2010/02/07 Sun *泣いている / Paul Kossoff
泣いている。
泣いているんだ。
泣きながら。
待っているんだ。
日曜日。
一人の午後。
前は。
そう。
以前は。
じっとなんかしていられなくて。
用が無くても。
用を作ってでも。
街へと繰り出してたけど。
日曜日。
一人の午後。
今は。
そう。
今では。
じっとなんかしていられなくても。
あれやこれやで。
あれやこれやがなくても。
家にいるのが好きなのだけど。
でも。
泣いている。
泣いているんだ。
『Blue Soul』'86年リリース。
フリーのメンバーとして、“泣き”のギタリストとして知られるポール・コゾフの2枚組編集アルバム。
僅か25歳にして夭折してしまったコゾフ。フリーだけでなく、ソロやセッションからも選曲されています。
まさにジャケットの如く。全身全霊を込めて泣かせまくるコゾフのギターがこれでもかとばかりに堪能できます。
なにせ、あのクラプトンがヴィブラートの掛け方を直接訊きに来たと言う逸話をもつコゾフのギターです。
そのウィープするギターに身を任せると。心までも、その奥底までも揺さぶられて。涙が毀れてくるのです。
あまりにも鮮やか過ぎる、赤過ぎる。そんな夕陽を目にしてしまった時の様に堪らない気持ちになるのです。
孤独、焦燥、渇望、憧憬・・・その悲しい最期を知るだけに感傷的になり過ぎているのかもしれませんが。
今でも。時に。どうしても。コゾフのギターに、その泣きに包まれたい午後が、時間が確かにあるのです。
ソロやバック・ストリート・クロウラー、そしてアンディ・フレイザーとフランキー・ミラーのバンドへの客演とか。
それらもいいのですが。やはり当時このアルバムで初めて発表されたフリーのライブ3曲が魅力的だったかな。
そしてそして。やはり「Come Together In The Morning」での“泣き”にはいつも泣かされてしまうのです。
貴重な写真やファミリー・ツリー、ディスコグラフィ、アレクシス・コーナーがコゾフに捧げたナンバーの歌詞・・・
コゾフのインタビューも載ったインナーも素晴しく。やはりアナログ盤で持っていたいアルバムかなと。
(英国アイランド・レコードのオリジナル盤ではコゾフのギターが本当にいい音で泣いていますしね)
泣いている。
泣いているんだ。
泣きながら。
待っているんだ。
日曜日。
一人の午後。
前は。
そう。
以前は。
一人があたり前で。
一人で平気で。
寂しくもなくて。
乾いてもいなくて。
気づかない振りをして。
やり過ごしていたけど。
日曜日。
一人の午後。
今は。
そう。
今では。
二人があたり前で。
二人だから平気で。
寂しくて。乾いてしまって。
震えて。焦がれて。
叫びだしたいのを堪えているけど。
でも。
泣いている。
泣いているんだ。
心が。
どうしようもなく。
堪らなく。
泣いている。
泣いているんだ。
お~い。
早く帰ってきてね。
早く一緒に晩御飯食べようよ。
泣いている。
泣いているんだ・・・
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