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2016/02/24 Wed *夜の底 / Etta James

20160224deepinthenight


夜の底。
真夜中。
天辺過ぎ。
深い闇の中。
その底に座って。

揺れる。
巡る。
思いのままに。
思いに任せて。
時を見送っている。

闇の中を。
舞い落ちて。
積もっていく。
心の欠片。
その様を見つめている。

今夜。
この夜の底。
座り。
見送り。
見つめている。

答えのでない。
答えなどない。
それは知りながら。
眠るでもなく。
ただ過ごしている。

夜の底。
真夜中。
天辺過ぎ。
深い闇の中。
その底に座って。

『Deep In The Night』'78年リリース。
チェスを離れたエタ・ジェイムスの初めてのアルバム。
デビュー当初から抱えていた薬物中毒の治療とリハビリ。
そして出産を経ての録音となった言わば復帰作とも言えるアルバム。
そんな経緯もあってか。収録されているナンバーの殆どがカヴァーで。
ジャニス・ジョプリンで有名な、アーマ・フランクリンの「Piece Of My Heart」もあれば。
イーグルスの「Take It To The Limit」果てはアリス・クーパーのナンバーまでと。
この選曲は復帰にかけるエタの意欲・・・と言うよりも新しく所属することとなった。
ワーナー・ブラザースの企画、戦略であったのではないかと思うのですが。どうでしょう。
チャック・レイニーやコーネル・デュプリーなどの豪華な面子を迎えてのサウンドも。
ファンキーであり、更には何やら当時流行っていたロックのサウンドを意識しているかな。
そんなややオーヴァー・プロデュースな状態で歌うエタ。少し心配になったりもしますが。
そこは、エタはエタ。時にやや力み過ぎかなと思わされる瞬間もあるにはありますが。
エタならではの緩急の効いた歌声。熱く激しく迫りくるかと思えば。
温かく大らかに包み込みもする。アップでもスローでも聴く者を震わせる。
そして。どうにも濃厚な咽かえる様な夜の匂いを感じさせてくれる歌声は健在なのです。
これで選曲をもう少し丁寧に考えていたらね。傑作の名を手にできたのかも知れないかな。
流石にアリスとか、キキ・ディーのカヴァーってのはなぁ。エタの調理にも限界があると。
その中で一際黒く輝いているのが、自らの代表作である「I'd Rather Go Blind」で。
このアルバムでは「Blind Girl」と改題されていますが。その染み入る様な味わいの深さに。
やはりエタはエタ、ブルース、そしてR&Bのビッグ・ヴォイス・ママなのだなと。
真夜中、その歌声に浸り、耽りながら。そんな思いを新たにしたりもするのです。

夜の底。
真夜中。
天辺過ぎ。
深い闇の中。
その底に座って。

震える。
流れる。
思いのままに。
思いに任せて。
時を見失っている。

闇の中を。
舞い散りながら。
重なっていく。
心の欠片。
その様を見続けている。

今夜。
この夜の底。
座り。
見失い。
見続けている。

答えは出ている。
ただ認められないだけ。
それを承知で。
眠ろうとも思わず。
ただ過ごしている。

夜の底。
真夜中。
天辺過ぎ。
深い闇の中。
その底に座って。

そうなのだ。
答えはないのではなく。
答えは出ている。
それを認められない。
それを見たくない。

認めるくらいなら。
見ざるを得ないなら。
いっそのこと。
この目など。
見えなくなってしまえばいい。

そんな思いが。
心の欠片となって。
舞い踊り。
ちり積もって。
支配しようとする。

そうなのだ。
その答えなど。
目にしたくないのだ。
ならば。
いっそのことと。

濃厚な。
咽かえる様な。
夜の匂い。
その中に蘇る。
微かで甘美な匂い。

夜の底。
真夜中。
天辺過ぎ。
深い闇の中。
その底に座って。

このまま殉じてしまいたい。



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