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2016/10/26 Wed *燐火 / LaVern Baker

20161026hergreatestrecordings


そこに。
あるものは。
潜むものは。
妖かしのものか。
恐ろしいものか。

秘められた。
願いに。
望みに。
静かに。
火がついて。

蒼白い。
炎が。
微かに。
確かに。
燃え始める。

燐火。
その。
揺らめくさま。
漂うさま。
惹かれるままに。

身の内から。
燃え上がったのか。
どこかから。
燃え移ったのか。
その思わぬ熱さに。

焦がれながら。
燃えゆくさまを。
その広がる先を。
その落ちゆく先を。
追っている。

『Her Greatest Recordings』'71年リリース。
妖しく美しいフィメール・ソウル・シンガー、ラヴァーン・ベイカー。
その全盛期たるアトランティック時代の音源から選曲されたベスト・アルバム。
'53年~'62年までに録音された全14曲が収録されています。
活躍した時代が早かったせいか、日本での知名度には寂しいものがありますが。
その妖艶なルックスと力強い歌声は実に魅力的、魅惑的で。
レディ・ソウルの先駆者としての功績には多大なものがあるのです。
シカゴに生まれたベイカーが地元のクラブで歌い始めたのは17歳の時だったとか。
20歳になる年にRCAとの契約を得てプロとしてデビューして。
その後、幾つかのレーベルを渡り歩きながらチャンスを探し続けていたベイカー。
アトランティックと契約したのは’53年のことで。その第一弾シングルとなったのが。
このアルバムにも収められている「Soul On Fire」で。R&Bチャートで大ヒットとなり。
ようやく商業的成功を収めると共に、初めての代表曲を手にすることにもなりました。
その「Soul On Fire」は素晴らしいバラードで。力強く歌い上げるベイカーの歌声。
その歌声が炎を燃え上がらせるかの如くで。炎の揺らめきの向こうにベイカーが。
その妖艶な微笑が見えるようでもあります。生硬い声質ながらも独特の艶があるのです。
そして「Jim Dandy」「C.C. Rider」「Saved」などのアップテンポなナンバーでは。
その声質を生かして、それこそロックンロールに迫力たっぷりに迫ってきます。
その迫力の源となっているビート、そこにはゴスペルのコール&レスポンスが感じられて。
やはり、体に、そして心に、魂に宿っているものが自然と露になってくるのだなと。
その熱さ、深さ。それがベイカーの魅力を生み出し育てたものなのだと思わされるのです。

そこに。
あるものは。
透けているものは。
妖かしのものか。
恐ろしいものか。

静かに。
火がついた。
秘められた。
思いが。
情けが。

蒼白い。
炎が。
微かに。
確かに。
燃えている。

燐火。
その。
揺れるさま。
飛び交うさま。
惹かれるままに。

身の内から。
燃え上がったのでも
どこかから。
燃え移ったのでも。
その思わぬ激しさに。

魅せられたまま。
燃えゆくさまを。
その広がる先を。
その堕ちゆく先を。
感じている。

燐火。
狐火か。
鬼火か。
夢か。
現か。

微かに。
確かに。
蒼白い。
炎が。
浮かび上がる。

願いが。
望みが。
思いが。
情けが。
照らし出される。

妖かしいのは。
恐ろしいのは。
浮かび上がった炎に。
照らし出された。
己が心、魂。

発火したのか。
飛び火したのか。
そんなことは。
どうでもいい。
どでも構わない。

火がついた。
燃えている。
その蒼白い炎に。
惹かれている。
魅せられている。

それが。
己が心、魂。
それに。
火がついた。燃えている。
それだけが真実。

燐火。



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