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2017/03/21 Tue *箱庭だとしても / Al Kooper

20170321newyorkcityyoureawoman


冷たく。
そして。
温かい。
雨に。
閉じ込められた。

そんな。
部屋の中で。
街の中で。
漂う。
思いを追いながら。

静かに。
時を。
過ごしている。
他には。
何もない。

いま。
ここに。
あるのは。
もはや。
残像でしかないのか。

この街を愛し。
この街に愛され。
離れられずに。
考えもせずに。
過ごしてきた。

まるで。
胎児の様に。
抱かれて。
その呼吸音に。
安らぎすら覚えて。

『New York City (You're A Woman)』'71年リリース。
『紐育市(お前は女さ)』なる邦題が印象的だったアル・クーパーの4thアルバム。
ボブ・ディランのロックへの転身(?)を支援して参加し名を上げ。
ブルース・プロジェクトや、ブラッド・スウェット・ティアーズを結成し。
スーパ・セッション・ブームの火付け役として多くの才能を世に出し。
後年にはサザン・ロックの隆盛にも一役を買うことになる才人、アル。
あまりに多才で、多岐に渡る活動の故か。その実像が見えにくかったりもするのですが。
その本質は、ソウルに多大な影響を受けたシンガー・ソングライターなのかなと。
決して上手くはないものの。その艶と味のある歌心。
そして聴く者の、胸の柔らかいところを巧みに慰撫する様なソングライティング。
実のところ華やかさとか派手さには欠けるものの。実に何とも愛すべき歌と詩と曲。
それらが織りなす、言わば箱庭的な世界こそがアルの魅力であり、居場所なのかなと。
そう。ファウンダーとして、プロデューサーとして、オブザーバーとして。
ロック・シーンの重要な場面でキーマンとして輝かしい功績を残してきたアルなのですが。
その素顔は。繊細で内向的な愛すべき一人のアーティスト、ミュージシャンなのかなと。
このアルバムでもオリジナルだけでなくカヴァーも含めて。その選曲とアレンジのセンス。
その素晴らしさで見事に統一感のある世界を描いていますが。決して声高ではなくて。
やはり。箱庭的な、自らと自らの愛するものへの視線と思いがその総てなのかなと。
故に。どうしても小品的な、地味な印象が拭えないのですが。それが心地よくもあって。
ロンドンで録音されたと言う「New York City (You're A Woman)」などを聴いていると。
異国の地にありながら。故郷の風景、空気、匂いにまで思いを馳せていたのかなと。
それはもはや恋愛に近い感情なのだろうなと。その表現の見事さにアルへの共感を抱かざるを得ないのです。

温かく。
そして。
冷たい。
雨に。
閉じ込められた。

そんな。
部屋の中で。
街の中で。
巡る。
思いを馳せながら。

穏やかに。
時を。
見送っている。
他には。
何もない。

いま。
ここに。
あるのは。
もはや。
思念でしかないのか。

この街に流れつき。
この街に受け容れられ。
離れられずに。
思いもせずに。
見届けてきた。

まるで。
恋人の様に。
抱いて。
その震える様に。
喜びすら覚えて。

冷たく。
そして。
温かい。
雨の。
降り続く街。

その。
風景。
空気。
匂い。
その中で。

この街に。
漂う。
巡る。
思いを。
追い、馳せている。

静かで。
穏やかな。
時を。
過ごし。
見送り。

もはや。
残像でしかなく。
思念でしかなく。
そうだとしても。
そうだからこそ。

流れつき。
受け容れられ。
愛し。
愛され。
過ごし、見届けてきた。

胎児の様に。
恋人の様に。
抱き合い。
安らぎ。
喜び。

この街で。
この街が。
箱庭だとしても。
離れられない。
考えもいせずに。思いもせずに。



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