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2016/08/14 Sun *白日夢 / Karen Dalton

20160814inmyowndream


宴の後。
その翌朝。
目覚めながらも。
半ば。
微睡の中。

特に。
何がある訳でもなく。
何をする必要もなく。
そんな時間。
そんな一日。

余熱を。
余韻を。
楽しんでいるのか。
倦んでいるのか。
漠然としたままに。

一人。
独り。
自分だけの。
ゆったりとした。
時間の中で。

一人。
独り。
自分だけの。
誰も入ってこない。
夢の中で。

漂う時間。
過ごす一日。
夢か現か。
白日夢。
そこに籠っている。

『In My Own Time』'71年リリース。
オクラホマ出身の女性シンガー、カレン・ダルトン。
一部では伝説ともなっているカレンの2枚目にして最後のオリジナル・アルバム。
'60年代にはグリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンで活動を始めていて。
その頃にはボブ・ディラン等とも親交を深めていたらしく。
ビリー・ホリディの様に歌い、ジミー・リードの様にギターを弾くと評していたとか。
そう。まさしくビリーの如くカレンの歌声も非常に個性的なもので。
老婆が歌っている様に聴こえる時もあれば、少女が歌っている様に聴こえる時もあり。
地の底から湧いてくる様でありながら、どこか地面を離れ浮遊している様でもあり。
そんな捉えどころのない歌声でありながら、聴く者の心をしっかりと捕らえてしまう。
実に魅力的、そしてある意味では非常に危険な歌声の持ち主だと言えるのかな。
ソング・ライティングをする人ではなかった様で。総てがカヴァーなのですが。
そのどれもがカレンの歌としか聴こえない。その辺りもビリーと共通しているかもです。
「When A Man Loves A Woman」も独特で。こんな解釈もあるのだなと。
アルバム全体を支配している、アルバム全体に共通しているのは深い孤独。
しかし、その孤独に絶望するのではなく、まるで孤独に寄り添っている様な感覚で。
それが「When A Man Loves A Woman」までにも及んでいると。そんな感じでしょうか。
枯淡と表現すると、枯れ過ぎてしまうのかな。でも水墨画を目にした時の感じに近いなと。
カレンはネイティヴ・アメリカンの血を引いていて。母親はチェロキー一族だったとか。
その出自が。住むべき地を追われた記憶が、前述の浮遊した様な歌声の根幹にあるのかなと。
無理矢理に大地から引き剥がされ、根無し草にならざるを得なかったその記憶。
それが孤独に寄り添い、まるで白日夢の中を生きているかの歌声を生んだのではとね。
カレンの奏でるロング・バンジョーの、これまた独特で物悲しいサウンドとも相まって。
漂う様に、しかしはっきりと胸の奥底に刻み込まれてしまうアルバムなのです。

祭の後。
その翌日。
目覚めた後も。
ひがな。
微睡の中。

特に。
何がある訳でもない。
無理に何かをすることもない。
そんな時間。
そんな一日。

余熱を。
余韻を。
惜しんでいるのか。
飽いているのか。
判然としないままに。

一人。
独り。
自分だけの。
ゆっくりと流れる。
時間の中で。

一人。
独り。
自分だけの。
誰にも立ち入れない。
夢の中で。

流離う時間。
ひがな、一日。
夢か現か。
白日夢。
そこに棲んでいる。

半ば。
ひがな。
一日。
微睡の中。
何もかも遠く離れて。

半ば。
ひがな。
一日。
一人。独り。
誰も彼も遠く離れて。
半ば。
ひがな。
一日。
夢か現か。
いずれともつかなくて。

宴の後。
祭の後。
色濃くなる。
深くなる。
孤独に。

漂う。
流離う。
時間の中で。
寄り添いながら。
籠っている。棲んでいる。

地の底から。
沸くものを。
感じながら。
大地は。
足下遥か。

白日夢。
宴の後。
祭の後。
一人。独り。
微睡の中。



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