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2016/09/11 Sun 調子外れ / J.B. Hutto

20160911slidwinder


緩い。
外れている。
甘い。
ずれている。
調子はずれ。

大きく。
道を。
逸れるとか。
踏み外すとか。
そこまではいかない。

だけれども。
ほんの少し。
僅かだけれども。
歪んでいる。
はみ出ている。

どうにも。
きっちり。
しっかり。
決まり通りには。
いかない。

それくらいが。
ちょうどいい。
それくらいが。
居心地がいい。
そんなこともある。

締まりが。
悪い。
建付けが。
いま一つ。
だから、どうしたと。

『Slidewinder』'73年リリース。
エルモア・ジェイムス直系のギタリスト、J.B.ハットー。
豪快なスライド・ギターが売りだったハットーのデルマークでの2枚目のアルバム。
エルモアほど端正でなく、ハウンドドッグ・テイラーほど鋭角でなく。
ラフでタフなハットー。シカゴのゲットー直送と言ったクサ味が漂っています。
恐らくは、夜毎ゲットーのクラブでやっていたライヴ。そのままにスタジオでやってみた。
そんな感じでのレコーディングだったのではないかとも思われます。
'50年代から活動していたものの。なかなかまとまったレコーディングの機会に恵まれず。
自身の名義でのアルバムを初めてリリースしたのが'60年代の半ばで。
このアルバムが通算で3枚目のアルバム。あまりにもクサ味が強すぎたってところかな。
尤も。ハットー自身もライヴで好きにギターが弾ければそれでいいってタイプだったのか。
アルバム・タイトルはサイドワインダー、ガラガラヘビのもじりだと思われますが。
地を這う様な、のたうち回る様な。そんな土着のブルースの凄味があるのですよね。
はっきり言うと。チューニングもいい加減で怪しかったり、調子外れだったりと。
エンディングが決まらなかったのだろうなと思わされる不自然なフェード・アウトもあり。
かなり大雑把で。緩く、締まりの悪いところもあるのですが。それがどうしたと。
そのいい加減さも含めて、飲み込んでのブルースなのだ、文句があるかと。
そんな市井のブルースならではのしぶとさ、したたかさが堪らないなと思うのですね。
まぁ、録音状態があまり良くないのは些か問題ありですけどね。どうしたデルマークと。
特にリズム隊が妙にチープな響きに聴こえるのは如何なものかと。それも狙いだったのか。
確かに。それが故にハットーの強引とも言えるスライドの迫力は倍加してはいるかな。

緩く。
外している。
甘く。
ずれたままで。
調子はずれ。

見当違いの。
道を。
選択するとか。
逸脱するとか。
そこまではいかない。

だけれども。
ほんの少し。
僅かだけれども。
歪んだまま。
はみ出たままで。

どうにも。
きっちり。
しっかり。
決められた通りには。
ならない。

それくらいで。
ちょうどいい。
それくらいで。
落ち着く。
そんなこともある。

締まりが。
悪かろうが。
建付けが。
いま一つだろうが。
だから、いいのだと。

杓子定規。
寸分も違わず。
そいつは。
どうにも。
息苦しい。

決まり事。
規則とか。
規定とか。
わざと破ろうとか。
そうは思わないけれど。

解釈も。
運用も。
許されないのは。
そいつはどうにも。
承服し難い。

頭ごなしに。
一方的に。
決めつけられると。
押し付けられると。
はみ出してやりたくなる。

緩く。
大らかに。
大雑把に。
少しでも。
外れてやりたくなる。

歪み。
甘くて。
締まりが。
悪くて。
ちょっと漏れている。

それくらいで。
ちょうどいい。
それくらいが。
居心地がいい。
そんなものである。

調子外れ。それがいい。



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