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2011/09/19 Mon *残り香 / Sam Cooke

20110919samcookelive_2


今年もまた。
この季節に。
この時期に。
お彼岸には。
一日早いけど。

この駅で降りて。
花を買って。
歩いていく。
坂を上って。
階段を上って。

どうも。
久し振り。
今年も。
来れたよ。
いい天気だね。

そっちはどうかな?
こっちはぼちぼちってとこで。
まぁ、いろいろあるんだけど。
今でも。今も。
時々あの街に来て。
皆とも会ってるよ。

でも。
でもね。

『Live At The Harlem Square Club,1963』'85年リリース。
タイトル通りに'63年のライブ音源が20余年の時を経て発掘されたサム・クックのライブ・アルバム。
マイアミのハーレム・スクエアなるクラブで恐らくは同報たる黒人の聴衆を相手に行われたライブです。
その熱気、その迫力。サムが如何に素晴らしく突出したソウル・シンガーだったか、先駆者だったか。
その事実をこれほど明確に如実に示したライブ、そしてアルバムかなと思います。半端じゃありません。
かのオーティス・レディングが憧れ、敬っていたサムです。その理由をひしひしと感じとることができるのです。
確かにスタジオ録音ではソフトでポップな一面も強いサムです。それでも、それも素晴らしいのですが。
このアルバムにはそんな言わば商業的な戦略の為の仮面をかなぐり捨てたサムがいるのです。
素顔の生身のサム。そのサムの魂の迸りが如何に熱く、激しく、切ないものであったのか。
如何に聴く者を昂ぶらせ、慰撫してくれるものだったのか。その一端に過ぎないのかも知れませんが。
このアルバムが伝えてくれるのです。残り香は伝わってくるのです。そして強く思うのです。その場にいたかったと。
「Twistin' The Night Away」「Having A Party」...その場で踊りあかしたかったな、パーティに参加したかったなと。

今年もまた。
この季節に。
この時期に。
お彼岸には。
一日早いけど。

このお墓に。
花を供えて。
線香をあげて。
掌を合わせて。
語りかける。

昨夜もさ。
回したんだ。
皆も。
来てくれてさ。
楽しかったよ。

そっちまで届いてたかな?
楽しんでくれてたらいいな。
偶にさ。ふと。思うんだ。
今でも。今も。
あの場所に変わらずに。
あの階段があって。
上って扉を開けたら。
あの笑顔が迎えてくれるんじゃないかって。
あの熱気に、あの空気に包まれるんじゃないかって。

そう。
そうさ。
ありえないんだけど。
もう。
戻ってはこないんだけど。

でも。
でもね。

もう一度。
あの笑顔を。
あの熱気を。
あの空気を。
あの街に。
行くたびに。
やっぱり。
思わずにはいられないんだ。
それくらい。
あの頃の。
残り香が。
消えてはくれないんだ。

ごめん。
また湿っぽくなっちゃったね。
ごめん。
まだ背中を蹴っ飛ばしてもらわないと駄目そうだな。
じゃぁ。また。
またさ。
会いに来るよ。

消えない。
消せない。
残り香があるんだよね。



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004 Soul,Funk,Jazz」カテゴリの記事

コメント

遂に出た!サムクック。

すげえよな〜。歌うますぎないか?声に艶があってさ。色気があふれて。なんか演歌のレビューみたいだけど(笑)いいよね。ソウルは演歌みたいな感じもするしnote

投稿: イトう | 2011-10-11 21:08

サム・クックは上手いですよね。聖でも俗でもなんでもござれって感じで。
演歌と言えば、昔友達に最近は一人でソウルのレコード聴きながらバーボン飲むのがいいんだよねって言ったら、
それがそのうち演歌聴きながら日本酒になるんじゃないのって言われたことがありました(苦笑)。

投稿: TAC | 2011-10-12 01:23

初コメントで、少々緊張(笑)
このアルバム、私が高校生になり、CDプレーヤーなるものを、初めて買ってもらった時、それで人生初めてCDレンタルして聴いたアルバムなんです。何を借りようか悩みぬいて、このアルバム♪私にとっても思い出深い人の日記の日のアルバムが、サムクックだったから…。今でもよく思い出す、笑顔、言葉…
ねえ、TACさん、また会いたいね。階段の向こうで。

投稿: Hana Honey | 2011-10-12 09:24

Hana Honeyさん、ようこそ。
緊張しないでも大丈夫だよ(笑)。
初めてのCDでサム・クック借りたんだね。渋い女子高生だったんだなぁ(笑)。

俺も今でも思い出すよ。階段上がって扉を開けて。あの笑顔で。あの声で。
「やぁ、TACさん、久し振り」拳突き合わせて握手して。
回してると「TACさん、Ok!」ってサムズアップしてくれて。
本当に。またあの階段の向こうで会いたいよね。皆にね。

投稿: TAC | 2011-10-13 13:36

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