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2009/05/05 Tue *涙雨 / Bob Dylan

20090505dylansgreatest


雨だ。
雨が降っている。
曇りガラスの向こう。
流れる灯りに思わず身を乗りだす。
あの灯り。
雨に滲んだあの灯り。
その向こう側に。
かってあった。
その場所を。
その空気を。
その人を。
思い出す。突き刺さる。
流れ去った灯りの残像。
思い出す。突き刺さる。

雨だ。
雨が降っている。
涙雨かもな。

『Bob Dylan's Greatest Hits』'67年リリース。
バイク事故によるリタイア中にその不在を埋めるかの様にリリースされたボブ・ディランの編集アルバム。
オリジナルの全10曲に日本盤では「Love Minus Zero/No Limit」「Higway 61 Revisited」が追加されています。
オリジナル・アルバム未収録だったシングル「Positively 4th Street」の収録が売りだった様ですが。
それ以外は妥当な選曲・・・可もなく不可もなくという感じで曲数も少なく、あまり評価は高くないとも聞きますが。
決してボブ・ディランの熱心な聴き手とは言えない自分の様な人間にとっては丁度いい塩梅だったりします。
「Blowin' In The Wind」「The Times They Are A-Changin'」「Mr.Tabourine Man」...
そして「Like A Rolling Stone」に「Just Like A Woman」と。どれもディランの代表作、名作ばかりです・・・が。

実はディランの曲って。他の人のカヴァーの方が馴染み深かったり、聴き易かったりして。いや、なんとも。
ザ・バーズ、ジミ・ヘンドリックス、ザ・バンド、ジョニー・ウィンター、ローリング・ストーンズ、RCサクセション・・・
でも。ここ数年。「Like A Roling Stone」と「Just Like A Woman」はやっぱりディランの歌が一番刺さるのです。
とにかく。理由も解らず、言葉にも出来ませんが。とにかく刺さるのです。刺さるとね、抜けないんです、たぶん。
そして。このアルバムにはミルトン・グレイサーによるディランのイラスト(版画)ポスターが封入されていました。
今夜も。そのポスターを眺めながら。同じポスターが貼られていた店を、その匂いを、その空気を。
そして。何よりもそのカウンターでいつも出迎えてくれたその人を思いながら針を落としているのです。

雨だ。
雨が降っている。
川を渡って都内へと戻る。
車窓から体を離して目を閉じる。
あの灯り。
雨に滲んでいたあの灯り。
その向こう側に。
かってあった。
その場所を。
その空気を。
その人を。
思い出す。突き刺さる。
瞼の裏の灯りの残像。
消えない思い。抜けない痛み。

雨だ。
雨が降っている。
涙雨かもな。

ねぇ。
また悲しいことがあったんだ。
こんな夜には。
あの。
灯りの向こうで。
扉を開けて。カウンターに座って。
ねぇ・・・

涙雨だね。

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