« 2016/12/17 Sat *誰かとおいらのバラード / 世良公則 & ツイスト | トップページ | 2016/12/19 Mon *新機軸 / David Bowie »

2016/12/18 Sun *今年も恒例の・・・ / The Rolling Stones

20161218blueandlonesome


旦那。
おう、お前か。
ご無沙汰しまして。
一年振りか。てことは、またあれだな。
へい。お誕生日、おめでとうございます。
おう、ありがとうよ。幾つになってもいいもんだな。

おいくつになれらましたかは?
おう、その七十と三だろう。
おっ、今年も呆けてはいやせんね。
馬鹿野郎、未だなぁ呆けるには早いんだよ。
流石は旦那だ。御見それいたしやした。
おう、その、なんだよ。まだまだこれからよ。

これからね。ひょっとして旦那も?
ひょっとして、なんなんだよ?
いや、お子さんが生まれるとか・・・
馬鹿野郎、ミックとは違って分別ってものがあるんだよ。
そ、そうでやすね。でもロニーの兄貴も・・・
いいんだよ。ロニーはロニーなんだから。

そうでやすか。ところで。あれですよ、旦那。
どれだよ?
十一年振りのアルバムってやつですよ。
おう、どうでぃ。なかなかのもんだろうよ。
いやぁ、ここへきてのブルースとは驚きやしたぜ。
馬鹿野郎、あれだよ。俺はいつもブルースと一緒なんだよ。

流石は旦那。初心忘るべからずってやつですね。
まぁ、ちょいと。童心に戻り過ぎちまったけどな。
いやいや、旦那。聴いてるだけでヤニ下がった顔が浮かびますもんねぇ。
馬鹿野郎、なんだよヤニ下がったってぇのは。
す、すいやせん。でも、そのなんですよ、楽しかったんでやしょ?
そりゃ、そうよ。楽しくない訳がないわな。
どうなんです?ストーンズのアルバムでここまで楽しかったってのは?
そうだなぁ、『Steel Wheels』か、否、あれだよ。『Dirty Work』以来じゃねぇか・・・

『Blue & Lonesome』'16年リリース。
ザ・ローリング・ストーンズの実に11年振りとなるスタジオ・アルバム。
アナログ盤2枚組、4面に渡るブルースのカヴァー、全12曲。
ルーツであるブルースに回帰して、対峙して。情熱のままに録音されたかの様なアルバム。
何でも3日間で録音を終えたとかで。しかも総て一発録りだったとかで。
ここのところのお家芸とも言えた過剰なオーヴァー・ダブも一切ないと言う。
その潔さ、しかもそれを実行してしまえるところにストーンズの底力ありと言った感じです。
実のところ、本当は3日も掛かっていなくて。1日で録音してしまったのではないかと。
流石にそれでは格好がつかないので。3日なんて適当なことを言ってるのではと勘繰りたくなる。
それほどに。情熱、そしてバンドとしての一体感、勢いを感じさせられます。
特に今回はミックが、その禁じ手を解いたと言うか。素直になったと言うか。
元々、キースやブライアンに負けないくらいのブルース・マニアだったと思われて。
ただ、そこはロンドン経済大学出身ですから。若いころから経営感覚は鋭かった筈で。
敢えて。成功を手にする為に、黒く歌うことを制御してきたと思うのですが。
今回は自らに課したリミッターを解除して、正攻法で真っ黒な歌声を聴かせてるなと。
あまりにも技巧と言うか、妙なフェイクに走ってたここ十数年の反省もあったのですかね。
この歌だったらね、ブライアンも納得してるだろうと言うか。
エリック・バードンを英国史上最高のシンガーなんて発言はしなかったかなと。
そして。常日頃からキースも褒めているミックのブルース・ハープ。その素晴らしいことと言ったら。
ブライアン、そしてポール・バターフィールドやマジック・ディックとも互角に張り合えるなと。
今回、リトル・ウォルターのナンバーを4曲もやっている。その選曲もミックのブルース・ハープあってこそです。
勿論、キースもその持ち味を十二分に発揮していて。いつもにないくらいに真面目に弾いてるなと。
そして。ロニーも顔だけで弾いていないですから(笑)。なんだよ、弾けるんじゃないかとね。
いつもと変わらないのはチャーリーだけで。そう考えると、その存在の大きさに改めて気づかされもします。
平均年齢が70歳を超えるバンドがこれをやってしまう・・・70歳を超えたからこそやれるのか。
兎にも角にも。やはりストーンズはただものじゃないと世界に再認識させるに十分なアルバムなのです。

旦那。
おう、なんでぃ。
ここまできたら、ここはひとつ。あれですよ。
ひとつ。あれって、なんなんだよ。
へい。ブルースだけでツアーに出てみちゃどうですかい?
おう、まぁ、それもありっちゃ、ありなんだけどよ。

なんです?奥歯にものが挟まった様な。
おう、そこはよ。そのあれだよ。わかるだろ?
いや、なんのことやら・・・
馬鹿野郎、お前だったら察しはついているんだろうが。
流石は旦那だ。お惚けは通用しませんねぇ。
おう、その、あれだよ。ほら、ファンにも色々といるだろうが。

そうでやすねぇ。
あれとあれはやらねぇと納得しねぇ奴等もいるからな。
そこは、あれですよ。一度くらい無視してみるってのは・・・
馬鹿野郎、お客さんに喜んでもらってなんぼなんだよ、この稼業は。
そうでやすね。しかし旦那、配慮はしても遠慮はしなくてもいいんじゃ。
お、なんだ。お前も偶にはいいこと言うじゃねぇか。

しかし。あれですよ、旦那。
どれだよ?
折角の十一年振りアルバム。しかも傑物ですよ。
おう、そりゃぁよ。当たり前でぇ。愛情が違わぁな、愛情が。
じゃぁ、それを目玉にツアーしねぇって手はないでしょうよ。
馬鹿野郎、だから。あれだよ。俺だって。あれなんだよ。

いいんじゃないですか。偶には「飛跳ねるジャヤック」やらなくても。
おう、そうか。いや、俺もそう思わねぇでもねぇんだが。
そうですぜ。旦那。なんなら「茶色いお砂糖」も外してもらっても。
お前、そいつは流石に大胆過ぎやしねぇかよ・・・
そうでやすかね、でも「無情の世界」はもういいでやしょ。
おう、あの曲は妙なイメージが着いちまったからなぁ。
ここはあれですよ。「お前を失う」とか「安奈?」もスパッと止めましょう。
おう、そうだな。その辺りは俺も飽きてきたところなんだよ。

おっ、本音が出てきましたね。そう、こなくっちゃ。
あれだな「隠れ家をおくれ」もいらねぇよな。
えっ、そいつもですかい。そいつは旦那のお気に入りなんじゃ。
馬鹿野郎、ライヴではミックがいちゃつきたくてやってるだけだろうが。
おっと、失礼しやした。へぇ、そんなもんですかい?
元々は俺の持ち歌だったのをミックがレコーディングの時にだなぁ・・・

じゃぁ、ここはもう思い切って。
おう、何でも言ってみねぇ、ここまできたらあれだからよ。
「幸福」も「銀を手に入れた」も外しちゃいましょう。
馬鹿野郎、俺の歌を楽しみにしてる奴等もいるんだよ。
代わりに日本のブルース、「舟歌」とか「兄弟船」とかどうですかい?
お、おう。そうだな。船は好きだからな。悪くはねぇな。

どうです。旦那?
う~ん、それもいい、いいっちゃいいなぁ。
でやしょ。こいつは決まりですな旦那。
おう。ところでお前は今度のアルバムに余計なものが少しばかりあると思わねぇかい?
嫌ですねぇ、旦那。わかってやすすよ。あれでしょう。ちょいとお耳を・・・
おっ、なんでぇ、そうか、それなら俺と一緒じゃねぇか。よし、飲もう。今夜は飲み明かすぞ。

旦那、お誕生日、おめでとうございます。



web拍手 by FC2

|

« 2016/12/17 Sat *誰かとおいらのバラード / 世良公則 & ツイスト | トップページ | 2016/12/19 Mon *新機軸 / David Bowie »

001 British Rock」カテゴリの記事

008 The Rolling Stones」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188094/64647584

この記事へのトラックバック一覧です: 2016/12/18 Sun *今年も恒例の・・・ / The Rolling Stones:

« 2016/12/17 Sat *誰かとおいらのバラード / 世良公則 & ツイスト | トップページ | 2016/12/19 Mon *新機軸 / David Bowie »