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2017/01/31 Tue *微熱の妖精 / Marianne Faithfull

20170131northcountrymaid


微熱。

一昨日も。
昨日も。
今日も。
おそらく。
明日も。

微かに。
僅かに。
熱っぽく。
世界は。
薄い膜の向こう。

平熱の。
その日々より。
ほんの少し。
熱く。
緩く。

視界も。
聴力も。
意識も。
輪郭を失い。
滲んでいる。

気だるく。
沈み込み。
されど。
何故か。
甘美にも思われて。

微熱。

『North Country Maid』'66年リリース。
マリアンヌ・フェイスフルの3枚目となるアルバム。
初めの2枚のアルバムは同時にリリースしていたマリアンヌ。
1枚はブリティッシュ・トラッドの香りが濃厚で。もう1枚はアイドル・ポップで。
デッカも、そしてマリアンヌ自身も方向性を模索していたとのことだったのか。
その後、結婚、出産。そしてミック・ジャガーとの不倫関係へと。
そんな状況の中での。このアルバムでは再びブリティッシュ・トラッドの香りが濃厚で。
清楚で、そしてどこか妖艶とも言える微笑を浮かべるマリアンヌのジャケット。
『妖精の歌~マリアンヌ・フェイスフル』なる邦題も納得の美しさです。
マリアンヌ・フェイスフル、フォーク・ソングを歌うとの副題には時代を感じますが。
既にスキャンダルの中にいたマリアンヌのアイドル人気は衰退を始めていて。
故にデッカがポップ路線に見切りをつけての、フォーク、トラッド路線との説もありますが。
その歌声、その表現力。なによりも生き生きとした空気が伝わってくるところに。
メリー・ホプキンと同様にマリアンヌもトラッドに惹かれていたのではとも感じます。
ドノヴァン他のカヴァーに、トラッドをアレンジしたナンバーの数々。
華やかさは薄く、地味な印象を与えますが。マリアンヌの歌声には熟成されたものがあって。
あの「Scarborough Fair」などは、なかなかに堂々たる仕上がりとなっています。
面白いのは、惹かれるのは。生き生きとしている、熟成している、堂々とした仕上がり。
それは確かなのですが。一方で、どこか微妙な浮遊感も漂っているのですよね。
そう。何か薄い膜の向こうから歌っている様な、異世界からその歌声が届けられる様な。
その歌声、そして存在も。輪郭がぼやけている様な、この世のものでない印象があるのです。
微熱に浮かされて、うなされて。その夢の中で聴こえてくる、現れるものなのですよね。
マリアンヌと言うのは。やっぱりそうですね。手の届かない妖精の様な存在なのかな。

微熱。

一昨夜も。
昨夜も。
今夜も。
おそらく。
明日も夜も。

微かに。
僅かに。
熱を帯びて。
世界は。
薄い膜を隔てている。

平熱の。
その夜より。
ほんの少し。
熱く。
緩く。

視界も。
聴力も。
意識も。
境界を失い。
溶けだしている。

気だるく。
沈み込み。
されど。
何故か。
淫靡にも思われて。

微熱。

見るのも。
聴くのも。
考えるのも。
思うに。
任せずに。

微かな。
僅かな。
熱に。
遮られ。
隔てられ。

輪郭を。
失い。
輪郭が。
溶けだした。
世界の中で。

身も。
心も。
朦朧としたま。
底へと。
沈み込みながら。

膜の向こう。
境界の向こう。
そこから。
微かに。
僅かに。

聴こえてくる。
ものに。
届けられる。
ものに。
浮かされる。うなされる。

微熱。
それは。
甘美で。
淫靡で。
優しくて。

微熱。
その。
妖精。
歌が聴こえる。
匂いに癒される。

手を。
伸ばしても。
届かない。
その存在に。
微笑みかけてしまう。

微熱。



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