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2012/09/02 Sun *失われしものに / Gordon Waller

20120902andgordon


もう。
二度と。
戻ることの無い。
帰ってくることの無い。
甦ることも無い。

そんなものが。
でも。
確かに。
かっては。
あったのだと。

そんなものが。
目に留まったり。
そんなものに。
心を奪われたり。
そうなんだな。

失われしものに。

『... And Gordon』'72年リリース。
廃墟に佇む男の姿が印象的なジャケット。
この長髪で髭を蓄えて、如何にも南部人然としているのは、あのピーター&ゴードンのゴードンです。
そう。このアルバムは、解散後に米国に渡ったゴードン・ウォーらーの初めてにして唯一のソロ・アルバム。
それにしても、あのピータ&ゴードンの眼鏡じゃない方のゴードン、変われば変わるもので。
アルバムの中身も、やってる音楽も。ピーター&ゴードン時代からは想像もつかないものだったりします。
A面が全曲、ゴードン自身によるオリジナル・ナンバーで。B面が他人の手によるナンバー、そして・・・
「Stranger With A Black Dove」なるナンバーは、かっての盟友ピーター&アッシャーとの共作だったりします。
そのいずれもが。カントリー・ロック、スワンプ・ロック、米国南部の香り漂うものとなっていて。
またゴードンの歌声が、そのサウンドに、その空気に。ぴったりとハマっていることに驚かされたりもするのです。
故郷であるスコットランド、そして本拠地だったイングランドを遠く離れて。大西洋を渡って新天地に懸けたもの。
その大きさ、重さを感じたりもします。そして。どこか。そこにも。何か達観したかのようなものも漂っていて。
ブリティッシュ・インヴェイジョンは遥か昔の夢のようで。スワンプ・ロックの熱気も頂点に達していて。後はと。
そんな失われしもの、そして失われていくだろうもの。そんなものへの温かい眼差しを感じてしまうんですよね。
失われるだろうこと、消えていくであろうこと。それは承知で。そんなものと共に在ろうとしている様な感じがね。
リンダ・ロンシュタット等のプロデューサーとして大成功を納めたピータとは裏腹に。このアルバムだけを遺して。
静かに消えていったゴードンだからこそ。そう感じるのかも知れませんが。でもね。本当に温かいアルバムです。

もう。
二度と。
戻ることは無いのだと。
帰ってくることも無いのだと。
甦りはしないのだと。

そうなんだと。
でも。
かっては。
確かに。
あったのだと。

そんなものが。
目に留まるように。
そんなものに。
心を奪われるように。
なっているんだ。

失われしものに。

そりゃさ。
得たものもあるし。
広がったものもあるし。
それが。
流れなんだろうし。
それに。
抗えはしないのだろう。

でも。
かって。
確かに。
あったもの。
それを。
失ってまで。
忘れてまで。
そこまでの。
ものだったのかなって。
思ってしまって。
殉じてしまいたくもなる。

日曜日の夕暮れ。

失われしものに。
心奪われている・・・



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