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2016/01/24 Sun *何処へでも / T. Rex

20160124futuristicdragon


銀河系へでも。
未来へでも。
過去へでも。
幻想の中へでも。
何処へでも。

飛んできゃいいのに。
誰がって。
この自分なのだけど。
此処にあることが。
不思議でならなくなる時。

妙に。
違和感が生じて。
現実感も失せて。
何もかもが色褪せて。
何もかもが遠のいて。

ぽつんと。
独り。
座って。
周りを。
眺めているだけ。

誰かが話している。
何かが動いている。
ハッキリとは聞えない。
ボンヤリとしか見えない。
実感がどこにもない。

何処かへ。
何処へでも。
飛んできゃ。
この感覚から。
逃れられるのかなと。

『Futuristic Dragon』'76年リリース。
T.レックスの最後から2枚目となるオリジナル・アルバム。
当時の邦題は『銀河系よりの使者』だったそうですが。
多分にジャケットからの連想ですかね。原題からすると未来よりの何々になりそうですが。
実はこのアルバムのリリース後にマーク・ボランはT.レックスの解散宣言をして。
ソロとして全英ツアーを行ったのだとか。つまりは実質的なラスト・アルバムとも思えて。
確かに次作の『Dandy In The Underworld』はソロ・アルバム的な色彩が強かったかなと。
さて。このアルバム。殆ど語られない、評価されていないどころか。
下手したらその存在をT.レックスのファンですら認識していないのでは無いかと思われて。
確かに。流石のTレクスタシーもすっかり下火になった頃のアルバムでもあるし。
何よりも。ボラン自身が。恐らくはもはや電気の武者や鋼の伝道師であることに飽きて。
自らの求める、新しいサウンドと世界を構築しようと試行錯誤していた時期でもあって。
それが、前述の解散宣言とかソロ名義でのツアーに繋がったのかなと。
その新しい要素、それはズバリ、ソウル・ミュージックへの憧憬と傾倒であったと。
後の、運命の自動車事故時に同乗して運転していたグロリア・ジョーンズ。
アフリカ系米国人のソウル・シンガーであるグロリアと愛人関係になっていたボラン。
その影響もあったのか。従来のボランの世界に新たにソウルが加わることによる化学反応。
それを何よりも、ボラン自身がどうなるのかと楽しんでいる様な雰囲気が支配しています。
ボラン・ブギーとファンキーなソウルとの出会い。それは従来以上にポップなものとなり。
皮肉なことにアルバム・タイトルとは異なり、懐かしさを感じさせるものとなっていて。
ボランが従来から身に纏っていた幻想的な嗜好を前面へと押し出したかの様にも思えます。
「New York City」「Dreamy Lady」に代表される、夢みる様なメロディーとサウンド・・・
世間は好まず。ボラン自身がどう思ったかもわかりませんが。これはこれでいいかなぁと。

銀河系からでも。
未来からでも。
過去からでも。
幻想の中からでも。
何処からでも。

飛んでくればいいのに。
誰がって。
この自分を連れ去ってくれる者が。
此処にあることを。
肯定したくない、否定したくなる時。

妙に。
違和感に納得して。
現実感が失せても。
何もかもが色褪せても。
何もかもが遠のいても。

ぽつんと。
独り。
座って。
それを。
受け入れているだけ。

誰かが話そうが。
何かが動こうが。
聞こうとも思わない。
見ようとも思わない。
実感など求めようと思わない。

何処からでも。
飛んできて。
何処へでも。
連れ去ってくれたら。
逃れられるのかなと。

そう。
何処でもいい。
此処でなければ。
何処へでも。
飛んでいきたい。

そう。
何処でもいい。
此処でない何処かへ。
何処へでも。
連れ去ってほしい。

此処にあることが。
不意に。
不思議に思え。
違和感を抱き。
現実感さえも失せ。

此処にあることを。
普通に。
肯定したくなくなり。
否定してたまらなくなり。
生々しさも失い。

銀河系へでも。
未来へでも。
過去へでも。
幻想の中へでも。
何処へでも。

飛んでいきたい。
連れ去られたい。
そんな思いに。
囚われて。
夜空を見上げる、夜もある。



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