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2015/01/21 Wed *抜け殻 / Richard Hell & The Voidoids

20150121blankgeneration


何も無い。
何もかも消えて。
何もかも失われて。
空っぽの世界。
抜け殻。

ここには。
この世界には。
俺のものなど。
何も無い。
何一つ存在しない。

何も動かない。
目に映らない。
耳に入らない。
心を打たない。
荒涼とした虚無。

それだけ。
何故、ここにいる。
何故、ここにある。
否、いるのか?あるのか?
抜け殻。

『Blank Generation』'77年リリース。
リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズの1stアルバム。
このジャケット、実は2ndプレス以降のものらしいですね。
自分なんかは最初からこっちを目にしているので初版のジャケに違和感がありますが・・・
さてと。ハイ・スクールでトム・ヴァーレインと出会い。放火などで逮捕されたりして。
その後、ネオン・ボーイズなるバンドを結成。やがてテレヴィジョンに発展するも。
ヴァーレインと対立して脱退。ジョニー・サンダースに誘われてハートブレイカーズに加入。
しかしサンダースと対立して脱退。その間にはセックス・ピストルズのヴォーカリストとして声がかかるも。
その話も傀儡にされるのを嫌い蹴っ飛ばして。いよいよ自らが主役となるバンドを結成したと。
まぁ、この辺の経緯は“その筋”の方々には今更、くどくどと説明するまでも無いところですかね。
サウンドの核となってるのはロバート・クワインとアイヴァン・ジュリアンの金属的なギター。
しかし。このアルバムを支配しているのはヘルの世界、ヘル自身そのもの。
パンクなんてのも。他のジャンルと同じで。その実カテゴライズなんて意味が無いと思っているのですが。
もし誰かにパンクって何ですか?と訊かれたら、黙ってこのアルバムを差し出すかな。
ヘルのヨレヨレのヴォーカルとグダグダのベース。その恐ろしいまでの虚無。何も無い、空っぽの世界。
生まれ落ちた時から燃え尽きてしまっていたのかとさえ思わされる、その色の無い世界。
それが自分にとってのパンクかな。原初体験として同じ抜け殻の感覚を味わったんじゃないかって。
そんな一方通行の共感も含めてですけどね。ここまで空白な音楽なんて他に知らないですからね。
その後の活動からして。ヘルって本来ミュージシャンじゃ無いんだよな。そこにも共鳴してるのかな。

何も無い。
何もかも失せて。
何もかも奪われて。
空っぽの世界。
抜け殻。

ここには。
この世界には。
俺の存在など。
何も無い。
何処にも存在しない。

何が動いても。
目に映らない。
耳に入らない。
心を打たない。
果てしない空白。

それだけ。
何故、ここにいる。
何故、ここにある。
否、いない。ありはしない。
抜け殻。

唯の。
空っぽの世界。
荒涼とした虚無。
果てしない空白。
抜け殻。

初めから。
原初から。
燃え尽きてしまった後に。
生れ落ちて。
何もできず。何も得られず。

何も無い。
何も無い。
空っぽの世界。
そう。この自分自身が。
抜け殻。

だから。
言葉にする。
叫ぶ。
求める。
生身が欲しくて堪らない。

抜け殻。



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