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2014/06/02 Mon *去りゆくもの / T. Rex

20140602thesliderukorg


表にしろ。
裏にしろ。
それなりに。
技を用いて。
導いていた。

時には。
導師が如く。
時には。
伝道者の如く。
振舞い。

ある世界を。
この手で。
動かし。操り。
創り上げようと。
蠢いてきた。

でも。
それも。
もう。
そろそろ。
終りにしよう。

『The Slider』'72年リリース。
グラム・ロックの全盛期を導いた。
T.レックスの最高傑作とも言えるアルバム。
まさにそのTレクスタシーの真最中に生み出されたアルバム。
ブローニュの森で魔女に出会って。ロック・スターに生まれ変わったと。
そして30歳まで生きることはないと宣告され。その通りにこの世を去ったと。
見事なまでに自己プロデュースに長けて。虚像を創り上げ世を躍らせた稀代のトリック・スター。
アコースティック・デュオだったティラノザウルス・レックスを捨てて。
T.レックスへと変身するに際して。あのエリック・クラプトンにギターを教わったとも言われますが。
決してブルースへ走るでもなく。ソロを延々と弾くでもなく。ただただカッコ良く聴こえるリフをかますと。
その一点にだけ集中してヒット曲を連発してみせて。リンゴ・スターに声をかけて。
このアルバムのジャケット写真を撮影してもらって話題にしたりと(異説もあるようですが)。
虚構とハッタリで黄金時代を築き上げたと。うん。やはりマーク・ボランってのは天才的なペテン師で。
ただ。それを世間だけでなく自分自身も信じてみせたんだろうなと。それ故の華やかさと虚しさと。
そう虚しさ。「Metal Guru」「Telegram Sam」「Buick Mackane」なんて派手なナンバーの陰に。
「Spaceball Ricochet」とか「Main Man」なんてナンバーに感じられる内省的な雰囲気。
まるで魔法が解けるまでの期間を既に察知していたかの様な諦念さえ感じることがあります。
実際。このアルバムの辺りを絶頂としてグラム・ロックもT.レクスタシーも翳ってゆくのですが。
それもあって。まるで総てを承知したうえで去っていくが如くこの裏ジャケの後姿が印象的なのです。

白にしろ。
黒にしろ。
それなりに。
術を用いて。
導いていた。

時には。
導師の如く。
時には。
伝道者の如く。
演じ。装い。

さる世界に。
この手で。
波紋をおこし。揺さぶり。
作り変えようと。
糸を引いてきた。

でも。
それも。
もう。
そろそろ。
終りにしよう。

この身から。
この心から。
去りゆくものが。
去ろうとしているものが。
萌ししている。

時が。
その時が。
訪れたのだ。
魔法だか。
魔術だか。

その。
効力が。
解けようと。
しているのだ。
虚構の時間は終わったのだ。

去るものは。
戻らない。
追いすがる必要もない。
ただ。
見送ればいい。

去りゆくもの。
さて。
次は。
何が訪れるのか。
何を探そうか。



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