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2016/12/30 Fri *遥か昔、時の彼方から / Elvis Presley

20161230fromelvisinmemphis


あの頃。
思っていた。
思い描いていた。
未来とは。
異なっているのだ。

それはそう。
それに。
そもそも。
明確な未来など。
描ける筈も無かったし。

ただ。
漠然と。
そうなりたい。
そうでありたい。
その程度。

ただ。
明確に。
ここじゃない。
ここから出ていこう。
それだけで。

出るには。
出たけれど。
未だに。
辿り着けず。
落ち着けず。

そんな。
漂泊の身に。
遥か昔。
時の彼方から。
問いかける声がする。

『From Elvis In Memphis』'69年リリース。
エルヴィス・プレスリーの奇跡の復活を象徴するアルバム。
軍隊からは除隊になったものの。B級な主演映画と甘ったるい主題歌。
それでお茶を濁していた、甘んじざるを得なくなっていたエルヴィス。
あの悪名高いマネージャーが悪かったのであろうなとは思うのですけどね。
何がきっかけとなったのか。一大決心で原点回帰して勝負に打って出たと。
それがジャケットにも使用されている前年のTVスペシャルであり。
そして。あのサン時代以来、十数年ぶりとなったメンフィスでのセッションだったと。
相当に気合が入っていたのか。結構な量の録音が残されていて。
今では、このアルバムの拡大版などで聴くことができる模様です。
原点回帰。何の原点か。それはロッカー、シンガーとしての己が原点であったと思われて。
兎に角。歌に対する、歌うことに対する真摯な思いが熱さとなって溢れ出ています。
勢いのままに録音したのか。まとまりとか、整合性とか。そんなものには欠けますが。
そんなものをものともしないエルヴィスの歌の熱さと艶が堪りません。
元々、その腰の動き・・・ではなく歌声があまりにも魅力的で危険視されたエルヴィスです。
その危うさを取り戻すと共に。その危うさを歌の中に忍ばせることも身につけて。
その最たるものが、「In The Ghetto」の静かに抑えた世の中に対する怒りの歌声です。
'50年代の怒れる、反抗する若者としてのエルヴィスとは異なる表現。
しかし。それは怒り、反抗してきたその道程の続きにあるエルヴィスであるのです。
カントリー、R&B、そして勿論ロックンロール。それらを総て吸収、咀嚼して。
新たな地平に立ち上がり、蘇ったエルヴィス。それはやはりエルヴィスでしかないのです。
実は、このアルバムこそがスワンプ・ロックの源流かなとも思わされもします。

あの頃。
思っていた。
思い描いていた。
未来とは。
異なっているのだ。

それはそう。
それに。
そもそも。
明確な未来など。
描ける筈も無かったし。

ただ。
漠然と。
そうなりたい。
そうでありたい。
その程度。

ただ。
明確に。
ここじゃない。
ここから出ていこう。
それだけで。

出るには。
出たけれど。
未だに。
辿り着けず。
落ち着けず。

そんな。
漂泊の身に。
遥か昔。
時の彼方から。
問いかける声がする。

随分と。
長い間。
漂って。
定まらずに。
いるじゃないかと。

それでも。
止まらずに。
くたばらずに。
生き延びている。
それでいいじゃないかと。

出ていくと。
決めて。
なんとかかんとか。
尻尾も巻かずに。
やっているじゃなかいと。

そもそも。
描けていなかった。
だから。
今でも描いているなら。
続けるしかないじゃないかと。

未だ。
過去にはできない。
現在進行形のものがある。
それを未来と呼べるなら。
それは幸せなのじゃないかと。

遠く離れて。
遥かに隔たって。
異なりはしたけれど。
あの道程の続きに立っている。
それは間違いないじゃないかと。

遥か昔。
時の彼方から。
己が己に問いかける。
今でも。怒れるなら、反抗できるなら、熱くなれるなら。
少しは許してやってもいいじゃないかと。

遥か昔。
時の彼方から。
己が己に笑いかける。
たぶん。そんなに悪くはないと。
そう思えるならいいじゃないかと。

そうかもしれないね。



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