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2013/04/07 Sun *夢語りしか、夢語りでも / David Bowie

20130407heroes


その。
空気の中で。
その。
爪痕の前で。
何が出来る。

ただ。
訳も分からず。
ただ。
心が震えてる。
膝も震えてる。

あぁ。
終わってなんかいない。
あぁ。
始まってさえいない。
それだけ。それだけ。

それでも。
とにかく。
ここへ来れた。
ここに立てた。
それだけでしかないけれど。

『Heroes』'77年リリース。
所謂“ベルリン三部作”の2枚目にして中核を成したデヴィッド・ボウイのアルバム。
鋤田正義撮影によるジャケットが何と言っても強烈な印象を残します。
このポーズ。ずっとエゴン・シーレの自画像がモデルかなと思っていたのですが。
どうもそうでもなく。ボウイが好きだったドイツの画家が描いた肖像画にインスパイアされたものだとか。
個人的にはシーレ説を採りたいんですが。まぁ、ベルリン三部作ですからね・・・
インスト・ナンバーを主にB面に配した構成は『Low』を引き継ぎつつも。その実それ程コンセプチュアルでなく。
ベルリンの壁の前で逢瀬を重ねる男女の姿から着想を得て書き上げた「Heroes」の世界観。
それがアルバム全体を支配している様な印象を強く与えます。事実、稀代の名曲でもあるわけで。
御存じの様に。タイトルとは裏腹に。英雄譚や英雄崇拝の歌ではなく。英雄を夢見る男の物語で。
それも閉塞した、先の見えない状況の中で。この一日、この一夜だけでも英雄になれたらなとの儚き物語。
かっての邦題『英雄夢語り』とはよくぞつけたなって感もあります。そう夢語りでしか英雄にはなれないのだと。
その諦念。そしてそれでも夢を語り続ける、そこにある、そこに秘められた強い意志に惹かれてしまうのです。
サウンド面ではイーノ、カルロス・アルマー、ロバート・フィリップの参加が重要な要素を占めていて。
更には参加はしてないものの多大な影響を与えたイギー・ポップの存在も大きかったのだろうと思われます。
一説によると。ベーシックなトラックは僅か2日間で盗られて。フィリップなんか数時間で総てを終えたんだとか。
当時のベルリンって特殊な状況下での制作による緊張感もこのアルバムを特別なものにしている一因ですかね。

その。
空気の中に。
あるもの。
爪痕が物語るもの。
受け止めるしかなく。

ただ。
言葉にも出来ず。
ただ。
心に響いてくる。
震える膝に力を込める。

そう。
終わってなんかいない。
そう。
始まってさえいない。
そうなんだ。そうなんだ。

それでも。
とにかく。
ここまで来た。
ここに立っている。
それだけでしかないけれど。

何かを。
伝えたい。
何にもならなくても。
何かを。
語りたい。
何の意味も無くても。
何かを。僅かでも。
自分なりに届けたい。
無力でも。
無力だから。

それでも。
そう。
未だ。
小さだけど。微かだけど。
そう。
後は勇気しかないけれど。
夢語りしか語れない。
夢語りでも続けていくしかない。
英雄になんかなれなくても。
英雄になったつもりで。
自分なりの思いとやり方で。
一歩でも。一歩ずつでも。

今日。
この地から。



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