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2016/03/13 Sun *あの娘が / Maria Muldaur

20160313waitressinadonutshopukorg


そう。
そうだな。
もし。
もしもだ。
あの娘が。

何処かの。
お店の。
ウェイトレスであったなら。
今日も。
こんな日も。

食事に来た。
そんな振りをして。
その。
顔を見られるのに。
声を聞けるのに。

勿論。
その顔も。
その声も。
すぐに思い浮かべられる。
忘れることなんかあり得ない。

だけど。
それでも。
それでは。
満足できない。
辛抱できない。

そんな日。
そんな時。
勝手に思うのだ。
あの娘が。
ウェイトレスであったなら、と。

『Waitress In A Donut Shop』'74年リリース。
なんとも魅惑的なジャケットのマリア・マルダーの2枚目のソロ・アルバム。
イーヴン・ダズン・ジャグ・バンド、ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド。
そしてジェフ&マリア・マルダーとしての活動を経てソロ・デビューを果たして。
前作『Maria Muldaur』から「Midnight at the Oasis」が大ヒット。
順調にソロのキャリアを歩みだしたマリア。その勢いが感じられるアルバムです。
ゴスペル、R&B。ジャズやカントリー、更にはマリアッチ、テックス・メックスまで。
その幅広い音楽性。ジャンルもカテゴリーも、ふわりと、ひらりと跳び越えて。
まさに米国音楽そのものを歌って、聴かせてくれるマリアのその歌声の魅力。
少し愁いを含んで、またどこか聴く者をからかっている様な雰囲気も漂わせて。
そして、なによりも。なんとも表現のしようがない艶やかな色香を振りまくその歌声に。
惹きつけられ、魅せられ。その虜になってしまうのです。その残り香も濃厚で。
ふとした瞬間に。その歌声が蘇り。どうしてもその歌声を聴きたくて堪らなくなるのです。
昔、何かの雑誌に。このアルバムをリリースした時期にマリアのライヴを体験した人の。
その手記が載っていましたが。マリアの色香に会場中の男どもがメロメロになっていたと。
さもありなん。このアルバムを聴いているだけでも。骨抜きにされますからね。
快活に歌い上げたと思ったら、囁く様に、耳元に語りかける様に歌われもして。
その技巧も素晴らしく。本当に敵わないよなぁと。蕩けてしまうに任せることになるのです。
そんなマリアをサポートするメンバーも素晴らしく。旦那(元旦那?)のジェフ・マルダー。
エイモス・ギャレット、ジム・ゴードン。更にドクター・ジョン、デヴィッド・リンドレー。
歴戦のつわもの達がマリアの下に集って。素晴らしいサウンドを聴かせてくれています。
どこかオールドタイミーでノスタルジック。でも間違いなく今を生きているリアリティ。
それらを自由に操って、それらの間を自在に行きかって魅了してくれるマリアなのです。

そう。
そうだよ。
もし。
もしもさ。
あの娘が。

何処かの。
お店の。
ウェイトレスであったなら。
今夜も。
こんな夜も。

一杯飲みに来た。
そんな振りをして。
その。
笑顔を見られるのに。
笑い声を聞けるのに。

勿論。
その笑顔も。
その笑い声も。
すぐに思い浮かべられる。
忘れることなんかあり得ない。

だけど。
それでも。
それでは。
どうにもならない。
どうしようもできない。

そんな夜。
そんな時。
独り、思うのだ。
あの娘が。
ウェイトレスであったなら、と。

どうにも。
どうしても。
満足できずに。
辛抱できずに。
会いたくて堪らない。

そんな日。
そんな夜。
そんな時。
考えてしまうのだ。
あの娘が。

何処かの。
お店の。
ウェイトレスであったなら、と。
直ぐにでも。
会いに行くのにと。

理由など。
口実など。
幾らでも。
考えられるのに。
作れるのに。

あの顔を見られるのなら。
あの声を聞けるのなら。
何処に。
その店があろうとも。
駆けつけるのにと。

あの笑顔を目にできるのなら。
あの笑い声を耳にできるのなら。
どんな。
店であろうとも。
その扉を開けるのにと。

欠乏症に罹りそうな。
禁断症状が出そうな。
そんな日、そんな夜は。
独り、勝手に妄想するのだ。
あの娘がウェイトレスだったなら、と。



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