2007/10/24 Wed *スイッチ / Nilsson
カチッと。
音が鳴って。
スイッチが入ってしまった。
不意に。
突然に。
何の前触れも無く。
こうなったら。
どうしようもない。
周りの何もかもが遠のいていく。
色を。匂いを。
意味を。想いを。
失っていく。
『Pussy Cats』'74年リリース。
ジャケットからも解るようにジョン・レノンがプロデュースしたニルソンのアルバム。
選曲からサウンド。そしてヴォーカルまで。ジョンの影響、匂いが濃厚で。ある意味で共作とも言えるかと。
参加メンバーもリンゴ・スターやキース・ムーン、クラウス・ブアマン、そしてジェシ・エド・ディヴィスと。
同時期に制作されたジョンの『Walls And Bridges』や『Rock 'N' Roll』の義兄弟の様なアルバムなのではと。
まぁ、ジョンが自分の好みの曲をファンだったと言うニルソンに歌わせたかった・・・それだけだったりもして。
あの“失われた週末”の仲間だったニルソン相手だから出来たのだろうけど。やはり傍若無人でもあって。
ニルソンの歌声は時に穏かで優しげではあるのですが。滲み出る何とも言えない狂気は隠しようも無く。
スイッチが入ってしまったジョンは。いつもの様に唯我独尊で暴走気味で。他の事は我関せずで。好き放題。
だからこそのジョンであり。他人のアルバムでそれをやってしまうジョンも。応えてしまうニルソンも。
そんな2人の入りっぱなしの世界も大好きなのです。特に自分の中のスイッチが入ってしまった時にはね。
カチッと。
音が鳴って。
スイッチが入ってしまったら。
誰にも。
何にも。
何も感じなくなってしまう。
こうなったら。
どうしようもない。
自分だけの。
色が。匂いが。
意味が。想いが。
現実となる。
そして。
問題は。
再び。
カチッと。
音が鳴って。
スイッチが切れるまでの。
その間が。
自分独りの世界こそが。
一番居心地がいいことなんだな。
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