2009/07/21 Tue *熱冷まし / Graham Parker & The Rumour
熱気に包まれて。
それが心地良ければ。
それを楽しむことができるなら。
それに乗ってしまえるのなら。
それで踊ってみせられるのなら。
それでいいのかもしれないが。
どうなんだ。
どうなんだろう。
囁いてくる。
過ぎっていく。
ちょっとおかしいんじゃないか。
ちょっと違うんじゃないか。
その熱さは。
本物じゃない。
なによりも。
俺のじゃない。
立ち止まって。立ち止まって。見回して。
『Heat Treatment』'76年リリース。
熱く力強いグラハム・パーカーの歌声と、ガッチリと支える腕達者揃いのルーモア。
彼らの味わい深さと渋さ、そしてその鈍い光を湛えた迫力が一際、際立った2ndアルバム。
勢いや、派手さ、親しみやすさでは1stアルバムや3rdアルバムかなとも思うのですが。
このジャケットからして地味なアルバム、中身もモノトーンの様で。そのシンプルさの中にこそ真髄があるかと。
とにかく。その純粋で誇り高き。その魂の吐露の如きグラハムの歌声が真直ぐに迫ってくるのです。
歌うこと、ロックを演ること。それだけを求めて、拘って。そこに込められた情熱は半端ではないのです。
そして決して熱さの中で自分を見失うことなく。怒り、噛みつきながら自分の愚かしさも認識している。
そんな職人的な冷静さを持ち合わせていて。歌を聴かせる作品として完成させているところに凄味もあったり。
このアルバムを聴くと。背中を蹴られる様で、急きたてられる様で。それでいて。
一方ではとても穏かな気持にさせられて。まぁまぁ、慌てずにゆっくりやってみようぜみたいなね。
そんな囁きにも聴こえたりするのです。まぁ、単にグラハムの歌声がしっくりくる、好きなだけかもしれませんが。
熱気に包まれて。
いつの間にか逆上せ上がって。
楽しんでるつもりになって。
いつの間にか乗せられてたり。
知らない間に踊らされていたり。
気づいているのか。気づけているのか。
どうなんだ。
どうなんだろう。
囁いてみる。
振り返ってみる。
ちょっとおかしいんじゃないか。
ちょっと違うんじゃないか。
その熱さは。
普通じゃない。
なによりも。
嫌な匂いがする。
立ち止まって。振り返って。見回して。
冷まさなきゃ。
醒まさなきゃ。
取り戻さなきゃ。
身体が。精神が。
熱中症になる前に。
熱冷ましを。
さぁ、早く。
この熱に対処を。
この熱を冷ましてくれ。
なんて。
突然の雨に。
打たれて。濡れて。
帰ったんだけど。
流石にずぶ濡れで。
冷えすぎちゃったりして(苦笑)。
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