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2015/04/10 Fri *執念と諦念 / J.J. Cale

20150410specialedition


名脇役として知られる。
さる役者の言葉がある。
誰も最初から脇役を目指しはしない。
続けるからには最後まで主役を目指すと。
そうだろうな。だが。難しくもあるなと。

同じ。
ラインから。
同じ。
道を歩み始め。
同じ場所を目指す。

しかし。
技量によるものなのか。
運命によるものなのか。
その他の何かによるものなのか。
当然のことながら誰もが主役にはなれない。

ましてや。
スターになれる人間など。
ほんの一握りに限られてしまう。
それは。どんな世界でも同じなのだろう。
どこで道が分かれるのか。どこで差がつくのか。

それは。
判りはしないが。分かれた時。差がついた時。
そこで。そうするのか。
脇役に徹するのか。
それこそ。裏方に回ったり。辞めたり。
それとも。それでも。主役を目指し続けるのか。

脇役として。評価されたら。
そこで。その道を究め安定を得るのか。
それとも。虎視眈々と機会を狙いながら。
ある時、安定を捨てて賭けに出るのか。
そこにも。また分かれ道がある。

執念と諦念。

『Special Edition』'84年リリース。
スワンプ・ロック界の吟遊詩人、J.J.ケイルの初のベスト・アルバム。
アルバム・タイトルに反してあまりにも素っ気無いジャケットがケイルらしいかなと。
一説によると。当初は新曲を収録すると言う話もあったみたいなのですが。
結局は。それまでにリリースされたアルバムから特にひねりもなく14曲が選ばれたと。
しかも数少ない全米100位以内にランク・インしたナンバーを1曲外していると。
それがスペシャル、それがひねり・・・何ともケイルらしいと言えばケイルらしい気もしますが。
A面頭が「Cocaine」でA面ラストが「After The Midnight」、B面2曲目に「Call Me The Breeze」と。
「Cocaine」と「After The Midnight」はエリック・クラプトンのナンバーとして知られており。
「Call Me The Breeze」もレーナード・スキナードのレパートリーとして有名になったと。
オクラホマで生まれ、タルサで育ち。ロスに出るも。なかなか芽がです。
その殆どを録音スタジオの技術者として過ごすことを余儀なくされたケイル。
一時は音楽業界から身を引いて。タルサに戻ってしまったらしいのですが。
件のクラプトンによる「After The Midnight」が話題になったことからロス時代の仲間レオン・ラッセルに呼ばれて。
レオンのシェルターから念願のデビューを果たしたと。とは言っても。決して派手な活動はせずに。
その独特な簡素とも言えるギター、朴訥としたヴォーカルと言ったスタイルを変えることなく。
マイ・ペースに活動を続けたと。面白いのはそんなギターとヴォーカルが持ち味でありながら。
ブルースやカントリー、更にはジャズの要素まで取り入れたかの様な土の香りと都会の喧騒が溶け合った様な。
ケイルの世界としか言いようの無いサウンドを生み出しているところで。まぁ、魔法のようにも思えると。
故に、ミュージシャンズ・ミュージシャンとしてクラプトン等に愛されたのかな。
一昨年に亡くなるまで常にマイ・ペースで一般には地味な存在だっったケイルです。
クラプトンやレーナードのお蔭で印税が入るのでマイ・ペースで活動できるなどとも言われていましたが。
心の内ではどうだったのか。A面頭に「Cocaine」を持ってきている。そこにさり気無い自己主張を感じるかなと。
こいつは俺の曲なんだぜと。「After The Midnight」も「Call Me The Breeze」もなと。
そんなケイルの控えめながらも強固な主張。本当の主役は俺なんだよってね。穿ち過ぎかな・・・

脇役がいなきゃ。
主役だけじゃ芝居は成り立たない。
それはそうで。適材適所ってのもあるけれど。
続けるからにはいつかはスポットライトを浴びたいと。
そうだよな。だが。難しくもあるんだな。

同じ様に。
芝居に憑りつかれ。
同じ様に。
稽古を重ね。
誰もが中央を目指す。

しかし。
技量によるものなのか。
運命によるものなのか。
その他の何かによるものなのか。
当然のことながら誰もが中央には立てない。

ましてや。
スポットライトを浴びる人間など。
ほんの一握りでしかない。
それは。どんな世界でも同じなのだけど。
どこかで道は分かれて。どこかで差がついて。

それが。
判った時。分かれた時。差がついた時。
そこで。そうするのか。
端に立ったり。後方に立ったり。
それこそ。裏方に回ったり。辞めたり。
それとも。それでも。中央を目指し続けるのか。

与えられた場所で。評価されたら。
そこで。その場所に身を埋めて安定を得るのか。
それとも。虎視眈々と機会を狙いながら。
ある時、その場所を離れて勝負に出るのか。
そこにも。また分かれ道がある。

執念と諦念。

どこまでも。
主役を。
中央を。
目指すのも。
一つの生き方。

どこかで。
主役を。
中央を。
諦めるのも。
ひとつの生き方。

どちらかが。
正しくて。
どちらかが。
間違ってる。
そんなことはありはしない。

しかし。
それでも。
いつかはと。
どこかでと。
しぶとく。

意地も。
矜持も。
表には出さずとも。
持ち続ける。
それだけは必要なのかもしれないな。

執念と諦念。



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