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2012/02/04 Sat *生きてるだけで / 仲井戸麗市

20120204e


ここが。
俺達の。
君と俺の。
ホームタウン。
だったのかもね。

勿論。
二人とも。
旅行者で。
よそ者で。
この街で。
過ごした時間は。
限られたものだったけど。

ほら。
この街の。
あの角に。
この角に。
あの路地に。
この店に。
未だ。
君がいるようで。
君が待っている様で。

そうなんだ。
だからさ。

『絵』'90年リリース。
仲井戸麗市、チャボの2枚目のソロ・アルバム。
ライナーにチャボ自身のコメントが記載されていますが。公式にはCDとカセットでのみ発売されて。
当時すでに日本国内にはプレス工場が一ヶ所しかなく。アナログ盤の発売は断念せざるを得なかったと。
それでも。どうしても。自分の音楽はアナログ盤に刻みたくて。頼み込んで非売品として500枚だけ制作したと。
そんなチャボの思いまでもが伝わってきそうな温かく切ない音質が、やっぱりアナログ盤はいいよねと。
そう思わせてくれるのです。その思いが針を落とす度に。じんわりと、ゆっくりと胸に沁みてくるのです。
ここには決してダウンロードなどでは味わうことのできない。詩と歌が本来持っている、その体温があるのです。
さて。1枚目ほど攻撃的でもなく。3枚目ほどポップでもなく。一度聴いただけではとても地味なこのアルバム。
否、何度張りを落としても。その地味・・・内省的であることは変わりはなく。ある意味でとっつき難いのですが。
恐らく。チャボのアルバムの中でも私小説的な匂いが濃厚である故に。そこに惹かれる、共鳴する者には。
そう。自分の様な人間にとっては。とても愛おしいアルバムなのです。とても大切で失いたくないものなのです。
過ぎ去った日々や、過ぎていった人達への憧憬や追想だったり。ささやかで小さく儚いものへの愛慕だったり。
そんなものに拘るあまりに、はみ出したり、おいてかれたり。それでも。それらを愛さざるを得ない自分だったり。
決して勝者にも強者にもなれないかもそれないけれど。そんな者にしか見えない、感じられないものもあるさと。
決して明るくは無いけれど。それでもどこか軽やかで。悲しく切なくても、喜びもそこにはあるんだよとね。
決して声高ではなく。微かな呟きだとしても。そんなチャボの思いが。胸の奥の柔らかいとこに届いてくるのです。

あの日々が。
俺達の。
君と俺の。
プロローグ。
だったのにね。

勿論。
二人とも。
旅行者で。
よそ者で。
この街を。
訪ねた回数も。
限られたものだったけど。

ほら。
この街の。
あの角も。
この角も。
あの路地にも。
この店にも。
未だ。
君の気配が。
君の空気が漂っている様で。

そうなんだ。
だからさ。

突然の。
エピローグ。
もう。
戻れない。
過ぎ去った日々。
もう。
帰ってこない人。
共に愛おしんだ。
ささやかで儚い。
でも大切な時間。

そうなんだ。
だからさ。

あの夜。
この街で。
この路地で。
この店で。

いつ来ても。
美味しいですね。
幸せですよね。
もう。
死んでもいいなぁ・・・

本当に。
死んじまったら。
駄目じゃないかよ。
まったくさぁ。
本当に。

そうなんだ。
だからさ。

生きてるだけで。
丸儲け。
生きてるだけで。
幸せで。
生きてるだけで。
責任があるからね。

今夜も。
この街で。
この路地で。
この店で。

おーい。
今夜も。
美味しかったぞ。
絶品だったぞ。
幸せだったぞ。
また。
食べるぞ。
まだまだ。
食べるぞ。

生きてるだけで。
なぁ・・・

君の大好きだった。
あのアルバムが。
頭の中で鳴っている・・・



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