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2008年3月

2008/03/07 Fri *裏通りを / Robert Palmer

20080307throughthealley


裏通りを。
駆け抜けて。
路地を右へ左へ。
追ってくる何者かの。
足音から。
逃れて。
誰も知らないところへ。
逃れてしまおうか。

『Sneakin' Sally Through The Alley』'74年リリース。
ニューオーリンズに乗り込んでミーターズのメンバー、そしてローウェル・ジョージを迎えて。
自らの求めるままに。自らの望むままに。そんな環境で制作されたロバート・パーマーの1stアルバム。
元々はイギリスのデラニー&ボニー(?)、ヴィネーガー・ジョーで歌っていたパーマーですから。
アメリカ南部への憧憬はあった訳ですが。ソロになって。いよいよその想いが募りに募って。
当初はニューヨークで制作していたにも関わらず。飽き足らずとうとう本場に乗り込んでしまったと。
その貪欲さがいいなと。好きなものは好きと。とことん突き詰める姿勢が実に心地良いサウンドを生んでいます。
また。そこまでしながら。ズブズブにはならずに。少し距離がある。どこか浮遊感が漂っているのも魅力的で。
その辺りは正にローウェル・ジョージが率いていたリトル・フィートと会い通じるところかなとも思います。
何にしろ。ジャケットの如く。求めるままに。望むままに。駆け抜けてしまったパーマーの歌声が実に痛快です。

裏通りを。
駆け抜けて。
路地を右へ左へ。
追ってくる何者かの。
足音から。
逃れて。
誰も知らないところへ。
逃れてしまおうか。

求めるままに。望むままに。
何と言われようと。
何を言われようと。
構わないから。
構いはしないから。
とことん突き詰めて。
駆け抜けて。
逃れてしまおうか。

それは見果てぬ夢。
それは届かなかった憧れ。
それは・・・
胸のうちに秘めたままで。
それでいい。

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2008/03/04 Tue *三人 / Beck, Bogert & Appice

20080304bba


三人。
微妙。
絶妙。

丸くは収まらない。
どこかとんがってて。
どここ歪があって。

それでも。
自然に。
立ち位置が決まって。
演じる役柄も決まって。
お互いとお互いの。
間に。
風が吹き始めれば。
あっ・・・

『Beck,Bogert & Appice』'73年リリース。
ベック、ボガート&アピスの1stにして唯一のスタジオ・アルバム。
念願かなってティム・ボガート、カーマイン・アピスと組むことが叶ったジェフ・ベック。
ベックが猫(だったかな?)を避けようとして交通事故を起こしていなければもっと前に実現していたはずでした。
まぁ、でもそのブランクのお陰で。あの第二期ジェフ・ベック・グループとカクタスが存在したわけですから。
それはそれで良かったのかなと。結果的にはこうして無事合流を果たした訳ですからね。
自らが望んだ最強のリズム隊と組んだベック。実に伸び伸びと水を得たが如く弾きまくっていますが。
ボガートとアピスもガンガンと自己主張していますので。リード奏者が3人いる様な展開になったりして。
それでもギリギリのラインでバラバラにならないのは。お互いがお互いを認めた上での絶妙な連携かなと。
楽曲も提供しているプロデューサー、ドン・ニックスの手腕によるところも勿論あったでしょうし。
そのニックスの「Sweet Sweet Surrender」とかインプレッションズの「I'm So Proud」とかに顕著に表れた。
ベックの米国南部への、ソウルへの憧憬と接近。それが若干このトリオの焦点を暈してしまったかなとも。
それはそれで凄く好きなんですけどね。ひたすらハードなベック、ボガート&アピスも聴いてみたかったかな。

三人。
微妙。
絶妙。

丸くは収まらない。
どこかとんがってて。
どここ歪があって。

それでも。
自然に。
立場が違っても。
役割が異なっていても。
お互いとお互いの。
間に。
想いが漂い始めれば。
あっ・・・

一緒に歩いている様で。
目を離すと歩調が乱れてしまう二人とも。
別々に歩いているようで。
気づくと我先にとぶつかり合ってる二人とも。
お互いとお互いの。
間に。
何かが生まれる三人になれればいいなと。

三人が。
三本の矢となり。
三叉の槍となれれば。
いいなと思うのです。

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2008/03/01 Sat *賽の目 / Bad Company

20080301straightshooter


どっちへ転ぶか。
どこへ行くのか。
それは。
そう。
賽の目しだい。
そんなもの。

いま、この時。
ここにいるのも。
今夜、こうして。
このカウンターで。
気の置けない時を過ごして。
心安らいでいられるのも。
振ってきた。出てきた。
賽の目の結果。
そんなもの。

『Straight Shooter』'75年リリース。
ヒプノシスによるジャケットが印象的なバッド・カンパニーの2ndアルバム。
何故か昔からこのジャケットが好きで。そのせいもあってか1stアルバムに次いで針を落とす機会は多いかも。
フリーやモット・ザ・フープルの影も色濃かったその1stアルバムと比較すると吹っ切れた感もあって。
それがスケールの大きさと言うか大らかさを感じさせたりもします。尤もそれがやや大味で薄味になりかけたりも。
それをピリッと引き締めているのが勿論、ポール・ロジャースの歌声です。ソウルフルでブルージィーで。
そして。その歌声には何とも表現しがたいのですが。ブリティッシュ・ロックの矜持の様なものが宿っているなと。
フリーがアメリカでは商業的には成功しなかっただけに。期するところもあったであろうロジャース。
その為にはアメリカン・ロックにも通じる前述した様なスケールの大きさや大らかさが必要だったと思うのですが。
それは危険な賭けでもあったはずで。その賭けを成功に導いたのが。譲れない一線を守り抜いたのが。
ロジャースの歌声だったのではないかと。骨太い筋を一本ビシッと通しているその歌声に痺れるのです。

どっちへ転ぶか。
どこへ行くのか。
それは。
そう。
賽の目しだい。
そんなもの。

いま、この時。
ここでこうしていても。
明日も、明後日も。
このカウンターで。
気の置けない時を過ごせるか。
心安らいでいられるかも。
振られる。出てくる。
賽の目の結果。
そんなもの。

そんなもの。
それでいい。
譲れないものは。
守りたいものは。
はっきりしてるから。
それでいい。

尤も。
譲れない。
守りたい。
そんな貴女の。
掌の上で。
転がっている賽の目は。
とっても気になるけれど(笑)。

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2008/02/29 Fri *天邪鬼 / Neil Young

20080229shockingpinks


天邪鬼だから。

一応は人並みに。
熱い心も持ってるから。
皆で頑張ろうとか。
一つの夢に向ってとか。
嫌いではなかったり。
時には。
旗振ったり。お尻叩いたり。
もするけれど。

皆が皆。
同じ顔してたり。
自分の言葉に泥酔してたり。
誰かの言葉を盲信してたり。
解ってるくせにおもねてたり。

やれやれ。
外れていよう。
端から見ていよう。
ちょっと。
茶化してやろう。

天邪鬼だから。

『Everybody's Rockin'』'83年リリース。
ロック界きっての天邪鬼、ニール・ヤングのゲフィン・レーベル移籍後2枚目のアルバム。
ジャケットのいでたちからもわかる様に。ロカビリーやロックン・ロールに真正直に取組んだアルバム。
コンセプトに合わせたか。30分にも満たない収録時間で。珍しくカヴァーを4曲も演ってたりします。
オリジナルも総て見事にロカビリー調で。実に楽しそうで。愛情にも溢れていて。聴く方も楽しいのですが。
何でニールがこれを演るの?なぜこの時期に?と言う疑問は当然あるわけで。で、その理由がニールらしく。
移籍して最初のアルバムでテクノ・ポップに取組んだら評判があまりにも悪くて(当然と言えば当然ですが)。
で、反動からカントリー・アルバムを作ったらレーベル側から難色を示されて。だったらこれでどうだとばかりに。
ご丁寧にも。如何にもなショッキング・ピンクスなるバンド名まで考えてこのアルバムを作ってしまったと。
何せ過去には。あの『Hervest』の後に“メジャーになりすぎるのは居心地が悪い”とかの理由で。
その次のアルバムを全曲新曲のライブ・アルバム『Time Fades Away』にしてしまったニールですから。
その反骨の精神。天邪鬼振りは筋金入りです。だからこそニールは信頼できるし、好きなんですけどね。
でも。スリム・ハーポの「Rainin' In My Heart」を。あのお気楽さ加減までカヴァーして歌われると。
わざと売れないアルバムばかり作ったとニールを訴えたゲフィン・レーベルの気持も解らなくもないかな(苦笑)。

天邪鬼だから。

一応は人並みに。
心が弱くなる時もあるから。
皆と一緒にいたいとか。
同じものを見ていたいとか。
思わないでもないけれど。
時には。
旗の下に立ってみたり。
もするけれど。

皆が皆。
同じ目をしてたり。
自分の言葉を失っていたり。
誰かの言葉を鵜呑みにしていたり。
解ってるくせに知らぬ顔を決め込んだり。

やれやれ。
呑み込まれないでいよう。
自分の足で立っていよう。
ちょっと。
一刺ししてやろう。

心が震える夜もある。
心が揺らぐ夜もある。
でも。
そんな夜こそ強がろう。
そんな夜こそ立ち向かおう。

天邪鬼だから。
そんな夜こそ心地良い(笑)。

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2008/02/28 Thu *ならず者の恋 / Linda Ronstadt

20080228lindagreatest


ならず者。
なんて。
格好良くは無くて。

要は。
まともじゃないし。
真っ当な道を歩いてもいない。
どうしてもはみ出してしまう。
まともになれない。
真直ぐ歩けない。
皆と一緒でいられない。

解ってる。
そんな言い訳を口にするところが。
ならず者なんだって。

『Greeatest Hits』'76年リリース。
改めていい曲を歌ってるなと。しみじみ感じてしまったリンダ・ロンシュタットの編集アルバム。
このアルバムがリリースされた当時、雑誌でもやたらとその姿を目にしたし、ラジオでも耳にしました。
その頃は特に惹かれることも無かったのですが。でもなんとなく気になる存在ではありました。
何しろまだまだ女性ロック・シンガーなんて珍しかったので。その派手な顔立ちとか奔放な行動が、ね。
でもそこまでだったのですが。なにしろハード・ロックからストーンズでパンクでしたから(苦笑)。
(このアルバムの翌年に「Tumbling Dice」をカヴァーして。ミックと浮名を流したりもしていましたが)
最近になって。この歳になって。やっとその歌声の良さが解ったりして。艶っぽくて包容力もあって、と。
そう思ってジャケットを見ると。やっぱりいい女だよなぁとか(笑)。いや、本当に。いいですよね。
収められているのは殆どがカヴァーで。ベタと言えばベタですが。そのセンスがまた良くて。
特に「Desperado(ならず者)」がね。イーグルスとはまた違った良さがあって。いや、本当に。いいんですよ。
この瞳に見つめられて。この声に包まれて。そのまま深い眠りに落ちることが出来たら幸せだろうなと(笑)。

ならず者。
なんて。
いい加減でだらしなくて。

要は。
強がってるだけで。
一人でなんていられないから。
あっちでふらふら。こっちでふらふら。
まともじゃないから。
落着くなんて考えられない。
誰かと一緒じゃないといられない。

解ってる。
そんな言い訳を言い聞かせてるところが。
ならず者なんだって。

そんな。
ならず者を。
いつも。
見つめてくれている瞳に。
いつも。
包んでいてくれる声に。
いつも。
抱いていてくれる腕に。
たぶん。
初めての恋をして。
たぶん。
最後の恋をしている。

それが。
ならず者の恋。

甘い・・・けれど・・・

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2008/02/26 Tue *真夜中から / Marvin Gaye

20080226midnightlove


真夜中から。
再び。
ここから。
再び。
動き始めるもの。
転がり始めるもの。
そう。
今夜。ここで。交わされた。
小さな囁きが。
ささやかな誓いが。
明日を変えていく。

『Mindnight Love』'82年リリース。
契約問題、離婚訴訟、自らの奇行。再起不能とも思われていたマーヴィン・ゲイ。
そんなマーヴィンが隠遁先のベルギーで殆ど総てを1人で創り上げたアルバム。
シンセサイザーを駆使して。打ち込みを多用して。モータウン時代とは明らかに異なるサウンド。
それは確かにチープだったりするのですが。多くの柵から解き放たれたマーヴィンの心情。
その心情が反映されてか。アルバム全編を通して実に明るかったりします。
何よりも。マーヴィンが。明るく、そしてしなやかに。実に伸び伸びと歌っているのが。実に心地良く。
大ヒットした「Sexual Healing」なんて。いや。背筋がゾクゾクっと震えてしまいます。
明らかに。ここから。再び動き出したマーヴィンが生み出したものが。新たな世界を築こうとしています。
残念ながら。悲劇的最後によって。その新しい世界が完成されることは無かったのですが。
それでも。ここに記された。そのマーヴィンの一歩の。その足跡の輝きは消え去ることは無いのです。

真夜中から。
再び。
ここから。
再び。
動き始めた想い。
転がり始めた想い。
そう。
今夜。ここで。交わされた。
熱い囁きが。
確かな誓いが。
明日を変えていく。

新しい世界を築く。
明日を。
その日を。
夢見ながら。
ここから。
真夜中から。
一歩を記そう。

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