« 2015/10/15 Thu *遠慮と配慮 / Eric Clapton | トップページ | 2015/10/17 Sat *花も嵐も / The Doors »

2015/10/16 Fri *穴 / The Beatles

20151016whitealbummono


この穴は。
何の穴だ。
どんな穴だ。
入ったら。
どうなるのだ。

何が。
待っているのか。
何が。
出てくるのか。
見極めないとならないが。

真っ白な。
キャンバスに。
描かれた。
幾つもの。
様々な穴、穴、穴、穴。

どれが。
何だか。
どうなっているのか。
見詰めれば、見詰めるほど。
わからなくなってきて。

えぇぃ。ままよと。
虎穴に入らなきゃ。
虎児は手に入らないのだろうと。
覚悟は。
決めてみたものの。

虎穴ならぬ。
墓穴だったら。
藪蛇で。
抜き差しならなくなるぞと。
躊躇する。

『The Beatles』'68年リリース。
『ホワイト・アルバム』の通称で知られるビートル初の2枚組アルバム。
初と言えばアップル・レコードから発売された初めてのビートルズのアルバムでもあって。
同時に。モノラル盤が製作された最後のビートルズのアルバムでもあると。
(つまりは。このアルバムまではモノラル盤で聴いてこそ、ビートルズの意図していたサウンドが聴けると)
そんな。様々な意味合いを持ち、様々な性格を帯びているアルバムでもあるのです。
兎に角。初の2枚組アルバムと言うこともあって。30曲ものナンバーが収録されていて。
それは。この頃にかけて急速に録音技術が進歩し、スタジオの設備も進歩したこと。
それとも深い関係があって。今まで技術や設備上の制約で出来なかったことが出来るぞと。
それで、各メンバーが溜っていたものを一気に噴出させた、そんな自由さにも繋がっていて。
しかし同時に。その進歩と向上は4人が同時に録音することの必要性さえも解放して。
4人がスタジオに居合わせる機会の現象と、4人が揃って参加しているナンバーも減少し。
サイケデリックの時代を通り抜け、シンプルなバンドとしてのビートルズの帰還と。
そう思われていたものが。実はそれぞれのソロとしてのナンバーの持ち寄り、集合体。
そんな意味合いが強くなっていたと。故に、ここが解散への分岐点だったとも言われます。
真偽のほどはともかくリンゴ・スターは一次的に、録音中に脱退まで表明しています。
(尤も。近頃は、このアルバムの録音は楽しかったとも語っている様ですが・・・)
特にリリースされた当初は脈絡が無いとか、整合性に欠けるとの批評もあった様ですが。
そうですね・・・確かにバンドとしてのビートルズは既に終わっていたのかとも思えて。
それは『Sgt. Peppers's Lonely Hearts Club Band』辺りから顕著になったジョン・レノンの変化。
明らかに以前と比較して、ビートルズに興味を失った、もしくは別の興味が大きくなった。
それが楽曲にも表れる様になってきた、表わせられる様になってしまったと。
何せジョンですからね。それとなくとか。気を遣うとかしないので。あからさまに。やりたい様にやっていると。
そこへいくとポール・マッカートニーは、同じ様にやりたい様にやってはいても。
従来のビートルズと続いて聴こえる様に配慮はしていると。この個性の違い。それが隠しようも無いと。
そして遂にジョージも第三男からの脱却を高らかではなくとも明確に宣言して。
こう書いてくると本当にバラバラでまとまりの無いアルバムだと思えてくるのですが。
何故かバラバラ故の奇妙な整合性。何が待ち受けているかわからないからこその楽しさ。
そんな様なものが。この凸凹で、様々な穴が待ち受けているアルバムに奇妙な纏まりを与えています。
びっくり箱的な、モグラ叩き的な歪で穴だらけの世界をも、一つの通奏低音で結び付けて聴かせてしまう。
結局。ビートルズの凄みって言うのはこんなところにもあるのだよなと思わされるアルバムでしょうか。

この穴は。
何の穴だ。
虎穴なのか。
墓穴なのか。
どっちなのだ。

虎穴なら。
入ってみれば。
入ってしまえば。
得るものもある筈だが。
墓穴だったら・・・

真っ白な。
平原に。
穿かれた。
無数の。
様々な穴、穴、穴、穴。

どれが。
どれだか。
虎穴なのか。墓穴なのか。
考えれば、考えるほど。
混乱をきたして。

えぇぃ。ままよと。
虎穴に入って。
虎児を手に入れればいいのだろうと。
決意は。
固めてみたものの。

万が一。
虎穴の振りをした墓穴だったら。
嵌められて。
掘り続けなきゃならなくなるぞと。
逡巡する。
しかも。
同じ虎穴でも。
相手によって。
姿形も。
気配も異なる。

そう。
同じ墓穴でも。
相手によって。
見え方も。
漂うものも異なる。

様々な虎穴と。
様々な墓穴との。
その。
何の規則性も。法則性も無い。
羅列された地平を前にして。

最終的に。
信じるものは。
頼るものは。
自分の経験と勘。
それしかない。

今までに。
幾つもの虎穴から。
虎児を浚ってきた。
幾つもの墓穴から。
瀬戸際で生還してきた。

そいつを。
信じて。
そいつを。
頼みに。
南無さんと・・・

まぁ。
温かく。潤んでいて。
時に優しく。
時に激しく。
絡みつき、締め付けてくる。

そんな。
穴なら。
例え墓穴だろうと。
いつだって。
喜んで入りたいんだけどねぇ(笑)。



web拍手 by FC2

|

« 2015/10/15 Thu *遠慮と配慮 / Eric Clapton | トップページ | 2015/10/17 Sat *花も嵐も / The Doors »

001 British Rock」カテゴリの記事

009 The Beatles」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188094/62486356

この記事へのトラックバック一覧です: 2015/10/16 Fri *穴 / The Beatles:

« 2015/10/15 Thu *遠慮と配慮 / Eric Clapton | トップページ | 2015/10/17 Sat *花も嵐も / The Doors »