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2013/06/24 Mon *熟し堕ちる前に / T.Rex

20130624tanx


熟し堕ちる。
その前に。
手をうとう。
なんとしてでも。
どうとしてでも。

熟れるのは。
止められない。
堕ちていくのも。
止むを得ない。
だとしても。

手をこまねいたままでなど。
指をくわえたままでなど。
いられない。らしくない。
僅かでも望みがあるならば。
微かでも手応えがあるならば。

熟し堕ちる。
その前に。
その果実を。
口にしたい。
味わいたい。

『Tanx』'73年リリース。
初来日公演の興奮も冷めやらぬうちにリリースされたT.レックスのアルバム。
その来日時に実現した東京でのセッションからも2曲が選ばれて収録されています。
熱狂的なブーム、所謂T・レクスタシーの絶頂で録音、制作され。
故にその爛熟期の終焉が近づいていることを告げる役割を担わされるもとになったアルバム。
あまりに急激に燃え盛った熱狂は、冷めるのも早いのは世の常で。
このアルバムの前あたりからシングルも全英チャートで首位に立てなくなっていたのかな。
ポップでハードなリフが鳴り響き、そのボラン・ブギーに乗ってマーク・ボランが怪しく歌う。
T.レックス、ボランの世界は完璧で。完璧すぎる程で。完全に熟れていて。饐える寸前かなと。
全13曲。B面最後の1曲を除いて。2分台、1分台のナンバーが次から次へとめくるめく様で。
その絢爛さが魅力で。変わらずに魅惑されるのですが。どこか物寂しさを感じるところもあって。
たぶん。それはこれと言った決めのナンバーに欠けるからで。欠けても魅せるところが流石ですが。
その余裕をかました様なところにも爛熟期の匂いが漂ってるかな。それはそれで好きなんですけどね。
東京録音の「20th Century Boy」でも入ってたら違ってたかな。否、余計に寂しさが増してたかな。
などと呟きながら。熟れて堕ちる寸前のT・レクスタシーの甘味、それを味わうのもまたいい感じなのです。
当時の日本盤はフル・カラー15Pの豪華なライナー付きで。(たぶん)日本公演の見開きフォトも載ってて。
歌詞と、当時としては珍しく訳詞も載ってて。T・レクスタシーの最後の輝きを感じることができます。

熟し堕ちる。
その前に。
手に入れよう。
なんとしてでも。
どうとしてでも。

熟れても。
構わない。
堕ちるのは。
むしろ望むところ。
だからこそ。

手を出さないでおくなど。
指先を伸ばしもしないなど。
いられない。らしくない。
僅かでも望まれているならば。
微かでも触れるものがあるならば。

熟し堕ちる。
その前に。
その果実を。
口にしたい。
味わいたい。

いい感じに。
熟してる。
その果実から。
目を離さずに。
目を逸らさずに。

堕ちる。
その瞬間を。
逃さずに。
手を出して。
指を伸ばして。

手にしよう。
口にしよう。
味わおう。
その瞬間を。
逃さずに。

熟し堕ちる前に。



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