« 2016年11月 | トップページ | 2017年1月 »

2016年12月

2016/12/31 Sat *いま、そしてあの時 / Carpentrers

20161231nowandthenusorg


いま。
そして。
あの時。
そこから。
ここまで。

時の流れ。
景色も流れ。
人も流れ。
思いも流れ。
ここまで。

なぜ。
どうして。
なにが。
どうなって。
ここまで。

あの時。
違う選択。
違う決断。
違う道。
そうしたら。

どう。
なっていたのか。
どう。
変わっていたのか。
詮無いこと。

あの時。
そして。
いま。
ここから。
そこまで。

『Now & Then』'73年リリース。
カーペンターズの5枚目のオリジナル・アルバム。
当時の邦題は『ナウ・アンド・ゼン〜今、そしてあの頃』だったとか。
特に日本ではカーペンターズの人気を決定的にしたアルバムで。
オリコンのアルバム・チャートで1位に輝き。100週間以上ランク・インしていたと。
シングル・カットされた「Yesterday Once More」は日本での最大のヒット曲となって。
オリコンの洋楽チャートで連続26週間1位だったのだとか。約半年間1位って・・・
初めてカーペンターズ自身がプロデュースを行った意欲作でもあって。
アルバムのB面では、その「Yester Day Once More」とそのリプライズを頭と最後に配し。
間にはオールディーズのカバーを挟んで。DJのMCまで入れる手の込んだ仕掛けで。
アルバム・タイトルも含めて。古き良きアメリカを忍ぶコンセプト・アルバムだったと。
今になって考えると。典型的な幸せそうなアメリカの兄妹を演じていたカーペンターズ。
それが更に古き良きアメリカを想起させるアルバムを制作しなければならなかった。
そこに泥沼のベトナム戦争を根底とした当時のアメリカ社会の病巣の根深さがあるかなと。
当時は勿論、そんなことなどわかる筈も無く。ただただ好きで、憧れて。
勿論、今でも針を落とせば。そのメロディ、そしてカレンの歌声に聴き惚れるのみですが。
そのカレンが。実は歌うこと、そして目立つことが大嫌いで。ドラマーでいたかったと。
あまりにも切ないその願いを知ってしまったいまは、より一層その歌声が沁みるのですが。
実はこのアルバムでは殆どのナンバーでカレンがドラムを叩いているのですよね。
それまでの頑張りが認められて。やっと希望が叶って。張り切っていたのだろうなと。
その正確なリズム・キープ、弾む様な音色。思わず微笑んで、そして切なくなるかな。
あまりに美しい歌声、美しい発音。それは大好きで、それは宝物なのですけどね。
違う選択、違う決断、違う道。そうしたら。いまでもカレンは・・・あまりに詮無いけれど。
このアルバムの輝きは。あの頃も、いまも変わらない。それだけにね、辛くもあるかな。

いま。
そして。
あの時。
そこから。
ここまで。

時の流れ。
景色も流れ。
人も流れ。
思いも流れ。
ここまで。

なぜ。
どうして。
なにが。
どうなって。
ここまで。

あの時。
違う選択。
違う決断。
違う道。
そうしたら。

どう。
なっていたのか。
どう。
変わっていたのか。
詮無いこと。

あの時。
そして。
いま。
ここから。
そこまで。

あの時。
あの頃。
どんな。
時を過ごし。
時を生きていたのか。

あの時。
あの頃。
どんな。
景色の中で過ごし。
景色を生きていたのか。
あの時。
あの頃。
どんな。
人と共に過ごし。
人の間を生きていたのか。

あの時。
あの頃。
どんな。
思いを抱いて過ごし。
思いの中を生きていたのか。

あの時。
あの頃。
何を選び。
何を決めて。
何処を歩いていたのか。

その。
選択に。
決断に。
道に。
誤りは無かったか。
悔いは無かったか。

答えなど。
わからない。
ただ悔いはない。
総ては。
いまに通じているのだから。

あの時。
そして。
いま。
ここから。
そこまで。

いま。
そして。
あの時。
そこから。
ここまで。

これからも。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/30 Fri *遥か昔、時の彼方から / Elvis Presley

20161230fromelvisinmemphis


あの頃。
思っていた。
思い描いていた。
未来とは。
異なっているのだ。

それはそう。
それに。
そもそも。
明確な未来など。
描ける筈も無かったし。

ただ。
漠然と。
そうなりたい。
そうでありたい。
その程度。

ただ。
明確に。
ここじゃない。
ここから出ていこう。
それだけで。

出るには。
出たけれど。
未だに。
辿り着けず。
落ち着けず。

そんな。
漂泊の身に。
遥か昔。
時の彼方から。
問いかける声がする。

『From Elvis In Memphis』'69年リリース。
エルヴィス・プレスリーの奇跡の復活を象徴するアルバム。
軍隊からは除隊になったものの。B級な主演映画と甘ったるい主題歌。
それでお茶を濁していた、甘んじざるを得なくなっていたエルヴィス。
あの悪名高いマネージャーが悪かったのであろうなとは思うのですけどね。
何がきっかけとなったのか。一大決心で原点回帰して勝負に打って出たと。
それがジャケットにも使用されている前年のTVスペシャルであり。
そして。あのサン時代以来、十数年ぶりとなったメンフィスでのセッションだったと。
相当に気合が入っていたのか。結構な量の録音が残されていて。
今では、このアルバムの拡大版などで聴くことができる模様です。
原点回帰。何の原点か。それはロッカー、シンガーとしての己が原点であったと思われて。
兎に角。歌に対する、歌うことに対する真摯な思いが熱さとなって溢れ出ています。
勢いのままに録音したのか。まとまりとか、整合性とか。そんなものには欠けますが。
そんなものをものともしないエルヴィスの歌の熱さと艶が堪りません。
元々、その腰の動き・・・ではなく歌声があまりにも魅力的で危険視されたエルヴィスです。
その危うさを取り戻すと共に。その危うさを歌の中に忍ばせることも身につけて。
その最たるものが、「In The Ghetto」の静かに抑えた世の中に対する怒りの歌声です。
'50年代の怒れる、反抗する若者としてのエルヴィスとは異なる表現。
しかし。それは怒り、反抗してきたその道程の続きにあるエルヴィスであるのです。
カントリー、R&B、そして勿論ロックンロール。それらを総て吸収、咀嚼して。
新たな地平に立ち上がり、蘇ったエルヴィス。それはやはりエルヴィスでしかないのです。
実は、このアルバムこそがスワンプ・ロックの源流かなとも思わされもします。

あの頃。
思っていた。
思い描いていた。
未来とは。
異なっているのだ。

それはそう。
それに。
そもそも。
明確な未来など。
描ける筈も無かったし。

ただ。
漠然と。
そうなりたい。
そうでありたい。
その程度。

ただ。
明確に。
ここじゃない。
ここから出ていこう。
それだけで。

出るには。
出たけれど。
未だに。
辿り着けず。
落ち着けず。

そんな。
漂泊の身に。
遥か昔。
時の彼方から。
問いかける声がする。

随分と。
長い間。
漂って。
定まらずに。
いるじゃないかと。

それでも。
止まらずに。
くたばらずに。
生き延びている。
それでいいじゃないかと。

出ていくと。
決めて。
なんとかかんとか。
尻尾も巻かずに。
やっているじゃなかいと。

そもそも。
描けていなかった。
だから。
今でも描いているなら。
続けるしかないじゃないかと。

未だ。
過去にはできない。
現在進行形のものがある。
それを未来と呼べるなら。
それは幸せなのじゃないかと。

遠く離れて。
遥かに隔たって。
異なりはしたけれど。
あの道程の続きに立っている。
それは間違いないじゃないかと。

遥か昔。
時の彼方から。
己が己に問いかける。
今でも。怒れるなら、反抗できるなら、熱くなれるなら。
少しは許してやってもいいじゃないかと。

遥か昔。
時の彼方から。
己が己に笑いかける。
たぶん。そんなに悪くはないと。
そう思えるならいいじゃないかと。

そうかもしれないね。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/28 Wed *影の / James Luther Dickinson

20161228dixiefried


俺が王様だ!

なんだ。
かんだと。
面倒なことも。
まとめて。
みてやるよ。

早かろうが。
遅かろうが。
五月蠅かろうが。
静かだろうが。
なんでもいいよ。

やりたいように。
やりやすいように。
やればいいさ。
上手く。
納めてやるよ。

我儘言いたければ。
言えばいいし。
不満があるなら。
口にすればいい。
聞いてやるよ。

その上で。
流れをつくり。
動かして。
絵図を描いて。
完成させればそれでいい。

俺が王様だ!

『Dixie Fried』'72年リリース。
ジェームス・ルーサー・ディッキンソンの初めてのソロ・アルバム。
‘60年代から活動してジャンルを超えた様々なアーティストをサポートしていて。
特にライ・クーダーのアルバムの(共同)プロデュースと、見事な鍵盤さばきで知られた。
そんなディッキンソン。自らもメンバーであるディキシー・フライヤーズと共に。
多彩なゲストを迎えて、言わば満を持して制作されたのがこのアルバムでした。
兎に角。その音楽性の幅広いこと、その懐の深いこと。先ずはそれに驚かされます。
元々、実力者の上に貪欲に様々なセッションに参加して、吸収して。
更には恐らくは親分肌で配下もいれば、人脈もそれなりに築き上げていてと。
そういった素地、要素を集結させて、ここで勝負と一気に開花させてみせたと言ったところ。
それが。この自らを銅像に見立てて、俺が王様だ、ジャケットにも表れているのかも。
ロックンロールもあれば、ブルースもあれば、ゴスペルもあれば、ジャグ・バンド風味も。
もう何でもござれ。闇鍋状態。その雑食で強靭な消化力こそがディッキンソンの魅力です。
そして。そんな雑多なナンバーに緩く、いい塩梅で統一感を持たせて。
極上のスワンプ風味で仕上げている。ディッキンソンのプロデュース能力の高さの証かな。
(共同でプロデュースしているトム・ダウドの手腕もあると思いますが)
その能力、才能、そしてセンスは高く評価されて。ストーンズのセッションにも参加して。
しかしながら。いかんせん華には欠けるのが、致し方ないと言うか。玉に瑕と言うか。
このアルバムもその内容の素晴らしさと相反して商業的には惨敗したと。
やはり裏方、縁の下の力持ち。そんな立ち位置でこそ生きるディッキンソンなのですよね。
でも。それでいいじゃないかと。こんな凄い男が裏方をやっている音楽は素晴らしいのだと。
だからね。このアルバムではね。王様を気取ったっていいじゃないかと思うのです。

俺が支配者だ!

なんだ。
かんだと。
面倒なことは。
まとめて。
引き受けてやるよ。

早かろうが。
遅かろうが。
五月蠅かろうが。
静かだろうが。
どうでも構わないよ。

やりたいように。
やりやすいように。
やればいいさ。
お膳立ては。
整えてやるよ。

意見したければ。
すればいいし。
愚痴があるなら。
こぼせばいい。
聞いてやるよ。

その上で。
流れを引き寄せ。
誘導して。
設計図通りに。
完成させればそれでいい。

俺が支配者だ!

表に。
前面に。
立つことはない。
それは。
誰かに任せよう。

その陰に。
身を潜めて。
網を張って。
策を巡らせて。
転がしてみせよう。

表舞台に。
主役の座に。
立つことはない。
それも。
誰かに任せよう。
その裏で。
密かに蠢いて。
餌を撒いて。
上手い話を用意して。
動かしてみせよう。

笑顔を浮かべて。
物腰柔らかく。
腰は低く。
笑っていない目と隠したその手は。
誰の目にも触れさせず。

誰かを。
立てて。
自らは。
下って。
その気配は悟らせず。

しかし。
絵図の通りに。
設計図通りに。
事を運んで。
掌の上の動きを楽しんでいよう。

影の。
王様。
支配者。
思い込みであったとしても。
それなりに楽しめはするのだな。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/27 Tue *覚醒のビート / J. Geils Band

20161227themorningafterjp


あぁ。
今朝も。
眠くて。
気だるくて。
起きたくない。

そう。
別に。
今朝に限らずで。
特別でもないけれど。
寝床から出たくない。

二日酔いでも。
遊び過ぎでも。
ないけれど。
兎に角。
朝は好きになれない。

出来ることなら。
いつまでも。
このままで。
うだうだと。
一日をやり過ごしたい。

そうも。
いかないのは。
百も承知。
でも。
少しばかり抵抗していたい。

せめて。
頭が。
体が。
心が。
ご機嫌なビートを奏でるまでは。

『The Morning After』'71年リリース。
アルバム・タイトル通りに二日酔いの?メンバーを捉えた。
モノクロームのジャケットもご機嫌なJ.ガイルズ・バンドの2ndアルバム。
デトロイト出身のクールでホットな野郎たち、それがJ.ガイルズ・バンドで。
なんと言っても。あのウッド・ストックのオファーを断って。
その理由が泥んこでスーツを汚したくないとのことだったとかとの説もあって。
そんな伊達で粋な連中がブチかます、最高にご機嫌なロックンロール。
その最初の頂点がこのアルバムには捉えられていて。全米でも注目の的となり。
日本ではこのアルバムでデビューを飾ることになったのでした。
ご存知の様にJ.ガイルズ・バンドと称しながら。当の本人は主役ではなくて。
目玉は、巻き舌もご機嫌な熱くソウルフルな歌声を聴かせるピーター・ウルフと。
白人最高峰のブルース・ハープを力強く華麗に聴かせるマジック・ディックで。
この2人の絡み合う様、そのラフで、タフで、スリリングなところが堪りません。
特に米国では小型のローリング・ストーンズと称されることも多かったみたいですが。
決してストーンズの模倣ではないし、そのエンジンは小型なんてものではないのです。
縦横無尽に飛び回るウルフとディック。それをがっちりと支えるガイルズ他のメンバー。
一丸となって跳びはね、突き進むそのカッコ良さ。痺れない訳がないのです。
A面頭からの「I Don't Need You No More」「Whammer Jammer」の連発。
もう、そこで。そのご機嫌なビートが聴こえてきた瞬間に勝負ありってところかな。
バラードでも、ブルージーなナンバーでもビシッと決めてみせるJ.ガイルズ・バンド。
J.ガイルズもなかなか渋いスライド・ギターを聴かせてくれたりもします。
そう。キーボードのセス・ジャストマンが出しゃばらない限り大丈夫なのです(苦笑)。
二日酔いでも、何でも。気だるい朝に覚醒するには最適なアルバムでもあるのです。

あぁ。
今日も。
眠気が。
気だるさが。
抜けきらない。

いや。
別に。
今日に限らずで。
いつも通りではあるけれど。
どうにもエンジンがかからない。

二日酔いとか。
遊びすぎとか。
否定はしないけれど。
兎に角。
労働とやらは好きになれない。

叶うことなら。
いつまでも。
このままで。
ぐだぐだと。
一日を見送ってしまいたい。

そうも。
いかないのは。
わっかちゃいるけど。
でも。
少しばかり反抗していたい。

せめて。
頭が。
体が。
心が。
ご機嫌なビートに応じるまでは。

気だるい朝。
気だるい一日。
いつまでも。
眠っていたい。
目覚めたくない。

気だるい朝。
気だるい一日。
そのままに。
澱んでいたい。
沈んでいたい。

気だるい朝。
気だるい一日。
いつまでも。
このままで。
やり過ごしたい。見送りたい。

そいつは。
無理な頼みだと。
叶わぬ願いだと。
指先が。爪先が。
反応し始める。

余計なことを。
しなくてもと。
そう思っても。
頭が。体が。
蠢き始める。

やれやれと。
どうしてもと。
ため息をついてみても。
心までもが。
奏で始める。

気だるい朝。
気だるい一日。
それすれも。
覚醒させる。
ご機嫌なビートが鳴り響く。

まったく。
余計なことをと。
思いながら。
そいつには。
覚醒のビートには逆らえないのだ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/26 Mon *死に場所、死に時 / Janis Joplin

20161226kozmicbluesukorg


あぁ。
また。
見つけられなかった。
逃しちまった。
今年もまた。

これで。
また。
歳だけ重ねて。
しまったわけだ。
今年もまた。

変わりはしない。
あの頃と。
些かも。
何も。
変わりはしないのだ。

何故。
こんなに。
納得できないのだ。
腹が立ってしかたがないのだ。
悲しくて遣りきれないのだ。

いつかは。
わかると。
見えてくると。
思っていたのだが。
そうでもないらしい。

そいつは。
敵の姿は。
あの頃と。
同じで。
未だに霧の中なのだ。

『I've Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama !』'69年リリース。
今更、多くを語るまでもないジャニス・ジョプリンの初めてのソロ・アルバム。
ビッグ・ブラザーと共に2枚。そしてソロとして2枚。合わせて4枚。
ジャニスの生前に世に出されたアルバムはそれだけしか存在しないのだ。
そのあまりにも短かった活動期間を考えれば仕方のないことではあるのだけれど。
それにしても。僅かに4枚なのだ。それだけで。とてつもなく愛しくなってしまう。
『Cheap Thrills』と『Pearl』に挟まれた故か。些か扱いが地味なのもまた愛しくて。
ジャニスがビッグ・ブラザーに不満を感じて。新たなバンドを結成した・・・
定説の様に語られているそれには疑問も感じますが。枠に収まりきらなくなってはいて。
目指す歌を歌う為には。ホーン・セクションも必要であったであろうことは間違いなく。
そう。ジャニスはソウルに憧れて。アレサ・フランクリンやエタ・ジェイムスに憧れて。
そして誰よりも。オーティス・レディングに憧れて。オーティスの様に歌いたいと。
何かのインタビューでオーティスの様に歌えたら死んでもいいみたいな発言もあって。
オーティスのライヴを最前列で、かぶりつきで。満面の笑みで観ている映像もあって。
その思いの丈をぶちまけたくて制作されたアルバムかなと。我慢とは無縁だろうから。
それ故に。サウンドがあまりにもソウルに寄りすぎているきらいはあるのだけれど。
それをものともせずに。その歌声を聴かせてしまう。胸を鷲掴みにし、胸に入り込む。
その唯一無比の歌声の前では。もはや些細な問題にもなりはしないのです。
「Maybe」「One Good Man」「Kozmic Blues」「Little Girl Blue」...
曲名を書き連ねるだけで、胸の奥の柔らかいところを掻き毟られる思いがします。
それほどまでに深く。ジャニスの歌声は聴く者の胸の内を捉えて離さないのです。
「Kozmic Blues」にて歌われる絶えることのない、耐えられない焦燥。
それこそがジャニスをソウルに、そしてブルースに向かわせたのだと思われるのですが。
幾つになってもうまくいかないと歌うジャニス。その胸の内に思いをはせると。
その絶望の深さに。共にありたい、抱きしめたいと。そう感じざるを得ないのです。
そして。多くの人にそう思わせ続けているであろう、ジャニスの歌声がやはり愛しくてならないのです。

あぁ。
また。
探さなくちゃ。
捉えなきゃ。
これからもまた。

これで。
また。
歳だけ重ねて。
しまったわけだから。
いつかは必ず。

変わっていない。
あの頃と。
些かも。
何も。
変わってはいないのだ。

兎に角。
どうしても。
納得できないのだ。
腹が立ってしかたがないのだ。
悲しくて遣りきれないのだ。

今年こそは。
わかると。
見えてくると。
思っていたのだが。
そうはいかなかった。

そいつは。
敵の姿は。
あの頃と。
同じで。
未だに霧の向こうなのだ。

納得した振りも。
腹を立てずにやり過ごすことも。
悲しみや。
やりきれなさから目を背けることも。
できないままに。

絶えることのない。
耐えられない。
焦燥。
そいつに。
苛まれたままに。

年月だけが。
過ぎ去り。
歳だけを。
重ねている。
飼われないままに。

納得がいかない。
腹が立つ。
悲しくてやりきれない。
ならば。
その元凶を絶つだけ。

なのに。
その姿を。
捉えられぬまま。
霧の中を。
彷徨い続けている。

たぶん。
この世界は。
そんな単純な。
仕組みでは。
なにのだろう。

それでも。
その姿を。
見つけるのだ。
探すのだ。
捉えるのだ。

一騎がけで。
一直線に。
挑む為に。
敵わぬまでも。
一矢報いる為に。

死に場所を。
死に時を。
求めて。
また。
一つ歳を重ねる。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/22 Thu *笑うしかない / Slade

20161222sladesgreats


もう。
こうなったら。
そう。
ここまできたら。
笑うしかない。

初めは。
わけが分からなくて。
心配して。
怯えて。
まさかと。

段々と。
事情が。
わかるにつれて。
明るみに出るにつれて。
怒りが爆発して。

なぜだと。
どうしてだと。
だから。
人の言うことを聞けよと。
怒鳴りつけて。

そうしたら。
あまりの。
情けなさに。
そこまでかと。
呆れるしかなくなって。

最後には。
もう。
どうしようもないのだし。
怒っても。無駄なことだと。
笑うしかなくなって。

『Slades Greats』'84年リリース。
英国の労働者階級の英雄、国民的バンドであるスレイド。
'70年代後半から流石に人気に陰りが見えて。レコード契約も失って。
そんなスレイドにとって起死回生の神風が思わぬところから吹いて。
クワイエット・ライオットが「Cum On Feel The Noise」をカヴァーして大ヒット。
それで再び脚光を浴びて再び表舞台に返り咲くこととなりました。
その人気に便乗して。古巣のポリドールが新たに編集した16曲入りのベスト・アルバム。
商魂たくましいと言うか、阿漕と言うか。詰め込めるだけ詰め込んだものだなと。
ジャケットの如何にも粗製乱造を思わせる安っぽさも如何なものかと思うのですが。
ところが。どうして。針を落とすと。スレイドの魅力が、これでもかと感じられると。
裏ジャケットには収められたナンバーの英国でのチャート・アクションが記載されていて。
それによると。全16曲がTOP15位内に。その内の13曲がTOP10位内に。
その内の12曲がTOP3以内に。そして5曲がTOP1に輝いているのですね。
なんなのでしょうね。この凄まじいまでの人気は。'70年代中頃までのスレイドは本当に凄いなと。
ラウドでグリッター。ラフでタフ。そしてシンプルでストレート。それだけなのです。
レコードに針を落として、あるいはラジオに耳を傾けて。そしてライヴに駆けつけて。
皆で一緒に大声で歌う。シンガロングのバンドとして数多のファンを魅了した。
それ一芸に徹したスレイドの見事さ、その天晴な心意気には。もう笑うしかないのです。
ここまでやられたら。何があっても。何が起きても。腹が立つことや、悲しいことも。
もう、スレイドを聴いていたら。もう、どうでもよくなって笑うしかないよなと。
そう思わせる、そう感じさせる。実に何とも、大した、ものなのですよねと。愛されるよね。
この季節にはぴったりな「Merry Xmas Everybody」と言うナンバーもあって。
英国ではこの季節になると街角の至る所で聴かれるそうです。素晴らしいなぁ。

もう。
こうなったら。
そう。
こうなってしまったら。
笑うしかない。

初めは。
混乱して、慌てふためいて。
心配して。
怯えて。
ひょっとしてと。

段々と。
事情が。
推察できて。
飲み込めるにつれて。
怒りが爆発して。

なぜだと。
どうしてだと。
だから。
再三、言ってきただろうと。
怒鳴り飛ばして。

そうしたら。
あまりの。
馬鹿馬鹿しさに。
ここまでかと。
憐れみすら感じてしまって。

最後には。
もう。
起きてしまったことなのだし。
怒っても。疲れるだけだと。
笑うしかなくなって。

まったく。
一寸先は闇だと。
そいつは。
よくも。
言ってくれたもので。

本当に。
青天の霹靂。
そいつは。
存在するのだと。
教えられて。

そうだよな。
他人の身に起こることは。
自分の身に起こっても。
不思議はないのだと。
思い知らされて。

あまりにも。
驚いて。
怒れて。
呆れて。
憐れになって。

そうしたら。
もう。
後は。
笑うことしかできなくて。
笑うしかないなと。

あまりにも。
絵に描いた様な。
どこかで。
観た様な、聞いた様な。
そんな災いに見舞われて。

もう。
笑うだけ。
それだけ。
他には何もできない。
笑うしかない。

まぁ。
いいさ。
取り敢えずは。
笑うしかない。
笑い飛ばしてやろう。

だけど。
覚えておけよ。
俺は。
執念深いからな。
地の果てまでも追い詰めてやるからな・・・



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/21 Wed *囚われていたい / Strapps

20161221prisnorofyourlove


囚われて。
すっかり。
魅了されて。
そう。
がんじがらめ。

しかも。
そいつが。
なんとも。
心地よいのだから。
どうしようもない。

誰の言うことも。
聞きはしない。
誰の指図も。
受けはしない。
それはそうなのだけど。

どうにも。
惹きつけられて。
どうにも。
逃れようもない。
そんなものに出会ってしまったら。

前言撤回も。
朝令暮改も。
なにもかも。
なにを言われても。
厭いはしない。

このまま。
囚われていたい。
魅了されていたい。
夢なら夢で。
覚めないでくれればいい。

『Prisoner Of Your Love』'78年リリース。
ブリティッシュ・ハード・ロック・バンド、ストラップスの3rdアルバム。
ブリティッシュ・ハード・ロック・・・なのですけどね、一応はね。
あのミック・ロックによる耽美的なジャケットが印象的だった1stアルバム。
そこにはやや時代遅れのグラム、グリッターな匂いもあって。
そんな匂いを纏いながらやや倒錯した歌の世界が個性的だったのですが。
商業的には失敗して2ndアルバムではハード・ロック一辺倒になって。
それも英国や米国では受け入れられなかったものの。日本では多少は評判になって。
確か、ディープ・パープルの後継者とかって持て囃されていたのですよね。
その頃にリード・ヴォーカルのロス・スタッグスが来日していたらしく。
日本での異常とも言える人気に本人が一番、驚いていたのだとか。
そして。このアルバム。前作の路線で行くかと思いきや。またしても路線変更して。
グリッターなナンバー、ハードなナンバーを残しながらも。
女性コーラスを参加させてソウルフルに歌い上げたり、レゲエを取り入れたりと。
恐らくは米国市場を意識したのでしょうが。何でもあり状態に陥ってしまったと。
ロスの、どこか爬虫類的な歌声だけは変わりようがなく健在なのですが。
全体としては脱皮を繰り返し過ぎて。自信がなんだったのかを見失った感じかな。
それでも楽曲のクオリティーが高いのと、ロスの癖になる歌声に囚われているのならば。
それなりに聴き応えのあるアルバムなのですけどね。それにしても。
英国、そして米国での商業的成功と言うプレッシャーに囚われ過ぎたのでしょうね。
結局、日本以外ではまたしても相手にされずに。4thアルバムは日本だけでのリリース。
ロスの粘着質な爬虫類的な歌声には、日本人の情感には訴えるものがあったのかな。

囚われて。
しっかり。
魅惑されて。
そう。
金縛り状態。

しかも。
そいつが。
なんとも。
楽しいのだから。
どうにもならない。

誰が何を言おうと。
信じはしない。
誰が何を命じようとも。
従いはしない。
それはそうなのだけど。

どうにも。
惑わされて。
どうにも。
逃れようとも思わない。
そんなものに出逢ってしまったら。

今までの。
言動も。
なにもかも。
撤回しても。
構いはしない。

このまま。
囚われていたい。
魅惑されていたい。
夢でも構わない。
覚めないでくれればいい。

囚われの身。
囚われの心。
その。
心地よさを知ってしまったら。
楽しさを知ってしまったら。

解かれたくない。
放たれたくない。
この。
心地よさの中で。
楽しさの中で。

魅せられたまま。
惑わされたまま。
そのままで。
いさせてくれればいい。
いかせてくれればいい。

誰の声も。
誰の言葉も。
耳に入らない。
届きはしない。
それでいい。

変わったと。
おかしいと。
囁かれようと。
指さされようと。
それでもいい。

惹きつけられて。
惑わされて。
逃れられない。
逃れようとも思わない。
そんなものと出逢ってしまったのだ。

囚われの身。
囚われの心。
囚われていたい。
魔法なら魔法で。
解けなければいい。

囚われていたい。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/20 Tue *走馬燈の様な / Queen

20161220adayattheracesukorg


走馬燈の様に。
レースの。
競走馬の様に。
今年の。
一年間の。

あれや。
これや。
気づくと。
瞼の裏に。
脳裏に駆け巡る。

あぁ。
もう。
今年も。
そんな時期に。
なってしまったのだなと。

あれはしたし。
これもしたし。
でも。
あれはやってないし。
これもやってないし。

あそこには行った。
ここにも行った。
でも。
あそこには行ってないし。
ここにも行ってないし。

巡る。
思いを。
胸に抱いて。
年の瀬の街を。
歩いていく。

『A Day At The Races』'76年リリース。
『華麗なるレース』なる邦題でも知られるクイーンの5thアルバム。
アルバム・タイトル、ジャケットから『A Night At The Opera』と比較されることが多く。
マルクス兄弟の映画からのタイトルの引用、フレディのデザインによるイラスト。
クイーン自身も商業的な意味も含めてそこは意識的にやっているのだろうなと。
実際に特に日本では、その2枚のアルバムがクイーンのアルバムとしては認知度が高いと。
自分にとっても、初めてリアル・タイムで聴いたアルバムなので思い入れがあるかな。
当時はラジオでも、このアルバムからのナンバーがよく流れていましたからね。
クイーンにとっては初のセル・プロデュースによるアルバムでもあるので。
よくよく聴いてみると。『A Night At The Opera』とは手触り、肌触りが異なってもいて。
やや装飾が少なくなって。剥き出しとまでは言わないまでも素の部分が多いかもと。
ここらは今だから感じられると言うか。今になってわかってきたと言うか。
結局のところ『A Night At The Opera』はそれまでにない成功をもたらしはしたものの。
クイーン自身にとっても冒険だったと言うか、妥協の産物でもあったのだろうなと。
だからこそ。完全に元には戻せないにしても。揺り戻しを掛けたくなったのだろうなと。
「Tie Your Mother Down」「Somebody To Love」「White Man」辺りのナンバー。
そこに顕著に感じられる生々しさ、肉体性。定着を余儀なくされることとなったイメージ。
それへのせめてもの反抗、覚悟を決めた上での最後のガス抜きに聴こえなくもないかなと。
この時に、フレディ、ブライアン、ロジャー、ジョンの脳裏に過った思いはなんだったのか。
そんなことを考えてみたくもなりますかね。特にここ数年は、そんな感じかな。
「Teo Torriatte (Let Us Cling Together)」は日本のファンへのプレゼントだと言われて。
そう信じて聴いてきましたが。そこにもクイーンの複雑な思いを感じもするかな。
そうは言っても。結局は洋楽を聴き始めたころの思い出が走馬燈の様に巡ったりするのですけどね。

走馬燈の様に。
レースの。
競走馬の様に。
今年も。
一年間の。

なんだ。
かんだ。
無意識に。
瞼の裏に。
脳裏に駆け巡る。

あぁ。
もう。
今年も。
そんな時期だと。
押し詰まってしまったのだなと。

あれはできた。
これもできた。
でも。
あれはできてないし。
これもできてないし。

あいつには会えた。
こいつにも会えた。
でも。
あいつには会えてないし。
こいつにも会えてないし。

巡る。
思いを。
胸の内で反芻して。
年の瀬の街で。
グラスを乾している。

今年も。
相変わらずで。
譲らずに。
曲げずに。
折れずに。

わが道を。
行った。
己が思いを。
通した。
誰の言うことも聞かず。

遊んで。
暴れて。
恋をして。
無茶をして。
走り続けた。

今年も。
相変わらずで。
計算して。
流して。
受け入れて。

道を。
譲った。
思いを。
閉じ込めた。
己の心の声も聞かず。

手を汚して。
心に嘘をついて。
大人しい振りをして。
騙して。
走り続けた。

今夜くらい。
走馬燈の様な。
糾なえる。
あても。これも。
忘れた振りをして。

大好きな。
恋している。
歌声に。
身を委ねても。
許されてほしいかな(笑)。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/19 Mon *新機軸 / David Bowie

20161219stage


変わらない。
その良さもある。
だけど。
変わらない。
それが悪い時もある。

安住して。
温くなって。
緩くなって。
ついには。
澱んでしまう。

だったら。
その前に。
思い切って。
手を打って。
変化を呼び込もう。

波風が立とうが。
波紋が広がろうが。
恐れずに。
躊躇わずに。
変えてしまおう。

受け容れられにくい。
抵抗もあるかもしれない。
それでも。
やってしまえば。
こちらのもの。

新機軸。
そいつを。
納得させてしまえば。
そいつで。
魅了してしまえれば。

『Stage』'78年リリース。
同年の全米ツアーで収録されたデヴィッド・ボウイの2枚組ライヴ・アルバム。
所謂ベルリン時代のボウイのステージの模様を捉えた貴重なアルバムで。
カルロス・アルマー、エイドリアン・ブリューと2人の名ギタリストを擁したバンド。
その個性的にして超絶的な技量から生み出されるサウンドも聴きものです。
聴きものですが、やはり圧倒的なのはボウイの存在感。それが全体を支配しています。
常に変化を求め、変容を自らに課し、新機軸を打ち出し続けるボウイならではの魅力。
ところが。このアルバム。レコード会社の意向なのか曲順が実際とは異なっていて。
ライヴでは前半に演奏されたベルリン時代のナンバーを2枚目に収録して。
1枚目には後半に演奏されたベルリン時代以前のヒット曲や代表曲を収録しています。
まぁ、確かに「Warszawa」「Speed Of Life」と続くオープニングは。
熱心なボウイのファン以外にはとっつき辛いと考えるのもわからなくはないのですが。
当のボウイが敢えて挑んでいるものを。変更してしまうのは如何なものかと。
今だったらありえないかな。当時はボウイをもってしてもこの扱いだったと言うことです。
まぁ、尤も。2枚目から針を落とせばそれでいいって話ではあるのですけれどね。
(因みに現行のCDは実際のライヴに準じた曲順になっていると思います)
このツアーでは来日もしていて。NHKで放送されたのを観た記憶があるのですが。
グラムなボウイしか、知らなかったガキには衝撃的で。解らなくもあったのですが。
過去の自分を見事に、鮮やかに切り捨ててみせる。その姿勢に何かを感じはしたかな。
その姿勢、その覚悟。その結果としての新機軸。それこそがボウイの真骨頂なのですね。
だからか。やはりこのアルバムは2枚目が遥かにスリリングで魅力的で。
1枚目はこなれ過ぎていて。あまりにも慣れ過ぎた芝居を観ている様な気分になるかな。
それでもボウイの歌声が魅力的なのは確かなのですが。ボウイらしくはないとね。

変わらない。
その良さもある。
だけど。
変われない。
それが悪く出る時もある。

依存して。
舐め合って。
慰め合って。
ついには。
沈んでしまう。

だったら。
その前に。
思い切って。
手を切って。
変化を生み出そう。

波風を立ててしまおう。
波紋を広げてしまおう。
退かずに。
躊躇せずに。
変わってしまおう。

受け容れられるまでに。
相当な摩擦を生じるかもしれない。
それでも。
やってしまえば。
それまでのこと。

新機軸。
そいつを。
腑に落ちさせれば。
そいつで。
篭絡してしまえれば。

安住と。
怠惰は。
紙一重。
温すぎてはならない。
緩すぎてもならない。

安寧と。
依存は。
表裏一体。
舐め合いの度が過ぎてはならない。
慰め合いの度も過ぎてはならない。

澱んで。
身動きが取れなくなる。
沈んで。
浮かび上がれなくなる。
その前に。

波風を立てよう。
波紋を広げよう。
恐れずに。
躊躇わずに。
変えてしまおう。

抵抗されようが。
摩擦が生じようが。
退かずに。
躊躇せずに。
変わってしまおう。

手を打って。
手を切って。
変化してしまえば。
変容してしまえば。
こちらのもの。

後は。
魅了するだけ。
篭絡するだけ。
新機軸。
そいつが必要な時があるのだ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/18 Sun *今年も恒例の・・・ / The Rolling Stones

20161218blueandlonesome


旦那。
おう、お前か。
ご無沙汰しまして。
一年振りか。てことは、またあれだな。
へい。お誕生日、おめでとうございます。
おう、ありがとうよ。幾つになってもいいもんだな。

おいくつになれらましたかは?
おう、その七十と三だろう。
おっ、今年も呆けてはいやせんね。
馬鹿野郎、未だなぁ呆けるには早いんだよ。
流石は旦那だ。御見それいたしやした。
おう、その、なんだよ。まだまだこれからよ。

これからね。ひょっとして旦那も?
ひょっとして、なんなんだよ?
いや、お子さんが生まれるとか・・・
馬鹿野郎、ミックとは違って分別ってものがあるんだよ。
そ、そうでやすね。でもロニーの兄貴も・・・
いいんだよ。ロニーはロニーなんだから。

そうでやすか。ところで。あれですよ、旦那。
どれだよ?
十一年振りのアルバムってやつですよ。
おう、どうでぃ。なかなかのもんだろうよ。
いやぁ、ここへきてのブルースとは驚きやしたぜ。
馬鹿野郎、あれだよ。俺はいつもブルースと一緒なんだよ。

流石は旦那。初心忘るべからずってやつですね。
まぁ、ちょいと。童心に戻り過ぎちまったけどな。
いやいや、旦那。聴いてるだけでヤニ下がった顔が浮かびますもんねぇ。
馬鹿野郎、なんだよヤニ下がったってぇのは。
す、すいやせん。でも、そのなんですよ、楽しかったんでやしょ?
そりゃ、そうよ。楽しくない訳がないわな。
どうなんです?ストーンズのアルバムでここまで楽しかったってのは?
そうだなぁ、『Steel Wheels』か、否、あれだよ。『Dirty Work』以来じゃねぇか・・・

『Blue & Lonesome』'16年リリース。
ザ・ローリング・ストーンズの実に11年振りとなるスタジオ・アルバム。
アナログ盤2枚組、4面に渡るブルースのカヴァー、全12曲。
ルーツであるブルースに回帰して、対峙して。情熱のままに録音されたかの様なアルバム。
何でも3日間で録音を終えたとかで。しかも総て一発録りだったとかで。
ここのところのお家芸とも言えた過剰なオーヴァー・ダブも一切ないと言う。
その潔さ、しかもそれを実行してしまえるところにストーンズの底力ありと言った感じです。
実のところ、本当は3日も掛かっていなくて。1日で録音してしまったのではないかと。
流石にそれでは格好がつかないので。3日なんて適当なことを言ってるのではと勘繰りたくなる。
それほどに。情熱、そしてバンドとしての一体感、勢いを感じさせられます。
特に今回はミックが、その禁じ手を解いたと言うか。素直になったと言うか。
元々、キースやブライアンに負けないくらいのブルース・マニアだったと思われて。
ただ、そこはロンドン経済大学出身ですから。若いころから経営感覚は鋭かった筈で。
敢えて。成功を手にする為に、黒く歌うことを制御してきたと思うのですが。
今回は自らに課したリミッターを解除して、正攻法で真っ黒な歌声を聴かせてるなと。
あまりにも技巧と言うか、妙なフェイクに走ってたここ十数年の反省もあったのですかね。
この歌だったらね、ブライアンも納得してるだろうと言うか。
エリック・バードンを英国史上最高のシンガーなんて発言はしなかったかなと。
そして。常日頃からキースも褒めているミックのブルース・ハープ。その素晴らしいことと言ったら。
ブライアン、そしてポール・バターフィールドやマジック・ディックとも互角に張り合えるなと。
今回、リトル・ウォルターのナンバーを4曲もやっている。その選曲もミックのブルース・ハープあってこそです。
勿論、キースもその持ち味を十二分に発揮していて。いつもにないくらいに真面目に弾いてるなと。
そして。ロニーも顔だけで弾いていないですから(笑)。なんだよ、弾けるんじゃないかとね。
いつもと変わらないのはチャーリーだけで。そう考えると、その存在の大きさに改めて気づかされもします。
平均年齢が70歳を超えるバンドがこれをやってしまう・・・70歳を超えたからこそやれるのか。
兎にも角にも。やはりストーンズはただものじゃないと世界に再認識させるに十分なアルバムなのです。

旦那。
おう、なんでぃ。
ここまできたら、ここはひとつ。あれですよ。
ひとつ。あれって、なんなんだよ。
へい。ブルースだけでツアーに出てみちゃどうですかい?
おう、まぁ、それもありっちゃ、ありなんだけどよ。

なんです?奥歯にものが挟まった様な。
おう、そこはよ。そのあれだよ。わかるだろ?
いや、なんのことやら・・・
馬鹿野郎、お前だったら察しはついているんだろうが。
流石は旦那だ。お惚けは通用しませんねぇ。
おう、その、あれだよ。ほら、ファンにも色々といるだろうが。

そうでやすねぇ。
あれとあれはやらねぇと納得しねぇ奴等もいるからな。
そこは、あれですよ。一度くらい無視してみるってのは・・・
馬鹿野郎、お客さんに喜んでもらってなんぼなんだよ、この稼業は。
そうでやすね。しかし旦那、配慮はしても遠慮はしなくてもいいんじゃ。
お、なんだ。お前も偶にはいいこと言うじゃねぇか。

しかし。あれですよ、旦那。
どれだよ?
折角の十一年振りアルバム。しかも傑物ですよ。
おう、そりゃぁよ。当たり前でぇ。愛情が違わぁな、愛情が。
じゃぁ、それを目玉にツアーしねぇって手はないでしょうよ。
馬鹿野郎、だから。あれだよ。俺だって。あれなんだよ。

いいんじゃないですか。偶には「飛跳ねるジャヤック」やらなくても。
おう、そうか。いや、俺もそう思わねぇでもねぇんだが。
そうですぜ。旦那。なんなら「茶色いお砂糖」も外してもらっても。
お前、そいつは流石に大胆過ぎやしねぇかよ・・・
そうでやすかね、でも「無情の世界」はもういいでやしょ。
おう、あの曲は妙なイメージが着いちまったからなぁ。
ここはあれですよ。「お前を失う」とか「安奈?」もスパッと止めましょう。
おう、そうだな。その辺りは俺も飽きてきたところなんだよ。

おっ、本音が出てきましたね。そう、こなくっちゃ。
あれだな「隠れ家をおくれ」もいらねぇよな。
えっ、そいつもですかい。そいつは旦那のお気に入りなんじゃ。
馬鹿野郎、ライヴではミックがいちゃつきたくてやってるだけだろうが。
おっと、失礼しやした。へぇ、そんなもんですかい?
元々は俺の持ち歌だったのをミックがレコーディングの時にだなぁ・・・

じゃぁ、ここはもう思い切って。
おう、何でも言ってみねぇ、ここまできたらあれだからよ。
「幸福」も「銀を手に入れた」も外しちゃいましょう。
馬鹿野郎、俺の歌を楽しみにしてる奴等もいるんだよ。
代わりに日本のブルース、「舟歌」とか「兄弟船」とかどうですかい?
お、おう。そうだな。船は好きだからな。悪くはねぇな。

どうです。旦那?
う~ん、それもいい、いいっちゃいいなぁ。
でやしょ。こいつは決まりですな旦那。
おう。ところでお前は今度のアルバムに余計なものが少しばかりあると思わねぇかい?
嫌ですねぇ、旦那。わかってやすすよ。あれでしょう。ちょいとお耳を・・・
おっ、なんでぇ、そうか、それなら俺と一緒じゃねぇか。よし、飲もう。今夜は飲み明かすぞ。

旦那、お誕生日、おめでとうございます。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/17 Sat *誰かとおいらのバラード / 世良公則 & ツイスト

20161217twist


誰かのバラード。

人の数だけ。
物語がある。
月日を数えるだけ。
物語は増えていく。
物語は続いていく。

喜びも。
怒りも。
哀しみも。
楽しみも。
人それぞれに。

笑いも。
あれば。
涙も。
あれば。
言葉にならないものもある。

どれだけの。
物語を。
生きてきた。
生きていく。
人それぞれに。

いま。
ここにいる。
あなたの。
ここまでの。
物語を聞いてみたくなる。

誰かのバラード。

『世良公則&ツイスト』'78年リリース。
世良公則&ツイストの記念すべき1stアルバム。
当時の世良公則、そしてツイストの人気は絶大で。
このアルバムもその人気を背景にオリコンで首位を獲得しています。
何でも日本のロック・バンドの1stアルバムが首位になったのは初めてだったとか。
「あんたのバラード」「宿無し」と2曲のシングル・ヒット曲も収められていて。
そのこともこのアルバムの売り上げを押し上げたものと思われます。
ツイストの魅力、それは何と言っても世良公則の男の色気に溢れた歌声にあって。
針を落として聴いているだけで。あの独特のアクションと雄姿が目に浮かびます。
既にTVの歌番組とかには興味を失っていましたが。世良さんだけは観ていましたからね。
(あっ、後はジュリーとアン・ルイスも観ていたなぁ・・・)
ツイスト、そしてCharと原田真二がロック御三家とか呼ばれていて。
ロックをお茶の間に持ち込んで、歌謡曲との垣根を取っ払いメジャーに押し上げたと。
特にその中でもツイスト、世良さんは積極的にメディアに露出して道を開いていたと。
その頃は、そんなことは意識もせずに。単純にカッコいいなと聴いていましたが。
世良さんの意識的な活動が、日本のロックをメジャーなものにして。
平たく言えば商売になると証明して。多くの後進を結果的に育てることになったこと。
そして活動の裾野を広げてロック・ミュージシャンの息を長くしたこと。
その功績、その事実はもっと知られてもいいし、評価されてもいいかなと思います。
学生時代の前身バンドでは元々はベーシストで。望んだわけでもなくヴォーカルに転向。
卒業記念にと出場したコンテストで「あんたのバラード」が大賞を受賞して。
プロになることを好まなかったメンバーもいたので断腸の思いでメンバー・チェンジして。
(従って「あんたのバラード」だけは学生時代のメンバーでの演奏となっています)
そんな世良さんの物語、バラードに思いを馳せると、その歌声が一層沁みるのです。

おいらのバラード。

おいらにはおいらの。
物語がある。
月日を数えるだけ。
物語は増えていく。
物語は続いていく。

喜びも。
怒りも。
哀しみも。
楽しみも。
おいらなりにある。

笑いも。
あれば。
涙も。
あれば。
言葉にできないものもある。

どれだけの。
物語を。
生きてきた。
生きていく。
おいらもそれなりに。

いま。
ここにいる。
おいらの。
ここまでの。
物語を語ってみたくなる。

おいらのバラード。

誰かの物語。
おいらの物語。
出会って。
交差して。
共にあって。離れて。

それぞれの物語。
そいつを。
それぞれの場所で。
それぞれの時間で。
綴り続けて。

誰かの物語。
おいらの物語。
再会して。
再び交差して。
再び共にあって。

誰かとおいらの物語。
着かず離れず。
それでも。
その昔からは。
近づいている様にも思われて。

誰かとおいらの。
物語がある。
月日を数えるだけ。
物語は増えていく。
物語は続いていく。

これから。
何が語られる。
何が綴られる。
何が・・・
いつまで続けられる。

誰かのバラード。
おいらのバラード。
誰かのブルース。
おいらのブルース。
いつまで歌い続けられる。

誰かとおいらのバラード。

そいつが。
微かに。
でも。
確かに。
この夜に聴こえている。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/16 Fri *日本人である / HIS

20161216his


日本人である。
日本の人である。
意識しようと。
意識がなかろうと。
そうなのである。

十二月の。
師走の。
声を耳にすれば。
何となく。
咳かされて、浮かれて。

お歳暮とか。
煤払いとか。
忘年会とか。
仕事納めとか。
大掃除とか。

そんな。
諸々が。
する、しない。
そいつは別にして。
気にかかる。

別に。
普通に。
月が替わるだけの話。
しかし。
そこに特別な意味を見出そうとする。

除夜の鐘。
紅白。
ゆく年くる年。
もう随分。
縁が無かったりするのだけれど。

『日本の人』'91年リリース。
細野晴臣、忌野清志郎、坂本冬美によるユニット、HISの唯一のアルバム。
このたび、坂本冬美のデビュー30周年を記念してめでたくアナログ盤になりました。
元々はロックの日とかってイベントから派生したユニットだったかと。
RCサクセションが活動休止状態となって、清志郎が積極的に活動し始めた時期だったと。
細野晴臣はともかくとして。なんで坂本冬美と思ったのですが。
よく考えたら既にRCの『Covers』に参加して清志郎と共演経験があったのですよね。
それでも。三者三様の異種格闘技戦であったことに変わりはないのですけど。
結果的には非常に上手くいったと言うか、手が合ったと言うか、名勝負になったかなと。
サウンドクリエイターとしての細野、ソングライターとしての清志郎、歌手としての坂本。
各々の個性と才能が静かに火花を散らしながらも、一つの作品へと緩く昇華されていく。
何故だか。そんな制作風景が目に浮かぶ様な、そんな気分にもさせられます。
(細野の作業の遅さに、清志郎が業を煮やして辟易としたとの話もありますが・・・)
オリジナル、カヴァー共々。清志郎の言葉選びの上手さ、言語感覚の鋭さは流石の一言で。
それに対応して。それを見事に歌い上げる坂本の歌手としての底力が聴きもので。
美空ひばりも、都はるみも、ジャズやブルースを歌わせてもとんでもなく素晴らしいのは。
それは子供の頃に観たテレビとかで知っていましたが。その域に近いものがあるなと。
日本の歌、日本語の歌として捉えれば。ロックも歌謡曲も演歌もみな同じであって。
要は、大切なのは才能や実力やセンス、そして共感、共鳴できる心の余裕なのですね。
元々、日本的なものが大きな割合を占めている清志郎の世界ですが。
坂本によって歌われることによって、そのどうしようもなく愛しい日本が鮮明になったと。
「夜空の誓い」「500マイル」「アンド・アイ・ラヴ・ハー」と名曲ぞろいですが。
坂本にセーラー服を着させて。う~ん、いじわる~、まだいっちゃだめ~と歌わせる清志郎。
この確信犯で、愉快犯なセンス。それが失われたことは、本当に・・・悔しいなぁ。

日本人である。
日本の人である。
好きであろうと。
好きでなかろうと。
そうなのである。

十二月の。
師走の。
声を耳にすれば。
訳もなく。
バタバタして、ウキウキして。

街を歩いても。
電車に乗っていても。
遊んでいても。
働いていても。
どこか落ち着かなくて。

そんな。
空気が。
あるか、ないか。
そいつは別にして。
そんな気になってしまう。

別に。
普通に。
年が暮れるだけの話。
しかし。
そこに特別な意義を見出そうとする。

御飾り。
神棚。
あいさつ回り
もう随分。
縁が無かったりするのだけれど。

今年の内に。
あそこと、あそこ。
行っておきたいな。
あの人、この人。
会っておきたいな。

来年の干支は何だっけ。
そろそろデザイン考えようか、
年賀欠礼も確認して。
年賀はがきも。
プリンターのインクも買って。

年末ジャンボ。
発売はいつまでだっけ。
そろそろ。
今年こそ。
順番が回ってきてもいいよな。

プラスチックのミカン。
重ね餅の形をしたプラスチック。
中には切り餅。
それで十分だから。
玄関にくらいは飾らないと。

年越しそばは。
いつも混んでいる。
知る人ぞ知る。
あの日本酒も美味しい。
あの店に久し振りに。

年越しは。
初めての。
あの店かな。
初詣は。
どこのお社に行こうかな。

日本人である。
日本の人である。
自覚があろうと。
自覚がなかろうと。
そうなのである。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/15 Thu *殉じる覚悟 / The Collectors

20161215collector


少しの。
歪みもない。
そんな。
平坦な。
世界など。

何の。
面白味もない。
何の。
興味も惹かれない。
そうだろう。

清潔で。
無味無臭で。
綺麗で。
均質で。
そこに俺の居場所はない。

他の。
誰かには。
誰にも。
意味が無くても。
理解されなくても。

自分の。
矜持に。
執着に。
愛情に。
素直でいられるのなら。

それで。
それだけで。
構わない。
その地下室だけが。
俺のいるべき場所なのだ。

『僕はコレクター』'87年リリース。
ザ・コレクターズのメジャー・デビュー・アルバム。
30年近くが経ったいまでもまるで色褪せることを知らないアルバム。
ネオGSとか、モッズとか。確かにその辺りのシーンから登場したのだけれど。
最初からコレクターズは別格であったことはこのアルバムに針を落とせばわかる。
弾けるビート、キャッチーなメロディ、繊細に捻じ曲げられた世界観。
今に続く、今も変わらないコレクターズの魅力の総てがこのアルバムにあるのです。
稀代のソングライターにして、ブリティッシュ・ロック・マニアでもある。
そんな加藤ひさしの世界はこのアルバムにして既に完成していたと言ってもいいかと。
ザ・フー、ザ・キンクス、スモール・フェイセス、ザ・ジャムを思わせながら。
加藤自身の矜持、執着、愛情。そんなものがコレクターズとしての個性になっていると。
そもそもバンド名の由来となった映画があの『コレクター』であると。
そこに繊細に捻じ曲がった、更には独善的なものへの偏愛とも言うべきものが感じられて。
それを弾けるビート、キャッチーなメロディ、そして張り上げられる歌声。
それらを駆使して表現することに総ての情熱を注ぎこんでいる、そこに魅せられるのです。
己の美意識に殉じようとする、その頑固一徹な腹の括り方、男、加藤ひさしなのです。
「僕はコレクター」「Too Much Romantic !」「プ・ラ・モ・デ・ル」「僕は恐竜」・・・
名曲のオン・パレード。このアルバムでブレイクしても不思議ではなかったのに。
ずっとブレイク寸前と言われ続けてまもなく30年。確かに不思議ではあるのですが。
逆に言えば。そう簡単に理解されないからこそのコレクターズでもあるのですよね。
その矜持、執着、愛情、美意識。そいつはコレクターズ、加藤ひさしだけのものなのです。
フォロワーを称する、凡百のバンドはそこが分かっていないのですよね。

少しの。
偏りもない。
そんな。
平凡な。
世界など。

何の。
味気もない。
何の。
欲望も駆られない。
そうだろう。

塵ひとつなく。
磨き上げられて。
隅から隅まで
消毒されて。
そこに俺の居場所はない。

他の。
誰かには。
誰にも。
意味がないからこそ。
理解されないからこそ。

自分の。
矜持に。
執着に。
愛情に。
素直でいられるのだから。

それで。
それだけが。
総てなのだ。
その屋根裏だけが。
俺のいられる場所なのだ。

誇りを持てない。
そんなものには。
きっと。
いつまでも。頑張っても。
持てはしない。

興味を持てない。
そんなものには。
きっと。
いつまでも。頑張っても。
持てはしない。

好きになれない。
そんなものは。
きっと。
いつまでも。頑張っても。
なれはしない。

だったら。
自分に。
自分自身に。
自意識に。
美意識に。

誇りを持って。
拘り抜いて。
覚悟を決めて。
好きなら。
徹底的に好きになる。

誇りを持って。
拘り抜いて。
覚悟を決めて。
好きなら。
徹底的に好きでい続ける。

己の。
歪みに。偏りに。
愛情に。美意識に。
殉じる覚悟。
それこそが俺の居場所なのだ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/14 Wed *剥き出しでこそ / The Rolling Stones

20161214nosecurity


過剰な。
警戒など。
防備など。
そんなものは。
必要ない。

所詮。
どこまで。
いっても。
やっても。
不安はつきまとう。

平穏など。
治安の良さなど。
求めようがない。
そんな時代を。
生きている。

ならば。
臆さず。
隠さず。
さらけ出して。
勝負するのみ。

保険が無ければ。
保証が無ければ。
一歩も進めない。
そんなお上品な。
玉でもあるまいし。

シンプルに。
ストレートに。
正面から。
当たって、砕けて。
後は手応え次第。

『No Security』'98年リリース。
ローリング・ストーンズの2枚組ライヴ・アルバム。
う~ん。このジャケットがねぇ・・・どうにも興を削ぐと言うか。
会場で見かけたファンを起用したのだろうけど。他にいなかったのかなと。
どうも’90年代のストーンズのアルバムのジャケットのセンスはよろしくないかな。
スタジオ・アルバムをリリースして、ツアーに出て、ライヴ・アルバムをリリースしてと。
そんなサイクルが確立されてきたので。ライヴ・アルバムも趣向を凝らす必要があって。
このアルバムには『Bridges To Babylon』からのナンバーと。
今まで、オフィシャルではライヴ・アルバムに収められなかったナンバーが中心の選曲。
結果として。実際のライヴを再現する様な構成にはなっていないので。
ストーンズのライヴ・アルバムに何を求めるかで評価、満足度は異なるかもしれません。
タジ・マハール、ジョシュア・レッドマン、デイヴ・マシューズとゲストも多彩で。
そこも。豪華だな、貴重だなと感じるか。余計だなと感じるかはそれぞれかな。
まぁ、実際にこの頃のツアーは海外でも何回も体験したので。それを踏まえると。
ライヴと、ライヴ・アルバムとは別物だと思うので。選曲や構成には文句なしと。
ただゲストは生で観ている時はスペシャルな感じがして盛り上がるけれども。
アルバムで聴くと・・・正直いらないかなと思ったりもしますかね。
「Memory Motel」はデイヴ、煩いよ。歌わなくていいよとか思ってしまうものなぁ。
「Corinna」のタジ・マハールは渋くていいけど。まぁ、だから好き好きですよね。
面白いのは『Bridges To Babylon』のナンバーのが、懐かしく感じられることかな。
そこはもうハッキリと楽曲としての魅力、生命力の差が明確になってしまっていて。
逆に’60年代や’70年代のナンバーはどれだけ魅力的で逞しいのかの証明でもあります。
キースの旦那が怪我をしたお陰で開催された?このアルバムに伴うツアー。
そこでの剥き出しのストーンズを思い出すには便利なアルバムではありますが。
正直、ストーンズのライヴ・アルバムとしては、平均値以下のブツだとは思います。

過剰な。
警備など。
防御など。
そんなものは。
必要ない。

所詮。
どこまで。
いっても。
やっても。
不信はつきまとう。

危険など。
治安の悪さなど。
普通に転がっている。
そんな時代を。
生きている。

ならば。
逃げず。
背けず。
さらけ出して。
勝負するのみ。

安全で無ければ。
担保が無ければ。
街へも繰り出せない。
そんなお上品な。
玉でもあるまいし。

シンプルに。
ストレートに。
正面から。
当たって、砕けて。
後は出たとこ勝負。

剥き出しの。
馬鹿正直な。
愚直さ。
それだけを。
供にして。

危うい。
脆そうな。
そんな。
場に臨んでみる。
場を遊んでみる。

臆したところで。
隠したところで。
逃げたところで。
背けたところで。
捕らわれない筈もない。

ならば。
いたずらな。
警戒はやめて。
防御もやめて。
挑むだけ。

両腕を下げて。
顔を晒して。
撃てるものなら。
撃ってみなよと。
誰かを気取って。

ノー・ガードで。
臨むだけ。
挑むだけ。
ノー・ガードで。
撃ち合うだけ。

危機管理も。
情報管理も。
この場には。
相応しくない。
ノー・セキュリティ。

剥き出しでこそ。
浮かぶ瀬もあれ。
そんな場も。
そんな時も。
あると言うことさ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/13 Tue *風の中 / Traffic

20161213whentheeagleflies


吹き荒ぶ。
風の中。
立ち止まり。
風を受けて。
身を縮める。

吹く風の。
激しさに。
冷たさに。
身体ばかりか。
精神までもが。

抱きすくめられて。
体温を。
情熱をも。
奪われそうで。
身震いが止まらない。

こんな。
風の日は。
何処へも行かずに。
引きこもるべきだった。
そんな思いに囚われる。

けれども。
こんな。
風の日は。
今日だけだとは。
限りはしない。

だから。
風の中でも。
前を。
明日を。
向かねばならない時もある。

『When The Eagle Flies』'74年リリース。
トラフィックの6枚目にして最後のスタジオ・アルバム。
(20年以上後に再結成した際にもアルバムを制作していますが)
メンバーの出入りが激しかったトラフィック。一時はかなりの大所帯でしたが。
このアルバムではスティーヴ・ウィンウッド、ジム・キャパルディ、クリス・ウッド。
3人のオリジナル・メンバーに、10代のベーシスト、ロスコー・ジーを迎えた4人編成。
そこに、脱退したリーボップが一部のナンバーにゲストとして加わっています。
常に挑戦し、変化を続けたトラフィック。時には聴く者を挑発する感もありましたが。
このアルバムは一聴すると、非常に端正と言うか落ち着いた印象を与えます。
思うに、ウィンウッドはこれが最後になるとの予感、あるいは確信があったのではと。
そこで今までの集大成として、R&Bから出発して、サイケデリック、ソウル、ジャズと。
吸収してきたものを総て生かして、新たなステップへと飛翔を試みたのだと思います。
それが昇華されて表現としてはシンプルなものになったと言うことなのでしょうか。
勿論、ウィンウッドの歌声はいつもの様にソウルフルに聴く者の胸に突き刺さるのですが。
その一方で、いつも以上にクールな感じも受けて。どこか達観もしている様で。
ウィンウッドの中にはある程度の達成感、トラフィックとしてやれることはやったと。
そんな思いがあったのではないかと。個性の強いメンバーの集まり、共同体として。
大袈裟に言えば激動の歩み、常に吹き荒ぶ風の中を歩んできた様なトラフィックですから。
その終焉には、その風を制した。その風に乗って現在地から飛び立っていくのだと。
そんな思いが、このアルバムには込められているのではないかと感じられるのですね。
「Walking In The Wind」「When The Eagle Flies」などタイトルや歌詞からしても・・・
もはや、R&Bもサイエケデリックもソウルもジャズも。総てを乗り越えて、飲み込んで。
ウィンウッドは、新たにソロとしてのキャリアを歩み始めることになるのです。

吹き荒ぶ。
風の中。
意を決し。
風に向かって。
歩き始める。

吹く風の。
激しさに。
冷たさに。
身体だけでなく。
精神までもって。

抗いながら。
体温も。
情熱も。
奪われてなるものかと。
身震いと闘いながら。

こんな。
風の日は。
何処かへ飛んでいく。
何処かへ飛んでいけるチャンスだと。
そんな思いを胸に。

そうさ。
こんな。
風の日は。
今日だけだとは。
限りはしない。

だから。
風に向かって。
前を。
明日を。
掴み取らねばならない時もある。

風の中。
いつかも。
同じ様な。
風が。
吹いていたなと。

風の中。
いつかは。
もっと激しい。
風が。
吹いていたなと。

風の中。
いつか。
もっと荒ぶ。
風が。
吹くかもと。

様々に。
思いを。
巡らせながら。
風に。
立ち向かい。

目を閉じて。
明日を。
何処かを。
イメージして。
両手を広げる。

吹き荒ぶ。
吹きつける。
風の中。
風を掴んで。
空へと。

風に。
乗り。
遥かな。
大空へと。
飛翔する。

吹き荒ぶ。
風の中。
立ち止まり。
風を捉えて。
身を羽ばたかせる。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/12 Mon *ひと時で / Robert Palmer

20161212doublefun


ひと時で。

楽しくて。
面白くて。
愉快な。
ひと時を。
過ごせたのなら。

その。
余韻で。
残り香で。
もう一度。
幸せになれる。

思い出すと。
微笑みが浮かび。
目尻が下がり。
口元が綻ぶ。
鼻の下も・・・

そんな。
効果が。
倍増する。
ひと時を。
過ごすことができた。

そいつは。
ちっぽけで。
ささやかで。
でも。
とても大切だと。

ひと時で。

『Double Fun』'78年リリース。
ロバート・パーマーの4枚目となるソロ・アルバム。
このジャケットのやにさがった顔、どうにもこれがねぇ。
まぁ、同じ男として気持ちはわからなくもないのですけどね。
アルバム・タイトルも、快感倍増みたいな意味合いですからねぇ。
このにやけた二枚目路線、パーマーの意思だったのかどうかはわかりませんが。
どうにもここらで染みついてしまったイメージが正当な評価を妨げている気もします。
半数近くのナンバーがフィリー・ソウルの総本山、シグマ・スタジオでの録音で。
実にダンサンブルでソウルフルなサウンドが特徴的です。
残りがパーマー自ら制作したカリブ海辺りを思わせるサウンドのナンバーで。
ソウルからカリプソまで、ゆったりと踊りたくなる様な心地良さが魅力的です。
A面1曲目の「Every Kinda People」が全米でヒットしてパーマーは頭角を現すのですが。
このナンバーを書いているのが元フリーのアンディ・フレイザーで。
フリーの中期以降、ブルースの呪縛から逃れるかの様に艶やかに弾むリズムに魅せられた。
そんなフレイザーが目指していたものと、パーマーの声質が見事にマッチしています。
フリーのナンバーとはあまりにもイメージが異なる故にパーマーに歌わせたのか。
しかし、そのリズムへの拘りにはハッキリとフレイザーの個性も表れていて。
パーマーのナンバーとしても、フレイザーのナンバーとしても楽しめるのですけれどね。
兎にも角にも。アルバム全体を通してのゆったりとしたタイム感がいいなと。
御存知の様に、パーマーは後にMTVの恩恵もあって大ブレイクしていますが。
その反面、急速に消費しつくされてしまったきらいも否めないかなと。
そう考えると。このアルバム辺りの感じで、緩く地道にまっていても良かったのではと。
そうしたら。今でも歌っていたかも、などと夢想したりもするのですけどね。

ひと時で。

楽しくて。
面白くて。
愉快な。
ひと時を。
過ごせたのなら。

その。
余韻で。
残り香で。
暫くは。
幸せでいられる。

思い出しても。
楽しくて。
面白くて。
愉快で。
元気が出てくる・・・

そんな。
効果が。
持続する。
ひと時を。
過ごすことができた。

そいつは。
ちっぽけでも。
ささやかでも。
そう。
とても大事だと。

ひと時で。

ひと時で。
二度楽しめる。
二倍笑える。
思わず。
両手を挙げたくなる。

ひと時で。
その夜も楽しめる。
その翌日も笑える。
思わず。
ゴールテープを切りたくなる。

世知辛い。
時には。
おぞましい。
この世間で。
その片隅に。

楽しさも。
面白さも。
愉快な気分も。
倍増してやろう。
持続させてやろう。

その。
ひと時を。
思えば。
取り敢えず。
笑える。

その。
ひと時を。
思い出せば。
暫くは。
元気でいられる。

そんな。
ひと時を。
誰かと。
皆と。
これからも作っていこう。

ひと時で。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/11 Sun *面倒くさい / Van Morrison with Georgie Fame & friends

20161211howlonghasthisbeengoingon


いつからだろう。
こんなにも。
面倒くさい。
人間になったのは。
いつの日からだろう。

お調子者で。
軽薄で。
せっかちで。
そそっかしくて。
やることが粗雑で。

まぁ、いいかと。
受け流して。
適当にあしらって。
傍観者を決め込んで。
道端をのらりくらりと。

そのくせ。
拘る時は。
徹底的に。
拘って。
拘りまくって。

曲げない。
折れない。
譲らない。
頑として。
梃子でも動かない。

好きなものは。
とことん好きで。
嫌いなものは。
とことん嫌いで。
その間にあるものはどうでもよくて。

『How Long Has This Been Going On』'95年リリース。
ヴァン・モリソンがジョージィ・フェイムをパートナーとして制作したアルバム。
ゼムのヴォーカリストだったヴァン、ブルー・フレイムスを率いていたフェイム。
恐らくは旧知の間柄だと思われるのですが、フェイムがヴァンのアルバムに参加する。
そんな機会は何故か訪れなかった様で。長い年月の果てこれが初めての機会だったとか。
ヴァンの歌声に、フェイムのオルガンが寄り添う。それだけで素晴らしいなと。
針を落とす前から、そんな予感がして。針を落とすとそれが確認に変わる。
そんなアルバムなのですが。どうやらヴァンのファンの間での評判は芳しく無くて。
中途半端な、どっちつかずのアルバムだと評されることも多いようです。
要はジャズなのか、ブルースなのか、ロックなのかハッキリしてくれとのことの様ですが。
頭が固いなぁと。確かにこの頃のヴァンは試行錯誤の時代だったのだとは思いますが。
迷い悩みながら歩き続けているのがヴァンと言う人で。その時々で揺れ動いて。
何かを見つけたと、好きになったと思うともう一直線で。とことん取り組んで。
でも。また別の何かを見つけると、好きになると。今度はそちらに一直線、とことんで。
その繰り返し、その積み重ねで独自の、孤高の道を歩むことを止めないからのヴァンなので。
ジャンルに固執するのなら、そもそも、そんな面相くさい男、ヴァンを聴こうと思うなよと。
そんなことを感じたりもして。頑固で、矜持があって。迷いもするけれども。
どんな時にもととん真面目で一直線で。直情径行なのだけど、冷めるのも意外に早くて。
でも、そんな自分の道程を総て受け容れて孤高の世界を構築しているヴァンなのですから。
このアルバム、ソーホーの老舗クラブであるロニー・スコッツでの無観客ライヴ録音で。
その空気、その匂いをも感じさせる音像が素晴らしくて。そこから聴こえてくる。
ジャズのスタンダード・ナンバーや、モリソンのオリジナル・ナンバーの。
その息遣い、その手触りが何とも言えなくて。「How Long Has This Been Going On」も。
そして「Moondance」も新たな生命を与えられたかの如しなのです。
ジャケットの。ロニー・スコッツの建物を見上げるヴァンとフェイムの胸中に思いを馳せて。
いつから始まったのか、そしていつ終わるのか。ヴァン、そしてフェイムの。
その音楽の、そして魂の。来し方、行く末を共に見届けたいなと感じさせられるのです。

いつまでだろう。
こんなにも。
面倒くさい。
人間でいなくてはならないのは。
いつの日までだろう。

直情径行で。
短気で。
怒りっぽくて。
瞬間湯沸器で。
直ぐに沸騰して。

さぁ、いくぞと。
アクセルを踏んだら。
シフト・ダウンなどできなくて。
ブレーキの存在なぞ。
端から頭になくて。

そのくせ。
ふとしたことで。
冷めてしまったら。
タイヤを軋ませて。
急停止して。

乗らない。
乗せられない。
誘われない。
頑にして。
梃子でも動かない。

惚れたら。
とことん惚れ込んで。
醒めたら。
存在すらも忘れてしまう。
その間などあり得なくて。

いつからだろう。
こんなにも。
面倒くさい。
歩き方を。
覚えたのは。

いつからだろう。
こんにも。
面倒くさい。
歩き方でないと。
歩けなくなったのは。

受け流せない。
適当にあしらえない。
まぁ、いいかと。
傍観者を決め込めない。
そんなものと出会ったのは。

曲げられない。
折れない。
譲れない。
そんな拘りを。
生じさせるものと出会ったのは。

とことん好きで。
とことん惚れ込んで。
好きなら好きなだけ。
惚れたなら惚れただけ。
もっと好きに、もっと惚れてとなったのは。

いつからだろう。
そんな。
面倒くさい人間になったのは。
そんな。
面倒くさい自分を認めてしまったのは。

いつまでだろう。
そんな。
面倒くさい自分を貫けるのは。
そんな。
面相くさい自分を許せるのは。

まったく、面倒くさいったらありゃしない(笑)。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/08 Thu *ちゃんと / John Lennon

20161208wonsaponatime


ちゃんと。
付き合う。
その為には。
ちゃんと。
向き合おう。

まぁ。
そうすると。
きれいごと。
それだけじゃ。
済まなくなるかも。

正面から。
それだけじゃなく。
側面から。
時には。
裏面からも。

見なくちゃならない。
聞かなくちゃならない。
話さなくちゃならない。
そう。
向き合わなくちゃならない。

そこで。
見えてくるもの。
聞こえてくるもの。
語られるもの。
それを受け止めなくちゃいけない。

それには。
時間もかかる。
手間もかかる。
それでも。
疎かにするのは止めよう。

『Wonsaponatime』'98年リリース。
同年にリリースされた『John Lennon Anthology』のダイジェスト・アルバム。
100曲近いナンバーが収録されていた中から厳選された21曲のナンバー。
それらがアナログ盤では2枚組に収められています。かなり大胆と言えば大胆な試み。
しかしながら、『John Lennon Anthology』は高価なうえにかなりのボリュームで。
相当なマニア向けとも言えるので、このアルバムにもそれなりの価値があるかと。
否、むしろ。このボリュームでジョン・レノンの世に出ていなかった面に触れられる。
その価値、その意義は実のところ、かなりのものだったのではとも思われます。
'70年~'80年の間に行われた様々なセッションで録音されたもの、そしてデモなど。
未発表テイクもあれば、またくの未発表だったナンバーも含まれていて。
ジョンの制作過程、創造過程が垣間見えて。非常に興味深いものがあります。
正規テイクとして世に出たものが作品としてはあくまでも正統的なものだとは思いますが。
例えば「God」のかなり初期と思われるテイクなどはそのシンプルさ故に。
ジョンの辛辣で、そして悲痛な叫びがよりストレートに胸に突き刺さってくる感じがして。
「How Do You Sleep ?」での生々しい歌声にはポールへの毒が溢れていて。
世に出すにあたって。それなりのフィルターが掛けられたのだとわかるのです。
一方でチープ・トリックのメンバーが参加した「I'm Losing You」では。
現役バリバリの面子にブランクのあったジョンが押されている感があったりもして。
それで、このカッコいいテイクを没にせざるを得なかったのかなとか。
リンゴ・スターに勧めるための仮歌らしいプラターズの「Only You」のカバーなんかでは。
おいおい、これ『Rock 'N' Roll』に入れれば良かったのにと。お人好しだなとも思われて。
ジョンの様々な側面が、愛と平和だけでないジョンが見えてくる、感じられるのです。
決して偉大なだけでなく、カッコいいだけでなく。だから愛しいのだと思うのです。

ちゃんと。
響き合う。
その為には。
ちゃんと。
向き合おう。

まぁ。
そうすると。
上辺だけ。
それだけじゃ。
済まなくなるかも。

表面。
それだけじゃなく。
一皮むいて。
時には。
幾重にもはがして。

見なきゃならなくなる。
聞かなくちゃならなくなる。
話さなくちゃならなくなる。
そう。
向き合わなくちゃならなくなる。

そこで。
見えてきたもの。
聞こえてきたもの。
語られたもの。
それを受け止めなくちゃいけない。

そいつには。
時間もかかる。
手間もかかる。
それでも。
疎かにしてはならない。

誰かと。
ちゃんと。
付き合いたいなら。
ちゃんと。
向き合おう。

きれいごと。
それだけじゃ。
済まされない。
上辺だけを。
見てもいられない。

あらゆる面で。
見なきゃいけない。
聞かなきゃいけない。
話さなきゃならない。
向き合わなきゃならない。

一皮も。
幾重にも。
むいて。
はがして。
さらけださなきゃならない。

目を背けずに。
耳を塞がずに。
話を逸らさずに。
ちゃんと。
向き合おう。

それを。
受け止めて。
受け容れられない。
受け容れられない。
そんな時もあるだろう。

それも。
含めて。
誰かと。
付き合いたいなら。
響き合いたいなら。

時間を惜しまず。
手間も惜しまず。
疎かにせず。
恐れずに。
向き合おう。

共鳴、共感。そいつはきれいごとではないのだから。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/07 Wed *悲しくて、寂しくて / Sunnyland Slim

20161207sandandlonesome


悲しくて。
寂しくて。
とてもやりきれない。
もやもやと。
やるせない。

この。
悲しみに。
寂しさに。
やるせなさに。
限りなどあるのかと。

蒼い。
悲しみに。
寂しさに。
包まれて。
沈んで。

時の流れの中で。
耳を澄ませて。
聞こえてくるものの。
その中に。
地平線を探してみる。

そこに。
行けば。
立てば。
終わるかもしれない。
尽きるかもしれない。

悲しみからも。
寂しさからも。
やるせなさからも。
解き放たれる。
その限りを探してみる。

『Sad And Lonesome』'72年リリース。
シカゴ・ブルース・ピアノの重鎮、サニーランド・スリム。
あのマディ・ウォーターズをチェスに紹介したことでも知られるスリムですが。
自身も南部で活動していたものの録音の機会を求めてシカゴに出てきた経緯があって。
古くは'40年代中頃からチェスなどに録音を残しています。
しかしながら、どうやらチェス兄弟と馬が合わなかったらしくレーベルを転々として。
まとまった録音は'50年代に入ってからで。その時代が評価も高いのですが。
低迷した'60年代を経て。'70年代に入ると再びまとまった録音の機会を得て。
このジュウエルでのアルバムもなかなかの内容となっています。
バックにはヒューバート・サムリンも参加していて。渋いシカゴ・ブルースを聴かせます。
既に60代だったスリムですが。脂の乗った力強い歌声とピアノが素晴らしいかなと。
同じシカゴ・ブルース・ピアニストでもオーティス・スパンより20歳以上年長で。
世代的には、バレルハウス・ピアノの影響も色濃く残っているスリムです。
その特徴としては、あまり鍵盤の上を派手に左右に上下することはなくて。
飽くまでも鍵盤を叩くタッチ。その弾む力、その力強さに表現の重きをおいているところで。
特に、歌でいうコール&レスポンスのレスポンスにあたるところ。
返しの部分での力強い響きにこそスリムらしさがあると言われています。
確かに華麗と言うよりは無骨なその響き。その骨太な感じは独特かなと思われて。
音数もそれほど多くはないのですが。要所は押さえていて。しかも艶があると言う。
本来ならば、シカゴ・ブルースのバンド・スタイルの誕生に立ち会ったピアニストとして。
もっと高い評価を受けて著名であっても不思議ではないスリムですが。
レーベルを転々としたせいか孤高なイメージもあって。埋もれてしまっているのが残念で。
今からでも。少しでも多くの人に聴かれるようになるといいなと思うのです。

悲しくて。
寂しくて。
とてもやりきれない。
やれやれと。
むなしくて。

この。
悲しみに。
寂しさに。
むなしさに。
救いなどあるのかと。

蒼い。
悲しみに。
寂しさに。
覆われて。
這い蹲って。

時の流れの中で。
目を凝らして。
見えてくるものの。
その中に。
水平線を探してみる。

そこに。
行ければ。
立てれば。
終わりにできるかもしれない。
尽きさせられるかもしれない。

悲しみからも。
寂しさからも。
やるせなさからも。
脱け出せる。
その救いを探してみる。

悲しくて。
寂しくて。
とてもやりきれない。
燃えるように。
苦しくて。

蒼い。
悲しみに。
寂しさに。
包まれて。
覆われて。

蒼い。
悲しみに。
寂しさに。
沈んで。
這い蹲って。

時の流れの中に。
その限りを。
その救いを。
探してみる。
探し続けている。

限りなど。
救いなど。
あるのか。
あるものか。
わからぬままに。

やるせなく。
むなしく。
苦しく。
どの地平線に立てば。
どの水平線に立てれば。

悲しさからも。
寂しさからも。
やるせなさからも。
解き放たれるのか。
脱け出せるのか。

蒼い。
悲しみ。
寂しさ。
そのただ中で。
静かに途方に暮れている。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/06 Tue *5、4、3、2、1、0! / Jackie Brenston & His Delta Kings

20161206rocket88jackiebrenston


5、4、3、2、1、0!

エンジン点火。
ロケット発射。
空の果てまで。
銀河の果てまで。
飛んでいこう。

そうさ。
少しばかり。
飽きている。
退屈している。
日常とやらに。

だから。
刺激を。
求めて。
境界の向こうへ。
飛んでいきたい。

このラインの。
向こう側。
そこには。
未だ見ぬ。
何かがあるかも知れない。

好奇心だけを。
道連れに。
飛んでみるのも。
悪くはない。
何か見つかれば儲けもの。

5、4、3、2、1、0!

『Rocket 88』'84年リリース。
ミシシッピー生まれのブルース・マン、ジャッキー・ブレンストン。
その録音を集めた世界初、そして唯一となる日本編集のアルバム。
例によって日本が世界に誇るP-VINEの素晴らしい仕事です。
ハイ・スクール時代からの盟友であるアイク・ターナーのバンドに参加して。
そのアイクのキングス・オブ・リズムと活動をしていたブレンストン。
それをB.B.キングが見初めて紹介したのがサム・フィリップスで。
そのサムのスタジオで録音することになったと。'51年に初めて録音された4曲。
その中からチェスがシングルとして選んだのが「Rocket 88」だったと。
軽快なブギウギでご機嫌なこのナンバー、見事R&Bチャートを制して。
全米に響き渡り、一説には世界で初めてのロックンロールとも称されることになったとか。
尤も。先に世に出ていたジミー・リギンスのナンバーにそっくりだったりもしますが。
それでも「Rocket 88」の成功によって自信をつけたサムがサン・レコードを設立して。
チェスにとっても初のR&Bチャート1位となったナンバーで経営が軌道に乗ったと。
その功績を考えると。ロックンロールとブルースの歴史上、実に重要なナンバーなのです。
ところが。チェスが、ジャッキー・ブレストン&ヒズ・デルタ・キッズ名義でリリースして。
臍を曲げてしまったアイクとブレンストンは仲間割れ。アイクはチェスを離れることに。
ブレンストンが「Rocket 88」のヴォーカルだったので致し方なくもあるのですけどね。
しかし。ブレンストンはその後、'57年までチェスに録音を続けるも鳴かず飛ばずで。
一方、アイクはやがてティナと出会って商業的な大成功を収めているのですから。
人の運命なんて。どこでどうなるかなんて。誰にもわからないのですよね。
さて。売れなかったとは言え。このアルバムに収められたナンバーは素晴らしいものばかり。
アイクとの録音も含んでいるので。ヒズ・デルタ・キングス名義としたP-VINEの洒落っ気もいい感じかな。

5、4、3、2、1、0!

エンジン点火。
ロケット発射。
空を越えて、渡って。
銀河を越えて、渡って。
飛んでいこう。

そうさ。
実のところ。
飽き飽きしている。
退屈しきっている。
日常とやらに。

だから。
刺激を。
探して。
境界の外へと。
飛んでいきたい。

このラインの。
外側。
そこには。
未だ知らぬ。
何かが待っているかもしれない。

好奇心だけを。
供にして。
飛んでみるのも。
いいかもしれない。
何かに出会えれば儲けもの。

5、4、3、2、1、0!

さぁ。
エンジンに。
点火して。
ロケットを。
発射させよう。

さぁ。
好奇心だけを。
胸に抱いて。
ロケットに。
飛び乗ろう。

さぁ。
境界の。
その。
向こう側へ。
外側へ。

未だ見ぬ。
何かを。
探しに行こう。
求めていこう。
出会いにいこう。

何も。
無いかもしれない。
見当たらないかもしれない。
出会いなど無いかもしれない。
それでもいい。

飽き飽きして。
退屈して。
そのままに。
埋もれてしまうよりは。
朽ち果ててしまうよりは。

どうなるか。
わからない。
誰にも。
自分にも。
わかりはしない。

だから。
点火しよう。
発射しよう。
乗っていこう。
飛んでいこう。

5、4、3、2、1、0!



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/05 Mon *出演中 / Jimmy Reed

20161205nowappearing


只今。
絶賛。
出演中。
まぁ。
そんなところ。

う~ん。
別に。
望んでは。
いないのだけれど。
出てくるのだよな。

無理に。
押しとどめても。
暴発しかねないし。
そもそも。
止まりはしないし。

ここは。
出てもらって。
そのお手並みを。
拝見しておく。
それしか術はない。

こいつも。
随分と。
お馴染みで。
ほぼほぼ。
常連になりつつあって。

そいつに。
染まってしまえば。
そいつを。
好きになってしまえば。
楽しいのかもしれないが。

『Now Appearing』'60年リリース。
劇場の看板を写したジャケットの誇らしげな様。
それもなんだか微笑ましいジミー・リードのアルバム。
この頃はリードの人気が絶頂だったと思われて。
実施にこんな豪華な劇場に出演していたのかもしれません。
ヴィー・ジェイの看板アーティストとなって。
一枚看板を張れるようなブルース界の大スターとなったリード。
その何とも言えない、独特の緩い味わいのブルースが堪りません。
絶妙な力の抜け加減は、真似したくても真似のできるものではないと。
リード自身がどう思っていたかは別にして。その歌声にも、そしてハープにも。
どうにも、とぼけた感じがあるのですよね。それがツボにはまるのですよね。
相棒とも言えるエディ・テイラーのギターとの対比、その塩梅もいい感じで。
南部からシカゴへ出てきて。完全に染まるのではなく、南部らしさを残したまま。
否、多分に。南部らしさがどうにも滲み出てきてしまったのでしょうが。
その滲んでしまう具合が、ブルースだけにとどまらない影響の源となっていて。
プレスリーとかストーンズにも好まれたのかもしれません。
親しみやすいのですよね、リードのブルースは。スルッと入り込んできて。
気づくと、その緩さにズブズブに浸っているみたいな感じかな。
勿論、ブルースならではのもの悲しさとか、沈鬱な感じとか。それも漂ってはいて。
緩いなと浸っていると、ハッと背筋に冷たいものが流れる瞬間もあって。
その瞬間に凝縮されるリードの凄味みたいなものも堪らないのです。
それにしても。いいジャケットですね。もう、これで決まりですね。

只今。
絶賛。
出演中。
まぁ。
いつものことか。

う~ん。
別に。
呼んでも。
いないのだけれど。
現れるのだよな。

無理に。
帰らそうとしても。
爆発しかねないし。
そもそも。
帰りもしないし。

ここは。
好きにしてもらって。
その暴れる様を。
静観している。
それしか手もない。

こいつとも。
随分と。
馴染みになって。
ほぼほぼ。
贔屓筋にされつつあって。

そいつに。
従ってしまえば。
そいつを。
受け容れてしまえば。
楽なのかもしれないが。

来てくれとも。
出てくれとも。
頼んでいないのに。
勝手に。
押しかけてくる。

迎えても。
褒めても。
いないのに。
わがもの顔で。
いついていやがる。

見たくも。
聞きたくも。
ないのに。
得意げに。
舞台に立ちやがる。

厄介で。
面倒で。
どうにも。
どうにでも。
追い払いたいのに。

入り込んで。
侵して。
消えない染みの様に。
こびりついて。
消え去りはしない。

この。
ちっぽけな。
ハコの。
常連の出演者と。
その贔屓筋。

こうなったら。
冗談にして。
洒落にして。
好きになってみるか。
受け容れてみるか。

憂鬱って奴は、まったくもって・・・



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/04 Sun *西へ、東へ / Bo Diddley

20161204roadrunner


西へ。
東へ。
路の上を。
走って。走って。
駆けずり回る。

面白そうだと。
楽しそうだと。
そう。
思えれば。
感じれば。

躊躇いはしない。
立ち止まりはしない。
行ける限り。
出来る限り。
何処へでも。

流石に。
あまりにも。
飛ばし過ぎると。
続くと。
疲れないでもないけれど。

それでも。
そう。
動けるうちに。
行ける所へは。
行くのだと。

老骨に。
鞭を打つのも。
楽しんでしまえば。
それだけのこと。
路の上を駆けずり回る。

『Road Runner』'67年リリース。
アルバム・タイトル・ナンバーをフューチャーしたボ・ディドリーのアルバム。
詳細はわからないのですが。恐らくは既発のナンバーも含む編集アルバムかなとも。
「Who Do You Love」「The Twister」「Hey, Bo Diddley」と言ったナンバーも含まれて。
全14曲、あのボ・ディドリー・ビートがひたすら鳴り響きます。
これが、もう。何とも気持ちいいと言うか、病みつきになるのです。
それにしても。独特なビート。どうやって生み出されたのか。世紀の大発明です。
このビートを耳にして、身と心に浴びて。平静でいられるわけがないだろうと。
自然と疼いて、弾けて、踊りだし、走りだし、駆けずり回りたくなるのです。
勿論「Road Runner」もそんなナンバーで実にご機嫌で、実に痛快で。
ロード・ランナーと言うのは、元々は米国の砂漠に生息する鳥の名前らしく。
その砂漠を、ちょこちょこと、あっちへこっちへと駆けずり回る姿が面白くて。
アニメのキャラクターにもなっているのだとか。そこからヒントを得たのか。
落ち着きのないスピード狂の男の物語と思わせて。そこはダブル・ミーニングになっていて。
当然の様に、あの行為における男の様を面白おかしく歌っていると思われますが。
このアルバム、1曲を除いては総てボの手によるオリジナル・ナンバーで。
改めて、そのビートだけではなくて。ソングライティングの手腕も優れていたのだなと。
シンプルでありながら飽きさせることなく聴く者を惹きつけて止まなくて。
ボの偉大さ・・・広く親しまれた所以はそんなところにもあるのだろうなと感じるのです。
さて。残る一曲が「My Babe」で。ウィリー・ディクソンの手によるこのナンバー。
リトル・ウォルターやハウリン・ウルフで有名なのですが。これもボにかかると。
ものの見事に、ボ・ディドリー・ビートに翻訳されていて。いい感じで鳴っています。

北へ。
南へ。
路の上を。
走って。走って。
駆けずり回る。

面白そうな。
楽しそうな。
そんな。
匂いが。
するのであれば。

迷いはしない。
考えもしない。
行ける限り。
出来る限り。
何処までも。

最近は。
ここまで。
飛ばし過ぎたつけか。
どうにも。
疲れが残らないでもないけれど。

それでも。
そう。
命あるうちに。
行けるとこまでは。
行くのだと。

老骨に。
鞭を打つのも。
楽しみの為と思えれば。
どうってこともない。
路の上を駆けずり回る。

西へ。
東へ。
北へ。
南へ。
駆けずり回る。

路を。
路の上を。
面白いこと。
楽しいこと。
求めて。

東奔西走。
右往左往。
その様を。
どう思われようが。
笑われようが。

構いはしない。
気にも留めない。
行ける限り。
出来る限り。
その限り。

走り続ける。
駆け続ける。
駆け回り続ける。
今日も。
明日も。明後日も。

いまは。
いま。
いましかない。
躊躇わない。
立ち止まらない。

いまは。
いま。
いましかない。
迷いはしない。
考えもしない。

動けるうちに。
命あるうちに。
西へ、東へ、北へ、南へ。
路の上を。
駆けずり回る。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/03 Sat *刹那に、切なくて / Little Walter

20161203littlewalter


刹那に。
切なくて。
瞬きする間に。
ため息一つ。
憂鬱に憑りつかれる。

何が。
どうでも。
無いけれど。
何故か。
どうにも。

総てが。
ありと。
あらゆる。
ものが。
ことが。

どうでも。
いいのだと。
どうにも。
ならぬと。
思われて。

真っ逆さまに。
落ちて。
沈んで。
沈黙の世界に。
身を潜める。

刹那に。
切なくて。
あっという間に。
憂鬱の世界に。
独りで。

『Little Walter』'68年リリース。
リトル・ウォルターの英国独自のアルバム。
パイの廉価盤レーベル、マーブル・アーチからの発売で。
実はあの名盤『Best Of Little Walter』から2曲を削って10曲にしただけのアルバム。
恐らくはそれこそお土産物屋さんとかでも売られていたと思われて。
キンクスなどにも同様のアルバムがあるのですが。それにしても乱暴だなと。
ジャケットも英国らしいと言えばらしいのですが。お世辞にもセンスが良いとは・・・
それでも、そのチープな味わいが微妙に魅力的だったりはするのですけどね。
こんなアルバムがリリースされていた。ウォルターの人気は英国でも高かったのだなと。
(ご存知の様にストーンズも相当ウォルターが好きだったみたいですしね)
その剃刀の如き切れ味鋭いアンプリファイド・ハープで奏でられるブルース。
その刹那的な享楽を呼び覚ます様な響きが何とも刺激的で魅力的で。
「Juke」や「My Babe」で踊り狂ったのはアフリカ系米国人達だけではなくて。
英国の若者達も同様だったのだろうなと。それ程にウォルターのブルース。
その響きは国境や人種を超えて伝播する、伝染する強力なものだったのだと思わされます。
そして「Blues With A Feeling」に漂う諦念のあまりのカッコ良さときたら。
いい女に、あの娘に会えたなら。この憂鬱な気分ともおさらばだぜと嘯きながら。
決してガツガツしないと言うか。出会うことなどないと達観している様に思われる。
そのクールさの裏にある切なさ。それもまたウォルターのブルースなのですよね。
マディ・ウォーターズをも凌駕する人気を誇りながらも。まるで生き急ぐ様に。
酒と薬(とお姉ちゃん)に溺れて身を持ち崩して。その短気な性格も災いして。
喧嘩の傷がもとで早世してしまったウォルター。その刹那に切ないブルースが愛しくて堪らないのです。

刹那に。
切なくて。
瞬きする間に。
咳をしても一人。
憂鬱に支配されている。

何が。
どうしても。
いないけれど。
何故か。
どうしても。

総てが。
ありと。
あらゆる。
あれも。
これもが。

どうなろうと。
いいのだと。
どうにも。
ならないだろうと。
思われて。

真っ逆さまに。
落ちて。
のめって。
虚無の地平に。
身を沈める。

刹那に。
切なくて。
あっという間に。
憂鬱の地平に。
独りで。

刹那に。
時を惜しんで。
後先考えずに。
走り続ける。
止まることをしらない。

常に。
今を。
その瞬間を。
生きること。
それしかできない。

過去は。
振り返らない。
未来は。
見ない。
現在だけ。

享楽的と。
誹られようが。
その。
快感にのみ。
生きられる。

深くはないが。
浅くもない。
諦念に。
駆られている。
追い立てられる。

切なくて。
儚くて。
それを。
悲観することなど。
思いもしない。

瞬きする間に。
あっという間に。
憂鬱に。
憑りつかれる。
支配される。

刹那に。
切なくて。
堕ちて。
この世界に。
独り。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/02 Fri *見えなければ / Chicken Shack

20161202thebestofchickenshack


あっ。
やっちまった。
しまった。
見落としちまった。
ちょっと痛いな。

不幸中の。
幸いで。
大事に至る。
その前に。
気づいて。

最低限の。
出来る範囲での。
最善の。
手は打てたものの。
やっちまった。

見たくなかった。
見なければよかった。
見えなければよかった。
いやいや。
それでは何の解決にもならないな。

ここは。
素直に。
認めて。
反省して。
対応するしかない。

しかし。
認めたくないものだな。
直視したくないものだな。
若くもないのに。
若さ故みたいな見落としは。

『The Best Of Chicken Shack』'74年リリース。
独自編集によるチキン・シャックのオランダ盤のベスト・アルバム。
三大ブリテッィシュ・ブルース・バンドの一つ、チキン・シャック。
(因みに、後の二つはフリートウッド・マックとサヴォイ・ブラウン)
リーダーであるスタン・ウェッブのワンマン・バンドに等しいのですが。
デビュー当初はそのスタンと並ぶ看板がいて。それがクリスティーン・パーフェクト。
後のフリートウッド・マックのクリスティーン・マクヴィーだったのですよね。
実際にシングルではクリスティーンがヴォーカルをとっているナンバーも多くて。
ヒットした「I'd Rather Go Blind」もクリスティーンのヴォーカルによるもので、
このアルバムは副題にある様にクリスティーンに焦点を当てていて。
14曲中6曲がクリスティーンのヴォーカルをフューチャーしているナンバーです。
スタンの繊細と言うか、神経質にも思えるギターとヴォーカルに対して。
クリスティーンの落ち着きのあるピアノとヴォーカル。その絶妙な塩梅、匙加減。
それが初期のチキン・シャックの持ち味、魅力だったのだなと改めて感じさせられます。
エタ・ジェイムスのオリジナルと比較するのは酷と言うか、お門違いなのですが。
クリスティーンの歌う「I'd Rather Go Blind」の乾いた切なさもなかなかなのです。
スタンはフレディ・キングが大好きで。それこそフレディになりたくて。
渡英したフレディの前でギターを弾いたら、教えることはない素晴らしいと言われて。
かえってガッカリしたと言う逸話もあるぐらいなので。兎に角、弾きまくるのですが。
それをしっかりと受け止めて。全体を落ち着かせているクリスティーンのピアノ。
ジョン・マクヴィーに寝取られて(?)、クリスティーンを失ったのは痛手だったろうなと。
だから意地でも止められなくて。今でもスタン一人でやっているのかなとも思ったりして。

あっ。
やっちまった。
しまった。
見逃しちまった。
ちょっとまずいな。

不幸中の。
幸いで。
燃え広がる。
その前に。
感づいて。

最小限の。
考えうる範囲での。
影響に。
止めはしたものの。
やっちまった。

見たくなかった。
見なければよかった。
見えなければよかった。
いやいや。
それでは次も繰り返しかねないから。

ここは。
素直に。
謝って。
手を尽くして。
対応するしかない。

しかし。
認めたくないものだな。
直視したくないものだな。
素人じゃないのに。
素人みたいな見逃しは。

実のところ。
ほんの。
少し前までは。
はっきりと。
見えていたのだけれど。

それで。
安心して。
余裕ができて。
少しばかり。
色気が出て。

それで。
ついつい。
よそ見をしたら。
そちらに。
目を奪われて。

そちらばかりに。
目がいって。
気がいって。
そちらを何とかと。
思っているうちに。

すっかり。
抜け落ちて。
見落として。
見逃して。
なんともはや間抜けな話で。

その。
顛末。
一部始終。
見たくないなと。
見えなければいいのにと。

そもそも。
すぐ。
色気を出す。
欲をかく。
目移りする。

それが。
いけないのだと。
見ないようにしても。
見えてしまうのなら。
見えなければいいのにと。

でも。
それでも。
落とし穴になっても。
魅惑的なものは。
見ていたいのだけれどね。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/12/01 Thu *千鳥足で / Rod Stewart & Faces

20161201coasttocoastovertureandbegi


どうやら。
今日も。
今夜も。
足下が。
おぼつかない。

二日酔い。
たぶん。
否。
間違いなく。
未だ酔っぱらっている。

酒に。
それだけでなく。
色々なものに。
様々なものに。
酔いしれているのだ。

気づくと。
振り返ると。
何かに。
何ものかに。
酔っていない時など。

禁断の。
箱を。
開けた。
その瞬間から。
一度もないかもしれない。

いつも。
いつでも。
千鳥足で。
綱渡り。
そいつが堪らない。

『Coast To Coast Overture And Beginners』'74年リリース。
前年の全米ツアーでのアナハイム公演で収録されたフェイセスのライヴ・アルバム。
ロニー・レインに代わって加入したテツ山内が参加した唯一のアルバム。
そしてベスト・アルバムを除けば解散前にリリースされた最後のアルバムでもあって。
ソロ活動を活発化させていたロッド・スチュワート。ロッドを売り出したいレコード会社。
その思惑が絡み合ってロッド・スチュワート&フェイセス名義となり。
英国ではロッドがソロとしていたマーキュリーからリリースされることになってと。
(それ以外の国ではフェイセスの所属であるワーナーからのリリースでした)
どうにも。往生際が悪くズルズルとしたままに解散に至ったフェイセスの最期を象徴する。
そんなイメージもあるアルバムではあるのですが。その内容は実にご機嫌だったりします。
世界一アルコール消費量が多いバンドとして名を馳せたフェイセス。
その千鳥足のロックンロールがこれでもかと鳴り響いているのです。
リズムがよれたり、チューニングも怪しかったり、そんなラフでルーズなロックンロール。
弾けて、揺れて、転がって。そしてフェイセスならではの絶妙な間。それが堪らないのです。
レインが不在なだけに。フェイセスの魅力の一面を成していた朴訥とした繊細さ。
それは感いられないのですが。そこはライヴですからね。とことん陽気で楽しいフェイセス。
そいつが十二分に発揮されている。それで、それだけでいいのです。
フェイセスのライヴではロッドのソロ・アルバムに収められていたナンバー。
それもフェイセスのナンバーと共に演奏されるのですが。それがまったく違和感がなくて。
すっかりフェイセスのナンバーと同化していて。すっかり酔いどれのナンバーに。
なんだかんだで。ロッドも含めてフェイセスと言うのは仲が良かったのだろうなと。
まぁ、酒の取り持つ酔っ払い同士の連帯感だったのかもしれませんが。
それ故の。常に千鳥足で、瞬間、瞬間を楽しむ姿勢、心意気。それこそがフェイセスです。

どうにも。
今日も。
今夜も。
真っ直ぐ。
歩けない。

宿酔い。
たぶん。
否。
間違いなく。
未だ酔っぱらったまま。

酒に。
それに限らず。
色々なものに。
様々なものに。
酔いどれているのだ。

気づけば。
思い浮かべれば。
何かに。
何ものかに。
酔っていない時など。

禁断の。
扉を。
開けた。
その瞬間から。
ひと時もないかもしれない。

いつも。
いまも。
千鳥足で。
線上を。
そいつが堪らない。

酔わなきゃ。
やっていられるか。
否。
酔わずに。
やっても駄目なのだ。

何ものも。
何もかも。
酔うほどに。
やらなければ。
ものにもならない。

酔って。
酔っぱらって。
酔いしれて。
酔いどれて。
そのままに。

弾けて。
揺れて。
転がって。
千鳥足で。
ステップを踏みながら。

陽気に。
楽しもう。
面白がろう。
何ものも。
何もかも。

いつも。
いつでも。
酔って。
千鳥足の。
二日酔い。

いつも。
いまも。
酔って。
千鳥足で。
宿酔い。

千鳥足で。
線上を。
綱渡り。
そいつが堪らない。
そいつが楽しくてやめられない。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/11/30 Wed *戦場には / Jimi Hendrix

20161130warheroes


戦士は。
語りぬ。
否。
語らぬ。
そうなのだ。

本当の。
本物の。
戦士は。
軽々しく。
語りはしないのだ。

戦い。
その意味を。
その真実を。
知っているから。
口が重くなるのだ。

戦う。
それが。
必要な時も。
不可避な時も。
あるのだろう。

だが。
それは。
美しくもなく。
勇ましくもなく。
持て囃されるものでもない。

軽々しく。
戦いを。
口にする。
そんな輩は。
戦士などではありはしない。

『War Heroes』'72年リリース。
『戦場の勇士たち』なる邦題が冠されていたジミ・ヘンドリックスの編集アルバム。
ジミの生前にリリースされたアルバムはライヴ・アルバム、編集アルバムを含めても。
実のところは5枚しかなかったのですが。その死後、雨後タケノコの様にリリースされて。
今までに、いったいどれだけのアルバムがこの世に出回ったのか見当もつきませんが。
そのきっかけとなったのが、マイケル・ジェフリーが企画した編集アルバムの数々で。
これはその3枚目にあたるアルバムで。ここまではエディ・クレイマーが絡んでいます。
エレクトリック・レディランドのエンジニアだっただけあって丁寧な仕事をしていて。
乱造とは言えるけれども、粗製の誹りは免れられる仕上がり、編集にはなっているかなと。
本当に粗製乱造となるのはこの後にアラン・ダグラスが編集をしたアルバム群で。
オーバー・ダビングとか傍若無人で。聴くに耐えないものばかりなのですよね・・・
さて、このアルバム。軽いジャム・セッション程度のナンバーも含まれていますが。
現行の『First Rays of the New Rising Sun』に収録されているナンバーもあって。
所謂、幻の4枚目のスタジオ・アルバムを念頭に録音されていたのかと思うと。
そのファンキーにドライヴする感覚にジミの見ていた未来を想像してドキドキします。
まぁ、ジミの場合はジミヘンってジャンルなのだとは思うのですけどね。
それも当然変化していった筈で。よりファンクに、そしてソウルやジャズに近くへと。
更にその先も見据えていた、あるいは既に頭の中で鳴り響いていたと思われて。
改めて絶たれた可能性が惜しまれてならなくなるのですよね。言っても詮無いのですけど。
「3 Little Bears」と言う凄くご機嫌なナンバーが収められているのですが。
これは現行のアルバムには未収録なのかな。この1曲だけでも聴く価値はあるかもです。
ただ、やっぱり。死人に口なし、そんな商法には疑問を抱かないわけにはいきませんが。

戦士は。
語りぬ。
否。
語らぬ。
そういうことだ。

本当の。
本物の。
戦士は。
声高に。
語りはしないのだ。

戦い。
その重みを。
その現実を。
知っているから。
絞りだす様な声になるのだ。

戦う。
それが。
解決になる時も。
守護になる時も。
あるのだろう。

だが。
それは。
麗しくもなく。
厳かでもなく。
はしゃぎ立てるものでもない。

仰々しく。
戦いを。
口にする。
そんな輩は。
戦士などではありはしない。

騙されるな。
踊らされるな。
そいつは。
本当に。
戦士の言葉なのか。

見抜くのだ。
見破るのだ。
そいつが。
本物の。
戦士の言葉なのか。

汚くて。
醜くて。
そいつが。
本当の。
戦いと言うものだ。

悲しくて。
惨めで。
そいつが。
本物の。
戦いと言うものだ。

その。
残酷で。
悲惨な。
真実から。
目を逸らさなかった。

そんな。
戦士は。
軽々しく。
仰々しく。
戦いを語りはしない。

本当の。
本物の。
戦士は。
慎重に。思慮深く語るのだ。

戦場には勇士など存在しないのだから。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年11月 | トップページ | 2017年1月 »