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2013/05/01 Wed *不順 / Marianne Faithfull

20130501strangeweather


五月。
五月晴れ。
それはそれとして。
風も空気も。
やけに冷たくないか。

これじゃ。
クール・ビズとか。
衣替えとか。
それどころじゃなくて。
様子見になりはしないか。

新緑。
目には鮮やかだけど。
どこか寒そうで。
健気に耐えている様で。
可哀そうになりはしないか。

不順。

『Strange Weather』'87年リリース。
その物憂げな表情にかっての可憐さは微塵も感じられないマリアンヌ・フェイスフルのアルバム。
そのしゃがれた歌声にもかってのアイドルらしさ、可愛らしさの面影を聴きだすことは不可能だったりもします。
'79年に衝撃のカムバックを果たして。暫くは順調に活動を続けたもの。諸事情により再び活動休止になって。
その間に。何度目かの深刻な麻薬中毒になったり、自殺願望に苛まれたり。そして入院を余儀なくされたりと。
いったいどこまで過酷な人生を送るのか、どこまで堕ちていくのかといった感が否めなかった当時のマリアンヌ。
クルト・ワイルの作品に出会って、ハル・ウィナーなるプロデューサーと出会って。再起したのがこのアルバムと。
何でもアルバムの制作にあたってウィナーはマリアンヌに数百曲以上のレコードを聴かせたんだとか。
その中からマリアンヌ自身が歌いたい、カヴァーしたいと選んだナンバーを録音したんだとか。なるほどねと。
'30年代のナンバーからトム・ウェイツやドクター・ジョンの手によるナンバーまで様々なのですが。
そのどれもが。マリアンヌの、この当時の何度目かの地獄から生還したマリアンヌならではの歌になっていて。
ますます凄みを増したその歌声でのみ描き出せる、退廃、虚無、憧憬、諦念・・・そして自信と。
こいつはですね。恐らくは常に外界に、他者に違和感を感じ続けてきた、闘って修羅場を経験してきた。
その深みがあってこその歌声であり、その歌声が生きるのはどんな歌かマリアンヌ自身が一番解ってたってこと。
それに尽きるってところでしょうか。22年振りの「As Tears Go By」のセルフ・カヴァーも含めてね。
アルバム・タイトル通りに。その雲行きの妖しさに。その立ち込める黒雲に。頻繁に針は落としはしませんが。
その不順な感じに。何故か密やかな誘惑の匂いを感じることもあって。一度落とすと。繰り返し聴いてしまうかな。

五月。
五月晴れ。
それはそれとして。
身も心も。
やけに冷静じゃないか。

これじゃ。
風に乗るとか。
新展開とか。
それどころじゃなくて。
様子見になりはしないか。

新緑。
目に鮮やかなのに。
誘われるでもなく。
遠くから見つめているだけの様で。
他人事になりはしないか。

不順。

落ち着かない。
乱れてる。
そんな。
天気のせいだけでもなく。
なにかが。
不安。
どこかが。
不調。
雲行きが怪しくて。
黒雲が感じられて。

不順。

でも。
その中に。
微かに。
僅かに。
漂う。
新たな。
芽吹き。
胎動。
その匂いに誘われてもいる。

不順。

そんなに悪くも無い。



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