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2016/02/11 Thu *堕天使 / Gram Parsons And The Fallen Angels

20160211live1973


堕天使でも。
構わない。
否、むしろ。
堕天使にこそ。
傍にいてほしい。

そんな夜も。
あると言うことだ。
そうなのだ。
特に。こんな。
淀んだ空気に包まれた夜。

自分の。
思いすらも。
見定められない様な。
靄に包まれてしまって。
足元も怪しい夜。

ふと。
誰かの視線を感じて。
見上げたら。
妖しい微笑みと共に。
舞い下りてきて。

艶めかしく。
踊りながらでも。
靄の中。
手を引いてくれたらなと。
そのまま共に堕ちてもいいのにと。

定まらない。
思い。
止まらない。
心。
感じながら、そんな空想に耽っている。

『Live 1973 Featuring Emmylou Harris』'82年リリース。
夭折したグラム・パーソンズが遺した唯一のライヴ・アルバム。
グラムの初めてのアルバム『GP』のプロモーションの為に行われた短いツアー。
そのツアー終了後には2枚目のソロ・アルバムとなる『Grievous Angel』の録音が始まり。
その録音を終えると程なくしてグラムは亡くなってしまったので。
その短いツアーが結果的にはグラムのソロとしては唯一のツアーになってしまった訳です。
そのツアー中にニューヨークの放送局で行われたスタジオ・ライヴの模様を収録したと。
故に純粋なライヴ・アルバムとは言い難いものでもあるのですが。貴重な音源であり。
初回盤にのみ付けられていたアンコールを収めたEP盤も含めて募るものがあります。
(何故、死後約10年を経たこの時期にリリースされたかは不明なのですが・・・)
バックのフォーリン・エンジェルスにはアルバム・タイトルにもある様にエミルー・ハリスも加わっていて。
スタジオ録音と変わらぬ、グラムとエミルーによるハーモニーがやはり美しいなと。
通常のライヴとは異なるので、熱狂とか、興奮とか、坩堝とか。そう言った世界とは異なり。
どちらかと言えば。大人しいと言うか、落ち着いた佇まいを感じさせるものになっていて。
しかし。だからこそ。グラムの歌声が淡々と、しかしじんわりと染み入ってくると。
その歌声。ある意味ではエミルーよりも美しいと言うか、艶めかしいと言うか。
グラムの声に宿っている艶やかとさえ感じられる色気。それが何とも堪らないのです。
落ち着いているとは言え。そこはライヴならではのラフな感じも当然あるので。
端正さと粗雑さ。そのどちらもがグラムの場合は、男が聴いても色っぽいのですよねぇ。
そうだよな。エミルーは正統派?の天使で、堕天使はグラムだよなと思わざるを得ないかな。
情感を漂わせつつも。どこか諦念にも近いものも感じさせるところも。
まさか自らの死期を予感していたとは思いませんが。そのどこか妙に醒めていたりもする。
その空気、匂いも。聴く者を世捨て人へと誘っている感じがあって・・・惹かれるのですね。

堕天使でも。
構わない。
否、むしろ。
堕天使にこそ。
囁いてほしい。

そんな夜も。
あると言うことだ。
そうなのだ。
特に。こんな。
沈んだ空気に包まれた夜。

自分の。
意思すらも。
見失ってしまう様な。
霧が垂れ込めってしまって。
足元も覚束ない夜。

ふと。
誰かの気配を感じて。
振り向いたら。
妖しい吐息と共に。
圧し掛かってきて。

艶めかしい声で。
口ずさみながらでも。
霧の中。
背を押してくれたらなと。
そのまま共に堕ちてもいいのにと。

失った。
志し。
止めらない。
心。
感じながら、そんな想像に耽っている。

堕ちるなら。
堕ちられるならば。
それも。
また幸せだと思う。
そんな夜もある。

時の過ぎ行くままに。
夜の更けていくままに。
情念と諦念の間を。
彷徨いながら。
何処へ行く当ても無いのなら。

堕天使に。
誘われるままに。
醒めたまま。
溺れて。
靄の中。霧の中。

引かれるままに。
押されるままに。
惹きつけられるままに。
堕ちていくのも。
一つの幸せなのかと。

定まらず。
失った。
そんな夜は。
そんな妄想に耽ったまま。
そのままに。

夜明けなど。
来なくていい。
迎えられなくていい。
そのままで。
このままでと。

そんな願いを。
掛けるのならば。
託すのならば。
やはり。
堕天使に舞い下りてきて欲しいのだ。



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