2008/01/22 Tue *愛し方が / Janis Joplin
愛し方が。
解らない。
そうだよ。
好きなんだ。
多分ね。
ここにいることも。
ここで話していることも。
ここで過ごしていることも。
あなたも。あなたも。誰かも。
この。いまここにある。
世界のことがね。
でも。
愛し方が。
解らない。
解らなくなることがあるんだ。
『I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again』'69年リリース。
新たにコズミック・ブルース・バンドを率いて制作されたジャニス・ジョプリンのアルバム。
盟友だったビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーと別れてまでも演りたかったこと。
それはそのステージをかぶりつきで観るほど憧れていたオーティス・レディングの様に歌うことだったのか。
ホーンズを大胆に導入して。ジャニスにしてはやや抑え気味に。それでも熱く、情感たっぷりに歌い上げて。
確かに。綺麗に纏りすぎているきらいもあって。そして。スタックス・サウンドのベタなコピーと感じられたりも。
それでも。ジャニスの。あの歌声が聴こえてくれば。その想いが溢れてくれば。もうそれだけで。
やはり。胸の奥の何かを掴まれてしまって。揺さぶられてしまって。落着いてはいられなくなってしまいます。
なぜ、なぜ。ジャニスの声はこうも不安にさせるのだろう。こうも無防備にさせるのだろう。
震えていることは。慄いていることは。傷口が乾いていないことは。見たくないのに。知られたくないのに。
何万人のも観衆に愛されながら、愛され方が解らなかった。誰かを求めながら。誰かの愛し方が解らなかった。
そんなジャニスだから歌えた。そんなジャニスにしか歌えなかった。その何かが自分を捕らえて放さないのです。
ビー・ジーズの「To Love Somebody」(沢田研二、ジュリーも久し振りにライブで歌っていました)から、
自伝的な「Kozmic Blues」、そしてニーナ・シモンの「Little Blue」へと続くB面が特にね。身を切られる様です。
愛され方が。
解らない。
そうなんだ。
好でいてくれるんだ。
嘘じゃないんだ。
ここにいることを。
ここで話していることを。
ここで過ごしていることを。
あなたも。あなたも。誰かも。
この。いまここにある。
世界が受入れてくれてるんだ。
でも。
愛され方が。
解らない。
解らなくなることがあるんだ。
上手く。
距離感が保てなくて。
触れられないんだ。
乗り越えられないんだ。
震えが止まらないんだ。
傷口が乾いてくれないんだ。
それでも。
それでも、ね。
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