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2007年5月

2007/05/30 Wed *そうだったんだ / Marvin Gaye

20070530grapevine


そうだったんだ。
そう。なんとなく。
なにかあったかなって。
どうかしたのかなって。
そんな感じはしていたけれど。
疲れてるみたいだったし。
なにより。
笑顔に無理してる影がね。
影が過ぎるのが見えたから。
そうか。
そうだったんだ。

『I Heard It Through The Grapevine』'68年リリース。
全米1位にまでなったタイトル曲のヒットを受けてリリースされたマーヴィン・ゲイのアルバム。
元々は『In The Groove』のタイトルでリリースされていたアルバムをジャケットも変えて再リリースしたものです。
ソウル・シンガーとしての稀有な才能を持ちながら、本人のポップス志向もあってか伸び悩んだマーヴィンですが。
キム・ウェストン、そしてタミー・テレルとのデュオでの成功でようやく吹っ切れたものがあったのか。
ようやく迷いの時期を脱して。ソウル・シンガーとしての新たな魅力を発揮し始めます。
その象徴となったのがタイトル曲(邦題『悲しいうわさ』)なのですが。確かにここには今までにないマーヴィンが。
熱く、弾けるだけではなくて。その熱さを敢えて抑えるようにして。青白い炎の如きクールさも身につけています。
この自らを、自らの歌声を冷静に操れる様になったことが、後のマーヴィンの更なる進化の基になったかなと。
あの「What's Going On」も、ここでの目覚めがなかったら、また違う形になっていたかもと思えてしまうのです。
それほどに。このタイトル曲の持つ意味は大ヒットしたことも含めて大きかったのです。
(尤も、ひたすら熱いグラディス・ナイト&ザ・ピップスのヴァージョンもそれはそれで大好きだったりしますが)

そうだったんだ。
そう。なんとなく。
なにかあったかなって。
どうかしたのかなって。
そんなうわさは耳にしていたし。
いいはなしではなかったし。
なにより。
笑顔に悲しい影がね。
影が過ぎるのが見えたから。
そうか。
そうだったんだ。

そうだったんだ。
そう。いまは。
それしか。言えなくて。
言葉も見つからないけれど。
思いが叶う様に。
祈りが届く様に。
なにより。
本当の笑顔が戻る様に。
俺も思ってみよう。
俺も祈ってみよう。

それにしても。
そうだったんだ。
やるせないな・・・

そうだったんだ。

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2007/05/29 Tue *もう少し / The Four Tops

20070529reachout


もう少し。
あと少しだけ。
それだけで。
届きそうなのに。
できそうなのに。
変わりそうなのに。
その少しが。
少しじゃなくて。
遠くに見える。遠くに感じる。
それでも。諦めずに。
その手を伸ばして。

『Reach Out』'67年リリース。
リーヴァイ・スタッブスを中心とした男気溢れるコーラスが魅力的なフォー・トップス。
元々はジャズを歌う予定でモータウンと契約したのですが、会社の方針で路線変更して。
そのソウル路線でリーヴァイのゴスペルで鍛えられた力強く溌剌としたヴォーカルが爆発したのでした。
モータウンでは6枚目となるこのアルバムではその力強さがいよいよ全開となっていますが。
それを支えるのが件のファンク・ブラザーズによる躍動感溢れる見事な演奏なのです。
「Reach Out I'll Be There」「Standing In The Shadows Of Love」「Bernadette」・・・
ヴォーカル、コーラス、リズム。三位一体となったその心も体も躍らせるファンキーさには逆らえません。
それにしてもフォー・トップス。いつ聴いても元気に、そして前向きな気持にしてくれる、素敵なグループです。

もう少し。
あと少しだから。
そうここで。
届きそうなものを。
できそうなことを。
変わりそうなものを。
その少しが。
少しじゃなくて。
遠くに見える。遠くに感じる。
それだけで。諦めずに。
その手を伸ばして。

もう少し。
手を伸ばして。
その場所へ。
もう少し。
手を伸ばして。
その場所に。

辿り着けたら。
届けられたら。
目に見えるものも。
目には見えないものも。
陽のあたるところでも。
陰にかくれたところでも。
何かが動き始めるかもしれない。

だから。
手を伸ばしてみよう。
もう少し・・・

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2007/05/28 Mon *もっと / Diana Ross & The Supremes

20070528lovechild


もっと。
気楽に。
力を抜いて。
鼻歌混じりで。
今日のことは明日。
明日のことは明後日。
そんないい加減さがあっても。
いいんじゃないの。
命までとられるわけじゃなし。

『Love Child』'68年リリース。
タイトル曲のメッセージ性も、ジャケットも。明らかにそれまでとは変化が感じられるシュープリームスのアルバム。
あのホランド=ドジャー=ホランドが制作に関わっていないのはモータウンと契約で揉めてたからですが。
シュープリームスにも、特にダイアナ・ロスには時代の潮流に乗って変化を求める心はあったのではないかと。
なんと言うか。モータウンの、もっと言えばアメリカの夢の象徴、甘い砂糖菓子の様だったシュープリームス。
ただただ幸せな気持になれれば、甘い思いを抱ければ。それだけで良かった、それだけで許された。
そんな楽天的で、能天気ですらあることがシュープリームスに求められていたのだと。だから美しかったと。
しかし流石にそれだけでは受入れられなくなって。また満ち足りなくて、飽き足らなくもなって。
次へと踏み出したのがこのアルバムかなと。そうポップスからソウルへと立つ世界を変えようとしていたかなと。
で、きっと、たぶん、絶対(?)グラディス・ナイトよりしたたかで上昇志向も強いダイアナです。
まだまだこんなもんじゃないと。もっと、もっとと。リリースの翌年にはソロとしてのキャリアをスタートさせるのです。

もっと。
気張って。
力を込めて。
唇を噛み締めて。
明日のことは今日。
明後日のことは明日。
そんな貪欲さがあっても。
いいんじゃないの。
いつ果てるともしれないんだから。

いい加減でも。
貪欲でも。
どっちでもいい。
とにかく。

じゃぁな。

そんな一言で。
終わらせていいのか。
ほんとうに。
それでいいのか。
もっと。
もっと。
もっとさ・・・

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2007/05/27 Sun *ブルーを蹴飛ばせ / Gladys Knight & The Pips

20070527feelinbluesy


何だか慌しくて。
バタバタしたりして。
何かと思惑が外れて。
アタフタしたりして。
そうでも。それでも。
週末は週末だから。
そうでも。それでも。それなりに。
ゆっくりと。のんびりと。
寛いで。安らいで。
でも。ほら。もう。そこに。
足音が聞こえてきてる。
そう。今夜もブルーがやって来る。

『Feelin' Bluesy』'68年リリース。
息の合ったステージの模様を想像させるジャケットがいい感じのグラディス・ナイト&ザ・ピップスのアルバム。
モータウンに移籍して2枚目。いよいよその熱く、そして包み込む様なグラディスの歌声に磨きがかかって。
ピップスの絶妙なバック・アップを受けて。聴く者を慰撫し、力づけてくれるグラディスなのです。
聖歌隊で歌い始めて。8歳で出場したコンテストで全米を制覇してプロとなったグラディスですが。
その後は順風満帆とはいかずに。それなりに辛酸を舐めながら、ようやくモータウンで日の目を見たわけで。
そんな体験が当時未だ20代前半だったグラディスの歌声にそんな力を与えたのかもしれません。
きっと、たぶん、絶対(?)、ダイアナ・ロスよりも優しく、包容力もあるであろうグラディスです。
ブルーな気持に押しつぶされそうな夜でも。力強く抱きしめられ、そっと背中を押されれば。もう大丈夫です。

慌しくてもいい。
バタバタしても構わない。
思惑なんか外れてもいい。
アタフタするのもご愛嬌。
そうでも。それでも。
週末は週末だから。
そうでも。それでも。それだから。
次の週末も。
ゆっくりと。のんびりと。
寛いで。安らいで。
いられるように。
だから。ほら。もう。そこに。
足音が聞こえてきてる。
そう。今夜もやって来るブルーを。

ブルーを。
蹴飛ばせ。
蹴散らせ。
頑張れる様に。
乗り切れる様に。

だから。
包んでくれないか。
背中を押してくれないか。

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2007/05/26 Sat *いつもと違う / Kiss

20070526dressedtokill


いつもと違う時間。
いつもと違う場所。
いつもと違う服装。
何だか落着かない。
何だか似合わない。
何だか・・・楽しかったりもする。
いつもと違う。
そのことで。それだけで。
少し昂ぶってみたりする。

『Dressd To Kill』'75年リリース。
前作から僅か5ヶ月のインターバルでリリースされたキッスの3rdアルバム。
ライブでの評価がレコード・セールスに結びつかずに苦戦を続けていた当時のキッス。
ツアーに出れば出たで。機材やセットや衣装に費用が掛かって。少しでも埋める為にまたアルバムを作ってと。
そんな自転車操業続きで。いよいよ曲のストックも尽きてきて。キッス結成以前の曲も引っ張り出したりして。
いよいよ追い詰められて。だからこそ。火事場の何とかで。印象的なフックとメロディーを生み出しています。
象徴するのが「C'mon And Love Me」であり、そして永遠のR&Rアンセム「Rock And Roll All Night」です。
『Destroyer』以降のキッスには失われてしまったいい意味での“軽さ”が何とも言えず魅力的で。
「Rock And Roll All Night」のヒットと共にアルバムも初の全米TOP40入りを果しています。
ところで。例のメイクにいつもと違う、着慣れないスーツ姿のキッスが印象に残るジャケットですが。
このスーツ、総て借り物だったとか。スーツの1着も無かったこの状況からキッスの快進撃が始ったのです。

いつもと違う顔。
いつもと違う姿。
いつもと違う言葉。
何だか落着かない。
何だか似合わない。
何だか・・・楽しかったりもする。
いつもと違う。
そのことで。それだけで。
少し浮かれてみたりもする。

いつもと違う。
そのことで。それだけで。
少し・・・ね。

いつもに戻れば。
醒めてしまうのだろうけれど。
そう。たぶん・・・

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2007/05/25 Fri *雨上がり / Aerosmith

20070525gems


雨上がり。

降り続いた雨も上がって。
未だ濡れた街。
雨の匂いが残る街。
ブラブラと歩いて家路につく。
ふと立ち止まる。
雨上がりの街角。

『Gems』'88年リリース。
コロンビア時代のアルバムからハードな曲を中心に選曲されたエアロスミスの編集盤。
なんと言っても冒頭から「Rats In The Cellar」ですから。いきなりフル・スロットルで飛ばしてます。
当然の様に「Mama Kin」も「Train Kept A Rollin'」も収録されていて血が騒ぎますが。
リリース時の目玉は「Chip Away The Stone」のスタジオ録音ヴァージョンが収録されていることでした。
このアルバム以前は『Live Bootleg』等でライブ・ヴァージョンでしか聴けなかったのです。
勿論(特に'80年代の復活以降は)バラードを演っても魅力的なエアロスミスなのですが。
個人的にはハードにR&Rをきめてみせるエアロスミスにより魅力を感じて惹きつけられるのです。
それもヒット曲ではない。アルバムの中に散りばめられた曲でこそ光り輝くのではと思っているので。
そんな曲を選んで集めたこのアルバムはタイトル通り、宝石を集めた様な実にそう豪華なアルバムなのです。
これで「S.O.S.(Too Bad)」と「Sight For Sore Eyes」も入っていたら完璧だったのにな。

雨上がり。

降り続いた雨も上がって。
未だ濡れた街。
雨の匂いが残る街。
ブラブラと歩いて家路につく。
ふと立ち止まる。
雨上がりの街角。

光り。
輝く。
流れる。
散りばめられた。
ネオン。ディスプレイ。
ウィンドウ。ショーケース。
華やかで。切なくて。
温かで。つれなくて。

そんな。
街角の宝石を。
何とはなしに。
ひとしきり。
眺めているのが。
何故か好きだったりする。

雨上がり。

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2007/05/24 Thu *異文化交流 / Dusty Springfield

20070524inmemphis


環境が異なれば。
文化も違うし。
志向も思考も異なるし。
顔つきや言葉使いも違ったり。
勿論。
同じ環境で。
同じ文化で暮らしてる人達は。
志向や思考も似ているし。
何故か。
顔つきや言葉遣いまで似ていたり。
う~ん・・・

『Dusty In Memphis』'69年リリース。
ブリティッシュ・ガール・ポップ・シンガーの中でも歌の上手さには定評のあったダスティ・スプリングフィールド。
そのダスティがアトランティックに移籍して。アリフ・マーディン、トム・ダウド、ジェリー・ウェクスラー・・・
名立たるプロデューサー3人を迎えての初の異文化交流、初めてのメンフィス録音となるアルバムです。
その存在感と表現力で聴く者を魅了してきたダスティ。ここでも何ら臆するところも無く堂々と胸を張っていて。
メンフィス・サウンドを自分のものとして見事に渡り合って、溶け込んで。極上の歌声を聴かせてくれています。
迫力の中に冒しがたい気品と優雅さ、そして思わず微笑みかけたくなる親しみ易さが自然に同居しています。
それにしてもよほど手が合ったのか、相性が良かったのか。心地良さ気な表情が目に浮かぶ様でもあります。
異なる環境に身を置いても。違う文化を吸収し消化していく強さ。それもダスティならではの魅力なのかもです。
個人的にダスティとは手が合うと言うか、相性が良いらしく。このアルバムも心地良くて大好きなのです。

異なる環境で。
違う文化と。
異なる志向や思考と。
違う顔つきや言葉使いと。
交わって。踏み込んで。
同じ環境へ。
同じ文化へ。
似通った志向や思考の中へ。
いつか。
顔つきや言葉使いまで似てきたり。
う~ん・・・

一匹な野良猫は。
群れている野良犬達には。
どこまでも息苦しさを感じるし。
群れている野良犬達は。
一匹な野良猫には。
どこまでも胡散臭さを感じるし。

どっちもどっちではあるけれど。

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2007/05/23 Wed *消去法のヒーロー / T.Rex

20070523hiddenrider


あの人もいない。
この人もいないし。
あれ?
おやっ?
辺りを見回したら。
なんだよ俺しかいないの。
なんだよ誰もいないのかよ。
しかたないな。
いくしかないかな。
いや、でもね。

『Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August』'74年リリース。
当時の邦題を『ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー』と名づけられたT.レックス名義での5thアルバム。
何でも来日中にTVで仮面ライダーを偶々観て。インスパイアされたらしいマーク・ボラン。
自らをズィンク・アロイなるヒーロー(?)に見立てたコンセプト・アルバムとしてリリースされたのでした。
“T.レクスタシー”とまで呼ばれた熱狂的なブームも過ぎ去って、急激にその人気が翳りだしたT.レックス。
何とかその転換期を乗り切ろうとしたマーク。初めてプロデュースにも名を連ねていて。
相変らずの人工的なブギだけでなく、女性コーラスやストリングスを大胆に導入したりと頑張っているのですが。
その総てが成功している訳でもなく。何よりどうにもマーク自身の迷いの様なものも感じられたりもして。
それでも実はジョン・レノンにも通じるマークの歌声の生々しさや切迫感みたいなものは楽しめるのですけど。
やっぱりマークはズィンク・アロイでは無くて、電気の武者(『Electric Warrior』の邦題)だよなと思うのです。
でも何かマーク・ボランが仮面ライダーに惹かれるってのは解ると言うか、ありだなと微笑んでもしまいますが。

あの人も動かないし。
この人も言わないし。
あれ?
おやっ?
辺りを見回したら。
なんだよ俺を見るんじゃないよ。
そんな目で見るんじゃないよ。
しかたないな。
いくしかないかな。
いや、でもね。

なんだよ上目遣いになるんじゃないよ。
瞳を潤ませればいいってもんじゃないよ。
解ってるんだぜ。
他に誰もいないからだって。
頼み易いからだって。
だ・か・ら・・・

仮面ライダーもいきたくないこともあったろうな。
仮面ライダーも戦いたくないこともあったろうな。

まぁ、しかたないな。
子供とお年寄りと・・・可愛い娘には弱い(甘い)んだよなぁ(苦笑)。

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2007/05/22 Tue *情熱と冷静のあいだ / Steve Winwood

20070522stevewinwood


面白いし。
手応えはあるし。
燃えてもいる。
それは確かで。
自分の顔にも。
誰かの顔にも。
表れていて。
自分の胸の内も。
誰かの胸の内も。
熱くなっていて。
それを。
楽しんでいる。

『Steve Winwood』'77年リリース。
そのキャリア十数年にして初となったスティーヴ・ウィンウッドのソロ・アルバム。
実はトラフィックの最初の解散時にもソロ・アルバムを制作しかけて結局トラフィックが再編されたことも。
スペンサー・デイヴィス・グループの頃からその黒い歌声に代表される熱さが魅力だったウィンウッドですが。
時を経るにつれて。一種のバランス感覚が働く様になったのか。時に妙に醒めている顔が覗く様になって。
その振幅の大きさと、絶妙な揺れ具合が独特の世界を感じさせる様になったかなと。
このアルバムではクールな肌触りの歌声や鍵盤の響きと、ホットなリズムとの対比が実に見事で。
その時に沈み、時に浮き上がる。その狭間にあるかの世界が心地良くて。聴けば聴くほど嵌っていくのです。
それにしてもウィリー・ウィークスのベースとアンディー・ニューマークのドラムスが弾き出すリズムは絶品で。
このコンビのきっかけを演出したロン・ウッドは本当に偉かったとつくづく思ったりもします。

面白いし。
手応えはあるし。
燃えてもいる。
それは確かでも。
誰にも見えない。
もう一人の自分が。
別の表情を浮かべている。
誰にも覗けない。
もう一人の自分の胸の内は。
凪いだままだったりする。
それも。
楽しんでいたりする。

嘘じゃない。
嫌いじゃない。
好きだ。

本気じゃない。
嫌い・・・でもないけど。
好き・・・でもない。

情熱と冷静のあいだ。
気づくと。
いつもそこに立っている。

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2007/05/21 Mon *羽があれば / Hummingbird

20070521humingbird


こんな天気の日には。
特にまだまだその気になれない。
月曜日の昼下がりなんかには。
青い空を眺めながら。
陽光に目を細めながら。
ふと思ってしまうのです。
翼が、せめて羽があれば。
陽光を浴びて輝きながら。
青の中に溶け込んでしまえるのに・・・なんて。

『Hummingbird』'75年リリース。
陽光を浴びた羽を輝かせながら蜜を求めて飛び回る、そんな美しく鮮やかな鳥の名を冠したハミングバード。
第2期ジェフ・ベック・グループのメンバーだったボブ・テンチ、クライヴ・チャーマン、マックス・ミドルトン。
ベックと共にあの御機嫌なサウンドを弾き出していた腕達者な3人を中心に'73年には結成されていました。
尤もミドルトンが並行してベックのサポートを継続していたりと、なかなかに売れっ子揃いだった様で。
夫々の活動の合間を縫って制作されたと思われるこの1stアルバムのリリースまで時間を要してしまいました。
で、これが継接ぎの目立つ作品化と言うと。さにあらず。実によく練られて、そしてよく纏っていたりするのです。
小気味良くて。洗練されていて。そしてなによりも御機嫌にファンキーで。如何なくその実力を発揮しています。
陽光よりも月光を、青空よりも夜空が似合いそうですが。羽ばたく様な浮遊感がそこにもあるのです。

こんな気分の夜には。
特にまだまだその気になれなかった。
月曜日の帰り道なんかには。
夜空を眺めながら。
月光に足を止めながら。
ふと思ってしまうのです。
翼が、せめて羽があれば。
月光に導かれながら。
闇の中に溶け込んでしまえるのに・・・なんて。

羽があれば。
ここではないどこかへ・・・なんて。
月曜日にはね(苦笑)。

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2007/05/20 Sun *眠りの内に / The Who

20070520thekidsarealright


好きなものに囲まれて。
好きなものに包まれて。
好きなものに抱かれて。
ふわふわと。すやすやと。
眠りの内に過ごしましょう。
いい夢を見ながら過ごしましょう。

『Tke Kids Are Alright』'79年リリース。
同名映画のサウンドトラックとしてリリースされたフーの2枚組編集アルバム。
まぁ、先ずは映画(DVD)を観ないと話しにならないかなとは思います。
フーとは、そしてロックとは何か。それを語って余り無い稀代の傑作ドキュメンタリーです。
うん。もし観ても何も感じない人がいたとしたら、たぶん友達にはなれないと思います。
で、勿論ですが音だけでも、このアルバムだけでも充分にフーの凄味が伝わってくるのですが。
とにかく映画に使用されなかったトラックも含めて。正にライブにおけるフーの集大成と言った感があって。
'65年から'78年までの様々なシュチェーションから選りすぐられたその演奏を前にして。
ただただその迫力に、その生々しさに。問答無用の存在感に。快哉を叫ばずにはいられないのです。
そして。結果として唯一無比のドラマー、キース・ムーンの最後の勇姿を留めることとなった、このアルバム。
そのアルバムのジャケットがユニオン・ジャックに包まれて眠るメンバー達であるところが何とも言えず。
心地良い眠りの内に。今では夢幻の如き全盛期のフーの姿が永遠に記憶されたことに感謝したくなるのです。
このジャケットと20Pに及ぶブックレット。やはりアナログ盤で持ってなきゃです。

好きなものに囲まれて。
好きなものに包まれて。
好きなものに抱かれて。
ふわふわと。すやすやと。
眠りの内に過ごしましょう。
いい夢を見ながら過ごしましょう。

眠って。
レコードを聴いて。
眠って。
旨いものを食べて。
眠って。
美味しい酒を飲んで。
眠って。
誰かと安らかな時を過ごして。
眠って。
お気に入りの店で買い物して。
眠って。
気の置けない店で寛いで。

起きてても。
眠っていても。
総ては心地良い眠りの内にある様な。
そんな夢幻の如き週末も偶にはいいものです。

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2007/05/18 Fri *まったく / Mott The Hoople

20070518alltheyoungdudes


まったく。
どいつも。こいつも。
ちっとも変わっちゃいやしねぇ。
相も変わらず。
調子が良くて。馬鹿で。スケベで。
スチャラカで。いい加減で。
でも。
明るくて。元気で。楽しくて。
義理堅くて。生一本で。
まったく。

『All The Young Dudes』'72年リリース。
一度は解散を決めたのに。ひょんなことからデヴィッド・ボウイの支援を受けることになって。
そのボウイ作のタイトル曲をフューチャーしたモット・ザ・フープルの心機一転となった通算5枚目のアルバム。
もともと荒削りなR&Rを演っていたモット・ザ・フープル。それはそれでカッコ良くて魅力的だったのですが。
なかなか廻り合わせが悪かったのか商業的成功には恵まれなかったのですが。
ボウイと言う時代の寵児と出会って。その煌びやかな魔力の一端を手に入れて、我がものとして。
大上段に構えて、大見得を切って、大向うを唸らせる、イアン・ハンターがいよいよ本領を発揮し始めて。
そのハンターをボトムでしっかりと支えながら、タイトなサウンドを叩き出す他のメンバーとの息もピッタリ合って。
荒々しく、力強く。そして禍々しく、華やかに。モット・ザ・フープルならではの光り輝く世界が誕生しています。
思い切り派手に、思い切りハッタリをきかせて。骨太で豪快なR&Rを演ってみせる、いかした野郎どもなのです。

まったく。
どいつも。こいつも。
ちっとも変わっちゃいやしねぇ。
相も変わらず。
一声掛け・・・なくても集まってきて。
何にも言わなくても・・・ちゃんと仕切って。
そう。
知らない振りして。何気ない素振りで。
言いたいことは解ってる。思ってることは通じてる。
まったく。

まったく。
こうなったら。
調子よく、いい加減に。
派手に、ハッタリきかせて。
足並み揃えて。気心揃えて。
ビシッと決めてみせてみようかね。

まったく。
いかした奴等だぜ。

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2007/05/17 Thu *打てば響く / Slade

20070517sladeichiza


顔と顔をつき合わせて。
膝と膝を交えて。
ああでもない。こうでもない。
だから、こうなるでしょ。
でも、こうもやれるでしょ。
その見方はどうなのよ。
角度を変えてみてもいいかもね。

侃々諤々。
丁々発止。
いいねぇ、久し振りだなぁ。
打てば響くこの感じ。

『Stomp Your Hands, Clap Your Feet』'74年リリース。
派手で騒々しくて。ちょっと下世話で。そして何よりポップで親しみ易い、英国の国民的(?)バンド、スレイド。
英国盤の6thアルバム、『Old, New Borrowed And Blue』と同一ジャケットで曲目の異なる米国盤です。
豪快なハード・ロックをベースに。誰でも口ずさめるフレーズを乗せて。ヒット曲を連発していたスレイド。
その全盛期にリリースされたアルバムだけあって。実にエネルギッシュでパワー全開で。
もう相変らず。いや前にも増して。本当に賑やかで。演ってるメンバー達も間違いなく楽しんでるなと。
その楽しげな雰囲気が伝わってくるから。聴いてるほうも楽しくなってくるんだなと。
バンドの丁々発止のやりとりに。ファンが打てば響く様に応えてる。そんな幸福な関係を感じるアルバムです。

顔と顔をつき合わせて。
膝と膝を交えて。
ああしてみよう。こうしてみよう。
だから、こうもってけば。
でも、こっちへもいけるでしょ。
その手法はどうなのよ。
尺度を変えてみてもいいかもね。

侃々諤々。
丁々発止。
いいねぇ、久し振りだなぁ。
打てば響くこの感じ。

賑やかに。
騒々しくも。
歯応えが。
手応えが。
ようやくね。

打てば響くって。
本当にいいよねぇ(笑)。

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2007/05/16 Wed *ゾクゾク / AC/DC

20070516powerage


ビリビリ。
きたぞ、きたぞ。
体に電流が走って。
頭に血が上って。

ビリビリ。
きたか、きたか。
そう、きたか。
そう、でるか。
上等じゃないの。

ビリビリ。
言ってることが違うよね。
口にしたことを忘れたの。
それはそれで。
いたしかたないことも。
ままあるけれど。
限度ってものもあるんだし。
仁義に悖っちゃいけないよな。

ビリビリ。

『Power Age』'78年リリース。
初のアメリカ・ツアー後に録音されたAC/DCの(オーストラリアのみの最初の2枚を除いた)4thアルバム。
イギリスに続いてアメリカへも上陸を果たして。ますます意気軒昂で。少し余裕も出てきたか。
無理に力まずに。ごくごく自然体に近くなったかなと。故にそのシンプルでラフで。意外とクリアで。
そしてなんと言っても。ハードにドライブするそのブギーが迫力満点に聴くものへと迫ってくるのです。
アルバムの構成もなかなか見事で。緩急もあり(と言っても基本的に総てハード・ブギーですけど)。
そして起承転結をも感じさせて。A面からB面へと段々と高揚してきて。最後には思わず叫んでしまうと(笑)。
いや、本当に。ビリビリと電流が走り。そしてゾクゾクと刺激に背筋が震える。そんなAC/DCなのです。

ゾクゾク。
きたぞ、きたぞ。
背筋が刺激に震えて。
口唇に緊張感が漲って。

ゾクゾク。
きたか、きたか。
そう、きたか。
そう、でるか。
上等じゃないの。

ゾクゾク。
言ったこと。
口にしたこと。
違ってるって教えてあげよう。
思い出させてあげよう。
一筋縄じゃいかないけれど。
あの手も。この手も。
大手からも。搦め手からも。

ゾクゾク。

理不尽で。
筋違いで。
仁義に悖って。
そんな。
仁義無き戦い(?)の予感に。
ゾクゾクしたりして。

結構、嫌いじゃなかったりするのです(苦笑)。

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2007/05/15 Tue *あざなえる / Dave Mason

20070515letitflow


よきにつけ。
あしきにつけ。
どっちにしても。
そのままで。
このままで。
どこまでも。
なんてことは。
まぁ、ないんだろう。
なるように。
なるがままに。

『Let It Flow』'77年リリース。
トラフィックのメンバーとしてデビューして。デラニー&ボニー達との交流を経て。
いち早くスワンプ・ロックに目覚めて、大西洋を越えてアメリカへと渡ったデイヴ・メイスン。
年を経るごとに、アルバムを重ねるごとに。すっかりアメリカに馴染んで、溶け込んで。
このアルバムに聴くことの出来る、伸びやかな大らかさはすっかりウエスト・コースト・サウンドで。
なのですが。奏でられるギターのフレーズに、そして渋味のあるヴォーカルの端々に。
ふと、やはりどうしても。出自を思わせるブリティッシュな香りが漂ってしまうのがまたいいかなと。
そして、やはり“異邦人”ならではの。流れる如く、漂う如くの浮遊感があるのが。
その流れるまま加減が、なるがまま加減が。何とも言えず妙に合ってしまって。心地良いのです。

よいことも。
わるいことも。
どっちにしても。
そのままで。
このままで。
どこまでも。
なんてことは。
まぁ、ないんだろう。
なるように。
なるがままに。

あざなえる縄の如し。
いい時もあれば。
悪い時もあるし。
どっちにしても。
長くは続くものじゃない。
なるように。
なるがままに。

まぁ、そんなもんじゃないかと。
慌てずに、急かさずに、とね。

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2007/05/13 Sun *どんな時も / Leroy Carr

20070513bluesbeforesunrise


どんな時も。
どんなに心温まる時間を過ごしても。
どんな安らかなひと時を過ごしても。
どんなに幸福な夜を過ごしても。
心の片隅を過ぎるものがある。
視界の端に浮かぶものがある。
そいつばかりは。
どうしようもない。

『Blues Before Sunrise』'62年リリース。
あの大恐慌時代にもヒット曲を量産していた戦前ブルースに於けるスター、リロイ・カー。
ロバート・ジョンソンにも影響を与えたと言うその洗練された、そして甘くもあるブルース。
そんなカーのやるせない歌声と華麗なピアノが堪能できる'32年~'34年の録音を集めたアルバム。
真夜中にも、そして夜明け前にも。ふとした瞬間に現れて。胸の深いところを捉えて離さないものがある。
なんでもない時に。心の片隅を過ぎり、視界の端に浮かび、消え去らないものがある。
静かに、豊に。耽り、思い。昂ぶり、呆けて。やがて何事も無かった如く、あたりまえの様に染み付いてしまう。
そんなどうしようもなく、そしてどこにでもある。心の動き、襞を。ブルースを鮮やかに描き出しているカー。
そう。ブルースは昔も。今も。どんな時もそこにあるのです。だからこそ時を越えて。
カーの歌声が、ピアノが。今夜も胸に沁みるのです。今夜も明日を生きる糧となるのです。

どんな時よりも。
心温まる時間を過ごしたからこそ。
安らかなひと時を過ごしたからこそ。
幸福な夜を過ごしてたからこそ。
心の片隅を過ぎるものがある。
視界の端に浮かぶものがある。
そいつばからは。
逃れようがない。

どうなるんだろう。
どうしたらいいんだろう。
このままでいられるかな。
このままでいいのかな。

どんな時も。
そんな思いに。
囚われたら。
逃げることはできない。
目を逸らすことはできない。

真夜中過ぎ。
夜明け前。
そんな思いに。
向き合ってみる。
どんな時も。
そんな瞬間こそが。
必要だったりするのです。

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2007/05/12 Sat *できること / Albert King

20070512albertkingbest


できることなんて。
たかがしれている。
そうなんだ。
上手い言葉は言えないし。
上手い方法も思いつかないし。
歌も歌えないし。
ギターも、ピアノも弾いてあげられない。
そうなんだ。
できることなんて。
ただただ。
一緒の時間を過ごす・・・それだけなんだ。

『I'll Play The Blues For You』'88年リリース。
アルバート・キングの'60年代半ば~'70年代半ばのスタックスへの録音から選曲された編集盤。
スタックス在籍以前も以後もそれなりの活躍をしていたアルバートですが。
なんと言っても、なには無くても。先ずはスタックス時代こそがその魅力が爆発した時期だったと。
このサザン・ソウルの総本山とも言うべきレーベルとはよほど水が合ったのか。実に生き生きしています。
多彩なフレーズを奏でるわけでなく、早弾きが出来るわけでもなく。でも、だからこそのアルバート。
かなり変則的な低いチューニングが生み出す大胆なチョーキングと親指弾き故かの生々しいタッチ。
そこから生み出される味わい深く感情豊なフレーズが咽び泣き、唸りを上げる・・・痺れてしまいます。
そして何気に少し籠った感じのするその歌声もギターに負けず劣らず魅力的だったりするのです。
「Born Under A Bad sign」「Crosscut Saw」等々、どれも素晴しいのですが、今夜はタイトル曲が沁みるかな・・・

できることなんて。
たかがしれている。
そうなんだ。
気の利いた台詞なんて言えないし。
洒落た気の使い方なんて思いつかないし。
心を打つ歌声も出てこないし。
思いを伝えるフレーズも奏でられない。
そうなんだ。
できることなんて。
ただただ。
ここにいることだけ・・・それだけなんだ。

できること。
辛い時、悲しい時、怒ってる時。
それを、その思いを。
一緒に、ここで聞くこと、受止めること。
嬉しい時、楽しい時、喜んでいる時。
一緒に、ここで聞くこと、解き放つこと。
できることは・・・それだけなんだ。

できること。
受止めて。解き放って。
穏かでいられる様に。安らかでいられる様に。
ここで。貴女の為に。
心の中で歌い、奏で続ける。
今も、これからも。ずっとね。

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2007/05/11 Fri *真夜中過ぎ / Robert Cray

20070511midnightstroll


こちら側からむこう側へ。
今日から明日へ。
渡る為に。
越えていく為に。
ちょいとばかし。
気合が必要な時もある。
けじめが必要な時もある。
心を残さぬようにと。
引き摺られぬようにと。
その為に相応しい時がある。

『Midnight Stroll』'90年リリース。
もう充分にベテランながら、何故かまだまだ若手ブルース・マン的な印象が強いロバート・クレイ。
そんなクレイのキャリアの中でも最も脂が乗っていたかなと思えるマーキュリー時代の3枚目のアルバム。
世代的にも出自的にも旧来のブルース・マン達と異なっていることが善しにつけ悪しきにつけ個性となっていて。
ブルースも、ソウルも。そしてロックも自らの中で何の違和感も無く消化して調和させてきたのかなと。
このアルバムではそんなクレイの個性が思う存分生かされていて。あぁ、これがクレイのブルースなんだと。
メンフィス・ホーンズの参加も、よりソウルフルになったその歌声も。総てが自然に感じられて。
その自然であるが故にダイレクトに伝わってくるクレイの熱さが爽快で心地良いのです。
個人的に初めてこのアルバムを耳にしたのが真夜中のロック・バーの片隅だったからかもしれませんが。
耳にするといつも真夜中過ぎのある時間帯にだけある、ある種の熱気とその後に来る涼風が感じられるのです。

こちら側からむこう側へ。
今日から明日へ。
渡る為に。
越えていく為に。
残してきたものも。
やってくるであろうものも。
再び出会うその時までは。
確かに目にするその時までは。
今はただただ身を熱気の中に置いて。
今はただただ心を涼風の中に晒して。

週末へ。
私へ。
その為に。
相応しい時。
真夜中過ぎ。
熱気の中を。
涼風の中を。
暫しぶらぶらと。
そぞろ歩いてみる。

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2007/05/10 Thu *死んでも / George Thorogood & The Destroyers

20070510borntobebad


ここ数日の。
妙な陽気に。
やられたわけ・・・
ではなくて。
またぞろ。
ムクムク。ワクワク。
妖しいね。
企んでるね。
いやいや。
そんなことは・・・
あるけどね。

『Born To Be Bad』'88年リリース。
ボストン出身のR&R野郎、ジョージ・サラグッド。いつもの盟友デストロイヤーズを従えて。
このアルバムでもゴリゴリ、ゴツゴツとブギーなR&Rをこれでもかと演っています。
確かストーンズのツアーでオープニング・アクトに起用された時期もあったと思いますが。
(ミック・ジャガーと共演した音源が海賊盤で流通してた様な記憶があるのですが)
確かに初期のストーンズに通じると言うか、そのまんまなナンバーもあったりして。
あの辺が好きな人には堪らないと言うか、妙にツボにはまったりします。いやなかなか良いです。
しかし、サラグッドの場合はデビューしてから終始一貫、これだけで。殆ど変わらなかったりして。
そこがストーンズとの大きな違いです。まぁ、これしか演れない・・・これしか演りたくなかったのでしょう。
デビューして10年経っても。チャック・ベリー、ハウリン・ウルフ、エルモア・ジェイムス、ハンク・スノウ・・・
このアルバムでカヴァーしている面子を並べただけで思わず笑みが毀れてしまう、徹底振りです。
アルバム・タイトルほどワルでは無いけれど。死んでも治らなそうなR&R馬鹿、サラグッド。結構好きです(笑)。

ここ数日の。
妙な陽気に。
やられるわけ・・・
なんかなくて。
またぞろ。
ムクムク。ワクワク。
妖しいね。
企んでるね。
いやいや。
そんなことは・・・
あるけどね。

あんなことや。
こんなことも。
心の中に湧き起り。
頭の中に描かれて。
またぞろ。
餌を撒いてみようかな。
火種を起こしてみようかな。
危ない橋を渡ってみようかな。

わかっちゃいるけどね。
こいつばっかりはね。
死んでも治らないな。

スリルを求めて。
あっちへフラフラ。
こっちへフラフラ。
好きなんだな(笑)。

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2007/05/09 Wed *手札 / J.Geils Band

20070509livefullhouse


まだまだ。
そう簡単に。
総てを晒すわけにはいかない。
さりとて。
何も示さないわけにもいかない。
見透かされぬ様に。
侮られぬ程度に。
何かあるぞと思わせながら。
思わせ振りに。小出しに。
手札を確認しながら。
時を、機を、逃さぬ様に。

『Live Full House』'72年リリース。
深いR&Bへの傾倒と、潔いR&R馬鹿振りの自然な同居が断然カッコ良かったJ.ガイルズ・バンド。
ラフでタイトで。何よりエモーショナルなステージが目の前に浮かぶ、3rdアルバムにして初のライブ・アルバム。
前2作のスタジオ録音アルバムではその魅力が充分には伝わらないと判断したJ.ガイルズ・バンド。
(いや、充分にカッコ良くて魅力に溢れてると思うのですが・・・そりゃライブは格別ですが)
定評のあったライブでのパワーをそのまま詰め込んで出してしまえと。早くも切札を切ってみせたのでした。
とにかく。キレもコクもあるリズムをバックにして。ブルージーにファンキーにブイブイ吹きまくるマジック・ディック。
マジックとはよく言ったもので。この人のブルース・ハープは聴く者の血沸き肉踊らせる魔力があります。
そしてピーター・ウルフ。巻き舌のMCで煽って煽って、あのしゃがれ声で歌いだす瞬間に痺れてしまいます。
粋で鯔背で気っ風が良くて。なかなかここまで揃って男前なライブ・アルバムもあるものではありません。
尤もあまりに早く手の内を見せて。手札を、ライブ・アルバムと言う切札を切ってしまったが為に。
それ以上の評価をスタジオ録音アルバムで得ることが出来なかったのですが・・・それもらしくていいかなと。

まだまだ。
そう簡単に。
総てを晒すわけにはいかない。
そちらも。
まだまだ一端しか見せてはいないから。
気づかれぬ様に。
見抜かれぬ程度に。
気にも留めてないと思わせながら。
鎌をかけて。顔色を窺って。
手札を推測しながら。
時を、機を、逃さぬ様に。

さぁ、どこで。
さぁ、いつ。
手の内を見せて。
手札を切って。
勝負に出るか。
焦らずに、躊躇わずにね。

その前に。
手の内の手札が。
本当に切札になるかも見極めないとね。

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2007/05/08 Tue *痕跡 / Eric Clapton

20070508ecwashere


確かに。
そこにいて。
そこである時を。
共に過ごして。
そこである道を。
共に歩いて。
そこである扉を。
共に開いて。
確かに。
その時、その道に、その扉の前に。
共にいたのだ。
でも。
その痕跡なんて。
消えてしまっていると。
そう思っていたのだけど。

『E.C. Was Here』'75年リリース。
'74年と'75年に行われたツアーから選曲されてリリースされたエリック・クラプトンのライブ・アルバム。
『461 Ocean Boulevard』でカムバックして。伸びやかなサウンドで新境地を開拓したクラプトン。
デレク&ドミノス以来の盟友、カール・レイドルが中心となって集めてきたメンバーとの息もぴったり合って。
タルサ・トップスとも名乗っていたそのメンバーと共に。ステージでは気合の入ったライブを展開していました。
確かにギター・ヒーローとしての自分に馴染めず、自らの在り方を、進む道を新たに求めたクラプトンですが。
そもそも。ブルースに魅せられて。心の命ずるままにギターを弾いてきたクラプトンですから。
ジョージ・テリーの溌剌としたギター、そしてイヴォンヌ・エリマンの艶のある歌声にも大いに刺激されて。
思い切り心を開いて。バンドと一体となって伸びやかで熱いギターを存分に聴かせてくれています。
今のクラプトンがこの時代をどう捉えているか解りませんが。ここに遺された熱い痕跡は今も輝いています。

確かに。
そこにいた。
そこである時を。
共に過ごした。
そこである道を。
共に歩いた。
そこである扉を。
共に開けた。
それだけは。
その時、その道に、その扉の前に。
共にいたことだけは。
確かだけれど。
でも。
それだけのことで。
それだけにしかすぎないことで。
それだけの痕跡など。
遺りはしないと。
そう思っていたのだけど。

自分の憶えとは。
自分の思いとは。
異なる形で。
異なる深さで。
遺っている痕跡に。
戸惑いながらも。
触れてみたくなる。
擦ってみたくなる。

その痕跡に。

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2007/05/06 Sun *何も / Blind Faith

20070506blindfaith


何も。
おきなくても。
何も。
動かなくても。
何も。
しなくても。
何も。
語られなくても。
そう。
何も。

『Blind Faith』'69年リリース。
元クリームのエリック・クラプトンとジンジャー・ベイカーに。
元トラフィックのスティーヴ・ウィンウッドに元ファミリーのリック・グレッチ。
錚々たる面子が集ったスーパー・グループの1stアルバムにして唯一のアルバム。
周囲の期待に反して(邦題は『スーパー・ジャイアンツ』・・・宇津井健かよ)地味で渋いサウンド。
まぁ、トラフィックからの流れで言えばありなのですが。クリームとのギャップは大きいかなと。
そのせいかあまり評価は芳しくは無かった様です。その後のクラプトンを思えばやっぱりありなんですけど。
しかしそれにしても。当時はクラプトンもウィンウッドも20代ですから。それでこの渋さは尋常ではないと。
共に若くして。好まぬままに天才ともて囃され、翻弄された2人が求めた世界がここにあります。
バンド名が示す如く、盲目的に信じられるものを己が心の内に求め、探しているのです。
クラプトンの「Presence Of The Road」、ウィンウッドの「Can't Find My Way Home」・・・
何でもなく。何もなく。心の求めところを、心の安らぐところを。ただただ紡ぎ出そうとする美しさがあるのです。

何も。
おこさなくていい。
何も。
動かさなくていい。
何も。
しなくていい。
何も。
語られなくていい。
そう。
何も。

ただ。
求めるままに。
ただ。
安らぐままに。
何でもなく。
何もなく。
そう。
何も。
疑うことの無い。
この一瞬。この一時。
それだけでいい。

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2007/05/05 Sat *こんな夜に / Ron Wood

20070505nowlook


こんな夜に。
昼間の熱気が残っている。
昼間の温もりが思い出される。
こんな夜更けは。
このままでは眠れそうも無い。

こんな夜に。
昼間の熱気を冷まして。
昼間の温もりを呼び覚まして。
こんな夜更けは。
このままもう少しこのままで。

『Now Look』'75年リリース。
サポート・メンバーとしてローリング・ストーンズのツアーに参加したロン・ウッド。
プロモーション効果を狙ってか、その全米ツアー中にリリースされた2ndソロ・アルバム。
ボビー・ウォマックが曲作りや制作にも参加して、全面的にロンをバック・アップしています。
元々ロンのギターは実にこう、リズム隊と一体になって粘っこく弾ける様な魅力があって。
その魅力がボビーのセンスと相まって。何とも心地の良いソウルフルなサウンドを聴かせてくれます。
曲によって昂ぶらされたり、安らぎを与えられたり。本当に緩急自在で。御機嫌な夜を過ごさせてくれます。
かっての盟友ロッド・スチュワートも後にカヴァーする「Big Bayou」での跳ねっぷりから、
後にセルフ・カヴァーする哀感溢れる「Breath On Me」への流れなんて、何度聴いてもゾクゾクします。

こんな夜に。
いつもと変わらない。
気の置けない空気があって。
いつもと変わらない。
酒と肴が迎えてくれる。

こんな夜に。
いつもと変わらない。
安らげるカウンターに腰掛けて。
いつもと変わらない。
想いで誰かを待っている。

こんな夜に。
いつもと変わらない。
足音が聞こえて。
扉が開いて。
貴女の笑顔が現れる。

こんな夜に。
いつもと変わらない。
温もりに包まれながら。
少し昂ぶって。とても安らいで。
こんな緩急自在で御機嫌な。
こんな夜更けが好きなんだ。

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2007/05/03 Thu *ただそれだけ / The Rolling Stones

20070503stickyfingers_1


ただそれだけ。
心の趣くまま。
心の命ずるまま。

ただそれだけに。
誘われて。
導かれて。

ただそれだけを。
手に入れて。
共にあって。

ただそれだけで。
歩めたら。
いられたら。

『Sticky Fingers』'71年リリース。
自らのレーベルからの第一弾となった、ローリング・ストーンズのアルバム。
冒頭のキースのギターを、「Brown Sugar」のそのイントロを耳にしただけで。
それだけで、ストーンズを好きで良かったと。そう思わせてしまう有無を言わせぬ説得力。
とにかくアルバム全体を通して、新たな時代の扉を開いて歩み始めたストーンズの姿に。
その溌剌として、自信と確信に満ち溢れた姿に。ただただ聴き惚れてしまうのです。
奇を衒うわけではなく。目先を変えるわけでもなく。ただただ深化していくその世界。
ミック・テイラーという新しい血を導入して。その血の流れを取り込んで。
『Beggars Banquet』で原点回帰して。そこから再び築き始めた世界をより強固にしています。
「Sway」「Wild Horses」「Can't You Hear Me Knocking」「Bitch」「Dead Flowers」・・・
これだけのナンバーがここに存在している。それでけでいいと。そうそれだけでいいと思ってしまいます。
そしてメンフィス・ソウルな「I Got The Blues」が今夜辺り、殊更に胸に沁みたりもするのです。
情感に溢れ、詩情に満ちたこのナンバー。ただそれだけなのですが。ただそれだけがいいのです。

ただそれだけ。
心の趣くまま。
心の命ずるまま。

ただそれだけに。
誘われて。
導かれて。

ただそれだけを。
手に入れて。
共にあって。

ただそれだけで。
歩めたら。
いられたら。

心のままに。
思いのままに。
好きなことを。
好きな人達と。
好きな場所で。
好きな時間を。

ただそれだけが。
いいのだと。
ただそれだけで。
いいのだと。

ただそれだけの。
得難さと。
有難さが。
胸に沁みるのです。

ただそれだけ。
簡単な様でいて。
とても難しいことだから。

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2007/05/02 Wed *自作自演 / Chris Farlowe

20070502chrisgreatesthits


自分で構想を考えて。
自分で筋書きを書いて。
後は演じるだけだけど。
総てを自分でやるには。
手間も掛かるし。時間も足りないし。
誰かを育てようと思ったら。
演じさせることで。
考えさせて。覚えさせて。
そうなんだけど。
物足りなくもあり。不安でもあり。

『Greatest Hits』'77年リリース。
熱く、そして黒いブリティッシュ・ホワイト・シンガー、クリス・ファーロウ。
その絶頂期たる'60年代のイミディエイト時代の音源から編集されたアルバムです。
ご存知の様に燻っていたファーロウに目を掛けたのがあのミック・ジャガーで。
ミックの推薦でアンドリュー・ルーグ・オールダムのレーベル、イミディエイトに移籍して。
ミックのプロデュースによる「Out Of Time」をリリースしたら英国1位を獲得してブレイクして。
以後も数々のストーンズのカヴァーをヒットさせて人気を集めていました。
とにかくTVショーで共演したエリックバードンと堂々と渡り合って。
そればかりか、サム&デイヴやオーティス・レディングを前にしても臆することなく歌い上げていたファーロウ。
その本当に何故ここまでと思ってしまう、黒い、黒すぎる歌声に圧倒されてしまいます。
ただ、このアルバムでも全12曲中の半数である6曲がストーンズ・ナンバーだったりします。
その他もソウル・ナンバーのカヴァーだったりして。勿論シンガーとしての魅力は存分に発揮されているのですが。
例えばストーンズ・ナンバーはそれこそオリジナルが有名すぎるだけに。どうしても比較してしまって。
自作自演で、オリジナルで勝負していればどうだったかと。それだけが物足りなく感じてしまうかなと。

自分で考えた構想を。
自分で書いた筋書きを。
後は演じてみなさいと。
総てを自分でやるよりは。
手間も省けるし。余裕も出来るし。
誰かが育ってくれたならと。
演じることで。
考えて。覚えて。
そうしたけれど。
物足りなくもあり。不安でもあり。

演じる姿を見て。
物足りなくて。
反応を確かめて。
不安が高まって。

自作自演が良かったかなと。
でも。
いつまでもそれじゃ駄目なんだけどね・・・

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2007/05/01 Tue *同舟 / Taste

20070501ontheboards


好むと好まざると。
選んだのであろうと。
選ばれたのであろうと。
同じ舟に乗ってしまったからには。
ジタバタしてもしかたが無い。
クヨクヨしてもしかたが無い。
向こう岸に向わなきゃね。
向こう岸に辿りつかなきゃね。

『On The Boards』'70年リリース。
アイルランド出身のロリー・ギャラガーが率いていたスリー・ピースのバンド、テイストの2ndアルバム。
ハード・ロックやジャズを思わせるナンバーがあったりと。ブルース・ロックの枠に収まりきらないサウンド。
ギターだけではなくて。サックスやブルース・ハープもプレイして。自らの世界を広げていくロリーです。
総てのナンバーがロリーのオリジナルでもあって。後のソロとしての活動の基盤ともなったかなと。
逆に言えば。もはやバンドとして名乗る必要は無くて。ロリーとバック・バンドと化してしまったのですが。
元々、メジャー・デビュー、イギリス進出を睨んでのメンバー・チェンジで加入したリズム・セクションでしたので。
ロリーの色が濃くなっていく、ロリーの舵取りで進んでいく。その過程で同じ舟に乗っていられなくなったかなと。
解らなくも無いのですが。解散後にリリースされたライブ盤での一体となった熱い演奏は捨て難かったりして。
もう暫くは呉越同舟でも。この面子で続けていても良かったのではなんて思ったりしなくもありません。
まぁ、それでもソロになってからのロリーの飛躍を思えば、ここまでだったかなとも思えますし・・・

好むと好まざると。
選んだのであろうと。
選ばれたのであろうと。
同じ舟に乗ってしまったからには。
とにもかくにも進むしかない。
とにもかくにも漕ぐしかない。
向わなきゃ始らない。
辿りつかなきゃ解らない。

曲がったと思えば。
変更すればいい。
迷ったと思えば。
相談すればいい。
さぁ。
頑張っていきまっしょい(笑)。

同舟。
板子一枚下は・・・
なんて今は考えないでおこう(苦笑)。

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