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2016/07/06 Wed *逃れられない / Gram Parsons

20160706gp


逃れられない。

そいつが。
持って生まれた。
星なのか。
どうしても。
逃れられないものがある。

好んで。
そうしている。
そんな訳でもないのに。
気が付くと。
そうなっている。

いつでも。
どこでも。
立っている位置も。
辿り着く場所も。
結局は同じ。

さりとて。
それを。
ことさらに。
特別だとも。
思わない。

悲しいとも。
虚しいとも。
勿論。
喜ぼうとも。
思わない。

逃れられない。

『GP』'73年リリース。
グラム・パーソンズの初めてのソロ・アルバム。
そして。その生前にリリースされた唯一のソロ・アルバム。
バーズを解雇され。フライング・ブリトー・ブラザーズからも脱退して。
クリス・ヒルマンに紹介されたエミルー・ハリスをデュエット・パートナーに迎え。
エミルーに加えてジェイムス・バートンやリック・グレッチも参加して制作されています。
カントリーとロックを融合させた初めての男、カントリー・ロックの創始者として。
今や伝説の男として語られているグラムですが。このアルバムでのグラムは。
とても陽気に、足取りも軽く。飄々とも感じられる様な歌声を聴かせています。
哀愁が漂うバラードにしても。どこか明るい諦念とも言うべき感覚があるのです。
その女を泣かせ、男を震わせる。その歌声に秘められた底抜けに悲しく、明るい光。
それこそがグラムを特別な存在足らしめているもので。グラムが逃れられなかったもの。
持って生まれた星なのか。生まれついての性質なのか。それを宿命とでも呼ぶのか。
そう。誰といても、何処にいても。常に独りであることを意識せざるを得ない。
独りであることを忘れられない。独りでなくなることを恐れ、避けてしまう。
そんな孤独であることを、自らの拠り所にするしかない者の性が放つ光なのではないかと。
南アフリカ公演へ向かうバーズと離れて、キース・リチャーズと行動を共にしたグラム。
キースとは硬い絆で結ばれて。一説ではストーンズのメンバーに成りたがったとも。
しかし。それは敵わないことであることをグラムは知っていた、感じていたのではないかと。
何故なら。自信の性は、ストーンズの一員であることよりも独りを選ぶであろうと。
そのことを誰よりもよく理解していた、知っていたのは他ならぬグラム自身であったと。
その陽気に輝き、そして聴く者を惹きつけて止まない歌声に。
何者をも、入り込ませない、入れられない。何者にも染まらない、染まることができない。
そんな悲しくも、凛としたグラムの魂の在り様が感じられてしまうのです。
それと引き換えの、この輝き、この歌声、この才能。余りにも悲しく、そして美しいのです。

逃れられない。

そいつが。
生まれついての。
性質なのか。
どうしても。
逃れられないものがある。

意識して。
選んでいる。
そんな訳でもないのに。
気が付けば。
また繰り返している。

いつでも。
いまでも。
歩いている道も。
目指している場所も。
結局は同じ。

さりとて。
それを。
ことさらに。
否定しようとは。
思わない。

寂しいとも。
辛いとも。
勿論。
楽しいとも。
思わない。

逃れられない。

生まれた時から。
物心ついた時から。
自然と。
この位置に立ち。
この道を歩いて。

気づけば。
同じところを。
目指して。
同じところに。
辿り着いている。

それだけのこと。
独りを。
望みも。好みも。
してはいないが。
いつも。独り。

それだけのこと。
誰がいても。誰といても。
何処にいても。
意識しなくても。
いつも。独り。

何者をも。
拒みはしないが。
受け入れることが。
できない。
それが己の性。

何者とも。
共にあろうとするが。
染まることが。
できない。
それが己の在り様。

逃れられない。
星のせいか。
性質なのか。
生まれついた時から。
逃れられないものがある。



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