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2015/12/23 Wed *地下病棟 / Dr.Feelgood

Stupidityukorg


怪しい街の。
殊更、怪しい一角。
古びたビルの。
階段を地下へと降りる。
そこにその扉がある。

怪しく。
妖しく。
如何わしくも。
胡散臭い。
その扉を開けると。

そこにあるのは。
極楽でもあり。
冥土でもあり。
ただ言えるのは。
ある種の人間にとっては。

この上なく。
ご機嫌であり。
心が安らぐ。
そんな空気が支配し。
そんな匂いが立ち込める。

そんな空間。
古びた内装。
安っぽい椅子にソファー。
時が止まっている様で。
決して淀んではいない。

美味い酒を片手に。
毎夜。
多種多様な。
ご機嫌なライヴに出逢えると言う。
そう。ここが。噂の地下病棟。

『Stupidity』'76年リリース。
ドクター・フィールグッドの3枚目にして初のライヴ・アルバム。
当時の邦題は、なんと恐るべきことに『殺人病棟』なるものでした。
前作の邦題も『不正療法』でしたし。バンド名とそのイメージからの連想でしょうが。
なんか。あまりと言えばあまりかな。あながち完全に的外れではないところが、また。
シェフィールドと、サウスエンドのそれぞれの中規模程度のホールで収録されたと思われ。
所謂、パブでの録音では無いのですが。その熱さ、激しさ、泥臭さ、胡散臭さは。
おそらく普段のライヴそのままだと思われ。ハコの大小なんて関係ないぜってその心意気。
それを存分に感じさせるご機嫌なロックンロール、その渋さ、そのカッコよさ。
もう最高にご機嫌だぜと。しかもこのアルバム、全英チャートの首位に立ったのですからね。
幾ら、ご機嫌でカッコいいと言っても。渋いうえに胡散臭いこと極まりないアルバムが。
首位を奪った。そこにパンクが勃興する寸前のシーンの状況が端的に表れているかなと。
ジャケットのリー・ブリローとウィルコ・ジョンソンンの姿、この胡散臭さと熱さ。
そのままに。ブリローは濁声で吠え、ブルース・ハープをビシッと決めて。
ウィルコは、そのマシンガン・ギターを縦横無尽に撃ちまくり空間を切り裂いていく。
更にジョン・B・スパークスとビッグ・フィガーのリズム隊が腰の落ちたビートを弾き出す。
そいつが一丸となって礫の様に次から次へと飛んでくるのですから。そりゃ、もうね。
ロックンロール好きにとっちゃ、最高に効くブツの雨あられに身を晒している様なもので。
確かに、ご機嫌な病棟で、ご機嫌な医師に、ご機嫌なブツで、ご機嫌な療法を施される。
男臭そうな客席の熱狂ぶりも含めて。ヤバくて、ご機嫌な。効果覿面なアルバムなのです。
英国オリジナル盤にはおそらくアンコールが収録されたシングル盤が封入されていて。
その2曲の熱狂振りも味わってこそ、治療が完結するアルバムだと思います。

怪しい街の。
殊更、怪しい一角。
古びたビルの。
階段を地下へと降りて。
扉を開けた向うでは。

怪しく。
妖しく。
如何わしくも。
胡散臭い。
人々が集いたむろする。

そこに何を感じるか。
極楽なのか。
冥土なのか。
ただ言えるのは。
決めるのはあなた次第。

立ち込める匂いに。
支配する空気に。
心が安らぎ。
ご機嫌だと感じるのなら。
間違いなくあなたも同類。

古びた内装。
安っぽい椅子にソファー。
堆積される時は。
決して錆びつきはしない。
そんな空間。

注がれる酒が美味しいなら。
毎夜。
繰り広げられる。
ライヴに出逢えることに胸が震えたなら。
そう。ここが。あなたの地下病棟。

清く。
正しく。
美しく。
そんなものに疑念を抱く。
そんな人々がやってくる。

同一。
均一。
均等。
そこに美を見いだせない。
そんな人々がやってくる。

抑圧。
無理強い。
理不尽。
それに屈するのをよしとしない。
そんな人々がやってくる。

大樹に寄らない。
長いものに巻かれない。
烏合の衆に与しない。
右向け右で左を向く。
そんな人々がやってくる。

何よりも。
自分の思いを。
自分の考えを。
自分の矜持として独りで闘っている。
そんな人々が集っている。

何よりも。
美味しい酒と。
ご機嫌なライヴを。
愛してやまない。
そんな人々が集っている。

怪しくも、妖しく。
如何わしくも、胡散臭い。
それが故に。
ご機嫌なライヴが、愛すべきロックンロールが処方される。
そう。ここが噂の地下病棟。



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