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2014/05/28 Wed *街の片隅に / Ben E. King

20140528spanishharlem


その街の。
片隅に。
雑踏の。
傍らに。
その店がある。

信号を渡って。
歩道を歩きながら。
高鳴る胸を抑えてる。
看板が見えてくる。
ドアが開いている。

さり気無い風を装って。
店へと入る。
いらっしゃいませの声がする。
この声じゃないな。
それとなく店の奥へと向かう。

あっ!
こんにちは。
どうしたんですか?
うん、近くに来たからさ。
ありがとうございます。

その街の。
片隅に。
雑踏の中の。
その店に。
その娘がいる。

『Spanish Harlem』'61年リリース。
ドリフターズを脱退したベン・E・キングの1stアルバム。
ドリフターズのリード・シンガーとして人気を誇っていたキング。
ソロに転向して最初に放ったヒットが「Spanish Harlem」で。
この印象的なジャケットもその歌詞の一節からとられています。
アレサ・フランクリンやローラ・ニーロ等のカヴァーでも有名な名曲ですが。
このアルバムではB面のラストに収められています。これって珍しいかな。
米国盤って大体ヒット曲をA面1曲目にもってきますからね。自信の表れかな。
その「Spanish Harlem」にあやかったのか。ラテン系のナンバーが多数収録されていて。
「Quizas, Quizas, Quizas」とか「Besame mucho」なんてところも歌ってます。
再出発に当って。幅を広げよう、新しい色を付けようよの狙いもあったのかもしれません。
それらのナンバーを軽快に歌いこなすキング。深い声を持ちながらの独特の軽味。
ここらが後の「Stand By Me」の大ヒットにも繋がってるのかも知れませんね。
ソウルでありながら。誰でもが口ずさめるポップさもあって。その詩が心にスッと入ってくる。
「Spanish Harlem」もまさにそんなナンバーで。街の片隅にあるヒスパニック系のハーレムと。
そこに暮らす人々を一輪の赤い薔薇の生命力に例えて歌っていて。実に温かいのです。
そうだな。この温かさも。キングならではの持ち味ですね。ホッとするんだよなぁ。

その街の。
片隅に。
雑踏の。
傍らに。
その店があって。

信号を渡って。
歩道を歩きながら。
その笑顔を想像して。
看板が見えたぞと。
ドアが開いているぞと。

さり気無い風を装って。
店へと入る。
姿を見かけたらわざとあらぬ方を。
向いたりもして。
それとなく隣で棚に手を伸ばす。

あっ!
どうも。
珍しいですねこんな時間に。
うん、ちょっと暇だったからさ。
ありがとうございます。

その街の。
片隅に。
雑踏の中の。
その店に。
その娘がいる。

その。
屈託のない。
笑顔は。
その。
飾り気のない。
明るさは。

そう。
街の。
片隅に。
咲く。
一輪の薔薇の様で。

明るくしてくれる。
温かくしてくれる。
たわいもない会話をしながら。
ちゃんと趣味を把握してる。
そのセンスも好きで。

そう。
街の。
片隅に。
咲く。
一輪の薔薇の様で。

だからね。
偶に訪ねた時に。
お休みだったりすると。
ガックリするんだよなぁ。
おいおいなんなんだよと。

まぁ。
その娘も。
会えないと。
淋しがってるらしいので。
良しとしますかね。

街の片隅に。
一輪の薔薇が咲いている。



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