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2016/11/10 Thu *あの日あの森 / Buddy Guy

20161110thebestofbuddyguy


あの日。
あの頃。
迷路の様な。
森の中で。
出会って。

手を携えて。
手探りで。
必死に。
出口を探して。
彷徨いながら。

議論し。
作戦を練り。
打って出て。
跳ね返されては。
次の手を考えて。

立場は。
異なっても。
同じ思いを抱いて。
同じ目標を掲げて。
歩き続けて。

途中から。
勝ち目のない。
闘いだと。
気づきながらも。
投げ出さずに。

あの日。
あの頃。
何か。
大切なものを。
初めて手にしたのだろう。

『The Best Of Buddy Guy』'74年リリース。
日本独自のチェス音源によるバディ・ガイの編集アルバム。
オリジナルの『I Was Walkin' Through The Woods』の全曲に。
同じく『I Left My Blues San Francisco』から3曲を加えた選曲となっています。
コブラでデビューするも。コブラが敢え無く倒産。チェスに移籍したバディ。
チェスには’60年頃から録音を残していますが。他のブルース・マンのバックが多くて。
実は、スタジオ・ミュージシャンとして雇われたのではとの話もあるのだとか。
したがって。このアルバムに収められているナンバーも当時は殆ど陽の目を見なくて。
バディがチェスを離れて。ロック・シーンで注目される様になってから。
急遽前述の2枚のアルバムが編集され世に出たのですね。如何にもチェスらしい話ですが。
バディの最大の特徴、魅力である異様なまでのテンションの高さは既に爆発していて。
特にスロー・ブルースにおける、その血管が切れんばかりのシャウト。
そして偏執狂をも思わせる。蒼白い炎を燃やしながらネチネチと迫りくるギター。
もう。バディと言ったらこれに尽きるだろうといった個性的なブルースが堪能できます。
後年のヴァンガードへの録音などと比較すると。若さ故か。力み過ぎの感じはあって。
もう少しリラックスできていたら。それこそ最高傑作だったのにとも思いますが。
その分、その力みが可愛いと言うか。バディならではの人懐っこい陽気さが感じられて。
そこに。真摯で真面目だと言うバディの人柄を感じることもできるかな。
十八番である「First Time I Met The Blues」もド迫力で迫ってきながらも。
どこか、聴く者をほっとさせる瞬間があったりもするのですよね。その塩梅が面白いかな。
盟友となるジュニア・ウェルズとの最初期の録音も含まれているのですが。
もう息もピッタリで。バディもジュニアも絶好調。ブルースの森での出会いの瞬間の記録ですかね。

あの日。
あの頃。
深い、深い。
森の中で。
出会って。

手を組んで。
手当り次第に。
もがいて。
出口を探して。
流離いながら。

議論を重ね。
戦略を立てて。
突撃して。
玉砕しては。
新たな策を講じて。

立ち位置は。
対面でも。
互いの思いを感じて。
互いの目標に共感して。
振れ続けて。

途中から。
未来のない。
闘いだと。
気づきながらも。
捨て鉢にならずに。

あの日。
あの頃。
何か。
掛け替えのないものを。
初めて手にしたのだろう。

いま。
こうして。
あの日。
あの頃から。
遠く離れて。

いま。
こうして。
あの日。
あの頃とは。
異なる場所で。

それでも。
多くの言葉も。
いらないのは。
一から十まで。
語る必要もないのは。

あの日。
森の中で。
共に手にした。
初めての。
なにものかのおかげ。

それが。
なにものなのかは。
知る由もない。
知る必要もない。
ただ。

大切なもの。
掛け替えのないもの。
それを。
共に手にし、共に感じた。
それが総てなのだ。

あの日。
森の中で。



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