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2013/05/11 Sat *イン・トーキョー / ザ・テンプターズ

20130511temptersinmemphis


嫌で嫌で。
一刻も早く。
出て行きたくて。
堪らなかった。
行先も決めていたし。

だから。
予定より一年遅れで。
出て行けるとなったら。
何の迷いも無く。
待ったも無しで。

後ろ髪など。
全く引かれず。
未練など。
これっぽちも無く。
意気揚々とやってきたんだ。

そうさ。この街へ。

『イン・メンフィス』'69年リリース。
全曲メンフィスで録音されたザ・テンプターズのアルバム。
実のところ、そのジャケットが象徴している様に萩原健一、ショーケンの初のソロ・アルバム。
バックはなんとジム・ディッキンソンを始めとしたデキシー・フライヤーズが務めていて。
テンプターズのメンバーは一曲だけ松崎由治がギターで参加してるのみだと言う代物です。
裏ジャケットにはメンバー全員でのディズニー・ランド(?)でのショットが使われているんですけどね。
タイガーズのジュリーと同様に。ショーケンもその人気故にソロとして独立させようって動きがあったのかな。
他のメンバーにとっては面白くなかったと思われますが。アルバムとしてはなかなかのもので。
メンフィスのつわもの達の奏でる米国南部なサウンドをバックにしたショーケンのヴォーカルがいいんですよねぇ。
なんとも蒼く切なく、咽び泣く様なシャウトが。こう胸を締め付けると言うか、琴線をくすぐるんです。
歌詞はねGSしてるんですが。そのサウンド、その歌声は。もうGSの範疇では収まらなくなってるかな。
誤解を恐れずに言えば。このアルバムはジャパニーズ・ソウルの名盤なんじゃないかなって思ってます。
憧憬や哀感が滲み出て、溢れだしちゃってますからね。こいつはもうソウルだと言って差し支えないのではとね。
「愛の終り」「空白のブルース」とかね。なんでしょう。こう募ってくるもの、こみ上げてくるものがあるなぁ。
「エブリバディ・ニーズ・サムバディ」なんて。ハモンドとホーンズとゴスペルなコーラスとで。堪りません。
このアルバムには、ショーケンの歌には。既に後の“傷だらけの天使”の空気や匂いも感じられる気もしますね。
そうそう。「エブリバディ・ニーズ・サムバディ」の訳詞とか「空白のブルース」のギター・ソロとか。
松崎、ヨッチンの才能はもっと注目されてもいいかも。早くに引退してしまったらしいのですが。惜しかったかな。

退屈で退屈で。
一刻も早く。
脱け出したくて。
堪らなかった。
行先も見えていたし。

だから。
予定より一年遅れたけど。
脱け出せるとなったら。
迷いなく突き進んで。
躊躇いなどとは無縁で。

振り返ることなど。
全く考えもせず。
心残りなど。
これっぽちも無く。
意気軒昂とやってきたんだ。

そうさ。この街へ。

本当に。
嫌で嫌で。
退屈で退屈で。
出て行くことしか。
脱け出すことしか。
考えて無かった。
思っても無かった。
郷愁なんて無縁だったし。
故郷だなんて思ってもいなかったし。
それでよかった。

流石に。
総てを否定は出来ないと。
それなりに。
大切なものや人もあると。
思い至る様にはなって。
以前よりは。
抵抗なく。
受け入れられる様にはなったけど。
恐らくは。
故郷ではあるけれど。

でも。
もう。
帰ってくるのは。
この街で。
この街の灯りが。
今でも。
刺激的で。
何処よりも。
心安らぐんだ。
そうなんだ。

イン・トーキョー。



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