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2014/07/06 Sun *その瞳で、その唇で / LaVern Baker

20140706seeseerider


その瞳で。
何を見てきたのか。
その唇で。
何を語ってきたのか。
この世界に生を受けてから。

片隅に。
ひっそりと。
佇み。
時に鮮烈に。
自己を主張しながら。

その動かぬ瞳で。
その動かぬ唇で。
何かを見つめ。
何かを飲み込み。
静かに問いかける。

込められた魂は。
どんな思いを宿し。
どんな思いで。
この世界と対峙しているのか。
教えてくれないか。

『See See Rider』'62年リリース。
'50年代のアトランティックを支えた女性R&Bシンガー、ラヴァーン・ベイカー。
ルース・ブラウンと共にアレサ・フランクリンが登場するまでのアトランティックの看板娘でした。
おそらくこのアルバム辺りを最後にアトランティックを去ったのかな。
アニマルズのカヴァーでも知られる「See See Rider」はベイカーのアトランティックでの最後のヒット曲で。
おそらくそのヒットに伴って録音、制作されたものだと思われます。
馬(ポニー?)に乗った人形を使ったジャケットも。「See See Rider」を意識してるんでしょうね。
独特の雰囲気があって印象に残りますが。(角度にもよりますが)ベイカーの妖艶なルックスが好みなので。
個人的にはね。どうもね。この扱いはどうなのよとも思いますが。まぁ、いいかそんなことは。
この頃ベイカーは30代前半だったのかな。元々叔母もブルース・シンガーで。
親戚には戦前の代表的な女性ブルース・シンガーのメンフィス・ミニーもいたとかで。血統書つきの歌声。
そのブルージーな歌声の深い魅力、味わいは。数いる女性ブルース・シンガーの中でも特筆されるものです。
なんですけどね。それだけで終わらないのがベイカーの特徴で。どう表現すればいいのかな。
迫力がある、パンチがある・・・なんかね怒ってるみたいに聴こえる程の時もあるんですよ。
同時にあのエルヴィス・プレスリーも憧れたと言う絶妙に震えるトリルを使いこなす技巧も備えていて。
故に。その魅力は本格的なブルースよりもロックンロール的なナンバーでこそより発揮されているかもで。
そう。べイーカーもまた、ロックンロールのオリジネイターの一人なのだと思うのです。
'60年代半ばからは表舞台からは一歩退いて。その後20年に渡り米軍の慰問歌手として活動したベイカー。
戦場は、そこで闘う兵士達の姿はその目にどう映っていたのか、何を語りかけていたのか・・・

その瞳は。
何を訴えているのか。
その唇は。
何を伝えたいのか。
生を受けたこの世界に対して。

片隅から。
ひっそりと。
しかし力強く。
時に強烈に。
存在を主張しながら。

その見えぬはずの瞳で。
その語れぬはずの唇で。
確かに見つめ。
確かに語りかけ。
静かに問いかけ続ける。

込められた魂は。
どんな思いを宿し。
どんな変化を遂げて。
いま、この世界に存在しているのか。
教えてくれないか。

人の目が。
見えなくなってしまったもの。
見失ってしまったもの。
そんなものが。
見えてはいまいか。

人の唇が。
語れなくなってしまったもの。
語ることを禁じてしまったもの。
そんなものを。
語ってはいまいか。

人の魂が。
失ってしまった思い。
忘れようとしている思い。
そんなものを。
宿してはいまいか。

見せてくれないか。
語ってくれないか。
感じさせてくれないか。
いまの。この。世界は。人の世は。
どうなっているんだ。どこへいこうとしているんだ。

ある。
いつもと。
変わらない。
変わらない様に思われる。
日曜日の午後。

人形の館にて。



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