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2010/12/21 Tue *異邦人 / Bob Seger & The Silver Bullet Band

20101221strangerintown


カミュほどではなく。
さりとて。
歌えるほど軽くもなく。

時は経てども。
処は変われど。
見慣れた場所。
見知った顔ぶれ。

時は経てども。
処は変われど。
空気は変わらず。
匂いも同じ。

だけど。
そう。
それが。
心地良いはずが。
心安らぐはずが。

変わらないことが。
同じであることが。
苛立たせる。
呆れさせる。
ついには。
諦念へと姿を変える。
笑ってしまいそうになる。

異邦人。

『Stranger In Town』'78年リリース。
デトロイトの生んだ巨人ボブ・シーガーとシルヴァー・バレット・バンド。
アメリカでの人気、知名度と比較すると日本でのそれはお話にならなくて。
かく言う自分も。このアルバムしかまともに聴いたことは無いんですけどね。
当時『見知らぬ街』なる邦題で日本でも発売されたこのアルバムだけは好きだったんですよね。
その頃、ロッド・スチュワートが大好きで。ロッドと同じ様な歌を聴きたいなぁって思って。
音楽雑誌やらFMやらで情報を集めてたらやたらとこのアルバムがプッシュされてて。
それで街に2軒しかなかったレコード屋の仲良くなってたお兄さんに無理やり試聴させてもらって。
あっ、これはいいんじゃないかって。あの頃のロッドに通じるものを感じたんだよなぁ。
確か同じ頃に。ヴァン・モリソンとかフランキー・ミラーも気に入って買った記憶があるのですが。
このアルバムが一番気に入って。受験勉強サボってよく聴いてたよなぁと。
おかしなもので。ヴァン・モリソンやフランキー・ミラーは今でも大好きで聴き続けてますが。
ボブ・シーガーはこの1枚だけ。しかもその一時期だけ聴き狂っていて。それ以降殆ど針を落とすことも無くて。
なんだったんだろうなあれは?この如何にもむさ苦しそうなボブのどこにそこまで惹かれたのか?
今となっては理解しがたいのですが。きっとね、なんかこう解りやすかったのかな、なんか男臭さもあって。
そう、だから。それが邪魔して。今聴くとですね。違和感があるんですよね。いや、いい声なんだけど。
ロッドやヴァンやミラーと並べると。うまくは言えませんがやはり違うなと。う~ん、ソウルでは無いんだよな。
久し振りに何回か聴いて。グッとくる瞬間もあるんだけど。やっぱり今は少し、遠いところにあるのかなと。

カミュほどではなく。
さりとて。
歌えるほど軽くもなく。

時は経てども。
処は変われど。
見慣れた場所。
見知った顔ぶれ。

時は経てども。
処は変われど。
空気は変わらず。
匂いも同じ。

確かに。
そう。
それが。
心地良くてもいい。
心安らいでもいい。

変わらないことが。
同じであることが。
悪いことではない。
それで成り立っているのであれば。
そのことに。
郷愁を憶えてしまいそうになり。
笑いをかみ殺している。

異邦人。

時は経てども。
処は変われど。
空気は変わらず。
匂いも同じ。

でも。
それを。
良しとはできない。
受け入れることはできない。
目を閉じ耳を塞ぐことも。
心を閉ざすことも。
できない。
そして。
心地良さに。
甘えることも。
懐かしむことも。
許されない。

時が経た。
処は変わって。
ここまで来てしまった。
この道を選んでしまった。

もう。
だから。
そこでは。
異邦人。

カミュほどではなく。
さりとて。
歌えるほど軽くもなく。
異邦人。

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