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2017/02/05 Sun *結界 / Solomon Burke

20170205werealmosthome


少しばかり。
不安で。
漠然とした。
恐怖に。
追われている様な。

そんな。
夜の。
そんな。
帰り道は。
自然と早足になったりする。

少しでも。
早く。
一刻でも。
早く。
逃れたくて堪らない。

あと。
どれくらい。
あと。
どれだけ。
歩んだら。

辿り着けるのだろう。
帰れるのだろう。
それだけを。
考えて。思って。
駆けだしそうになるのを堪えて。

あの。
信号を渡れば。
あの。
角を曲がれば。
見えてくるはず。そうすれば。

『We're Almost Home』'72年リリース。
キング・ソロモン、ソロモン・バークのMGMからのアルバム。
ソロモンと言えば何をおいても’60年代のアトランティック時代。
確かにそいつは間違いがなくて。それこそがソロモンの黄金期であったと。
そのことには、一も二もなく同意するのですけれど。
恐らくはオーティス・レディングさえ現れなければ、その王座は揺るがなかったと。
そう確認したくなるほどの素晴らしいナンバー、アルバムの数々。
しかしながら。それだけがソロモンの総てでは無いのもまた事実であって。
特にMGM時代、中でもこのアルバムはなかなかに聴き応えのあるものとなっています。
なんでも「We're Almost Home」が映画(たぶんMGM配給かな)に使用されたとかで。
その哀愁溢れる「We’re Almost Home」を冒頭に配してアルバムを制作したと。
もう。その一発で。針を落としたら聴こえてくる力強く深いソロモンの歌声。
そいつで勝負ありって感じなのですけどね。なかなかにバラエティーに富んでいて。
ミディアムでキャッチーなソウル・ナンバーを中心にしながらも。
ストレートなブルースがあったり、サザン・ロックを思わせるナンバーもあったり。
更にはジャズのスタンダード「Misty」を、奇を衒うわけでもなく歌い上げてもいて。
この豊富な抽斗。そして何を歌ってもソロモンの歌にしてしまうその底力。
やはり。この時代においてもソロモンはまだまだ王様級の力を誇っていたのだなと。
何と言っても10代で説教師として活動を始めて。ゴスペルの冠番組を持っていた。
その逸話が物語る、歌声に宿る説得力はソロモンならではなのですよね。
恐らくは宗教的な意味合いも持つであろう「We're Almost Home」も。
ソロモンに歌われると。そうだ家へ帰ろう、故郷へ帰ろう、原点に戻ろうと。
素直に思えたりするのだろうと。その歌声の力、魅力を改めて強く感じるのです。

少しばかり。
寂しくて。
何ものでもない。
焦燥に。
憑つかれている様な。

そんな。
夜の。
そんな。
帰り道は。
自然と俯き加減になったりする。

とにかく。
早く。
なんでもいいから。
早く。
逃れたくて堪らない。

あと。
どれくらい。
あと。
どれだけ。
進んだら。

辿り着けるのだろう。
帰れるのだろう。
それだけを。
考えて。思って。
蹲ってしまいそうになるのを堪えて。

あの。
交差点を渡れば。
あの。
十字路を越えれば。
見えてくるはず。そうすれば。

結界。
早く。
帰ろう。
早く。
逃げ込もう。

結界。
もう少し。
あとわずか。
ほらもう。
見えてきた。

見えてきた。
ほらもう。
あとわずか。
もうほとんど。
結界。

信号を渡って。
角を曲がって。
交差点を渡って。
十字路を越えて。
結界へと。

駆けだしてしまう前に。
蹲ってしまう前に。
帰るのだ。
戻るのだ。
結界の中へと逃げ込むのだ。

不安も。
恐怖も。
寂しさも。
焦燥も。
寄せ付けない。

あの。
家へ。
あの。
結界へ。
さぁ、帰ろう。



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