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2014/06/17 Tue *心配いらないなどとは / Earl Hooker

20140617donthavetoworry


大丈夫。
大丈夫。
心配ないから。
心配いらないから。
そうだよな。

その筈だったよな。
明日は。
明後日は。
未来は。
必ず明るいと。

そう信じていたもんな。
そう信じさせてくれたもんな。
それが。
いつの間に。いつから。
変わっちまったんだろうな。

心配いらないなどとは。
口が裂けても言えない。
本音ではとてもそう思えない。
何より五感が感じてしまっている。
そんな時代になっちまった。

『Don't Have To Worry』'69年リリース。
その芸術的なスライド・ギターで知られるアール・フッカー。
40歳の若さで亡くなったフッカーがその前年に録音したアルバム。
(この日本盤には独自に他人のアルバムでフッカーがギターを弾いてる2曲が追加されています)
このフッカーも直接的にロックとの関わりが無かったせいか。知る人ぞ知る存在で。
但し。何でもバディ・ガイによればジミヘンより先にワウワウを使ってたって話もあるくらいで。
かなり革新的で柔軟な思考の持ち主だった様で。それがそのサウンドにも表れています。
ジョン・リー・フッカーの従兄弟にあたって。ロバート・ナイトホークの影響を受けてと。
経歴的(?)には正統なブルース・マンなんだけど。まぁ、その枠には収まり切らなかったってことかな。
なので。一般受けはあまりせず。ミュージシャンズ・ミュージシャンって感じで。
特に同じブルース・ギタリストの中での評価が高かったんだとか。そんなちょっと偏屈な感じも魅力かな。
(ただ、スティーヴ・クロッパーは早くからフッカーを好きなギタリストに挙げていたそうで。流石スティーヴさん)
さて。フッカーの特徴的なのはスライドと言っても。コードで豪快にギュワーンってんではなくて。
シングル・ノートで咽び泣く科の様に音を伸ばすところで。しかもスライドを使わなくても音が伸びるんですよね。
それがね。独特で。何というか。こうもの悲しげに、儚げに伸びるんですよね。これはフッカーだけだなぁ。
それを象徴するのが代表曲であるインストのその名も「Blue Guitar」ってナンバーで。
そう蒼白い炎が揺らめいている。フッカーのギターってのはその蒼白さで聴く者を魅了して止まないんだな。
特にこの頃既に自分の死期を悟ってたともされるだけに。鬼気迫るものも感じられるかな。
それを思うと。アルバム・タイトルが。周囲に向けたものなのか、自分に言い聞かせていたのか。切ないかな。

大丈夫。
大丈夫。
心配ないから。
心配いらないから。
そうだったんだよな。

そう信じていたものな。
明日は。
明後日は。
未来は。
必ず狂ってさ。疑いもなく。

そう信じられたもんな。
そう信じさせて、背中を叩いてくれたもんな。
それが。
いつの間に。いつから。
変わっちまったんだろうな。

心配いらないなどとは。
口が裂けても言えない。
本音では今すぐ叫んでしまいたい。
何より五感で確信してしまっている。
そんな時代になっちまった。

雲が。
風が。
空気が。
囁いている。
告げている。

何故。
もっと早くに。
気づけなかったのか。
その警告が。
蒼白いうちに。

もう。
あそこでも。
ここでも。
赤い炎が。
舌なめずりしている。

隠されていたものが。
もうその必要も無いと。
その醜悪な素顔を露わにし。
世界が。
炎に包まれる。

心配いらないなどとは。

言えない。
言ってやれない。
背中を叩くこともできない。
繋ぐことを、伝えていくことを断たれる。
気づけなかった、防げなかった。片棒を担いだも同じこと。

心配いらないなどとは。
言ってあげられなくしちまったんだな・・・



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