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2014/08/24 Sun *万華鏡 / T.Rex

20140824trexgreathits


あちらで。
こちらで。
華やかな。
光が。
放たれている。

あちらから。
こちらから。
賑やかな。
声が。
聞えてくる。

あそこにも。
ここにも。
楽しげな。
空気が。
立ち込めている。

街中が。
街全体が。
一つの。
万華鏡の様に。
煌いている。

『Great Hits』'73年リリース。
マーク・ボラン存命中に編集されたT.レックスのベスト・アルバム。
T.レクスタシーとも称された熱狂的なブーム。その真っ只中に発売されたヒット曲。
その殆どが収録されている。まさしくT.レックス、マーク・ボラン絶頂期の記録です。
権利の関係で収録されなかった「Get It On」と「Hot Love」が収録された無いのが惜しいかな。
グラム・ロックのスターと言えば。デヴィド・ボウイやロキシー・ミュージック等もあげられますが。
そこを出発点として変容を重ねたり、飛躍していったボウイやロキシーと異なって。
その短いブームに殉じたかの様にも思えるT.レックスこそがグラム・ロックの象徴かなと。
ブローニュの森で魔女と出会い。30歳までに死ぬだろうと言われたってのは。
まぁ、それはロック伝説の一つに過ぎないのでしょうが。それを考え出したのがボラン自身だとして。
自らがその伝説を積極的に演じるのみで無く、殉じることを望んでいたのでは無いかと。
T.レックスのブギーが華麗に煌びやかに輝き弾ける程に。そんな事を考えてしまうのです。
元々はサイケやアシッドの影響の強いアコースティック・デュオ、ティラノザウルス・レックスだった訳で。
本来のボランの志向はそこにあったのでは無いかと。それを捨てて。電気の鎧を装着すると決めた時点で。
ボランは生まれ変わってヒーローに、時代の伝道師になった。それが短命に終わるであろうことは予測していて。
それでも敢えて身を投じて。華麗で煌びやかな世界を作りだし、自らの役割を演じてみせたと。
キャッチーなロックンロールに身を任せて楽しみながらも。どこかに。そんな儚さを感じてしまうんですよね。
街から街へと巡回して消えていくサーカスの様な、花火の様にパッと輝いて消えていく祭りの様に。
飛びっきりのギラギラ感の裏側に潜む。祭りの後の寂しさ。万華鏡から目を外して現実へ戻る時の虚しさ。
それがあるからこそ。余計にこのアルバムに捉えられたT.レックスはより一層強い光彩を放っているのかな。

あちらで。
こちらで。
放たれていた。
華やかな光が。
消えていく。

あちらから。
こちらから。
聞えていた。
賑やかな声が。
遠ざかっていく。

あそこにも。
ここにも。
立ち込めていた。
楽しげな空気が。
霧散していく。

街中が。
街全体が。
万華鏡の煌きを。
止めて。
日常へと戻っていく。

夏の。
真夏の。
一夜。
街全体が。
万華鏡。

華やかに。
賑やかに。
楽しげに。
装い。
魔法をかける。

魔法に惹かれた人々が。
華やかに。
賑やかに。
楽しげに。
集い。弾ける。

一夜限りの。
万華鏡。
誰もが。
その中のパーツとなり。
回り。踊り。輝く世界を創り上げる。

そして。
祭りが終わり。
万華鏡から目を外し。
興奮の余韻を身に纏いながら。
日常へと戻っていく。

祭りは続かない。
非日常は続かない。
だからこそ。
一夜だけでも。
飛びっきりの万華鏡を覗いていたいのだ。



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