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2012/02/03 Fri *歩くだけ / Otis Spann

20120203walkingtheblues


歩く。
歩くだけ。

今は。
ただ。
歩く。
他には。
何も。
考えず。
思わず。

今は。
ただ。
歩く。
一応は。
目的地とか。
目標とか。
あるけれど。

歩く。
歩くだけ。

他に何がある?

『Walking The Blues』'72年リリース。
シカゴ・ブルースの名ピアニスト、オーティス・スパン。
そのスパンのキャンディドでの2枚目のアルバム。とは言っても録音されたのは'60年で。
お蔵入りしていたのを'恐らくは70年に40歳の若さで亡くなったスパンへの追悼の意もあって世に出たかなと。
だからと言って。スパンですから。内容が悪いわけもなく。あの『Otis Spann Is The Blues』と同時期の録音で。
ロバート・ロックウッド・Jrのギターとのコンビも抜群で。これぞシカゴ・ブルース・ピアノの真骨頂とも言える。
スパンの時に軽快に転がり、時に芳醇に揺蕩ってみせる。その指さばきの見事さに聴き惚れてしまいます。
華麗に舞ってみせながら、同時に正確にリズムも刻むスパンです。リズム隊の不在などまるで問題なく。
聴いていると。むしろ。この形態こそがブルースかなとか思わされてしまうほどなのです。
何と言っても。マディ・ウォーターズ・バンドの番頭格だったんですからね。酸いも甘いも知ってるし。貫録あるし。
どうも自分が看板になるのは好まなかったらしいスパン。このアルバムでもセント・ルイス・ジミーに歌わせたりと。
主役を立てて。自分は縁の下で支えながら気儘にやるのが好きだったのかもしれません。
でもねぇ。これだけの腕を持ってたら。誰だってリーダー・アルバムを創らせたくなるよなと。本当に。
天使と悪魔が同居したかの様な。その鍵盤の上を自在に動き回る指先が見える様で。ため息が出ます。
特にタイトル・ナンバー、「Walking The Blues」を始めとするインストは。本当にこれぞシカゴ・ブルースってとこで。
実はブルース・ギターと同等に。否、ひょっとしたらそれ以上にブルース・ピアノが好きな自分にとっては。
『Otis Spann Is~ 』とこのアルバムはですね。もういつ聴いても。胸の奥の柔らかいとこを掴まれるのです。

歩く。
歩くだけ。

今は。
ただ。
歩く。
他には。
何も。
考えない。
思わない。

今は。
ただ。
歩く。
一応の。
目的地まで。
目標まで。
それだけ目指して。

歩く。
歩くだけ。

他に何がある?

なんだけどね。
歩くだけってのが。
難しくてさ。
目に入るものが。
気にはなるし。
入らなきゃ入らないで。
ほら。
考えたり。
思ったり。
するとね・・・

隣を歩いてたり。
背後からついてきてたり。
するんじゃないかな。
なんてさ。
で、立ち止まったり、振り返ったり。
なんか子供の頃もあったっけ。
まぁ。
いるならいるで。
ついてきてるならきてるで。
構わないんだけどさ。

そしたら。
ほら。
あれっ、タワー見えんじゃんとか。
おやっ、それでも春の香りが微かにさとか。
ふうっ、この坂は無いよなぁとか。
話せるのにさ。
それも悪くは無いからさ。
肩を並べて一緒に歩こうぜなんてね。
言えるのにな。
どうよ?あれ?いないのかな・・・

歩く。
歩くだけ。

それもまた。
難しくもあり。
楽しくもあり。



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