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2017/02/21 Tue *この身ひとつ / Iggy Pop

Tveye1977live


見られている。
聞かれている。
いつでも。
どこでも。
追い回されている。

そいつは。
厄介だ。
そいつは。
窮屈だ。
息苦しくてしかたがない。

開かれた社会。
繋がる社会。
情報化社会。
その結果が。
こんなものなのなら。

開かれなくていい。
繋がらなくていい。
溢れている情報。
その還流からは。
外れてしまいたい。

監視や。
抑圧と。
引き換え。
そうでないと。
手に入らないなら。

そんなもの。
必要ない。
そんなものに。
頼らない。
この身ひとつで構いはしない。

『TV Eye. 1977 Live』'78年リリース。
タイトル通りに'77年の全米ツアーで収録されたイギー・ポップのライヴ・アルバム。
実はオフィシャルでリリースされたライヴ・アルバムは多くないイギー。
そんなイギーの、コンスタントに活動していた時期の素晴らしいライヴが堪能できます。
数多あるブートレッグに手を出す前に、このアルバムに針を落とさないといけないなと。
尤も。音質的にはブートレッグと大差ないと言うか、非常にザラザラしたものですが。
その質感が、ヒリヒリとしたイギーのライヴの臨場感を伝えるには相応しいかもです。
針を落とした瞬間から金属質で重厚にドライヴするサウンドと、イギーの咆哮が炸裂して。
そのあまりに危うい、スリリングな様に。背筋に電気が走る思いがします。
『The Idiot』『Lust For Life』と充実したアルバムを連発した勢いそのままのライヴです。
鋼の様な肉体、そして精神。そいつを剥き出しにして、その身ひとつで歌うイギー。
その何ものにも依存しない、覚悟の様。そいつは本当に危ういほど美しいのですよね。
このツアーの前半にはデヴィッド・ボウイも鍵盤奏者として参加していたそうで。
このアルバムでも半数のナンバーでボウイのプレイ、そして歌声も聴くことができます。
一般にはイギーの復活にボウイが手を貸したとの側面で語られることが多いのですが。
実はボウイはイギーに救いを求めていた、憧れていたのではとも思うのですけどね。
常に時代の先端を行き、変化し続けることを求められ、宿命づけられていたボウイです。
必然的に溢れる情報の中に常に身を置くことになる、そのストレスの反動とても言うのか。
身ひとつで世の中と対峙するプリミティヴ、原始的なイギーに惹かれたのではないかなと。
このツアー、このアルバムのリズム隊はセイルズ兄弟ですからね。
ボウイのティン・マシーンと言うのはこの時代のイギーを意識していた、模倣したかなと。
兎にも角にも。ヘヴィなリズム隊、ハードなギター、そしてあまにリアルなイギーの歌声。
生身の人間こそが生み出せる、リアルなロックンロールがここにはあるのです。

見てしまっている。
聞いてしまっている。
いつでも。
どこでも。
追い回している。

そいつは。
媚薬だ。
そいつは。
麻薬だ。
止めたくても止められない。

開かれた社会。
繋がる社会。
情報化社会。
その果実に。
手を出してしまったら。

開かれない筈の。
繋がらない筈の。
有り余った情報。
その還流からは。
逃れることはできない。

惰性や。
堕落と。
引き換え。
そうでないと。
手に入らないと知りつつも。

そんなものに。
引き寄せられて。
そんなものに。
麻痺させられて。
この身ひとつも守れない。

開かれた社会。
繋がる社会。
情報化社会。
その一員になって。
そこに取り込まれて。

気づいたら。
己も開かされて。
己も繋がれて。
がんじがらめで。
逃げられない。

開きたくないもの。
繋がりたくないもの。
だからこそ。
大事なものを。
忘れてしまいそうだ。

見られている。
聞かれている。
見てしまっている。
聞いてしまっている。
いつでもどこでも。

引き寄せられて。
麻痺させられて。
惰性も。堕落も。
監視や。抑圧さえも。
受け容れてしまいそうだ。

媚薬。
麻薬。
引き換えの。
厄介。
窮屈。

自由でいられないのなら。
開かれた社会も。
繋がれた社会も。
情報社会など。
欲しくはないのだ。

なにものも。
必要としない。
ないものにも。
頼らない。
この身ひとつを取り戻そう。



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