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2015/08/21 Fri *羽ばたくその時まで / Priscilla

20150821gypsyqueen


理由とか。
理屈とか。
語ろうと思えば。
おそらく。
幾らでも語れる。

説明とか。
説得とか。
しようと思えば。
おそらく。
幾らでも出来る。

しかし。
それに。
その事に。
何の意味がある。
何の価値がある。

耳が。
目が。
捉えた。
そのものが。
胸を震わせた。

その震えに。
何かを。
感じた。
惹かれた。
それだけでいいじゃないか。

胸の震え。
さざ波が立ち。
波紋が広がり。
大きな波となり。
魅了された。それだけ。それでいい。

『Gypsy Queen』'70年リリース。
リタ・クーリッジの姉であるプリシラ。
そのプリシラが当時結婚していた(のかな)ブッカー・Tの勧めもあって。
録音した1stアルバム。プロデュースは勿論ブッカー・Tです。
後にブッカー・Tとの夫婦付随のアルバムを何枚かリリースしていますが。
なるほどなと。プリシラの魅力。その何たるかをブッカー・Tは知ってたんだなと。
妹のリタがそのひた向きな歌唱で人気を集めて。デルタ・レディーと言われて。
大人気を博しましたが。その歌声にはやや生硬さがあって。娘らしさもあったのに対し。
プリシラの歌声は。同じ様にひた向きに熱唱しても。どこかに気怠さもあって。
それが時に謎めいた妖艶さを感じさせるのです。声はリタと似ている気がするんですが。
歌い方、自己表現の仕方が異なるんだなと。その魅力を引き出したのがブッカー・Tだと。
ジャケットはやや、アルバム・タイトルを意識し過ぎてる感もありますが。
確かにその歌声の妖艶さは、どこか謎めいた神秘なるものを聴く者に感じさせて。
知らず知らずの内に。強く惹きつけられてしまう。でも近づきすぎると。
優しく微笑んではくれるものの。胸の内はなかなか見せてくれなくて。焦らされそうな。
そうこうしている内に。すっかり虜になって逃れられない。そんなところかな。
サウンド的には典型的なスワンプ・ロックなんですけど。そんなプリシラの魅力もあって。
アルバム全体に。どこか。世俗から遠く。浮世離れした様な浮遊感も漂っていたりします。
レオン・ラッセルの「Hummingbird」のカヴァーでアルバムが締めくくられるのですが。
これが絶品で。そのままプリシラが羽ばたきしながら飛んで行きそうな余韻が堪りません。

理由も。
理屈も。
語りたくはない。
おそらく。
語り終えることは無いから。

説明も。
説得も。
したくはない。
おそらく。
誰にもわからせたくも無いから。

そう。
それに。
その事に。
意味があるのだ。
価値があるのだ。

我が耳が。
我が目が。
捉えた。
そのものが。
我が胸を震わせた。

その震えに。
驚きながら。
感じた。
惹かれた。
自分にはそれだけでいい。

胸の震え。
さざ波が立ち。
波紋が広がり。
大きな波となり。
魅了された。それは。自分だけのもの。

様々な顔を見せ。
時に親しみやすく。
時に近寄り難く。
胸の内は見えてはこない。
それでも目を、耳を離せない。

時に情熱的で。
時にクールに。
時に妖艶で。
時に童女の様で。
実体を見せることなく。

だが。
その存在は。
今確かに。
波となって。
自分の胸を震わせている。

まだまだ。
総てが見えてこない。
その魅力に。
惹かれたからには。
惹きつけられたからには。

その羽ばたきを。
耳にしながら。
感じながら。
羽ばたくその時まで。
見届けていたくなるのだ。それでいい。



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