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2009年11月

2009/11/26 Thu *旅路ゆえに / John Mayall's Bluesbreakers

20091126thediaryofaband


旅路ゆえに。

旅の空の下。
旅の途中。
様々な出来事。
様々な出会い。
思い浮かぶ。
あれやこれや。
巡っていく。
あんな顔やこんな顔。

何も好んで。
旅に出なくてもと。
こんなことなら。
旅に出るんじゃなかったと。
もうそろそろ。
終りにしてもいいんじゃないかと。
そんな時もあったけど。
そんな時も偶にはあるけれど。

いまここにあるのは。
いまここにいるのは。
その旅に出たからこそ。
その旅を続けているからこそ。

そうなんだな。

『The Diary Of The Band Volume One And Two』'69年リリース。
英国では前年に2枚バラで発売されたものを日本独自のジャケットで2枚組とした、
ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのライブ・アルバム。
レコード会社からライブ・アルバムを制作しようと言われて。その為に録音するんじゃ面白くないと。
ツアーにオープン・リール・デッキを持参して日々のギグやライブを片っ端から記録に残したとか。
その音源から編集されたこのアルバムはタイトル通りにブルースブレイカーズの旅日記だったりするのです。
海賊盤並の音質が妙に臨場感があったりして。ハプニングもそのまま残した生々しさがいいかなと。
ハッピー・バースーの合唱とか、英国国歌を演奏してみたりとか。本当にいつでも回していたんだなと。
面子的にはミック・テイラーやディック・へクトール=スミスが在籍していた頃で。
テイラーの流麗で躍動感溢れるギターや、フリーキーですらあるスミスのサックス・ソロが楽しめます。
キーフ・ハートリーのドラムスもいいのですが。ドラム・ソロは流石に時代を感じさせて冗長かなと。
で、やっぱりテイラーのギター。この国内盤のライナーでは井上堯之さんがロンドンで体験したそのプレイを。
“ほんとうに心臓が凍る思いだった”と記している、そのプレイの一端を感じることが出来る瞬間があります。
そしてメイオール。多士済々、梁山泊な面子を率いて纏めて。ツアーを続けて。そのブルースを深めて。
更には次の展開へと続く扉にも手を掛けてと。流石はブリティッシュ・ブルースの父、師匠ではあります。

旅路ゆえに。

旅の空の下。
旅の途中。
出会った出来事。
巡り会った人達。
その出会い、巡り会い。
ひとつひとつが。
一人一人が。
自分の中に生きている。

何を好んで。
旅に出たのかと。
こんなことなら。
旅なんか止めてしまえと。
もうそろそろ。
降りてしまってもいいんじゃないかと。
そんな時もあったけど。
そんな時も偶にはあるけれど。

いまここにあるのは。
いまここにいるのは。
その旅に出たからこそ。
その旅を続けているからこそ。

それなんだな。

旅路ゆえに。

出会い。巡り会い。
別れ。離れ。
また。再び。
出会い。巡り会い。
そして。新たに。
出会い。巡り会い。

だから。ここにある。
だから。ここにいる。

いいことばかりじゃなくて。
リスクもあるけれど。
出会う喜び。
巡り会う笑顔。
それがいいんだな。好きなんだな。

澱んだ空気の中。
濁った目をして。
中の世界だけに目を向けて。
中の世界だけが総てになって。
あんた達も。
偶には旅に出てみればいいのにな。

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2009/11/25 Wed *かごめかごめ / Carpenters

20091125yesterdayoncemore


かごめかごめ 。
籠の中の鳥は いついつ出やる。
夜明けの晩に 鶴と亀が滑った。
後ろの正面だあれ?

夕陽を背に。
石畳に影を伸ばしながら。
子供達が歌ってる。

この歌を聞くなんて。
歌ってる子供達の声を聞くなんて。
いったい。
いつ以来だろう。
いつの日から耳にしなかったのだろう。
あの日。あの頃。
自分も歌っていたのに。
自分も遊んでいたのに。

夕陽の中の。
子供達の姿。
陰になったその姿の。
その後ろに。
浮かぶものがある。

『Yesterday Once More』'85年リリース。
永遠の名曲であり、その代表曲でもあるナンバーをタイトルに冠したカーペンターズの2枚組ベスト・アルバム。
未だに何度も何枚も。これでもかって程にベスト・アルバムが編集されリリースされるカーペンターズ。
その根強い衰えない人気がカーペンターズの色褪せない魅力の表れなのかもしれません。
またオリジナル・アルバムよりも数ある名曲をこの手のベスト・アルバムで楽しむのが相応しくもあります。
未だロックなんてものを知らずに。野球とか漫画とかプラモデルとか。そんなものに夢中だった頃。
そんな小学生の頃に初めて聴いた洋楽がカーペンターズで。その歌謡曲とは異なる“なにか”が好きになって。
初めて買った洋楽のシングル盤が「Top Of The World」で。毎日ポータブル・プレーヤーで聴いてました。
見たことも無い海の向こうの、アメリカの空気とか、陽光とか、自由とかそんなものを子供ながらに。
カレンの、本当に天使の様に美しい歌声に。その美しい、美しすぎるメロディーの中に感じていたのかも。
実はリチャードはある意味偏執的な音楽オタクで、カレンは歪んだコンプレックスの持ち主で・・・
美しさの陰に潜む狂気、美しさに影を落とす孤独。それ故の、それが創り上げた美しさだったりもするのですが。
それが白日の下に曝された今も、それを知ってしまった今も。その“なにか”が好きなことに変わりは無く。
そこになんとも言えない切なさまでも感じる様になってしまって。より一層惹かれていたりもするのですが。
何よりも。カーペンターズは、カレンの歌声は。今でも一瞬にしてあの頃に。初めて聴いたあの頃に。
“なにか”と共に連れ去ってしまうのです。日が暮れるのも忘れて走り回り、遊びまわっていたあの頃に。
甘酸っぱい思いと共に。あの頃の光や匂いや空気あ・・・そんなものの下に自分を誘ってしまうのです・・・

勝ってうれしいはないちもんめ。
負けてくやしいはないちもんめ。
あの子がほしい。あのこじゃわからん。
この子がほしい。このこじゃわからん。
相談しましょ。そうしましょ。

夕陽を背に。
石畳に影を伸ばしながら。
子供達が歌ってた。

この歌を歌いながら。
手を繋いだまま進んで下がって。
いったい。
いつの日だろう。
いつの日からその手を離してしまったのだろう。
あの日。あの頃。
自分も歌っていたのに。
自分も遊んでいたのに。

夕陽の中の。
子供達の姿。
瞼の裏のその姿の。
その中に。
浮かぶものがある。

かごめかごめ。
はないちもんめ。
鬼ごっこ。
達磨さんが転んだ。
そして。
缶蹴り。

あの日。
夢中で逃げて。
思い切って蹴飛ばして。
夕陽に光って跳ねた空き缶。
真剣に探しているあいつの顔。
直ぐ近くに隠れてるのに見つけられない間抜な奴の顔。
そして。
一緒に隠れてた。
あの娘の横顔。
吐息の温かさ。
髪のいい匂い。
ドキドキする鼓動。
気づかれないかって焦って。
何故か駆け出してしまって・・・

あの日をもう一度なんて思わない。
過去なんて美しく創り変えられてる。
それは解ってる。
それでも時に。
あの日の、あの頃の。
“なにか”を思う。
確かにあった“なにか”を思う。
好きだった“なにか”を思う。
思ってしまうのです。

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2009/11/24 Tue *選ばれし者 / Queen

20091124liveatwembley86


選ばれし者。
その恍惚と不安。
それは知る由も無いけれど。

選ばれし者。
その者しか。
立つことの無い。
立つことの許されない。
そんな舞台が。
この世界にはある。

男に生まれたからは。
誰しもが。
連合艦隊の司令官。
プロ野球の監督。
この二つはやってみたいものだと。
言うけれど。
司令官はともかく。
監督はやってみたいかな。

そしてやっぱり。
なんと言っても。
ロック・スター。
視線を釘付け。
掌で転がし。
意のままに。
幾万の観客を。
操ってみたいなと。

選ばれし者にしか許されないと。
そうは解っていながらも。

『Live At Wembley '86』'92年リリース。
フレディ・マーキュリー生前最後のツアーとなってしまったクイーンの'86年のヨーロッパ・ツアー。
そのハイライトとでも言うべき、母国イギリスはロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われた2日間の公演。
その2日目、7月12日の公演の模様を最初から最後まで余すところ無く収録した2枚組ライブ・アルバム。
『Live Magic』にも同公演の一部が収録されていましたが、フレディの死後改めて完全版として発表されました。
フレディ追悼の意味もあったリリースだったと思われ。全英チャートでは見事に2位にまで上がっています。
母国、しかもライブ・エイドでの復活の地ウェンブリーです。2日間での観衆は約15万人に及んだライブです。
その力の入り方、緩急自在の演奏、ライブ・アクトとしての、エンターティナーとしての完成度・・・見事です。
特に。やっぱり。フレディ。その歌声で。一挙手一投足で。スタジアム全体を完璧に魅了しています。
リリースされている同公演の映像を観るまでも無くその様が目に浮かびます(映像も素晴しくはあるのですが)。
声を張上げるだけで、喉を振絞るだけで。拳を握り締めるだけで。腕を突き上げるだけで。ただそれだけで。
視線を動かすだけで。7万人を越える聴衆を釘付けにし、掌で転がし、意のままに操ってみせるフレディです。
あぁ、やはりフレディはも選ばれし者だったのだなと。その凄さに、輝きに改めて魅入られてしまうのです。
実は'99年にウェンブリー・アリーナの最前列でローリング・ストーンズのライブを観ていたりするのですが。
母国のスターを熱狂的に歓迎する7万人超の観衆を呑込んだスタジアムの興奮と迫力ってのは半端じゃなくて。
あの観衆を魅了し、支配できる素晴しさ、凄さをしみじみと感じるのです。そしてその恍惚と不安をも思うのです。

選ばれし者。
その恍惚と不安。
それを知ってみたくなる。

選ばれし者。
その者しか。
立つことの無い。
立つことの許されない。
そんな舞台が。
この世界にはある。

男に生まれたからは。
誰しもが。
連合艦隊の司令官。
プロ野球の監督。
この二つはやってみたいものだと。
言うけれど。
司令官はともかく。
監督はやってみたいかな。

そしてやっぱり。
なんと言っても。
ロック・スター。
その歌声だけで。
その立居振舞だけで。
完璧に。
幾万の観客を。
魅了してみたいなと。

選ばれし者にしか許されないと。
それは解っているからこそ。

その一瞬を思い。
その一瞬を願い。
その遠さに慄き。
その遠さに畏まる。

選ばれし者。
その恍惚と不安。
それを思えば思うほど。
その素晴しさに。
また強く深く。
魅入られる。

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2009/11/23 Mon *最初と最後 / Booker T. & The M.G.'s

20091123greenonions


一年前の今日。
一年前の今夜。

その御機嫌な演奏に。
酔いしれていた。痺れていた。

やっぱり。
凄いよな。
本物だよな。
このリズム。
このグルーブ。
ファンキーで、ソウルフルで。

もう堪らないよな。
これに。こいつに。
あの人も。この人も。
あいつも。こいつも。
これに、やられたんだな。
そして。そして。
やられた一人の、あの人が。
目の前を通って。
ステージに上がって。
歌いだしたんだ。

あの日から一年。
あの夜から一年。

『Green Onions』'62年リリース。
タイトルそのまんまのネギのジャケットが匂いそうなブッカー・T&ジ・MGズの1stアルバム。
ファンキー→匂う→ネギ・・・なんて連想から名づけられたタイトル・ナンバーの大ヒットを受けて制作されました。
先ずは。兎にも角にも。何は無くても。このタイトル曲の実に御機嫌で、実にカッコ良いこと。それに尽きます。
何でもスタジオでシングルのB面様にと、数週間前のジャムで生まれたリフを基にチャチャッと録音したとか。
それで。それだからこそ。このシンプルで何も余計の無い必殺のインスト・ナンバーが生まれてしまったと。
もう恐れ入るしか無いのですが。スタックスのハウス・バンドとして鍛えられたその実力は伊達ではありません。
このナンバーを初めて意識したのは《さらば青春の光》で使用されていた時だったと思うのですが。
あれから二十数年。堪んないなと。やられてしまってから。いつでも。いまでも。イントロだけでいってしまいます。
リズム命のスティーヴ・クロッパーのギターと、グルーヴィーなブッカー・T・ジョーンズのオルガンの絶妙な絡み。
勿論、タイトル・ナンバーだけでは無くて。アルバム全体に渡って。そのカッコ良さは不変なのです。
ちなみにこのアルバムでベースを弾いているのはドナルド・ダック・ダンの前任であるルイ・スタインバーグです。
さてと。ブルース・ブラザーズ・バンドやら、忌野清志郎との共演やらですっかり日本でもお馴染となった。
そんなブッカー・T&ジ・MGズですが。MGズとしての単独公演での来日は実は昨年が最初でした。
その清志郎の最後のステージとなったのが、そのMGズのライブへの飛び入りでした。それが一年前でした。
MGズに、そのサウンドにやられた一人だった清志郎。その最後の歌声を支えたのがMGズだったのです。
スティーヴさん、ブッカー・T、そしてダック・ダン。清志郎を支えたその熱いサウンドと優しい眼差し。
いまこうしてまるで昨日の、昨夜の出来事の様に思い出し。そしてこれからも忘れることは無いでしょう。

一年前の今日。
一年前の今夜。

その御機嫌な演奏に。
酔いしれていた。痺れていた。

やっぱり。
凄いよな。
本物だよな。
このリズム。
このグルーブ。
ファンキーで、ソウルフルで。

もう堪らないよな。
これを。こいつを。
あの人も。この人も。
あいつも。こいつも。
これが、大好きだったんだな。
そして。そして。
やられた一人の、あの人を、その歌声を。
熱く、優しく。受止めて、支えて。
会場が一つになって。
踊っていたんだ。

あの日から一年。
あの夜から一年。

最初と最後が交差して。
最初で最後の奇跡が起きて。

握手した手の温もり。
それを忘れずに。
心に響いた。
その歌声も忘れずに。
あの日を、あの夜を抱きしめて。
いまも。これからも。
ファンキーで。ソウルフルな。
このリズムに。このグルーブに。
酔いしれて。痺れて。
それでいい。それがいい。

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2009/11/20 Fri *2人の週末 / The Dave Clark Five

20091120havingawildweekend


ふわふわ。
そわそわ。

もう仕事にならない。
もう仕事は止めにしよう。
だって。
心ここにあらずだから。
体もここから解放してあげよう。

さぁ、もう。
週末だ。週末だ。
連休だ。連休だ。
ずっと待っていた週末だ。
待ち望んでいた連休だ。

準備もしなきゃ。
行程も確認しなきゃ。
何よりも。
気分を盛り上げなきゃ。

さぁ、帰ろう。

『Having A Wild Weekend』'65年リリース。
トゥテナム・サウンドの雄、ロンドン出身のデイヴ・クラーク・ファイヴ。
その初主演映画『5人の週末』のサウンド・トラック・アルバムの米国ヴァージョンとなるアルバム。
映画そのものは未見なのですが。このジャケットはおそらく映画のワン・シーンだと思われて。
まぁ、おそらくは他愛のないボーイ・ミーツ・ガールの青春恋愛ものなのではと思うのですが。
うん。そういう映画は基本的に好きなので。きっと面白いんだろうなと勝手に想像していたりもして。
なんとも御機嫌なR&Rナンバーであるタイトル曲を始めとするナンバーの弾け具合からしても。
その想像は当たらずとも遠からずだと思うのです。男の子と女の娘が走って、駆けて、恋をして。
それだけで面白くて、甘酸っぱくて、切なくて・・・それだけでいいじゃないなんてね。
指パッチン(英語では何て言うんだろう?)から始まる「Catch Us If You Can」なんて名曲も収められてます。
何の関係も無いのですが。この曲名を聞くと、どうしてもビル・ロビンソンとかカール・ゴッチとか。
スネーク・ピットとか、伝統のランカシャー・レスリングなんてのを連想するのは・・・自分だけでしょうね・・・
いや"Catch As Catch Can"ってね。レスリングの源流、基本と語感が似てるってだけなんですけどね。
閑話休題。あまり語られませんが。マイク・スミスの迫力ある太い歌声はもっと評価されてもいいかな。

わくわく。
どきどき。

いつもの旅支度が始まった。
トランクを開けて。何から詰めようか?
このシャツにはこのパンツかなぁ、どう思う?
心は既にここになく、旅先へと飛んでいる。

さぁ、もう。
週末だ。週末だ。
連休だ。連休だ。
ずっと待っていた週末だ。
待ち望んでいた連休だ。

準備はいいかな。
行程も確認できたよね。
何よりも。
気分が盛り上がってきたよね。

さぁ、出かけよう。

いつもながら。
どたばたで。
寝不足で。
でも楽しい、楽しい。
2人の週末なのです。

じゃぁ、いってきま~す!

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2009/11/18 Wed *若さゆえ / The Who

20091118mygeneration


若いなぁ。
若いよな。
あの態度。
あのもの言い。
ぶつかるわな。
叩かれるわな。

まぁ。
真直ぐで。
初々しくて。
若さゆえで。
いいとこでもあるけれど。

俺も。
昔は。
あんな風に初々しくて。
えっ。何だよ。
お前は初めから、ふてぶてしかったって。
俺のことは、ほっとけよ。

『My Generation』'65年リリース。
見上げる4人の視線、佇まいが既にただならぬものを感じさせるザ・フーのデビュー・アルバム。
今では忘れられてしまっていますが。この英国でのデビュー・アルバムは長年権利関係のトラブルがあって。
ずっと廃盤となっていて。'02年にようやくこのフォーマットでCD化されて普通に入手出来る様になりました。
(今回掲載している'80年にヴァージンより復刻されたモノラルのアナログ盤はその意味でも貴重でした)
さて。このアルバムの何処が凄いって。凡百のデビュー・アルバムを軽く凌駕するそのオリジナリティ。
そして数多のバンドを蹴散らしてしまうそのサウンドの迫力、その熱さと疾走感です。
収められた12曲中、カヴァーは僅か3曲。残りが総てオリジナル、その殆どがピート・タウンゼンドによるもので。
永遠のロック・アンセムとなったタイトル曲や「The Kids Are Alright」を始めとして。そのカッコ良さ。
駆け抜け、弾けるビート。キャッチーなメロディ。そして自らの価値観や信じるものに誠実であるが故の。
身を切る様なヒリヒリとした緊張感と切なさと。何かに追いたてられる様な切迫感と刹那的な生への希求。
そんな若さゆえの悩み、苛立ち、思いを鮮やかに描きだしてしまうピートの詩の世界。あまりにも鮮烈なのです。
そして。これがデビュー・アルバムだと言うこと。その事実に今更ながらやはり驚愕してしまうのです。
ジャケットの4人の、そのふてぶてしさも伊達じゃない。“本物”のロック・バンドのデビューだったのです。

若いなぁ。
若いよな。
言いたいことは。
目指しているところは。
解るけれど。
間違ってはいないけれど。

まぁ。
真直ぐ過ぎるのも。
直球ばかりなのも。
若さゆえで。
いいとこではあるけれど。

俺も。
昔は。
あんな風に真直ぐで。
言いたいこと言ってたけど。
お前は今でも、そうだろうって。
俺のことは、いいからさ。

若いから。
見えるものがある。
言えることもある。
求められるものがある。

若さゆえ。
見えないものもある。
伝えられないこともある。
手に入らないものもある。

言いたいことは解る。
見てるものも。
目指しているところも。
間違ってはいない。
ただね。
誰もが同じじゃない。
誰もが一緒にはいかれない。
だから。
正面突破だけじゃ駄目なんだ。
直球だけじゃ通用しないんだ。

若さゆえの。
その初々しさを。
微笑ましく思いつつも。
ちょいとばかり不安も抱きつつ。
大丈夫かなと。

まぁ。
でも。
ぶつかって。
叩かれて。
鍛えられて。
ふてぶてしさも身につけて。
巧く生き残っていけるようになるかな。
俺みたいにさ。
お前は昔から、何をしてでも生き残りそうだったって。
だから。
俺のことはさ、ねっ、もういいだろう(苦笑)。

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2009/11/17 Tue *消せないまま / Jimi Hendrix

20091117jimiplaysmonterey


震える。
目を走らせる。
それだけ。
たった。
それだけ。

蘇る。
湧き上がる。
抱きしめる。
胸の内から。
その奥底から。

未だ。
消えないまま。
未だ。
仄かに揺らめいている。
その炎。
その香り。

『Jimi Plays Monterey』'86年リリース。
'07年にリマスターされた新装版もリリースされているジミ・ヘンドリックスのライブ・アルバム。
'67年に開催されたモンタレー・インターナショナル・ポップ・フェスティヴァル。
ジミのアメリカへの凱旋の舞台ともなった、このフェスティヴァルでのあまりに鮮烈だったステージ。
その模様は同じく観客の度肝を抜いたオーティス・レディングとのカップリングで'70年にリリースされましたが。
そのアルバムには未収録のナンバーも収録して再編集され、ジミのステージの全貌が明らかにされたのでした。
ジミに付き添って渡米したブライアン・ジョーンズのシンプルなMCで紹介されるや否や。
ハウリン・ウルフのカヴァー、「Killing Floor」から全速力で飛ばしまくるジミ。もうその瞬間に秒殺されます。
ジミのライブ・アルバムの中でもA面1曲目の破壊力では『In The West』の「Johnny B. Goode」と双璧です。
初めてこの凄まじいギターを聴いてからもう20年以上の時が流れているのですが。そう、もうそんなに。
何度聴いても。いつ聴いても。いま聴いても。凄いものは凄いとしか。もうそれだけしか言い様が無いのです。
一度針を落としたら。その縦横無尽に駆け巡るギターに心も体も揺さぶられ、貫かれ・・・
そしてまた。その歌声のあまりの生々しさ。そこに宿る色気、艶かしさ、いやらしさ。体の芯が熱くなります。
ジャケットの燃え上がるギター。「Wild Thing」でのあのパフォーマンスを意識してると思われますが。
ギターにオイルをかけ燃やし、叩きつけて破壊したあのあまりにも衝撃的だったパフォーマンス。
あの燃え上がる炎が象徴していたもの。ジミのもたらした衝撃の大きさ、そしてジミ自身の情念、思いの強さ。
その総てが。時を経ても未だ。消えないままに、消せないままに。いまも聴く者を魅了して止まないのです。

息を吐く。
目を閉じる。
それだけ。
たった。
それだけ。

蘇る。
浮かび上がる。
噛締める。
身の内から。
その芯から。

未だ。
消えないまま。
未だ。
仄かに揺らめいている。
その炎。
その香り。

一瞬。
炎が強く燃え盛り。
香りが強く立ち込める。
その炎に身を焦がしたなら。
その香りに包まれたなら。
その危うさ。
その甘さ。
その美しさ。
いまも変わらぬ思い。
一転。
仄かに揺らめき。
微かに漂い。

未だ。
消えないまま。
未だ。
消せないまま。
仄かに揺らめいている。
その炎。
その香り。
その切なさを。
その儚さを。
その苦さを。
いまここにある思い。
それでいい。

ただ。
消えないまま。
消せないまま。

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2009/11/16 Mon *その日が来るのを / Van Morrison

20091116saintdominiqus


その日が来るのを。
指折り数えて。
待ち望んでいる。

いいかもね。
あるかもね。
そうなるかもね。
そうなるといいね。

いい線はいってる。
狙いとしては面白い。
余地は、可能性は確かにある。
後はこの会話が。この予想が。
現実に動き出すことを。
その時を。その日を。
待っている。

『Saint Dominic's Preview』'72年リリース。
教会の前でギターを奏でながらあらぬ方の何を見ているのか。
その視線の先が、その視線を生んだものが気にかかるヴァン・モリソンのアルバム。
北アイルランド出身ながら。ゼム時代のプロデューサーに誘われ憧れの地、アメリカへと移住したヴァン。
『Astral Week』や『Moondance』で自らの方向性を見定め、「Domino」のヒットである程度の成功も収めて。
ウッドストックに住むミュージシャンとの交流、そして恋人との結婚と。満ちたり、心安らいでいた筈のヴァン。
このアルバムでは、吹っ切れたかの如く。更に理想とする世界を求め、掘り下げようとしている気がします。
ブリティッシュ・ブルー・アイド・ソウル・シンガーの最高峰とも言える、そのソウルフルな歌声と。
『Astral~』以降のアルバムで発揮されてきた、ジャズの香りも漂うような軽快なサウンドと。
その絡み具合、その相乗効果が素晴しくて。その魂の震えがこちらの魂までも揺り動かすかの如くなのです。
ヴァン自身も満足したいた様で。自らその求めたこの世界を“カレドニア・ソウル”と名付けて。
その世界を極める為に“カレドニア・ソウル・オーケストラ”の名の下にバック・メンバーを集めることになるのです。

その日が来るのを。
指折り数えて。
待ち望んでいる。

きまりました。
ほんとうに。
まだあきらかにはできないけど。
そうなりました。

間違いは無いだろうと。
狙いは外していないし。
積み重ねて。逃がしはしなかったしと。
後はこの囁きが。この予言が。
事実として示されることを。
その時を。その日を。
待っている。

その予言(Preview)を。
信じて。
その日が来るのを。
待っている。
待ち望んでいる。

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2009/11/15 Sun *もう一杯 / Rod Stewart

20091115singitagainrod_2


寄るよね?
寄ろうか。
では。
飲みましょう。
一杯だけね。

日曜日の夜。
明日からまたお仕事。
体を休めて。
日常へ戻る準備を。

でも。
その前に。
心にも安らぎを。
その為の一杯を。
ボトルを謡わせに。
グラスを鳴かせに。

『Sing It Again Rod』'73年リリース。
ロック・グラスを模った変形ジャケットに包まれたロッド・スチュワートのベスト・アルバム。
(この時代のロッドのアルバム、そしてフェイセズのアルバムには変形ジャケットが多くて楽しいのです)
'70年から'72年にかけてリリースされたシングルを中心に12曲が選曲されています。
リリース当時の目玉はオリジナル・アルバムに未収録だった「Pinball Wizard」の収録だったかなと。
このマーキュリー、英国時代のロッドはワーナー移籍後、大西洋を渡った後の華やかさには欠けるのですが。
歌にかける、歌うことへの思いの強さや直向さが感じられれて。その思いの込められた歌声に心が震えます。
ここにいるロッドは実に愛すべきブリティッシュ・ブルー・アイド・ソウル・シンガーだったりするのです。
その歌声にはまさに、極上のウイスキーの如きコクと味わいがあるのです。その喉越しの良さは絶品です。
「Reason To Believe」「Maggie May」「Gasoline Alley」...その歌声を耳にするだけで胸にある思いを募らせる。
懐かしくも、切なく、そして甘酸っぱい情景さえも思い起こさせる力がその歌声には宿っているのです。

帰るよね?
帰ろうね。
でも。
その前に。
もう一杯だけね。

日曜日の夜。
明日も普通にお仕事。
頭を切り替えて。
日常に戻る心構えを。

でも。
その前に。
もう少し心を温めよう。
その為の一杯を。
ボトルを謡わせて
グラスを鳴かせて。

ねぇ。
もう一杯。
そう。
もう一度。
同じの。
いつもの。
もう一杯だけね。

明日のことは明日考えるから(笑)。

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2009/11/12 Thu *耐えられない / Johnny Thunders

20091112soalone


百年。
千年。
万年。
永遠。

耐えられない。
焦燥。懐疑。恐怖。絶望。
こんな孤独には。

十年。
一年。
一日。
数時間。

耐えられない。
姿が見えない。
声が聞こえない。
声が届かない。
こんな孤独には。

『So Alone』'78年リリース。
ハートブレイカーズ解散後、単身ロンドンに残って制作されたジョニー・サンダースの1stソロ・アルバム。
その身に纏った、内に宿ったジョニーの孤独を残酷なまでに鮮やかに捉えたジャケットに言葉を失います。
フィル・リノット、スティーヴ・マリオット、クリッシー・ハインド、スティーヴ・ジョーンズと豪華なゲストを迎えながら。
ニュー・ヨーク・ドールズのセルフ・カヴァーとなる3曲も交えつつ切れ味鋭いロックン・ロールをきめるジョニー。
レスポール・ジュニアでそんなロックン・ロールを奏でてるジョニーの姿を想像するだけで痺れるのですが。
生粋のロックン・ローラー。ロックン・ロールの囚われ人、ジャンキー。そのカッコ良さだけで最高なのですが。
どうしても。そこに永遠に救われることの無い。宿命的な孤独の姿を感じてしまうのもまた確かだったりします。
まぁ、多分に。その生き様と死に様から殊更にそう感じるのかもしれないのですが。それでも。どうしても。
ロックン・ロールと薬物に囚われ。そしてどこか。それでも癒される事の無いなにものかを背負っていたのかなと。
その背負った故に、その宿命故に。剃刀の様な、そして刹那的なあのギターが奏でられたのかななんてね。
まぁ、多分に。感傷に過ぎることは解ってはいるんですけどね。どうしてもね。そんなことをね。
「Pipeline」なんてね。ヴェンチャーズの10倍は刹那的で。100倍はカッコいいかな。否、もっとだな。

百年。
千年。
万年。
永遠。

耐えられない。
焦燥。懐疑。恐怖。絶望。
こんな孤独には。

十年。
一年。
一日。
数時間。

耐えられない。
姿が見えない。
声が聞こえない。
声が届かない。
こんな孤独には。

いるはずなのに。
あるはずなのに。
いない。
ない。

そのことが。
こんなにも不安で。
こんなににも恐ろしくて。
こんなにも深いなんて。
こんなにも耐えられないなんて。

離れられない。
離れ離れなんて考えられない。
共に。一緒に。
永遠に続かないとは解っていても。
思いもしない。
思いたくもない。

耐えられない。
そんな孤独があることを。
知っていることは。
憶えていることは。
幸せなことではあるのだけれど。

だから・・・
電話にでようね。
メールくらいしようね。
お願いだから(笑)。

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2009/11/11 Wed *穴だらけ / The Rolling Stones

20091111ns


えっ。
あっ。
はいっ。
えぇーっ。

なんで?
なんで?
なんで?

こんなに。
あっちも。
こっちも。
穴だらけなの?

あっちも。
こっちも。
見えてるの?

セキュリティ設定したよね。
メニューごと、項目ごと、フローごと。
なのに。なのに。なのに。

なに?
なんだって?
フル権限で上書きしたって・・・
片っ端から穴開けちゃったのね・・・
はぁ・・・

『No Security』'98年リリース。
'97年から'98年にかけてのツアーでの音源で構成されたローリング・ストーンズの2枚組ライブ・アルバム。
このアルバム以前のライブ・アルバムは実際のライブを疑似体験出来る様な曲順、構成だったのですが。
このアルバムはそのセオリーを無視して。かなりランダムに・・・バラバラに各曲が並べられています。
敢えて代表曲を外して通好みな選曲をして。そのライブ・ヴァージョンを収めることに意図があったのかもとも。
ただあまりにもバラバラ過ぎて。かなりクリアな音質と合わせてライブならではの臨場感には欠けるかなとも。
どうにも。このジャケットと合わせて、いまひとつ輪郭のハッキリしない印象を残すアルバムではあります。
「Memry Motel」「Waiting On A Friend」「Sister Morphine」のライブ・ヴァージョンが聴けるのは嬉しいのですが。
「You Got Me Rocking」で始まって。「Out Of Control」で終わられてもなと。企画の詰めの甘さを感じます。
そうは言いつつも。個人的にはこのツアーは初めて海外までストーンズを追っかけたツアーだったので。
しかも。何曲かが収録されたアムステルダム・アリーナではアリーナの最前ブロックで観ていたりもしたので。
針を落とせば落としたで。色々なことを。あの空気や匂いや、感動や興奮や、その他いろいろ思い出したりして。
「Saint Of Me」の観客のコーラスに。あぁ、もう一度あの熱気の中でストーンズを観たいぞと、強く思うのですが。
それだけに。くどいですが。企画の穴が。この曲順と構成がね、いまひとつ、ふたつ、気に入らないのです。

えっ。
あっ。
はいっ。
えぇーっ。

なんで!
なんで!
なんで!

こんなに。
あっちも。
こっちも。
穴だらけで気にならないの。

あっちも。
こっちも。
見えちゃって平気でいられるの。

セキュリティは重要だよね。
メニューごと、項目ごと、フローごと。
だよね。だよね。だよね。

なに!
なんだって!
フル権限で上書きするの!
誰でも見えちゃうよね!見せちゃいけないよね!
はぁ・・・

穴だらけ。
突貫工事。
片っ端から塞いで。
もう一度。
細かく。慎重に。
必要な穴だけ開けて。
見えてる?
見えます。
見えないよね?
見えません。

穴だらけ。
テスト中で。
本稼動前で。
良かったけど。

俺の教えが悪いのか。
穴があったら入りたい・・・

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2009/11/10 Tue *遠い昔、遥か彼方 / Wishbone Ash

20091110argus


遠い昔。
遥か彼方。
あったかもしれない。
物語。
その世界。
その人々。

何が起きたのか。
何を見ていたのか。
何を思っていたのか。

もう。
今では。
考えられない。
見ることの叶わない。
思いの及ばない。

そんな。
物語が。
世界が。
繰り広げられる。
冒険が。
大好きだったりする。

『Argus』'72年リリース。
ヒプノシスによる幻想的なジャケットも素晴しいウィッシュボーン・アッシュの3rdアルバム。
ギリシャ神話の百眼の巨人アーガスとそれに立ち向かう王との闘いをテーマにしたコンセプト・アルバムで。
ウィッシュボーン・アッシュならではの美しく繊細なツイン・リード・ギターが奏でるメロディ。
そのメロディに溢れる叙情と詩情。そして英国ならではの霧の奥深くから漂ってくるかの伝統の香り。
それらが一体となって聴く者を幻想的な世界へと、ここではない世界へと誘うのです。
実はサウンド的には米国南部への憧憬や志向も見え隠れしたりするウィッシュボーン・アッシュなのですが。
そのメロディ、ツイン・リード・ギターが奏でるメロディはもう、英国以外のなにものでも無くて。
その英国ならではの美しさが極められたこのアルバムこそがやはりウィッシュボーン・アッシュだなと思うのです。
数年前。このアルバムを聴きながら朝靄漂うハイド・パークを散歩したことがあるのですが。
それはもうね。遠い昔、遥か彼方の。そんな物語の世界に迷い込んでしまいそうでした。
ところでジャケットのアーガスの後姿、あの映画のあの人によく似ていると思うのは私だけでしょうか。
ジョージ・ルーカスがロック・ファンかどうかは知りませんが・・・ねぇ、ダース・ヴェイダーにねぇ・・・

遠い昔。
遥か彼方。
あったかもしれない。
物語。
その世界。
その人々。

そこで起きていたこと。
そこで見られていたこと。
そこで信じられていたこと。

そう。
ここでは。
起きるはずのない。
見ることの出来ない。
信じることを許されない。

そんな。
物語を。
世界を。
繰り広げられる。
冒険を。
夢想したりしている。

遠い昔。
遥か彼方。
幻想の。夢幻の。
深い霧の向こうから。
永い歴史の向こうから。
語られる。謡われる。
そんな物語に。
惹かれる。

アーサー王にまつわる、
騎士や魔術師の物語とか。
中原の国々の興亡とか。
遠い昔、遥か彼方の銀河の闘いとか・・・

何のことは無い。
近頃、夜更けは結構TVを観る日々だったりするのでした。
だって、面白いんだもん!

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2009/11/09 Mon *噂を信じちゃ・・・ / Savoy Brown

20091109streetcornertalking


あんな話。
こんな話。
ある話。ありそうな話。
ない話。なさそうな話。

あっちで。
こっちで。
ああでもない。こうでもない。
ああじゃないか。こうじゃないか。

まぁ。
火の無い所にでは。
あるけれど。
立ってる煙が。
どっちへ流れるか。
そいつはどうにもね。

『Street Corner Talking』'71年リリース。
ブリティッシュ・ブルース・バンド、サヴォイ・ブラウンの7thアルバム。
殆どアルバム毎にリーダーのキム・シモンズを除くメンバー・チェンジがあったサヴォイ・ブラウン。
今回も前作『Looking In』に参加していたシモンズ以外のメンバーが脱退してフォガットを結成してしまって。
流石にサヴォイ・ブラウンもここまでか、解散かとの噂も当時は流れていたそうですが。
ところがどっこい。なんとヴォーカル以外は同じブリティッシュ・ブルース・バンドのチキン・シャックのメンバーを。
そのメンバーをごっそり移籍(?)させると言う何とも豪快な裏技を披露してその危機を乗り切ってしまったのです。
まぁ、チキン・シャックもリーダーのスタン・ウェブ以外のメンバー・チェンジの激しかったバンドなんですけどね。
余談ですが後にはウェブ自身が何を思ったかサヴォイ・ブラウンに加入したりもしています。う~ん。
さてと。このアルバムに針を落とすと。またブルース・ロックからスワンプ・ロックが派生したのかななんて。
そんな思いを抱いたりします。徐々に活動の場をイギリスからアメリカに移しつつもあったサヴォイ・ブラウンです。
シモンズのギターの泥臭さには、土埃の匂いも漂う様になっていて。アメリカ南部を思わせる瞬間さえも。
そのサウンドの広がり、懐の深さがこのアルバムを魅力的なものにしているのです。いいアルバムです。
「I Can't Get Next To You」に「Wang Dang Doodle」と。カヴァーの方が魅力的なところにその限界も感じますが。

あんな話。
こんな話。
ある話。ありそうな話。
ない話。なさそうな話。

あっちから。
こっちから。
どうなんですか。そうなんですか。
こうじゃないんですか。そうなんですよね。

まぁ。
火の粉が舞い散る様を。
遠くから。
囃し立ててる分には。
責任も。危険も。
無いし。他人事だし。

噂が立つのも。
噂が広がるのも。
それなりに。
注目されてる証拠なんだろうけど。
興味を抱いてる輩が多い証拠なんだろうけど。

噂は噂。
真実は。
必ずしもそこにはない。
真実とは。
かけ離れていたりもする。
噂を信じちゃ・・・

煙にまかれぬ様に。
火傷をしない様に。

それにしても。
最近の噂は。
街角ではなくて。
ネットで語られるんだなぁ。
(何を今更ではあるけれど)

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2009/11/07 Sat *飲まずに眠れるか/ The Kinks

200911107onefortheroad


飲まずに。
この一杯を。
最後の一杯を。
飲まずに死ねるか。
じゃ、なかった。
飲まずに眠れるか。

やっと。
やり過ごした一週間。
今週は短かったけど。
その総てが。
悪かったわけじゃない。
特別に嫌なことがあったわけでもない。
でも。それでも。
毎日を乗り切るには。
平静でいるには。
それなりの。
覚悟や思いが必要で。
今週も。
なんとか。
それを成し遂げた。
そんな自分の為に。
眠る前に一杯飲んでも。
いいだろう。

『One For The Road』'80年リリース。
キンクスにとってはロックン・ロール・イヤーズとなったアリスタ時代。
そんなアリスタ時代を象徴する、飛びっきり活きのいい2枚組ライブ・アルバム。
RCA時代にはあまりにレイ・デイヴィスの趣味の世界に嵌り込んでしまった感の強かったキンクス。
いや、それはそれで。レイならではの皮肉と諧謔と哀愁が色濃く漂っていて好きだったのですが。
流石に本人達もロックを、ロックン・ロールを演りたくなったのか。原点回帰したのがアリスタ時代だったかなと。
実にバンドしている、ロックン・ロール・バンドしているキンクスを楽しむことが出来るのです。
この頃のキンクスは全米でスタジアム級のライブを楽にこなして、人気も高かったのですが。
その超一級のライブ・バンドとしての姿が、その力強い演奏が見事に捉えられているアルバムなのです。
骨太で強靭なサウンド、弾けるギターを中心としたサウンドにキンクスの底力を見る思いがします。
(この十数年後に初めてキンクスのライブを体験したのですが。もう、そりゃ痺れて腰が抜けてってくらいに。
 いや、本当に。そのくらいにカッコ良かったのです。ブリティッシュ・ビート生え抜きのギターだぜってね)
という事で。このアルバムの主役はデイヴ・デイヴィスその人、そのギターだったりするのです。
ヘヴィ・メタル・ギターの元祖とも言われるデイヴです。そのギターの切れ味、輝き、半端じゃありません。
こんなライブを体験してしまったら。帰り道に、最後の一杯(One For The Road)を飲まずにはいられませんね。

飲まずに。
この一杯を。
最後の一杯を。
飲まずに死ねるか。
じゃ、なかった。
飲まずに眠れるか。

やっと。
辿り着いた週末。
その二日間くらい。
もう残り一日だけど。
なにもかも忘れて。
特別なことなど起きなくてもいいから。
そう。それでも。
御機嫌な気分でいられる様に。
弛緩したままでいられる様に。
それなりの。
覚悟も思いも放り出して。
この週末も。
このまま。
今夜も。明日もと。
そんな自分の為に。
眠る前に一杯飲んでも。
いいだろう。

誰にだって。
日常から帰る為の。
非日常の幸せを祈る為の。
そんな最後の。
特別な一杯があってもいいじゃないか。
そして。
そんな一杯を楽しませてくれる店と。
そんな一杯を共に乾してくれる相方が。
あることに。いてくれることに。
感謝する為の。
そんな最後の。
特別な一杯があってもいいじゃないか。

飲まずに眠れるか。
飲んだら眠っちゃうけどさ(笑)。

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2009/11/06 Fri *空がとっても青いから / The Plastic Ono Band

20091106livepeaceintronto


空がとっても青いから。

気持ちが良くて。
なんだか嬉しくて。
それだけで幸せで。
それだけで・・・済めばいいけれど。

そうもいかなくて。
あまりに青くて。
あまりに眩しくて。
あまりに高くて。

そんなわけないだろう。
美しいことばかりじゃないだろう。
輝くことばかりじゃないだろう。
昇っていくことばかりじゃないだろう。

空がとっても青いから。

『Live Peace In Toront 1969』'69年リリース。
ジョン・レノン率いるプラスティック・オノ・バンドの初舞台の模様を収めたライブ・アルバム。
トロントで行われたロックン・ロール・リヴァイヴァル・ショーへの出演が決まったのが何と前日で。
セット・リストとかの打ち合わせは飛行機の中でやったとか。なんとも凄まじい話ですが。
その結果、ショーの趣旨にも合わせたか。リハの時間も無かったであろう事情もあってか。
ジョンの原点、ジョンの大好きなロックン・ロールのスタンダードが数多く演奏されています。
ビートルズのオリジナルから「Yer Blues」が選ばれてるのはギターでがエリック・クラプトンが参加していて。
そうなれば当然あの《ロックン・ロール・サーカス》でも一緒に演ってるからなってのがあったのではと。
なんにしろ。相当に無茶で無謀で。危なっかしい状況下でのライブだったと思うのですが。
そんな時にこそ発揮されるのが、一際輝くのがロックン・ローラーとしてのジョンの感性なので。
歌詞もあやふやで、演奏も粗くて。でも。そんなことお構い無しとばかりにシャウトするジョンに痺れます。
この腹の据わり方、勝負強さ、ギリギリの崖っぷちで踏み止まってカッコつけてる様な危うさが魅力なのです。
「Yer Blues」は勿論、「Dizzy Miss Lizzie」の「Cold Turkey」のジョンの叫びにリアリティを感じるのです。
余談ですが。このアルバムは長い間A面にしか針を落としていません。受けつけないものってのもあるのです。

空がとっても青いから。

気持ちが良くて。
なんだか嬉しくて。
それだけで幸せで。
それだけで・・・済むわけはないと。

それはそうだと。
あまりに青過ぎる。
あまりに眩し過ぎる。
あまりに高く過ぎる。

それだけが総てじゃないと。
美しいだけのものなどないだろう。
輝くだけのものなどないだろう。
昇っていくだけのものなどないだろう。

空がとっても青いから。

その青さを疑ってみたくなる。
その青さを裏切ってみたくなる。
その青さを汚してみたくなる。

その青い空の。
何処かに。片隅に。
雲を探してみたくなる。
雲が湧き上がるのを望んでいる。

そこにこそ。
それでこそ。
自分にとってのリアリティがあるから。

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2009/11/05 Thu *ほくほく / Taste

20091105tasteliveatisleofwight


お帰り。
今日も寒かったね。
わぁ、冷たい。
こんなに冷えちゃって。
お帰り、お帰り。
お疲れ、お疲れ。

こんな日は。
こんな夜は。
温かいものを食べて。
体の中から温まろう。
体も心も熱くなろう。

ちょっと待っててね。
昨夜から煮込んでるものね。
どんな感じかなぁ。
脂はとったほうがいいよね。
少しお醤油でも足そうか。
でもこのままでもね。
ぐつぐつとね。
味が沁み込んでいくね。

『Live At The Isle Of Wight』'72年リリース。
タイトル通りに'70年8月のワイト島フェスティヴァルで収録されたテイストの2枚目のライブ・アルバム。
解散後、ソロに転向したロリー・ギャラガーの成功を受けてレコード会社の意向によりリリースされたとか。
クリームの解散コンサートに出演してることからも第2のクリームとして売り出されたのは明白なテイスト。
しかし、いかんせん。ロリー以外の2人、リズム隊にはそこまでの個性や力量は無かったようで。
まぁ、あのジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーじゃ端から相手が悪すぎると思いますが。
このアルバムでも。ベース・ソロとドラム・ソロがフューチャーされてますが。よせばいいのにって感じです。
その分も補って余りあるのがロリーのギターで。とにかく全編に渡ってそのギターが堪能できます。
とにかく。縦横無尽に自由自在に弾きまくって。これでもかと。これもあればそれもあるぞと。
未だロリー自身の方向性も未分化だったせいもあってか。荒々しくはあるものの革新的だったりもするのです。
特にライブだと。もう弾きたくて弾きたくて。楽しくて楽しくて。そんな熱さがひしひしと伝わってくるのです。
なんかそのひたむきさが好きで。こう聴いていると、こちらにまでその熱が沁み込んで温かくなったりもして。
どうもこの日記では食べ物ネタの時に出番の多いロリーですが。その熱さ、温かさがね、そうさせるのかも(笑)。

お待たせ。
今日も遅くなっちゃったね。
さぁ、テーブルの上を片付けて。
熱いからね気をつけて。
座って、座って。
食べよう、食べよう。

こんな日は。
こんな夜は。
温かいものを食べて。
体の中から温まろう。
体も心も熱くなろう。

美味しそうな匂いだね。
じっくり煮込んだものね。
いい感じだよねぇ。
豚肉とても柔らかそうだよ。
大根さぁ、いい色になってるね。
では、いただきま~す。
ほくほくだね。
味が沁み込んでるね~。

こんな日は。
こんな夜は。
温かいものを食べて。
体の中から温まろう。
体も心も熱くなろう。

ほくほく。
温まるね。
熱くなってきたね。
ほくほく。
幸せだね。

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2009/11/04 Wed *想像を膨らませて / The Rolling Stones

20091104getyeryaya


想像。
想像するんだ。
想像してみるんだ。
想像を膨らませて。
さぁ。
あの場所へ。
あの時へ。

何が見える。
何が聴こえる。
何を感じる。
何に触れられる。
何を手に出来る。

限られてるから。
届かないから。
見果てないから。
だから。

想像を膨らませて。
その翼に乗ってみるんだ。

『Get Yer Ya-Yas Out !』'70年リリース。
'69年の全米ツアーで収録されたローリング・ストーンズのライブ・アルバム。
3年振りのツアー、しかもミック・テイラーが加わってからは初めてのツアーだけに。
しかもそのブランクの間にロックのライブの概念自体が大きく変わって長時間化してるしと。
結構不安な要素満載だったのではと想像するのですが。現に直前のハイド・パークなんて結構ボロボロで。
いや、あれはあれで。あのボロボロさ加減もスリリングでストーンズらしくて好きなんですけど。
このアルバムではキースとテイラーのコンビネーションもバッチリで。2本のギターがグングン引っ張ってて。
この完成度の高さ、このカッコ良さ。流石はストーンズ。凄いじゃんと素直に痺れてしまうのですが。
同じツアーの海賊盤を聴くとこれがまたボロボロな日もあったりするので。よほど気合を入れてたのかなとか。
まぁ、スタジオで手を加えてもいるのでしょうが。それにしても。やっぱりこの演奏は御機嫌だなと。
どの曲もいいんだけど。やっぱり「Midnight Rambler」は最高に“カッチョイイ~”と思います。最高にね。
さて。個人的にはこのアルバムが中学生の頃、2番目に手に入れたストーンズのアルバムで。
それこそ擦り切れるくらい聴いてましたが。当時既にテイラーは脱退してるし。今みたいに情報も映像も無く。
この裏ジャケットを穴が開くほど見詰めながら。思いっきり想像を膨らませていたのでした。もう思いっきり。
届かない。見果てない。そんなストーンズのライブを。それこそ瞬間的には次元も空間も飛び越えんくらいにね。
キースが弾いてるギターの名前も知らなかったけど。きっとこんな格好で、アクションで弾いてるんだろうなとか。
見てきた様な・・・じゃないけれど。瞼の裏、頭の中では自分だけのストーンズのライブを繰り広げてたのです。
さて40周年記念エディションがリリースされて。未発表の曲や前座のB.B.キングやアイク&ティナのライブまで。
これで本来ストーンズが意図していてデッカに断られた幻の2枚組に近い形で聴くことができるのかもですが。
(2枚組で聞けるのはボブ・ディランくらいさと、ミック・ジャガー自身が却下したと言う説もありますが)
なにかにつけて想像力が逞しかった時代への追想も込みで。このオリジナル盤はやっぱり特別でしょうかね。

想像。
想像するんだ。
想像してみるんだ。
想像を膨らませて。
さぁ。
あの場所へ。
あの時へ。

見えてくる。
聴こえてくる。
感じる、感じる。
触れることも出来る。
手にすることさえ出来る。

限られてるから。
届かないから。
見果てないから。
だったら。

想像を膨らませて。
その翼で飛んでいくんだ。

見えるもの。
聴こえるもの。
手に出来るもの。
情報も物も。
いっぱいで。
溢れてて。
届いちゃうし。
辿り着いちゃうし。
それはそれで。
幸せなんだけど。

想うだけで。
描くだけで。
夢中になれた。
興奮できた。
幸せだった。
あの頃が懐かしかったり。

それにね。
想像する余地が無い世界なんて。
面白くもなんとも無さそうで。
だから。
もう一度。

想像力を鍛えなおして。
想像力に逞しさを取り戻して。
想像を膨らませて。
飛んでみよう!

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2009/11/03 Tue *北風ぴーぷー / David Coverdale

20091103northwinds_2


木枯し。
吹いたんだな。
どうりで。
空気が冷たくて。
一気に。
寒くなってきた。

こうして。
北風に。
背中を押されて。
季節が動いていく。
今年は。
冬の訪れも。
早いかもしれないな。

『Northwinds』'78年リリース。
デヴィッド・カヴァーデイルの2枚目となるソロ・アルバム。
前作に引き続いてロジャー・グローヴァーに制作を委ね、ミッキー・ムーディと組んでいます。
ディープ・パープルのステージではイアン・ギランのイメージを背負ってシャウトして。
ホワイト・スネイクを結成して全米へ進出してからはすっかりメタルの人って感じのカヴァーデイルですが。
元々はソウルやブルースに影響されたソウルフルな歌声がその持ち味だったりします。
第3期や題4期のディープ・パープルのアルバムでもその嗜好は色濃く滲んではいましたが。
ソロ・アルバムではもうそれこそ顕になって。このアルバムでも実にソウルフルでブルージィな歌声を聴かせます。
収められているナンバーも、そのサウンドも。その歌声を生かす為に作られていて。それがいい感じです。
中にはゴスペルを思わせるナンバーもあったりして。熱く、生き生きとしたカヴァーデイル、楽しそうでもあります。
(このゴスペル風なコーラス、グローヴァーやジョン・ロードの奥様達も参加しているんだそうですが・・・)
そのブロンドと相俟ってロバート・プラントと比較されることも多いカヴァーデイルですが。
このアルバムを聴くと。プラントではなくて。ポール・ロジャースとの共通項が多いのではとの感を強くします。
英国の荒涼とした大地を吹き抜けていく、冷たい中にもどこかに生命の息吹を感じさせる北風の様な。
そんな温かさを感じさせるこの頃のカヴァーデイルの歌声、黒っぽさもあって結構好きなんです。
この頃は髪も染めてなくて黒かったしね。まぁ、それは関係ないけど。いや、やっぱり関係あるかな。

木枯し。
吹いたんだな。
どうりで。
夜気も冷たくて。
本格的に。
寒くなってきた。

こうして。
北風に。
体を抱きしめられて。
季節が深まっていく。
今年は。
冬の訪れも。
早いかもしれないな。

北風ぴーぷー。
なんて。
焚き火には早いけど。
焚き火なんて目にする機会も減ったけど。

木枯らしが吹いて。
やがて。
色づいた葉が落ちて。
落葉が焚かれて。
なんて。
そんな。
季節の動きや。
季節の深まりを。
その色や匂いを思い描く。
そんなこれからの日々が。
結構好きだったりするのです。

北風ぴーぷー。
なんて。
寒いのはやっぱり。
少しばかり苦手ではあるけれど。

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2009/11/02 Mon *更けゆく秋に / Small Faces

20091102autumnstone


あちら。
こちら。
あっ、あそこも。
ほら、こっちも。
徐々に。
色づき始めてる。
段々と。
更けていくんだね。

紅く。
黄色く。
木々が。
山々が。
装いを変えていく。
その様を目に止めながら。
ゆっくりと山を下りながら。
更けゆく秋に。
何かを思う。

『The Autumn Stone』'69年リリース。
解散後にリリースされたスモールフェイセズの2枚組編集アルバム。
タイトル通りに秋を意識したかのジャケットに漂う英国的な香りがいい雰囲気を醸し出しています。
シングルでリリースされたA面ナンバーを中止に、ライブ・テイクや未発表だったナンバーも収録されています。
実はそのライブ・テイクや未発表ナンバーは同じく解散後にリリースされた『In Memoriam』にも収録されてて。
『In Memriam』がドイツでのみのリリースだった為に、改めてこのアルバムにも収録された様です。
各ナンバーが年代順に収録されているわけでもありませんが。その軌跡を俯瞰するには丁度よいかなとも。
モッズのヒーローたるブリティッシュ・ビート・バンドから一気に駆け上がっていく様が手に取る様に伝わります。
その短かった活動期間の総てにおいて。粋でカッコ良かったスモール・フェセズの姿が凝縮されているのです。
「All Or Nothing」とか「Sha-La-La-La-Lee」とか「Tin Soldier」とか。いつ聴いても痺れてしまいます。
そしてこのアルバムで白眉なのが3曲のライブ・テイクで。'68年5月の公演からの音源だそうですが。
そのホットでパワフルな演奏、そして何よりソウルフルなスティーヴ・マリオットの歌声に圧倒されてしまいます。
既にマリオットの次のステップ、ハンブル・パイの影を感じとることすら出来てしまうのですが。その素晴しさ故に。
スモール・フェイセズ解散が避けられないものだった証明にもなっていて。感傷的になったりもするのですけどね。

あちら。
こちら。
あっ、あそこも。
ほら、こっちも。
もう少しで。
燃える様になるんだね。
段々と。
更けていってるんだね。

紅く。
黄色く。
木々が。
山々が。
染められていく。
その様を瞼の裏に描きながら。
ゆっくりと街に戻りながら。
更けゆく秋に。
何かを思う。

何かを思う。
何かを感じる。
そして。
何かを。

秋深き隣は何をする人ぞ。
いや。
秋深き己は何をする人ぞ。

更けゆく秋に。
何かを、ね。

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2009/11/01 Sun *雨粒がポツリと / B.J. Thomas

20091101raindrops_2


雨粒が。
ポツリと。
頭に、背中に。
火照った体に心地良い。
空から。
ポツリ、ポツリと。
あぁ、本当に気持良い。

さぁ。
もう一度。
肩まで浸かろう。
少し冷めた体に心地良い。
足下から。
じわり、じわりと。
あぁ、本当に気持ち良い。

顔が崩れて。
頬が緩んで。
思わず鼻歌の一つでも。
温まる。温まる。
蕩ける。蕩ける。
じっくりと浸かって。
火照ってきたら。
また繰り返し。

雨粒が。
ポツリと。

『Raindrops Keep Fallin' On My Head』'69年リリース。
あまりにも有名なタイトル・ナンバーをフューチャーしたB.J.トーマスのアルバム。
この可愛らしくも美しいジャケット、どこかで見た様な構図だったりしますが。
そう。タイトル曲が主題歌となった映画、《明日に向って撃て!》のあのシーンを意識しています。
ポール・ニューマンとキャサリン・ロスが演じたあのシーン、ブッチとエッタが自転車で戯れるあのシーンです。
あのほのぼのと温かく、でも胸を締め付けられるほど切ないシーンで流れていたのがこのタイトル・ナンバーで。
口には出せない思いを胸に秘め、明日の運命を予感しながらつかのまのささやかな幸せにはしゃいでみせる。
あのシーン、あの名シーンを彩っていたのがこのタイトル・ナンバーだったのです。好きだったなぁ。
所謂、アメリカン・ニュー・シネマが大好きで。《イージー・ライダー》《卒業》《真夜中のカーボーイ》とか。
《スケアクロウ》《ファイブ・イージー・ピーセス》《フレンチ・コネクション》とか。
そして《俺たちに明日はない》と共にやっぱり《明日に向って撃て!》がね、やっぱり本当に大好きで。
何者にもなれなくて。でもほんの一瞬だけ輝いて。やがて・・・そんな生き方にね無性に憧れていたのです。
だから。このタイトル・ナンバーも体に沁み込んでいて。イントロを耳にしただけで切なくて、懐かしくて。
だから。そのタイトル・ナンバーとこのジャケットだけで。もうそれだけでこのアルバムはいいのです。
そうそう。邦題の「雨にぬれても」ってのも。なんとも言えず。素晴しいなと思うのです。いいですよね。

雨粒が。
ポツリと。
頭に、背中に。
火照った体に心地良い。
空から。
ポツリ、ポツリと。
あぁ、本当に気持良い。

さぁ。
もう一度。
肩まで浸かろう。
少し冷めた体に心地良い。
足下から。
じわり、じわりと。
あぁ、本当に気持ち良い。

顔が崩れて。
頬が緩んで。
思わず鼻歌の一つでも。
温まる。温まる。
蕩ける。蕩ける。
じっくりと浸かって。
火照ってきたら。
また繰り返し。

雨粒が。
ポツリと。

温泉地の夜。
露天風呂で。
雨にぬれても。
温泉の温かさと。
雨粒の冷たさが。
もう。本当に。
いい塩梅で。
いい加減で。
温まって。
火照って。
少し冷ましての。
繰り返しで。

雨にぬれながらの。
露天風呂。
極楽気分なのでした。

これが雪だったら。
それもまた堪らないんですよね~。

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2009/10/31 Sat *表彰状 / The Rolling Stones

20091031goldenprize


表彰状。

まぁ、兎にも角にも。
十年間お疲れ様でしたと。
俺が知ってるのはその半分ほどだけど。
まぁ、面白かったかな。

初めて扉を開けた。
あの夜から。あの時から。
何故か居心地が良くて。
とても気持が良くて。
自然に安らげて。

酒なんて。
もう二十数年飲んでたけど。
同じ酒でも。同じ一杯でも。
異なるんだなと。
飲み方や。
店や。空気や。会話や。
何よりも。
人で変わるんだなと。
その触れ合い、揺れ具合が楽しくて。

『Golden Prize』'70年リリース。
キング・レコードの企画の一環として編集されたローリング・ストーンズの日本独自のベスト・アルバム。
このゴールデン・プライズ(金賞)シリーズにはトム・ジョーンズとかレーモン・ルフェーベルのもあったとか。
更にはオリジナル・サウンド・トラックのゴールデン・プライズなるアルバムもリリースされていたそうで。
当時の日本の洋楽が置かれていた状況なんてのも連想されて、なかなか興味深いものがありますが。
とにかくキング・レコードはほぼ毎年の様に日本独自のストーンズのベスト・アルバムをリリースしてました。
「Tell Me」「(I Can't Get No) Satisfaction」「Get Off Of My Cloud」「As Tears Go By」
「19th Nervous Breakdown」「Paint It, Black」「Mother's Little Helper」「Let's Spend The Night Together」
「Ruby Tuesday」「We Love You」「She's A Rainbow」「Jumpin' Jack Flash」「Honky Tonk Women」
「Let It Bleed」...今回の選曲はこの14曲です。まぁ、至極真っ当と言うか当たり障り無いと言うか。
特に日本で人気のある曲を集めた訳でも無さそうですが、押さえるところは押さえてるのかなとも。
ダブル・ジャケットで。インナーには全曲リストが載っていたりと。それなりに力が入っているのが感じられます。
当時オリジナル・アルバムの定価が2,000円のところを2,500円で売り出されたのもその表れかなと。
ストーンズは日本ではレコードが売れなかったとのことですが、まぁ、それなりに貢献はしていたのでしょうから。
それに対するご褒美として、金賞を授与するみたいな感じでこの企画に名を連ねることが出来たのかななんて。
まぁ、キング・レコードからのストーンズへの表彰状ってことにしときましょうか。完全にこじつけですが(苦笑)。
そうそう。この手のベスト・アルバムの楽しみとして置かれた位置によって異なる顔を見せる曲があることですが。
「Jumpin'~」と「Honky~」が並んでいるとのが新鮮なのと。その後に「Let It~」で〆るところが面白いかなとも。

表彰状。

まぁ、兎にも角にも。
十年間お疲れ様でしたと。
俺が知ってる限りでは実働は何割減だけど。
まぁ、それも個性だったかな。

初めて扉を開けた。
あの夜から。あの時から。
何故か居心地が良くて。
とても気持が良くて。
自然に安らげて。

酒なんて。
もう二十数年飲んでたけど。
同じ酒でも。同じ時間でも。
異なるんだなと。
過ごし方や。
店や。空気や。会話や。
何よりも。
人で変わるんだなと。
その触れ合い、揺れ具合が楽しくて。

かってに。
我家のリビングと名づけて。
我侭言ったり。
からかったり。
遊んでるようで、遊ばせてもらってたり。
時々、本当に時々だけど学ばせてもらったり。
まぁ、面白かったよ。
その貢献に、功績に。
気持だけ、本当に気持だけだけど表彰状を。

腕はある。
知識も豊富。
会話も面白い。
接客も心得てる。
惜しむらくは。
俺と同病。
先天性勤労意欲失調症(?)。
これさえなきゃね。
惜しい・・・
なんてこれからは言ってられないんだから。
無理せずに。頑張る様に。

我家のリビングから。
一人旅立って行きました。
近いうちに。
気の置けない。
新しいリビングが増える予定です。
別れは寂しくて。
でも楽しみでもあるのです。

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2009/10/30 Fri *爪を隠さず / 忌野清志郎

20091030razorsharp


時には。
思わせないと。
感じさせないと。
匂わせとかないと。

こいつは。
切れるかも。
出来るかも。
もしかしたら。
凄いかも。
とか。

敵にはしたくないな。
見方にしときたいな。
だから。
縛りつけたりしないで。
自由にさせといたほうがいいな。
とか。

だから。
爪を隠さずに。
傷の一つや二つ。
つけてみたり。
残してみたり。

『Razor Sharp』'87年リリース。
RCサクセションでのロンドン録音の筈がメンバーの反対にあって急遽単身で渡英した忌野清志郎。
ブロックヘッズのメンバーや元クラッシュのトッパー・ヒードンらと制作された初めてのソロ・アルバム。
コーラスでブロックヘッズの親玉イアン・デューリーや、ホワイト・ファンク・バンドのココモも参加しています。
何が凄いって。あのブロックヘッズですから。太いし、跳ねるし、タイトだし。それでいていい塩梅でルーズだし。
特にベースのノーマン・ワット・ロイ。この人のベースがバンド全体を支えて、弾けて。実にカッコ良いのです。
(ウィルコ・ジョンソンのツアーで何度も生で体感しましたが、本当にこのノーマンのベースには痺れます)
そしてそんなメンバーを相手にして。一歩も退かずにどころか二歩も三歩も前に出て引っ張っていく清志郎。
ここまで溌剌と伸びやかに。そして毒気と諧謔を溢れさせながら艶やかに歌う、清志郎がやっぱり最高です。
収められたナンバーは殆どRC用だったのでしょうが。正直、当時のRCではここまでのアルバムになったかなと。
リーダーのいないバンドだったRC。その仲の良さ、居心地の良さがRCならではの世界を生んでいたのですが。
このアルバム制作時に、メンバーの強烈な自己主張や積極的なやりとり等に刺激を受けたらしい清志郎。
自らの中に眠らせていた何かが目覚めたかなと。こんなのもあり、これでいいんだって楽しさに溢れています。
爪を隠さずに。爪を剥きだしに。振り切った時の清志郎の凄さ、素晴しさを久々に見せつけたアルバムなのです。
このアルバムとツアーが無かったら『Covers』もタイマーズも。そして『KING』も無かったかなとか。
そうそう。当時深夜の島田紳助の番組で、CDの音質を批判してレコードが良いですよとか言いながら。
このアルバムのCDを宣伝して紳助に突っ込まれて苦笑いしていた清志郎の姿を今でも憶えています。
ボス、俺はちゃんとレコードも、CDも両方買いましたよ。やっぱりレコードの方がボスの声は温かいかなぁ。

時には。
ハッキリと。
しっかりと。
見せつけとかないと。

こいつは。
切れるぞと。
出来るぞと。
やっぱり。
凄いんだな。
とか。

絶対に敵対はしたくないな。
見方にしても一目必要だな。
だから。
総て強制したりしないで。
ある程度任せといた方がいいな。
とか。

だから。
爪を隠さずに。
傷の一つや二つ。
つけてみたり。
残してみたり。

傷つけすぎるのもよくないけど。
舐められたらおしまいだから。
甘く見られたらおしまいだから。
寝たふりしながら。
半眼で。
時には目覚めて。
爪を剥きだし。
一撃お見舞いしてやろう!

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2009/10/29 Thu *無法、天に通ず / Thin Lizzy

20091029western


何故だか。
どうしてだか。
自分でも解らないけれど。
小心者で。
臆病なくせに。

いつも。
どこかで。
根本的に。
どうにかなる。
どうにでもなる。
そう信じてる。

それがどうしたと。
人がどうであれ。
世がどうであれ。
外れていようが。
逸れていようが。
自分は自分。
それでいいんだと。
何故だか。
どうしてだか。
腹は括れている。

『Vagabonds Of The Western World』'73年リリース。
かって『西洋無頼』なる邦題が冠されていたシン・リジィの3rdアルバム。
デッカ在籍時最後のアルバム、そしてトリオ編成のシン・リジィとしても最後のアルバムです。
後にその流麗なツイン・リード・ギターを旗印として世界を席巻するシン・リジィですが。
そのどこか哀愁を帯びた美しく詩情豊なメロディーは既にこのアルバムでも十分に堪能できるのです。
アイリッシュであることに拘り、誇りを持ち続けたフィル・リノットならではの世界がここにもあるんです。
それを見事に描き上げているところにトリオ時代のシン・リジィの高度で個性的なサウンドの凄さを感じますが。
なかでも太く歪んだギターでリフを刻み、ソロを奏でるエリック・ベルの、そのギターに魅せられます。
シン・リジィと言えばレス・ポールを思い浮かべますが。ここでのベルはストラトかな。実にいい音で鳴いています。
このアルバムを最後に脱退してしまうベル、最後の畢生のプレイがこのアルバムで聴けるのです。
そして。シン・リジィのアルバムに針を落とすといつも。フィルの、あの笑顔、人懐っこそうなあの笑顔が浮かんで。
歌心溢れるならず者、フィルのその勇姿とその生涯に思いを馳せてしまうのです。

何故でも。
どうしてでも。
自分でも解らないけれど。
小心者で。
臆病だからこそ。

いつも。
どこかで。
根本的に。
どうにかなる。
どうにでもなる。
そう信じている。

それがどうしたと。
人がどうしようが。
世がどう言おうが。
廃れていようが。
乗っていなかろうが。
自分は自分。
それでいいんだと。
何故でも。
どうしてでも。
腹は決まっている。

自分の心に。
自分の思いに。
それだけに忠実に。
それだけに殉じて。
その声だけを聞いて。
その命ずるままに。

外れたら外れただけの。
逸れたら逸れただけの。
覚悟さえあれば。
それでいいのだと。
腹は括れている。
腹は決まっている。

だから。
今日も一人。
流れる雲の如し。
一人で歩いて、一人で動いて。
大丈夫。
無法、天に通ず。

ビクビク、ドキドキの連続でも。
それは顔に出さない様に。
ならず者でいるのも楽じゃない。
でも、好きなんだからしょうがない(笑)。

大丈夫。
無法、天に通ず。

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2009/10/28 Wed *その日の為に / David Bowie

20091028ziggymovie


いつか来る。
その日の為に。
必ず訪れる。
その日の為に。

何は伝えられたか。
何を未だ伝えていないのか。
何は遺せているか。
何を未だ遺せていないのか。

残された日々は。
許された時間は。
十分なようで。
心もとなくて。

何よりも。
その心構えが。
その決意が。
いまここにあるのかと。
いまここで揺るぎはしないのかと。

『Ziggy Stardust: The Motion Picture』'83年リリース。
'73年7月3日、ジギー・スターダストの最後のステージを収めたデヴィッド・ボウイの2枚組ライブ・アルバム。
英国ツアーの最終日だったこの日は最初から映像と音源の収録は決まっていたものの。
ジギーの引退と封印はその日になって突然ボウイの口から語られたものだったそうです。
常に変化を求め続けるボウイのことですので。おそらくはジギーと言うキャラクターに殉ずることを嫌って。
自らの手で。誰にも止められない形で。しかも劇的に終わらせる“その日”の為に備えていたんだろうなと。
アルバム『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust~』のナンバーは意外に少なかったりもするのですが。
ヴェルヴェットの「White Light/Whight Heat」のカヴァーも含んだジギー・ツアーの模様はよくわかるかなと。
やっぱり個人的には。ボウイはこの頃のグラムでハードでロッカーだった時代が一番好きだったりします。
映像が暗かったり、マイクのトラブルで音質に問題があったりで収録された当時は映像も音源もお蔵入となって。
'83年になってボウイがRCAとの契約消化の為に倉庫から引っ張り出してきて陽の目を見ることになりました。
その際にボウイがリミックスを施して。ヴォーカルの一部にオーヴァー・ダヴも行ったとも言われています。
この日はジェフ・ベックがゲストだったのですが。演奏が気に入らずに、参加したナンバーの収録を拒んでいます。
一説ではその日着ていた衣装がカッコ悪くて映像に残るのを恐れたとかも言われています・・・

いつか来る。
その日の為に。
必ず訪れる。
その日の為に。

未だ伝えていないものを。
遅滞なく伝える為に。
未だ遺せていないものを。
漏れなく遺す為に。

残された日々を。
許された時間を。
生かせる様に。
使いきれる様に。

何よりも。
その心構えを。
その決意を。
いまここに明らかにと。
いまここで揺るぎないものにと。

その日々を。
その時間を。
共に楽しみながらも。
いまからは。
その日に向って。
伝える者も、伝えられる者も。
遺すものも、遺される者も。
その日を見据えて。
その日の為に。

まぁ、まだまだ。
笑いながら。楽しみながら。
ではあるけれど。

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