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2011年9月

2011/09/17 Sat *揺れない眼差し / Otis Redding

20110917thesoulalbum


その瞳。
温かく。
優しく。
穏やかで。
でも。
凛として。
強く。

その。
揺れない眼差し。
その。
強さが。
美しさが。
輝きが。

力をくれる。
救ってくれる。

『The Soul Album』'66年リリース。
じっとこちらを見つめる女性の眼差し。そのジャケットもいい感じのオーティス・レディングのアルバム。
4枚目のアルバムにしてこのタイトル。そこに込められたオーティスの揺るぎ無い自信を感じることができます。
殆どがミディアム~スローで。カヴァーが多くて。オーティスのアルバムの中でも地味な印象が強いのですが。
だからこそ。オーティスの真髄を。その比類なき歌声、そしてその存在の真髄が表れているかなとも思います。
サム・クック、ソロモン・バーク、ウィルソン・ピケット、サム&デイヴ・・・素晴らしいソウル・シンガーは数多く。
決してオーティスが飛び抜けている訳では無く。でも、それでもオーティスの歌声でしか、歌声にしか。
伝わってこないもの、感じられないものが間違いなくあると。やはり“選ばれて”いたんだろうなとしか思えません。
そして。そのことを。恐らくはオーティス自身も知っていた、感じていたんじゃないかなと。だからこそ。
その結果として彗星の如く短かったその短期間の活動の中で、全身全霊を込めて歌い続けていたんだろうなと。
決して激しくなくても、声高でなくても。その熱さを、強さを伝える、感じさせることができるオーティスです。
その揺れない、揺るぎ無い自信、思いの強さは。温かくもあり、優しくもあり。誤解を恐れずに言えば。
間違いなく。オーティスの歌声には誰かの心を癒す、誰かの精神を救う何ものかが宿っていたと思います。
かく言う自分も。何度となく。その歌声に癒されてきたか。力をもらったか。救われたか・・・なのです。

その瞳。
温かく。
優しく。
穏やかで。
でも。
凛として。
強く。

その。
揺れない眼差し。
その。
強さが。
美しさが。
輝きが。

力をくれる。
救ってくれる。

その。
揺れない眼差し。
それが。
いつも。
すぐ傍に。
あること。

その。
幸せを。
思うのです。



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2011/09/15 Thu *その時に / Sam & Dave

20110915bestofsamdave


いつでも。
見てるよ。
聞いてるよ。
ここにいるよ。
側にいるよ。

困っちゃった。
解らなくなっちゃった。
見えなくなっちゃった。
聞こえなくなっちゃった。
考えられなくなっちゃった。
蹲ってしまった。

大丈夫。
いつでも。
一緒だよ。
そうでしょ。
心配ないでしょ。

『The Best Of Sam & Dave』'69年リリース。
ソウル史上、最強のデュオだったサム&デイヴのベスト・アルバム。
黄金期のスタックス、メンフィス・サウンドに支えられ、従えて。無敵だったサム&デイヴです。
まさにダイナマイト、それもダブル・ダイナマイトです。ビンビンきます。ガンガンきます。腰が疼きます。
かのオーティス・レディングが一緒のステージに立つのを恐れたって話もあるくらいですからね。
そのライブでの凄まじさは残されている映像でも確認できますが。いや、本当に凄まじいものがあります。
勿論、そのオリジナルであるスタジオ録音も素晴らしくて。ここらはサム&デイヴの殆どのナンバーを手掛けた、
アイザック・ヘイズ&デヴィッド・ポーターの功績も大きいかなと。2人・・・だけでなく4人の相性が最高だったんだなと。
「Hold On, I'm Comin'」「Soul Man」「I Thank You」「Wrap It Up」ですからね。堪りませんぜってところです。
そして。そんな弾ける、腰にくるジャンプ・ナンバーだけでなく。時に聴かせてくれるバラードがまた絶品で。
特に、「When Something Wrong With My Baby (僕のベイビーに何か?)が美しくて、涙溢れてしまうのです。
強い絆で結ばれた、総てを共有し、ちょっとやそっとじゃ揺るぎもしないんだって。歌詞がまたね、いいんですよね。

いつでも。
見てくれてる。
聞いてくれてる。
ここにいてくれる。
側にいても。いなくても。

困っちゃった。
解らなくなっちゃった。
見えなくなっちゃった。
聞こえなくなっちゃった。
考えられなくなっちゃった。
蹲ってしまった。

大丈夫。
いつでも。
一緒だから。
そうなんだ。
心配しなくてもいいんだ。

その絆を。
揺るぎもしないことを。
何の疑いもなく。
感じられる。
それだけは。
信じていられる。
だから。
大丈夫。

だから。
もし。
いつか。
相方に。
何かあったら。
(ないほうがいいけど)
その時に。
同じ強さを持てる様に。
同じ優しさで包み込める様に。

その時に。
大丈夫。
一緒だよ。
心配ないよ。
そう言える様に。

回り道かもしれないけれど。
少しずつ。
一歩ずつ。



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2011/09/13 Tue *男心と秋の空 / The Street Sliders

20110913jagout


男心と。
秋の空ね。

うん。
そんなもんかな。
毎日。
毎日。
いや。
それどころか。
数時間ごと。
いや。
もっと頻繁に。

あっち。
こっち。
上がったり。
下がったり。
白だったり。
黒だったり。
灰色だったり。
尖がったり。
へこんだり。

ころころ変わっちゃうんだよな。

『Jag Out』'84年リリース。
ストリート・スライダーズの3rdアルバム。
このアルバムに伴う渋谷公会堂でのライブで初めてスライダーズを観たのかな。
とにかく。カッコ良くて。ぶったまげて。やられて。それで東京近郊のライブは追っかけたし。
その頃やってたバンドでもスライダーズのコピーをやるようになったのでした。
勿論、今でも好きなんだけど。あの頃は本当に好きで好きで。毎日繰り返し聴いてました。
やっぱりこの頃の。尖がって。しなやかな。獰猛で俊敏な獣の様なスライダーズが一番ですかね。
「Tokyo Junk」とか「カメレオン」とか「チャンドラー」とか。好きだなぁ。
で、「Pace Maker」とか「One Day」とかさ、ゾクゾクするほど痺れるんですよね。それは今も変わらないかな。
これだけいい感じで腰が落ちて、リズムを刻んで弾き出せるロックン・ロール・バンドってなかなか無いですよね。
まぁ、ストーンズ直系だから。元ネタがわれてるっちゃわれてる訳で。ストーンズ聴けばいいじゃないとか。
そんな風に思ってた時期もありましたが。やっぱりスライダーズにはスライダーズの良さがあるなと。
「カメレオン」のイントロ、あれだけで腰にくるんですよね。こなかったら嘘でしょうと思ったりもするのです。

男心と。
秋の空ね。

うん。
そんなもんかな。
なにか見ると。
なにか考えると。
いや。
それどころか。
見えてないのに。
考えてないのに。
いや。
見えようが見えまいが。
考えようが考えまいが。

あっちでもない。
こっちでもない。
右へ曲がって。
踵を返して戻ったり。
左へ曲がって。
振り返った立ち止まったり。
理由も無く。
尖がったり。
理由も解らず。
へこんだり。

ころころ変わっちゃうんだよな。

その日。
その時。
その瞬間。
カメレオンの様に。
変わってる。

尖がって。
ギザギザで。
その先端が。
外に向いたり。
内に向いたり。

男心と。
秋の空。



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2011/09/10 Sat *止むを得んでしょう! / 沢田研二

20110910royalstraightflushvolone


ありがとうございましたぁ。
今夜もまた。
お二人だけになっちゃいましたね。
この時間だもんねぇ。
もう他のお客さんもこないでしょう。
じゃぁ。
マスターも飲もうよ。
すいません。いただきます。

さてと。
今夜もまた。
三人だけですからね。
この時間だからね。
他のお客さんには看板にして。
そうですね。
マスターいつものいきますか。
止むを得んでしょう!

ジュリー~!

『Royal Straifht Flush』'79年リリース。
電撃のジュリー・ベスト・ヒッツ、後にシリーズ化される沢田研二、ジュリーのベスト・アルバム。
当時の最新シングルだった「カサブランカ・ダンディ」から始まって「ダーリング」「サムライ」ときて。
「憎みきれないろくでなし」「勝手にしやがれ」「ヤマトより愛をこめて」ですから。
裏返して「時の過ぎゆくままに」「危険なふたり」「追憶」「許されない愛」ときて。
「あなたに今夜はワインをふりかけ」そして「LOVE(抱きしめたい)」ですから。文句があるかと。どんなもんだいと。
凄いよなぁ、これでもジュリーのヒット曲のほんの一部だもんなぁ。「あなたに今夜は・・・」を選ぶ辺りが憎いなと。
いつだって、いまだって。ジュリー大好きですけど。特にこのアルバムに選ばれてるナンバーなんてね。
全部歌えるし、どれでも踊れるし。なんならウィスキー吹いて、帽子もなげちゃおうかってもんで(笑)。
みんなね、ジュリー大好きだったもんね。他の客がいなくなった真夜中の新宿三丁目のロック・バーで。
大音量でこのアルバムとかかけて。大合唱して、踊って。ジュリー・ナイトになっちゃって。
それで。さんざん飲んで、歌って、踊って。じゃぁ、またねって扉を開けたら夜も明けてて。
それでも。また真夜中、他のお客さんがいなくなったら。いつものねって。止むを得んでしょう!ってね・・・
いったいさぁ、何回、幾つの夜をあなたの店でジュリーと共に過ごしたんだろうね。
止むを得んでしょう・・・か。まだまだ何度もね、いつまでもね。その台詞が聞けると思ってたのにね。

ありがとうございましたぁ。
今夜もまた。
お二人だけになっちゃいましたね。
この時間だもんねぇ。
もう他のお客さんもこないでしょう。
じゃぁ。
マスターも飲もうよ。
すいません。いただきます。

さてと。
今夜もまた。
三人だけですからね。
この時間だからね。
他のお客さんには看板にして。
そうですね。
マスターいつものいきますか。
止むを得んでしょう!

ジュリー~!

何年経っても。
止まらないものがある。
乾かないものがある。
埋められないものがある。

もう七年。まだ七年。
なんで。
涙が溢れるんだろう。
叫ばずにいられないんだろう。
心のどこかが欠けたままなんだろう。

そして。
こんな日こそ。
こんな夜こそ。
その扉を開けたいのに。
あの夜をもう一度過ごしたいのに。

止まらない。
乾かない。
埋められない。
だから。
そう。
だから。
逝ってしまったあなたが。
観れなかった。
聴けなかった。
その分もね。
まだまだねと。
毎年ジュリーを追っかけてるんだ。
そんなことしか。
出来ないけれど。

知ってるかい。
今年は(ほぼ)タイガースなんだぜ。
サリーもベース弾いてるし。
ピーもいるんだぜ。
もうすぐ観に行くんだ。
どうだい。
いいだろう。
そっちまで聴こえるといいけどね。

七年目の祥月命日に。
あなたにワインを・・・じゃなくてジャックだなやっぱり。
献杯。
今夜は少しだけ過ごしても。
止むを得んでしょう!
・・・だよね。



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2011/09/09 Fri *変えても変わらない / 憂歌団

20110909kibunn


ある日突然。
それとも。
ある日から。
少しずつ。
いずれにしろ。
何かが。
変わった。

ひょっとしたら。
何も変わっていなくて。
変わってしまったって。
思い込んでるだけかも。
そうなのかもしれないけれど。

この目には。
この耳には。
この心には。
変わって見えたり。
変わって聞こえたり。
変わって感じられたり。
そんなこともあるんだなと。

まぁ。
それはそれで。
いいけれど。

『気分』'84年リリース。
日本が世界に誇ったブルース・バンド、憂歌団のフォーライフ移籍後2枚目のアルバム。
フォーライフに映ってからの憂歌団った、なんだか妙に色気を出したと言うかお洒落になった感があって。
どうなのよって。やっぱり「パチンコ」や「おそうじオバチャン」が憂歌団だろうって気もするんだけど。
まぁ、自分もそうだったので。このアルバムも買ったはいいけど。なんだかあまり針は落とさなくて。
木村君のあの声も勘太郎さんのあのギターも変わってないんだけど。サウンドが雰囲気がしっくりこなくて。
それでもライブのチケットは買ってたんで。渋谷の駅前の7階(だったかな?)にあったライブ・ハウスに行って。
ぶっ飛んだの、なんのって。本質はなんにも変っちゃいないんだのも。凄いの凄くないのって。
今でも。あのド迫力、あの熱気、呆然自失になった自分を鮮明に覚えてるくらいですから。御免なさいってね。
本編1時間半、アンコール1時間半、生歌180分・・・何にも変わっちゃいねぇじゃんよってね。
変えても変わらないんだと。大切なものを、本質を見失わなければねって。ブルースがそこにあるじゃんって。
そしたらこのアルバム、特にB面にすっかり参ってしまって。「ナイフ」「どす黒いやつ」「ザ・エン歌」ってね。
それにしても。木村君の声は反則だよなぁ。「ザ・エン歌」なんて年々胸に沁みてくるもんなぁ。堪らないよね。

ある日突然。
それとも。
ある日から。
少しずつ。
いずれにしろ。
何かが。
変わったんだな。

間違いなく。
今までとは。
変わってしまっていて。
思い込みだけじゃなくて。
変わったものもあるんだな。
変われって言ってるものもあるんだな。
だけど。
そんな時にも。
大丈夫。

この目には。
この耳には。
この心には。
変わらずに見える。
変わらずに聞こえる。
変わらずに感じられる。
そんなものがあるんだなと。

あぁ。
それはそれで。
いいんだなと。

そんなものを。
そんななにかを。
与えてくれる。
包んでくれる。
誰かがいるんだなと。

黒いものに支配されずに。
懐に呑んだものを抜かずに済むなら。
演歌も悪くはないなと。
変えても変わらない。
そうしていられるならね。



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2011/09/07 Wed *いまは、いつかは / Carpenters

20110907asongforyou


いまは。
そう。
そうなんだ。
いまは。
誰かの声を。
誰かの詩を。
誰かの唄を。

囁く様な。
呟く様な。
声を。
言葉を。
歌声を。
耳にしたい。
耳にしていたい。

他の誰かの為だとしても。
自分から遠く離れていたとしても。
いまは。
誰かの歌声が。
聴こえてくることが。
優しくしてくれるんだ。
嬉しいんだ。

『A Song For You』'72年リリース。
レオン・ラッセルの名曲をタイトルに冠したカーペンターズの4thアルバム。
ジャケット通りの甘く優しくポップなナンバーが詰まったアルバムです。
既に完璧なポップ・スターだったカーペンターズです。このアルバムでも完璧なポップスを聴かせてくれます。
それでいて固くなくて柔らかくて。熟していて。本当に幸福感に溢れたカーペンターズの世界なのです。
特にA面の頭からの3曲、タイトル曲~「Top Of The World」~「Hurting Each Other」の流れなんて絶品です。
あぁ、言葉は解らないけどなんて美しい声で歌う女の人なんだろう、なんて美しい歌声なんだろうと。
そう。何を隠そう。小学生のガキだった自分を洋楽の世界へと誘ってくれたのはカーペンターズだったのです。
カレンの可憐な歌声だったのです。初めて買った洋楽のレコードは「Top Of...」のシングル盤でした。
(邦楽も含めた初レコはですねぇ・・・まぁ、いつか載せることも・・・無いな。丘の上〇〇〇〇の花を♪ってね)
という訳で。そんな恩人のカーペンターズです。カレンです。今も針を落とすと胸がキュンと締めつけられます。
とか言いながら。ロックを聴き始めた頃には馬鹿にしたりもしてたんですよね。御免なさいですね。
勿論、その完璧さ、幸福感、美しさが実は作られたものであった事を知ってしまった今となっては。
その歌声が、その笑顔が切なく、哀しくもあるのですが。それでもその歌声には惹かれてしまうのです。
だってね。カレンはあなたの為、誰かの為、皆の為に歌っているんだもの。その歌声、思いにはさ、なんたってね。

いまは。
そう。
そうなんだ。
いまは。
誰かの声を。
誰かの詩を。
誰かの唄を。

囁く様な。
呟く様な。
声を。
言葉を。
歌声を。
耳にしたい。
耳にしていたい。

他の誰かの為だとしても。
自分から遠く離れていたとしても。
いまは。
誰かの歌声が。
聴こえてくることが。
優しくしてくれるんだ。
嬉しいんだ。

そして。
いつかは。
その思いに。
応えて。
引き継いで。
自分の歌声が。
何処かの誰かに。
届けばいいな、なんて思っている。

いまはね。
いつかはね。



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2011/09/05 Mon *その微笑み / Daryl Hall & John Oates

20110905darrylhallandjohnoates


その眼差し。
その口元。
微かに震えて。
微かに震えて。
その微笑みを。

脳裏に。
瞼の裏に。
思いだして。
描いて。
受け止める。

それだけでいい。
それだけで救われる。
そんなこともある。

『Daryl Hall & John Oates』'75年リリース。
通称シルヴァー・アルバムとも呼ばれるダリル・ホール&ジョン・オーツのアルバム。
RCA移籍第1弾にして通算4枚目のアルバム。心機一転、勝負をかけてロスに乗り込んで録音して。
結果、以前の素朴な泥臭さも残しながらも、ソウルとポップが結合した新鮮な魅力を手に入れたと。
その最たるものが全米4位の大ヒットとなり日本盤のタイトルともなった名曲「Sara Smile」だったっりします。
歌われているサラってのは当時のダリルの恋人だったそうで。そりゃあねぇ感情もこもろうってもんですが。
確かにね。この愛おしくも切ないバラードはですねぇ、実にその何と言うか堪らないですよね。
で、どうしても「Sara Smile」ばかりが語られがちですが。他のナンバーもいいんですよね。これがまた。
このアルバムで初めてホール&オーツの演りたかった、歌いたかったソウルが形になったんでしょうねと。
とかなんとか言いつつ。結局はやっぱりね。「Sara Smile」に尽きてしまうのですけどね。
だってねぇ、男だったらこんな風に歌いたいし、女だったら歌ってもらいたいじゃないですか。
こんな風に、恋する人、愛する人の名前を呼びたい、呼ばれたい。あぁ、その微笑みが僕を狂わせる・・・ってね。

その微笑。
振り向いて。
顔を上げて。
小首をかしげて。
その微笑みが。

その空気が。
その気配が。
その匂いが。
その思いが。
溢れ出す。
廻りだす。

それだけでいい。
それだけで救われる。
そんなこともある。

その救いが。
時に。
すぐ。
そこに。
手の届かないところに。
触れられないところに。
ある時に。
胸の。
柔らかいところが震え。
胸の。
深いところにさざ波が立とうと。

その微笑みが。
好きなんだ。



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2011/09/03 Sat *浮かび上がるもの / Ronnie Lane

20110903seeme


何が。
誰が。
どんな思いが。
どんな顔が。
浮かび上がる。

そこに。
そこへ。
いま。
どんな画が。
どんな姿が。
浮かび上がる。

どうなんだろう。

『See Me』'80年リリース。
スモール・フェイセズ、フェイセズ、スリム・チャンスを経たロニー・レイン初めてのソロ・アルバム。
粋でカッコいいモッズ・バンド、世界一の酔いどれバンド、米国南部への郷愁をあらわにしたバンド。
やがて音楽業界を離れれて農場暮らしを始めるも大寒波の営業で農場が半壊して復帰することに。
復帰作だからと力むこともなく、派手さを演出することもなく。いつも通りの優しいロニーがここにいるのです。
1曲を除いてはロニーの(共作も含む)オリジナルで。あの朴訥とした歌声に心も温かくなるのです。
エリック・クラプトン、ヘンリー・マッカロック、イアン・スチュワート、メル・コリンズ、キャロル・グライムス等々。
ロニーの人柄を示すかの様に大勢の仲間が参加しているのも如何にもロニーのアルバムだよなと。
クラプトンとの共作の「Barecelona」なんて。実にほのぼの、しみじみでいいんですよねぇ。
バリバリのモッズの顔役で。R&Bやソウルのマニアで。愉快な酔っ払いで。共同体に憧れて。農作業も好きで。
色んな顔を持っていた、見せてくれたロニーですが。現像して浮かび上がってきたその素顔は。
やっぱりねぇ、楽しく愉快で温かく、ちょっと切ない音楽を奏で楽しむ素敵なミュージシャンだったんだなぁと。
アルバムに針を落とす度にホッとして。そして。もっともっとこんな音楽を演り続けてほしかったなと思うのです。

何かが。
誰かが。
何かの思いが。
誰かの顔が。
浮かび上がる。

そこで。
そこに。
なぜ。
そんな画が。
どんな姿が。
浮かび上がる。

なんなんだろう。

見えている。
映っている。
見せられる。
入り込んでくる。

そこで。
そこに。
浮かび上がるものは。
なんなんだろう。
誰なんだろう。

ねぇ?



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2011/09/01 Thu *のんびりいこうぜ / Keith Richards

20110901vintagevinos


旦那。
おう、お前か。
久し振りですね。
そうだな。うん?
なんです?
珍しいな。
そうでしたっけ。
だいたいお前が会いに来るのは・・・
旦那の誕生日なんですけどね・・・
そうだよな。それに。
それに?
何だか冴えねぇ面してねぇか。
わかりますかい?
そりゃまぁ、長い付き合いだからな。
そうですね。かれこれ三十数年ですもんねぇ。

まぁ。いいから。ほら。
へっ?
間の抜けた返事してんじゃねぇよ。
はぁ・・・
一杯飲ろうじゃねぇか。
じゃぁ、ジャック・・・高級なワインですかね。
なんでぇ、その気じゃねぇかよ。
でね、旦那・・・

『Vintage Vinos』'11年リリース。
今年になってアナログ盤でも発売されたキース・リチャーズの2枚組ベスト・アルバム。
ベストたってねぇ、ソロ・アルバム3枚しかないんだから。2枚組ですが3面のみ収録で。
4面はジャケットと同じキースの後姿がエッチングされています。レコードは赤いカラー・レコードで。
その3枚のソロ・アルバムのリトグラフ(?)もついてます。至れり尽くせりと言うか。まぁ、何ですね。
一応「Hurricane」が収録されてるのが目玉なんでしょうか。まぁ、いいか。
なんだかんだいいながら。このキースの、旦那の後姿だけで買ってしまうわけですから。ねぇ。
ミックも浮気(?)してるんだからキースもベスト盤なんかでお茶を濁してないで。他にやることあるだろう。
なんてね言えないですね。まぁ、このキースの、旦那のマイ・ペース振りも含めて惚れてるわけですから。
改めて聴くとやっぱり『Talk Is Cheap』からのナンバーがいいなとかね。ライブ観たかったよなとか。
『Main Offender』だって悪くは無いよなとかね。そりゃそうだよな。キースが弾いて歌ってるんだから。
まぁ、普通のCDの形式では購入しようとは流石の自分も思わなかったんですけどね。
アナログ盤ならねと。いや3枚とも持ってるんだけど。偶には纏って異なった曲順で聴くのもいいかなと。
また、レコード盤の赤が実に鮮やかで。それも今時珍しくていいかなとか・・・だからキースが好きなんですね。
酒を片手に波打ち際を歩いていくキース。孤高なその姿に、揺るがない矜持を感じさせるその姿に。
その姿に助けられてきたんだなと、その背中を追ってきたんだなと。旦那、どこまでもついていきますぜと。

旦那。
で、どうしたい。
なんか疲れてるんですって。
そうかい。そいつはよくねぇな。
で、ゆっくりやれって。休めって。
言われちまったと。
そんなところで。
そうかい。まぁ、偶にはいいんじゃねぇか。
でもね。旦那。みんな頑張ってるんですぜ。
人は人。自分は自分。それにだな。
それに?
一皮剥きゃみんな同じだって教えただろうが。
そうなんですかね?
そりゃまぁ、心も体も疲れ切っちまうこともあるさね。
そうですね。でもね。なんか。その。

まぁ。いいから。ほら。
頂きます。
つまらねぇこと考えるんじゃねぇよ。
はい?
いつまでもとか。いつになったらとかな。
どこかへとか・・・もですかね。
当たり前じゃねぇか。
でもね、旦那・・・

のんびりやりな。
そういやぁ、もう何年も新譜もツアーも。
馬鹿野郎、俺の事はいいんだよ。
すいません。
弦だって神経だって張りっぱなしじゃ堪んねえやな。
はい。
そんな時はちょいと弛めてやりゃいいんだよ。
でも弛みっぱなしじゃ・・

お前、ギター弾けるか?歌えるか?
いや、弾けません、歌えません。
でもよ、お前なりの歌はあるだろうよ。
俺なりの?
もう伝えたいことは無いのか?渡したいものはないのか?
いや、それは・・・
伝えたい人も、渡したい人も、もういねぇのか?
いると思います・・・います。

それだけでいいんじゃねぇか。
それがありゃいいんじゃねぇか。
休んだって。弛んだって。
また歩き出せるんじゃねぇかい。
旦那・・・

それに。
それに?
あいつやあいつ。
あいつにあいつ。
あいつらの分もお前は聴くんだろう?観るんだろう?
俺の行く末までよ(笑)。
あいつらの・・・
未だ早いんじゃないかい。
旦那ぁ(涙)。
まぁ、のんびりいこうぜ。

仕方ねぇなぁ。
マイ・ペースな旦那に付き合って。
暫くは。
のんびりいくことにしようかな。
想定外に疲れてたみたいなので。
心と体の疲労とやらが落ち着くまでね。
まぁ、そんなところです。



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2011/07/26 Tue *おじいちゃんになったんだね / Mick Jagger

20110726shestheboss


まったくさぁ。
何と言うかさ。
言葉も無いね。
ここまでくるとさ。

勝負強くて。
悪運が強くて。
とにかく。
ひたすらに。
ポジティブで。

それにしても。
それにしてもだぜ。
その。
神通力が。
ここまで効くかよ。

まったく。
あんたの。
娘さんも。
お孫さんも。
敵わんなぁ。

泣けてくるだろう。

『She's The Boss』'85年リリース。
本日めでたく68回目の誕生日を迎えたミック・ジャガー。
そのミックが41歳にして初めてリリースした本格的なソロ・アルバム。
制作にビル・ラズウェルとナイル・ロジャースが加わって。
ジェフ・ベックも参加してるしと話題豊富で。随分と現代的で元気一杯で。
いいアルバムです。そうミックのソロとして考えたら十分に傑作でしょ。
でもさぁ、ベックでいいのかよと。隣でギター弾くのはキースでなきゃ駄目だろうよと。
最近もまた浮気しているらしい(?)ミックですが。当時もねぇ。
何年もストーンズとしてツアーには出ないし。ライブ・エイドでも別々だし。
このアルバムのプロモーションに懸命で『Dirty Work』では手を抜いてるし(?)。
本当にねぇ、おいこら。ストーンズどうするんだよって。当時はかなり真剣に怒ってたりしました。
まぁ、そのおかげでキースがあの『Talk Is Cheap』を創ってくれたんだとも言えるし。
ソロで来日した時も狂喜乱舞で名古屋まで追っかけたんですけどね(笑)。
だから。そりゃキース派だけどね。ミックだって好きなんだよ。大好きなんだよ。
このアルバムでも「Lonley At The Top」とか「Just Another Night」とか「Lucky In Love」とかカッコいいし。
でもなぁ、やっぱりストーンズ最優先で頼むぜと。キース派だからね、どうしても思うわけなんだけど。
せっかくだからねぇ。ミックだし。ソロもいいよねぇ。ミックでしょやっぱり・・・思いださせるなよ。
で、娘がさ孫娘を7月26日に生むか?あんたの大好きだったミックと同じ誕生日ってさ・・・できすぎだろ(笑)。

まったくさぁ。
何と言うかさ。
言葉も無いね。
ここまでくるとさ。

勝負強くて。
悪運が強くて。
とにかく。
ひたすらに。
ポジティブで。

それにしても。
それにしてもだぜ。
その。
神通力が。
ここまで効くかよ。

まったく。
あんたの。
娘さんも。
お孫さんも。
敵わんなぁ。

泣かすんじゃないよ。

あぁ。
わかってるから。
せっかくだからねぇ。
あんたの分も。
祝杯上げとくから。
どうせ。
もう。
空の上で一杯飲んでるんだろうけど。
せっかくだからねぇ。
乾杯。

いつか。
いつの日か。
いっぱい話してあげないとね。
君の誕生日には凄い意味があるんだよってね(笑)。
せっかくだからねぇ。

師匠。
おじいちゃんになったんだね。
おめでとう。



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2011/07/17 Sun *それでいい / Bruce Springsteen & The E Street Band

20110717springsteenthelegendcomesal


それでいい。
それでいじゃないか。
それだけでもいいじゃないか。

ここまできた。
こうしている。
ここにいる。

それでいい。
それでいいじゃないか。
それだけでもいいじゃないか。

これから。
なにができる。
どこへいける。
どこまでいける。

わからない。
わからないなぁ。
わからないけど。

歩き出す。
駆けだしていく。
この道を。
だから。
それでいい。

『The Legend Comes Alive』'86年リリース。
ライブ・アルバム『Live/1975-85』のプロモーション用に製作されたブルース・スプリングスティーンのアルバム。
当時のスプリングスティーンの人気は想像を絶するものがありましたからね。5枚組にも関わらず売れに売れて。
ヨーロッパだったかどこかでは発売前に出荷途中のトラックが襲われたなんて話もありましたっけね。
当然日本のレコード会社も力が入っていたんでしょうが。流石に5枚組は配れないよなってことで。
美味しいとこどりの1枚もののプロモーション・アルバムを制作してレコード屋さんやラジオ局に配って歩いたと。
全40曲から選びに選んだ全10曲が収録されていて。流石に代表曲や目玉になりそうな曲は漏れが無いなと。
と言うか。まぁ今となってはこの1枚、10曲くらいで丁度いいでしょうと。5枚組はちょっときついでしょうよと。
そう思う人が多いんでしょうね。今じゃ5枚組はどこのレコード屋さんでも破格値でお目にかかれますもんね。
決してスプリングスティーン自身が悪いわけじゃ無いんですけどね。大物になり過ぎたと言うか。
なんかあまりにも大きな抗えない渦に巻き込まれて特定のイメージから逃れられなくなってしまって。
ある人の受け売りですが、マッチョになってからのスプリングスティーンはどうも駄目なんですよね。
何だろう。路上を離れてしまったと言うか、疾走感が無くなってしまって。お~い、もう一度走りだそうよと。
なので。やはり「Born To Run」とかね、「Thunder Road」が沁みるんですよね。特にですねぇ、そうなんです。
唯一'75年のライブである「Thunder Road」には聴く者の背中を押して走りださせる力強さと。そして。
その路上にある切なさと不安と。それでも先へと進む覚悟をくれる温かさがあるのです。それでいいんです。

それでいい。
それでいじゃないか。
それだけでもいいじゃないか。

迷って。間違えた。
躓いて。転んだ。
それでも。しがみついてでも。
立ち上がって。また一歩を踏み出した。

それでいい。
それでいいじゃないか。
それだけでもいいじゃないか。

また迷って。
間違えて。
また躓いて。
転んで。
落っこちて。追い抜かれて。
どこまでいける。

わからない。
わからないなぁ。
わからないけど。

歩き出した。
かなり。
覚束ないけど。
また。未だ。
駆けだしている。
この道を。
だから。
それでいい。

この街の。
この夜の。
この片隅で。
僕らは。
救世主でも。
英雄でも。
無い。
もしかして。
光も。
時間も。
限られているかもしれない。

でも。
僕らがいる。
君らがいる。
あなたがいる。
そして。
この道を。
だから。
それでいい。
それだけでいい。



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