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2013/05/22 Wed *何処にいたいのか / Hop Wilson

20130522houstonghettoblues


自分は。
何処にいたいのか。
何をしたいのか。
誰と会っていたいのか。
何に囲まれていたいのか。

それを。
そいつを。
そのことを。
ゆめゆめ。
あやふやなままにするんじゃないぞと。

いま。
いるところが。
来てしまったところが。
望んだ場所だったのか。
常に自問自答していないと駄目なんだと。

何処にいたいのか。

『Houston Ghetto Blues』'87年リリース。
その生涯をヒューストンのゲットーの奥深くで過ごしたポップ・ウィルソン。
白人の前で演奏することも、白人の手による録音も拒み続けた伝説のブルースマン、ポップ。
一説によれば元はブルース・ハープを演奏していて。ハープ・ウィルソンと呼ばれていたんだとか。
そんなホップ。ジャケットの様に。ブルース界には珍しいスティール・ギターでブルースを奏でてました。
何でスティール・ギターだったのか?単に兄からのプレゼントがスティール・ギターだったからだそうです。
何でも兄弟が十数人いたそうで。10代から職を転々とし。ミュージシャンになるも第二次世界大戦に従軍。
負傷して身体にハンデを負って帰還。以後はヒューストンのゲットーの奥で週末ごとにギグをやってたと。
そんなポップの'60年~'61年の録音を集めた世界で初めてのアルバムが日本編集のこのアルバムです。
当時シングル盤として発売された数曲を覗いて。殆どが未発表曲、未発表テイクです。流石はP-VINEです。
緊張感漂うスティール・ギターに、内へ内へと溜め込んでいくようないく様なヴォーカルと。
暗く蒼白いブルースに身を任せていると。なんだか硬直してしまいそうで、凍りついてしまいそうで。震えます。
スティール・ギターならではの硬質な音がそんなブルースを生んだのか。それとも・・・
ポップの内面にあったものがスティール・ギターの響きをより硬質なものに変えたのか。いずれにしても。
その硬さ、その冷たさ。そのあまりに独特な質感にこそポップのブルースがあるのだと思います。
白人からの接触を拒み続け。ゲットーの奥深くに居続け。生涯を終えることを選択したブルースがあるのです。

自分は。
何処にいたいのか。
何をしたくないのか。
誰と会いたくないのか。
何に囲まれたくないのか。

それを。
そいつを。
そのことを。
間違っても。
曖昧なままにするんじゃないぞと。

いま。
いるところは。
来てしまったところは。
望んだ場所になりうるのか。
常に疑って答えを探さなきゃ駄目なんだと。

何処にいたいのか。

何がしたかった。
誰に会いたかった。
何に囲まれていたかった。
何を成し遂げたかった。
誰と交わっていたかった。
何を築き上げたかった。
そこから。
遠く離れてはいないか。
そこから。
遠くへ流されてはいないか。
ささやかでも。
ちっぽけでも。
望んでいた場所があるならば。
離れてはいけない。
流されてはいけない。

何処にいたいのか。

振り返り。
思いだし。
自覚して。
見つめて。
問い直す夜があっていい。
否、なくてはならない。



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