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2016/08/04 Thu *今夜、ベイ・サイドで / Otis Redding

20160804thedockoftnebaymono


そうか。
そう言うことか。
そうだな。
それも。
あるのかも知れないな。

それほど。
長くはないけれど。
海辺の街に。
港がある街に。
住んでいた。

いい思い出よりも。
嫌な思い出が多いけど。
脱出したくてしかたがなくて。
逃げる様に後にした。
そんな街だけど。

その街で。
友に出会い。
あの娘に出会い。
そして。
ロックンロールに出会ったのだ。

そこには。
海風が吹き。
潮の香りが漂い。
沖を大型船が進み。
堤防に腰かけて海を見ていた日もあった。

だから。
この街が。
海辺の街が。
港のある街が好きなのだな。
今夜、ベイ・サイドで。

『The Dock Of The Bay』'68年リリース。
ビッグ・オー、オーティス・レディングの死後初めて発売されたアルバム。
オリジナル・アルバムと勘違いされていることも多いみたいですが。
アルバム未収録のシングル曲や、未発表曲を中心とした編集アルバムです。
「(Sittin' On ) The Dock Of The Bay」の爆発的なヒットにも牽引されて。
オーティスのアルバムとしては初の全米5位以内にまで駆け上がり。
全英では見事に1位を獲得しています。それだけオーティスが愛されていた。
そして。オーティスの死がどれだけの人々に喪失感を与えたかが窺われます。
収録されているナンバーの録音時期や、その質にもばらつきがある為に。
アルバムとしての完成度、統一感には当然ながら欠けるものがあり。
決してオーティスの最高傑作とは呼べないのですが。それでも特別なアルバムであると。
それは。その理由は。そう、「(Sittin' On ) The Dock Of The Bay」が収録されていること。
今でこそ、様々なベスト・アルバムに収録されていますが。このアルバムこそが。
「(Sittin' On ) The Dock Of The Bay」が初めて収録されたアルバムだったのですよね。
喉の手術をして。その声質が変化したこともあってか。従来のナンバーとは色合いが違い。
スタックスのスタッフも、そしてMGズのメンバーも戸惑ったとも言われていますが。
オーティスは自信満々で、生涯で一番のナンバー、必ず大ヒットするよと。
そう言い残してスタジオを後にしたのが、あの忌まわしい飛行機事故の三日前だったと。
悲しみに打ちひしがれながらもオーティスの遺志を尊重し、引き継いで。
スティーヴ・クロッパーが最後の仕上げをした「(Sittin' On ) The Dock Of The Bay」です。
結果はR&Bチャート、ポップス・チャート共に制覇して、永遠の名曲となったのです。
カリフォルニアの海を見ながら故郷ジョージアを想いながら書かれたとも言われていて。
盟友クロッパーと語り合いながら形にしていくオーティスの姿が瞼に浮かぶ様でもあり。
その温かくも切ないメロディと歌声に。いつも、いまも。胸を深く打たれるのです。

そうか。
そう言うことか。
そうなのだな。
それが。
奥底にあるのだろうな。

ほんの。
短い間と感じはするが。
海辺の街に。
港がある街に。
住んでいた。

いい思い出を数えるよりも。
嫌な思い出を数えるのが早いけど。
取り込まれるのが嫌で、大嫌いで。
後ろ足で砂を掛ける様に後にした。
そんな街だけど。

その街にも。
生涯の友がいて。
あの娘の残り香があり。
そして。
自分にとってのロックンロールが作られたのだ。

そこには。
海風が吹いていて。
潮の香りが漂っていて。
沖を進む大型船を目にしながら。
堤防に腰かけて未来を夢見ていた日もあった。

だから。
この街が。
海辺の街が。
港のある街に惹かれるのだな。
今夜、ベイ・サイドで。

この街にも。
海がある。
港がある。
ふと。
海風を、潮の香りを感じる。

この街には。
港町ならではの。
気骨があり。
気風の良さがあり。
風通しの良さがある。

この街には。
そんな港町ならではの。
気骨を示す。
気風の良さを体現する。
風通しの良さを感じさせる人達がいる。

この街には。
甘くも。
べたべたもしない。
何かを強要しない。
粋な優しさがある。

この街には。
流れ者でも。
よそ者でも。
認めれば、受け容れてくれる。
海の様な懐の深さがある。

あの日。
海風に吹かれて。
潮の香りに包まれて。
沖を進む大型船を目にしながら。
堤防に腰かけて見ていた海は。

そう。
堤防に腰かけて。
夢見ていた未来は。
この街にも。
繋がっていたのかもしれないな。

今夜、ベイ・サイドで。



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