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2009/04/07 Tue *乾かないんだ / The Rolling Stones

20090407letitbleed


また。
もう。
この季節だ。
この日々だ。
三年前も。
暖かで。
明るい陽光が溢れていて。
桜が満開で綺麗で。
でも。
その。
季節の匂いは。
日々の記憶は。
今も。
どこか寒くて。
明るい陽光が悲しくて。
桜の儚さが切なくて。

まだ塞がらないんだ。
まだ止まらないんだ。
まだ乾かないんだ。

『Let It Bleed』'69年リリース。
激動の'60年代を締め括るのに最も相応しいローリング・ストーンズのアルバム。
ストーンズにとってもブライアンの脱退と死、ミック・テイラーの加入と激しく揺れ動いた季節に制作されました。
故に。かってキースが“マスター・テープに血糊が着いている”様な表現を使ったほど生々しい感触があります。
なにものかが激しく燃え上がり、吹き抜けていった喧騒と怒号に満ちた時代がくっきりと反映されています。
そして。そこにもあったはずの。あるいは訪れるはずだった。夢や希望が打ち砕かれてしまった時代の終りの。
夢や希望だけではすまされなかった時代の孤独と虚無もまたこのアルバムの世界を覆っているのです。
それらを引き受けて。それでも転がり続けるしかないと。そんな覚悟さえもこのアルバムからは感じたりもします。
築き上げ。崩され。変わりゆく。開いてしまった空洞、止まらない震え、乾かない傷口。
そこから流れ出す赤い血を、その生々しさを抱え込んでも。それでしか。それでも。転がり続けるのです。
多彩なゲストと多彩な曲想。それらを巻き込み、纏めて。緊張感に溢れたまま高みへと登りつめているのです。
黒いヴィニールから、その溝の間から。毀れてくる匂い、立ち上る空気まで逃さずに感じていたいアルバムです。

また。
もう。
この季節だ。
この日々だ。
三年前の。
暖かで。
明るい陽光の下で。
満開の桜のその下で。
そう。
あの。
季節に感じた痛みは。
日々止めることの出来なかった涙は。
今も。
どこかから顔を覗かせて。
明るい陽光を遮って。
桜の儚さから目を逸らして。

まだ塞がらないんだ。
まだ止まらないんだ。
まだ乾かないんだ。

あの日から。
あの季節から。
穴が開いたまま。
震えたまま。
傷口が乾かないんだ。
まだ。まだ。
血が流れてるんだ。
匂いが纏わりついて離れないんだ。

出会えたこと。
共に過ごせたこと。
あたり前だと思ってたこと。
あたり前の日々と時間。
続くんだと信じてた。
疑いもしなかった。

断ち切られて。
失って。
会えないんだな。
話せないんだな。
飲めないんだな。
喧嘩も出来ないんだな。
転がっていけないんだな。

乾かない傷口。
流れ続ける血。
その生々しさを。
引き受けて。抱え込んで。
歩んでいこう。転がっていこう。
そう思っている。決めている。

でも。
この季節は。
この日々は。
明るい陽光の下。
満開の桜の下。
旅立ってしまった友の笑顔が離れない。

師匠、会いたいな。

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