない。
何にもしない。
日曜日の午後。
晴れていようが。そうでなかろうが。どっちでもいい。



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2015/12/11 Fri *主人公 / The Kinks

20151211showbiz


毎日。
昨日も。
今日も。
明日も。
その先も。

いい日ばかり。
そんなわけもなく。
それなりに。
沈むこともあれば。
堕ちることもある。

それでも。
なんとか。
なんとなく。
浮くこともあれば。
堕ちきらずに止まって。

気付くと。
それなりに。
なんとはなしに。
乗り切って。
一日が終わる。

それを。
繰り返しているうちに。
一週間が過ぎ。
一ヶ月が過ぎ。
一年が過ぎで。

結局。
英雄にも。悪漢にも。
なれずに。
ただ。過ぎ行く自分の日々の。
その平凡な主人公でしかない。

『Everybody's in Show-Biz』'72年リリース。
RCA移籍後2枚目にして、初の2枚組となったキンクスのアルバム。
1枚目がスタジオ録音。2枚目がカネーギー・ホールでのライヴ録音となっていて。
当初、ライヴは映画化の企画があったのですが。結局、ボツになってしまって。
それでスタジオ録音と合わせての2枚組アルバムになったのだとか。
当時のキンクス。キャリアは重ねていたものの。一時期米国への出入りが禁止された影響が後を引いてか。
商業的な成功とはどんどんと縁遠くなっていて。良質な作品を作っても世間は受け入れてくれないと。
だったら。もう好きな様にやるだけと。レイ・ディヴィスが腹を括ってしまったのがこの頃だったかと。
何故かホーン・セクションも正式メンバーとして加入させて。理想の音の実現に邁進して。
ロックスターのツアーの華やかなツアーの日々と、退屈な日常を描くと言うコンセプトの基に。
緩く、美しく、そして当然の様に捻くれたメロディーに溢れたスタジオ録音の素晴らしさ。
ストレートではない、一捻りも二捻りもあるカッコ良さと物悲しさ。これを好きになれるかどうか。
そこがキンクスを、レイを好きでいられるかどうかの境界線であると。それが明確に示されたアルバムかな。
ストレートなロックンロールではないものの。心に引っ掛るメロディーが多くて。「Celluloid Heroes」なんて。
アルバムの邦題『この世はすべてショー・ビジネス』、その主題である総ての人々が自分の人生の主人公。
故に、体験せざるを得ない悲喜交々を美しく、そして切なく描き歌い上げていて。
その詩の世界も含めて。流石はレイだよなと。思わず唸らされて。聴き入ってしまうのです。
ライヴにもホーン・セクションが参加していて。この頃のキンクスってメンバーが何人いたのって感じですが。
そちらは緩いながらもハードなロックンロール・バンドとしての顔も覗かせてはいて。
前作『 Muswell Hillbillies 』からのナンバーの気合の入った演奏なんてなかなかご機嫌ではあります。
ただ。やはり。余りにも独特の世界ですからね。ついていけないねと反感を感じた人達もいたと思われて。
その先鋒が弟のデイヴ・ディヴイスだったところにキンクスの悲劇があったかなと。それもまた人生ですが。

毎日。
昨日も。
今日も。
明日も。
その先も。

悪い日ばかり。
そんなわけもなく。
それなりに。
上がることもあれば。
昂ることもある。

それでも。
なんだか。
なんとはなく。
下がることもあれば。
昇り切らずに止まって。

気付くと。
それなりで。
なんともなしに。
乗り切れずに。
一日が終わる。

それを。
繰り返しているうちに。
春と思えば夏が来て。
夏と思えば秋が来て。
所詮。最後は寒い冬で。

結局。
正義の味方にも。悪の首領にも。
なれずに。
ただ。流れ行く自分の日々の。
その平凡な主人公でしかない。

英雄でも。
悪漢でもなく。
正義の味方でも。
悪の首領でもなく。
それでも主人公。

しかも。
どんなに平凡で。
どんなに退屈で。
飽き飽きしても。
嫌気がさしても。

その最期まで。
降板を許されない。
いい日も。
悪い日も。
それなりに演じ切らねばならない。

罵声を浴びることもなく。
さりとて。
歓声に包まれるでもなく。
自分以外には。
誰の目に留まることもなく。
それでも演じ続けねばならない。

その程度の。
主人公。
その程度でも。
主人公。
たかが主人公。されど主人公。

平々凡々。
連綿と続く時の中の。
一瞬の堕落。
一瞬の歓喜。
それを我がものとして味わえるのは。
主人公である自分だけ。
それだけを支えに。
大化けもせずに。
奈落にも落ちずに。
退屈と馴れ合う。

それが。
出来る。
それが。
許される。
それだけで。幸せなのだろう。

野望の種火は嫉妬として燻ってはいるけれど。



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