« 2017年3月 | トップページ

2017年4月

2017/04/23 Sun *払ってやるぜ、認めてやるぜ / Joan Jett And The Blackhearts

20170423gloriousresultsofamisspenty


払ってやるぜ。

ツケが溜まっていると。
そう言うのなら。
喜んで。
利息をつけて。
払ってやるぜ。

そうさ。
あちこち。
ガタガタで。
ボロボロで。
堪らないけれど。

そいつが。
ここへ来るまでの。
ここに辿り着く為の。
代償だと言うのなら。
上等だぜ。

そうよ。
ガキの頃から。
こいつが好きで。
こいつだけが好きで。
総てを賭けてきたのさ。

もとより。
対価など。
犠牲など。
承知の上さ。
どうしても、ここへと思ってきたのさ。

払ってやるぜ。

『Glorious Results Of A Misspent Youth』'84年リリース。
ジョーン・ジェット&ブラックハーツの3枚目となるアルバム。
ランナウェイズが解散して。ソロに転じたジョーンですが。
本国である米国では当初はなかなか評価されなかったみたいで。
レコード契約が取れずに。致し方なくプロデューサーの助言を受けて。
自らのレーベルを興したと。それがブラックハート・レコードで。
その後にメンバーを募集したのでバンド名がブラックハーツになったのだとか。
従ってブラックハーツでの最初の2枚のアルバムはジョーンのソロとも言えて。
このアルバムからブラックハーツなるバンドとしてのアルバムになったのかなと。
で、針を落としたとたんに「Cherry Bomb」のセルフ・カバーが鳴り響くと。
過去を、ここまでの道程や成果を素直に振り返られる様になったのだろうなと。
そのジョーンの吹っ切れた様が影響したのか。全体にスコーンと抜けた感じがあって。
とても。何と言うか。気持ちよく聴けるアルバムになっているのですよね。
ジョーンが大ファンらしいゲイリー・グリッターのカバーも楽しそうで。
オリジナル・ナンバーもキャッチーでどこか懐かしい匂いのするものが多くて。
そう言う意味では。素直になったジョーンの原点回帰ともとれるアルバムなのかな。
ジョーンに限らないけど。だいたい、ロックンローラーが考え過ぎるとろくな事はなくて。
確かに。ある程度やり続けていると。これでいいのかと考えるものなのでしょうが。
考えて、考えて。悩んで、悩んで。結局のところ答えは、今まで歩んできた道とか。
その道を選んで、歩き出した。その原点とかにあるものなのですよね。
なかなかに、それを認めるのも難しいのかもしれませんが。じたばたしても仕方がないと。
それこそ。アルバム・タイトルに冠した様に。若い日の遺産を浪費していますけどみたいな。
そんな素直な開きなおりが出来てしまえば。もう、それでいいのではないかとね。

認めてやるぜ。

過ちだったと。
そう言うのなら。
喜んで。
胸を張って。
認めてやるぜ。

そうさ。
あちこちで。
ジタバタと。
ドタバタと。
足掻いてきたけど。

そいつが。
ここへ来るまでの。
ここに辿り着く為の。
道草だったと言うのなら。
結構だぜ。

そうよ。
ガキの頃から。
こいつが好きで。
こいつだけが好きで。
総てを捨ててきたのさ。

もとより。
叱責など。
誹謗など。
承知の上さ。
どうしても、ここへと思ってきたのさ。

認めてやるぜ。

ガキの頃から。
この道を選んで。
この道程を歩き続けて。
ツケを溜めて。
過ちを犯して。

そうさ。
それで。
寄り道もして。
回り道もして。
道草を食って。

身も心も。
傷だらけで。
とっくの昔に。
ボロボロで。
ガタガタで。

未だに。
定まらなくて。
相も変わらず。
ドタバタで。
ジタバタで。

それが。
どうした。
それが。
何かあるか。
構いはしない。

総ては。
ここへ来る為。
ここに辿り着く為。
それだけのこと。
そう言うこと。

総ては。
こいつが好きで。
こいつだけが好きで。
賭けてきたのさ。
捨ててきたのさ。

それが。
どうして。
浪費でも何でもいい。
払ってやるぜ。
認めてやるぜ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/20 Thu *エネルギー、エネルギー / The James Cotton Band

20170420highenergy


エネルギー。
おぅ。
エネルギー。
そいつが。
必要なのだ。

強く。
逞しく。
しぶとく。
しつこく。
どこまでもと。

そうやって。
生きる為には。
生き抜く為には。
源となる。
力がなくてはならない。

ちょっとや。
そっとでは。
枯れない様な。
尽きない様な。
力がなくてはならない。

そうなると。
そいつは。
かなり高く。
かなり豊かで。
そんな力でなくてはならない。

エネルギー。
おぅ。
エネルギー。
そいつを。
補給しよう。

『High Energy』'75年リリース。
マット・マーフィィーを擁するジェームス・コットン・バンド。
その衝撃作『100% Cotton』に続く2ndアルバム。
『100% Cotton』で度肝を抜くファンク・ブルースをぶっ放して。
次はどこへ向かうのかと注目されていましたが。
その答えは南部に、ニュー・オーリンズにあったと言うことで。
現地に赴き、アラン・トゥーサンをプロデューサーに迎えて制作されました。
そのトゥーサンの手による「Hot 'N' Cold」で始まるのですが。
トゥーサンも参加しているこのナンバーが、もうニュー・オーリンズで。
一挙にそのニュー・オーリンズ・ファンクの世界へと引き込まれます。
幾らファンクに目覚めたからと言って。一挙にここまでいっちゃいますかと。
その思い切りの良さに驚かれます。なんか殆どミーターズなナンバーもあって。
コットン、そしてマーフィーのそれまでのキャリアを考えると意外なのですけどね。
それだけ。この時期は二人とも意欲に溢れていたことの証でもあるのかな。
ピアノに、あのジェームス・ブッカーを迎えるほどの熱の入れようですからね。
緩く、レイド・バックした感じがありつつも。柔軟で強靭なばねの存在を感じさせる。
そんなニュー・オーリンズ・ファンク・ブルースのエネルギーに満ちています。
コットンのハーモニカは、その音はオーソドックスなブルースで。
アンマッチにも思えるのですが。それがなかなかいいアクセントになっていて。
控えめながら、要所で切り込んでくるマーフィーのギターが全体を締めています。
『100% Cotton』と2枚組ライヴ・アルバム『Live & On The Move』に挟まれて。
地味な印象を抱かれがちですが。十分にエネルギーを感じられるアルバムなのです。

エネルギー。
あぁ。
エネルギー。
そいつが。
不可欠なのだ。

柔らかく。
しなやかに。
しぶとく。
しつこく。
いつまでもと。

そうやって。
生きていく為には。
生き延びる為には。
源となる。
力がなくてはならない。

ちょっとや。
そっとでは。
上がらない様な。
乾いてしまわない様な。
力がなくてはならない。

そうなると。
そいつは。
かなりの熱量で。
かなり豊潤な。
そんな力でなくてはならない。

エネルギー。
あぁ。
エネルギー。
そいつを。
充填しよう。

今日一日。
その。
勝負所。
逃がさぬ様に。
外さぬ様に。

一週間。
その。
天王山。
奪われぬ様に。
負けぬ様に。

ここから先。
その。
橋頭保。
流されぬ様に。
落ちぬ様に。

強く。
逞しく。
柔らかく。
しなやかに。
しぶとく、しつこく。

そんな。
枯れない様な。
尽きない様な。
上がらない様な。
乾いてしまわない様な。

そんな。
いつまでも。
どこまでも。
生き抜く為の。
生き延びる為の。

高く。
豊かな。
熱量も豊潤な。
力がなくてはならない。
力でなくてはならない。

エネルギー。
おぅ。
エネルギー。
そいつを。
補給しよう。

エネルギー。
あぁ。
エネルギー。
そいつを。
充填しよう。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/19 Wed *生で / Lowell Fulson

20170419thebluesshowliveatpitinn


生で。
いけなきゃ。
何で。
いけるのか。
そう言うことさ。

生。
ぶっつけ本番。
出たとこ勝負。
誤魔化しも。逃げも隠れも。
出来やしない。

そいつは。
危ういけど。
怖いけれど。
だからと言って。
引くわけにはいかない。

危ういから。
怖いから。
退路がないから。
楽しいのだと。
面白いのだと。

そう。
腹を決めてしまえば。
それまで。
後は、もう。
生でやるだけ。

経験豊富で。
技巧派で、力業もいけるぜと。
そう嘯いて。
いなたく、如何わしく
やるだけ。はめるだけ。

『The Blues Show ! Live At Pit Inn』'81年リリース。
オクラホマ出身のテキサス・ブルース・マン、ローウェル・フルスン。
盟友であるリー・アレンと共に初めて日本の土を踏んだローウェル。
その初来日時に、今は無き六本木ピット・インで収録されたライヴ・アルバムです。
恐らくはこの来日が唯一の来日だった記憶しています。その意味でも貴重なアルバムで。
内容的にもB.B.キングや、ロバート・ジュニア・ロックウッドのそれと同様に。
日本で記録された、世界に誇るべきライヴ・アルバムと呼べるものになっています。
この時、ローウェルは60歳近かったのかな。日本ではそれこそ知る人ぞ知る存在で。
かの日暮泰文さんがどうしてもと呼び屋を説得して来日公演を実現させたのだとか。
アメリカでは活動していたのでしょうが。「Tramp」で一世を風靡してから既に20年近く。
どこまで現役感があるのか。不安視するむきも多かったと思われるのですが。
これが凄かったと。バンドの前奏に乗って出てきたローウェルがギターを手にして。
最初の音を出したら・・・本物だと。その一音で会場の空気が変わってしまったと。
チューニングがずれている感じもするのですが。ものともせずと言うか。
その音の存在感で周囲を圧倒してしまって。観る者、聴く者の心を鷲掴みにしてしまったと。
流石は百戦錬磨と言うか。その惚けた様なルックスに秘められた、いなたさ、如何わしさ。
テキサスから西海岸へと流れて。ゴツゴツしたブルースから、ファンクなブルースまで。
まさしく「Tramp」を地で行く感じで。どこか掴みどころの無いのが魅力なのですが。
その実、その地金、その骨格。そんなものが剥き出しとなるライヴでは、そう生では。
そのギターも、そしてその歌声も。実に真っ直ぐで、何とも黒光りのする傑物であること。
それを嫌と言う程、知らしめることになったのですね。これでいかなきゃ嘘だろうと。
やはり、ライヴだからこそ、生だからこそと言うべきものがあるのですよね。

生で。
いかせられなきゃ。
何で。
いかせられるのか。
そう言うことさ。

生。
ぶっつけ本番。
出たとこ勝負。
誤魔化しも。逃げ隠れも。
許されない。

そいつは。
脆くもあって。
恐ろしくもあるけれど。
だからと言って。
誤って済むものでもない。

脆いから。
恐ろしいから。
背水の陣だから。
楽しいのだと。
面白いのだと。

そう。
腹を括ってしまえば。
それまで。
後は、もう。
生でやるだけ。

あの手この手で。
四十八手で、何発でもいけるぜと。
そう嘯いて。
いなたく、如何わしく
やるだけ。はめるだけ。

好きこそ。
ものの上手なれ。
そう。
生こそ。
ものの上手なれ。

なんだかんだで。
生が。
その臨場感が。
その生々しさが。
好きなのだ。

だったら。
胡麻化さず。
逃げ隠れもせず。
退路を断って。
背水の陣で。

臨むだけ。
挑むだけ。
やるだけ。
はめるだけ。
いくだけ。いかせるだけ。

危うくて。
怖くて。
脆くて。
恐ろしくて。
だからこそ。

楽しいのだと。
面白いのだと。
腹を決めて。
腹を括って。
さぁ、一芝居、大芝居。

経験豊富。
四十八手もお手のもの。
技巧派で。
力業もいけるぜと。
嘯いて。

生で。
いなたく、如何わしく
やるだけ。はめるだけ。
いくだけ。いかせるだけ。
それだけさ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/18 Tue *蒼白い炎 / John Lee Hooker

20170418playsandsingstheblues


蒼白い炎。
それを。
胸に抱いて。
そのままに。
そのままで。

あの日。
あの時。
感じた思い。
それを。
忘れずに。

あの日。
あの時。
その。
蒼いまま。
そのままに。

何も。
変わらない。
何も。
変えられていない。
だから。

悲しみも。
怒りも。
あの日の。
あの時の。
そのまま。蒼いまま。

蒼くて。
何が悪い。
蒼さだけが。
叫ばせる、闘わせる。
そんなものもあるのだ。

『Plays & Sings The Blues』'61年リリース。
チェスへの録音から編集されたジョン・リー・フッカーのアルバム。
先ずはこのジャケットが素晴らしいなと。蒼白い炎を放つジョン・リーのブルース。
その何たるかを見事に捉え、表しているなと感じるのです。
尤も。ジャケットに写っているのはジョン・リー本人では無いでしょうが。
さて。'51年~'52年にかけて録音された12曲が収録されているこのアルバム。
1曲だけベースが入っているだけで。後はエレキギターでの弾き語りとなっています。
あまりにも売れっ子だった為に。様々な変名を使って様々なレコード会社に録音していて。
チェスへの録音はどの名義だったのかなとか考えてしまいますが。それは兎も角。
やっているのは、録音されたのはジョン・リーのブルース。それ以外の何ものでもなくて。
何故か。チェスのジョン・リーはあまり語られないのですが。悪いわけもなくて。
夏には聴けないとまで言われた。暑さ極まりないワン・アンド・オンリーのブルース。
それが、これでもかとばかりに。身と心を焦がそうと、燃やそうと迫ってくるのです。
唸り、呻き、叫び。己とも闘いながら。ブギーで、スロー・ブルースで煽ってくるのです。
そのどこかぶっ飛んだ感もある鬼気迫る様。そいつに魅入られずにはいられないのです。
ドクター・フィールグッドもカバーした「Mad Man Blues」なんて。もう実になんとも。
延々と、悶々とブギーを、スロー・ブルースをブチかまし続けるジョン・リー。
そのしつこさ、諦めるとか、忘れるとか、止めるとか。そんなこととは無縁のブルース。
ある意味で。とてつもなく蒼臭くもあるけれど。その蒼臭さこそが魅力なのです。
蒼臭くて、蒼くて何が悪いと。蒼いからこそ、やり続けられる、成し遂げられることもある。
そんなことを感じさせてくれる、教えてくれるジョン・リー。流石だよなと。
こうでなきゃ、70歳を超えて。20人以上のガール・フレンドとは付き合えないよねと思うのです。

蒼白い炎。
それを。
胸に秘めて。
そのままに。
そのままで。

あの日。
あの時。
刻まれた思い。
それを。
忘れずに。

あの日。
あの時。
その。
蒼さのまま。
そのままに。

何も。
変わらなかった。
何も。
変えられないかもしれない。
だから。

切なさも。
悔しさも。
あの日の。
あの時の。
そのまま。蒼いまま。

蒼くて。
何が悪い。
蒼さだけが。
支える、突き上げる。
そんなものもあるのだ。

あの日。
あの時。
思ったのだ。
感じたのだ。
だから。

唸りながら。
呻きながら。
叫んで。
拳を突き上げて。
闘ってきたのだ。

なのに。
あの日。
あの時と。
何も。
変わってはいない。

だから。
ここで。
諦めてはならない。
忘れてはならない。
止めてはならない。

あの日。
あの時の。
悲しみを、怒りを。
切なさを、悔しさを。
胸に抱いて、胸に秘めて。

蒼いまま。
そのまま。
蒼くて。
何が悪い。
悪いことなどあるものか。

蒼白い炎。
それだけを。
支えに。
それだけを。
拠り所に。

闘い続けるのだ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/17 Mon この嵐 / T-Bone Walker

20170417stormymondayblues


沈む思い。
昇る思い。
その。鬩ぎ合い。
その。葛藤。
その。乱高下。

そいつが。
身に。
心に。
嵐を呼ぶ。
嵐に襲われる。

今日、一日。
否、朝だけでも。
やり過ごせれば。
乗り切れれば。
そう思ったところで。

知っている。
分かっている。
そう。
今日だけではないと。
明日も同じだろうと。

身が。
心が。
軋み。
呻き。
悲鳴を上げる。

この嵐は。
今日も。
明日も。
明後日も。
ここにあるのだと。

『Stormy Monday Blues』'67年リリース。
安直なのか、秀逸なのか。趣味がいいのか、悪いのか。
そんな微妙、絶妙なジャケットも印象的なT・ボーン・ウォーカーのアルバム。
録音場所とか、ウォーカー以外の参加メンバーとか。
クレジットが無いので正確なところは分かりかねるところもあるのですが。
そのファンキーなギターと歌声。'60年代後半のウォーカーのブルースです。
このファンクと言うか、ソウルへの接近が評価の別れるところで。
モダン・ブルースの父としてのウォーカーに固執すると、選外になるのかな。
まぁ、正直。あまり語られることのない時期のアルバムではあります。
ところが。これが悪くないのですよね。いや、かなりいいのではないかなと。
アルバム冒頭の「Stormy Monday Blues」のカッコ良さときたら、何とも言えなくて。
ファンキーなベースと女性コーラスに導かれて始まる大胆なアレンジが堪らなくて。
そうか。ストマンと言うのは。こんな風にも表現できるのかと。
これなら憂鬱な嵐の月曜日も、ご機嫌にやり過ごせる、乗り切れるなと感じられるのです。
ストマンの、そしてウォーカーの懐の深さ、咀嚼力の強さ。それを思い知らされます。
その乗りのまま、勢いのまま。あっという間に最後まで聴けてしまうアルバムです。
同時代のアルバート・キング、そして後のジェイムス・コットン・バンド。
そんな名前が脳裏に浮かぶ。そんなファンク・ブルースが堪能できるのです。
「T-Bone's Way」「Louisiana Bayou Drive」と言ったインストでの。
ウォーカーのギターと、オルガンの絡みなんかはMGズを思わされるところもあって。
その目配り、そのセンス。そこにもウォーカーの底力を感じたりもするかな。
その鋭さ故に、常に先端に、最前線にいることが出来たのだろうなと思わざるを得ないのですよね。

堕ちる思い。
浮かびの思い。
その。凌ぎ合い。
その。混沌。
その。目まぐるしさ。

そいつが。
身に。
心に。
嵐を引き起こす。
嵐を呼び起こす。

今日、一日。
否、朝だけでも。
やり過ごしてしまえば。
乗り切ってしまえば。
そう願ったところで。

知らされている。
つまされている。
そう。
今日だけでは終わらないと。
明日も続くのだと。

身が。
心が。
痛み。
疼き。
嗚咽が漏れる。

この嵐は。
今日も。
明日も。
明後日も。
去りはしないのだと。

そうさ。
何も。
月曜日だから。
その朝だから。
そんなわけはない。

そうさ。
月曜日の。
その朝の。
せいなのだと。
そう思いたいだけなのだ。

でも。
そんなことはないと。
そんなはずはないと。
知っている。
分かっている。

それだけ。
知らされてきた。
つまされてきた。
それを。
繰り返してきた。

身が、心が。
軋み、呻き。
悲鳴を上げる。
痛み、疼き。
嗚咽が漏れる。

この嵐は。
今日も。
明日も。
明後日も。
ここにあり。去りはしないのだ。

身が、心が。
嵐を呼ぶ、嵐に襲われる。
嵐を引き起こす、嵐を呼び起こす。
それならば。

この嵐と。
今日も。
明日も。
明後日も。
共に生きていく、それだけのこと・・・



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/16 Sun *反動 / Magic Sam

20170416magicsam19371969


反動。
そいつは。
ちょいとばかり。
否、かなり。
厄介で。

喜びとか。
楽しみとか。
そんなものが。
大きければ。
大きいほど。

その。
後は。
そう。
祭りの後は。
どうにもいけない。

どうしたって。
なにをしたって。
下ってしまう。
沈んでしまう。
抗い様もなく。

それでも。
出来る限りの。
抵抗をと。
その総てをと。
一晩中でもと。

欲して。
求めて。
殊更、陽気に。
振る舞ってしまって。
また、反動。

『1937-1969』'70年リリース。
マジック・サムのコブラ録音による編集アルバム。
このアルバム・タイトルにこのジャケット。'69年に32歳で夭折したサム。
その追悼盤として、あのマイク・ヴァーノンのブルー・ホライゾンが編集したもので。
コブラのサムがまとめて聴けるようになった、世界で初めてのアルバムです。
ブルー・ホライゾンはコブラのオーティス・ラッシュのアルバムでも世界に先駆けていて。
その『This One's Good 'Un』が日本ではジャケットからコブラの赤盤と呼ばれていて。
それに対して、対を成す形でこのアルバムはコブラの黒盤と呼ばれていたのだとか。
この憂いを含んだかのサムのポートレイト。そこに制作者のサムに対する愛情を感じます。
「All Your Love」や「All Night Long」などコブラからリリースされた4枚のシングル盤。
そこに収録されていた8曲に、未発表となっていたナンバーを2曲加えて。
更には叔父であるシェイキー・ジェイクの録音に参加した2曲を加えた全12曲を収録し。
この時点でのコブラのサム。その全貌を、その魅力の総てを届けようとしています。
録音されたのは'57年~'58年。サムが20歳~21歳の頃のもので。
後のデルマークでの姿に比べると、当然の如く若くて、未完で。しかしその中にも既に。
サムならではの個性が芽生えている、生まれているのが感じ取れるのですが。
その繊細で、表現力豊かで。そして何よりもどこか温かさのある歌声とギターが素晴らしく。
なんでもサムは、ブルース一辺倒ではなくて。R&Bやジャズにも親しんでいて。
シカゴに出てきた当初はゴスペル・グループで歌ったりもしていたのだとか。
そんな柔軟さが。他人のレパートリーをやっても総て自らの個性に染められて要因かな。
中には他人のコピーばかりだと非難する声もあったそうですが。それは違うだろうと。
オリジナル云々が問題ではなく。その解釈、表現が如何にオリジナルかが問題だろうと。
思わず気色ばんで反論したくなる。それほどのものなのですよね、サムのブルースはね。
落ちて、沈んで、堕ちて。でも陽気さを失わない。そんなサムのブルースが愛しくてならないのです。

反動。
そいつは。
時によっては。
否、殆どの場合。
不可避で。

嬉しいとか。
楽しいとか。
そんな時間が。
長ければ。
長いほど。

その。
後は。
そう。
宴の後は。
どうにもならない。

どうしたって。
なにをしたって。
落ちてしまう。
堕ちてしまう。
そのままに。

それでも。
無抵抗では。
癪に障るので。
その総てをと。
一晩中でもと。

欲して。
求めて。
只管、陽気に。
装ってしまって。
また、反動。

反動。
そいつが。
来ることは。
そいつに。
襲われることは。

反動。
そいつには。
抗えないことは。
そいつからは。
逃れられないことは。

初めから。
わかっていて。
とうの昔に。
承知していて。
身に染みていて。

祭りの後は。
宴の後は。
厄介で。
不可避で。
心に刻まれていて。

それでも。
喜びとか。
楽しみとか。
嬉しいとか。
楽しいとか。

そいつは。
見逃せない。
そいつを。
見過ごせはしない。
あり得ない。

反動。
下っても。
沈んでも。
落ちても。
堕ちても。

反動。
出来る限りの。
抵抗を。
その総てをと。
一晩中でもと。

反動。
欲して。
求めて。
陽気に。
無駄な足掻きだとしても。

反動。それさえも。楽しんでいるのかもしれないね。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/15 Sat *狂気だろうと、中毒だろうと / Joe Cocker

20170416maddogsandenglishmenukorg


狂気だろうと。
中毒だろうと。
言わば、言え。
それがどうした。
それでいいのだ。

面白いから。
楽しいから。
好きだから。
それだけ。
そう、それだけで。

距離も。
時間も。
何の障壁にも。
なりはしない。
そんなものもあるのだ。

何処からか。
何時の間にか。
駆け寄って。
集まって。
このひと時。

騒がしく。
賑やかに。
さぁ、始まるぜ。
さぁ、始めよう。
ぶっ飛んでいこう。

色々な。
様々な。
笑顔がある。
歌声がある。
それが混然と。そして一体に。

『Mad Dogs & Englishmen』'70年リリース。
ジョー・コッカーにとっての初のライヴ・アルバムとなった2枚組アルバム。
米国南部に接近を図ったジョーとレオン・ラッセルが出会って。
ジョーの2ndアルバムをレオンがプロデュース。そして全米ツアーも支援することに。
そこで。デラニー&ボニー&フレンズから引き抜いたメンバーを中心にバンドを結成。
それこそがマッド・ドッグス&イングリッシュメンだったのですね。
ジョー、レオン。そしてグリース・バンドのクリス・ステイトンの3頭体制で。
後のドミノスのメンバーやボビー・キーズ、ジム・プライス、リタ・クーリッジも参加。
総勢15名からなる大所帯が混然とした空気を残しながらも一体となって盛り上がると。
その自由な熱さ。それは時代でもあり、やはり実質的な音楽監督であるレオンの。
その手腕と、その人脈、そのセンスによるところが大きかったのだろうなと改めて感じます。
あくまでも。一座の花形、表看板はジョーであるとして。そのジョーを立てるための。
あの手、この手。カバーを含めた選曲からアレンジ、そしてライヴ全体の構成まで。
レオンがその持てる総てを注ぎ込んだのであろうなと思わされるのです。
それに応えて。堂々の主役を勤め上げるジョーのソウルフルな熱唱も流石の一言です。
この頃のジョーの歌声は、真っ直ぐな直向きさに溢れていて。それが堪らないのですが。
それを引き出して、立派な主役へと仕立て上げているのもレオンの成せるところかなと。
それが。ビジネスライクになり過ぎない。あくまでも自然発生的な一座に感じられるところ。
それがこのアルバムを特別なものにしていて。その空気、匂いに惹かれるのですよね。
リタが歌う「Superstar」が収録されているのも。その空気、匂いの象徴に感じられるし。
おそらくは。ジョーも、レオンを始めとするバンドのメンバーも。そして観客も。
同じ様に面白さを感じ、楽しみ、熱くなっていたのではないかと。そこには垣根もないと。
そんな共同体幻想を抱かせられるところもね。好きなのですね。それはそれでいいのだとね。

狂気だろうと。
中毒だろうと。
文句があるか。
それがどうした。
それでいいのだ。

面白ければ。
楽しければ。
好きならば。
それだけ。
そう、それだけで。

距離も。
時間も。
何の障害にも。
なりはしない。
そんなものもあるのだ。

何処からか。
何時の間にか。
馳せ参じて。
寄り添って。
このひと時。

騒がしく。
賑やかに。
さぁ、叫ぼうぜ。
さぁ、踊ろうぜ。
ぶっ飛んでいこう。

色々な。
様々な。
共鳴が生まれる。
共感も生まれる。
それが混然と。そして一体に。

面白い。
楽しい。
好きだ。
それだけで。
それだけだから。

それだけを。
それだけでも。
共にできる。
そんな顔を。
知っているから。

距離も。
時間も。
障壁にも。
障害にも。
なりはしない。

このひと時。
そいつの為に。
駆け寄って。
馳せ参じて。
集まって。寄り添って。

騒がしく。
賑やかに。
始めよう。
叫ぼう。
踊ろう。

色々な。
様々な。
笑顔がある。歌声がある。
共鳴が生まれる。共感も生まれる。
それが混然と。そして一体に。

狂気だろうと。
中毒だろうと。
言わば、言え。
文句があるか。
それがどうした。それでいいのだ。

狂気だろうと。
中毒だろうと。
そんな集まりが。
そんな一座が。
そんな一夜が。

大好きなのさ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/12 Wed *新たな冒険 / The Who

20170412liveinamsterdam


未だ。
感じる。
その気になれる。
動ける。
いける。

その間に。
動こう。
いこう。
新たな冒険に。
旅立とう。

何が。
起こるのか。
そいつは。
わからない。
わからないけれど。

だからこそ。
新たな。
出逢いを求めて。
驚きを求めて。
動き出そう。

そう。
精神も。
肉体も。
衰えを隠せなくても。
それでも未だ未だと。

感じたのだから。
その気になったのだから。
兎にも角にも。
動き出そう。いってみよう。
新たな旅に出てみよう。

『Live In Amsterdam』'89年リリース。
ザ・フーのライヴを収録した2枚組の海賊盤ライヴ・アルバム。
タイトル通りに’69年9月9日のアムステルダム公演で収録されたものです。
(日付に関しては諸説ある様ではありますが・・・)
昔から有名な音源だった様で。何度も繰り返しリリースされていたのだとか。
所謂サウンドボード音源なので。音質は悪くなく。迫力あるライヴが楽しめます。
ただサウンドボード音源の常ではありますが。歓声が殆ど収録されていないので。
臨場感には欠けるのと。微妙に完全収録でないのが惜しまれるかな。
(今では完全収録のCDもリリースされているみたいですけれど)
一応ステレオとのことですが、限りなくモノラルに近いかな。それは問題ではないけれど。
まぁ、『Live At Leeds』の拡張版とか完全版がリリースされるまでは。
『Tommy』の再現ライヴがほぼ完全な形で聴ける貴重なアルバムだったのです。
あの繊細で緻密な『Tommy』の世界をライヴで再現してしまえる。
しかも繊細で緻密な匂いを残しながら、荒々しい肉体性をも付加してしまっている。
そこにこそ。フーが凡百のロック・バンドでない、その卓越した力量が表れているなと。
50年近く前に、20代後半だった連中が。こんなに凄いライヴをやっていたと。
その事実に改めて驚愕させられるのですね。とてつもないバンドだったのだなと。
『Tommy』が史上初のロック・オペラであったかどうかは、その実、問題ではなくて。
あの時代に、あの『Tommy』を創った、そのこと自体が新たな冒険であったわけで。
更に、そいつをライヴで再現してツアーをやると言うのは驚くべき旅行であったわけで。
ピート、ロジャー、ジョン、キース。この4人の前進する意思と熱量の凄まじさ。
そして。今なお、前進を止めないピートとロジャーの姿には胸を熱くさせられるのです。
限界とか、終焉などと言うものは。自らの意思と熱量でどうにでもなるのだと。
諦めたらそこで終わりなのだと。そんな蒼い思いを抱かせてくれる。そこにフーの魅力があるのですね。

未だ。
感じるなら。
その気になれるなら。
動けると。
いけると。

その意志に。
従って。
突き動かされて。
新たな冒険に。
旅立とう。

何が。
待っているのか。
そいつは。
想像できない。
想像もつかないけれど。

だからこそ。
新たな。
出逢いを望んで。
驚きを望んで。
動き出そう。

そう。
精神も。
肉体も。
衰えはしていても。
それでも終わってはいないと。

感じるのだから。
その気になれるのだから。
躊躇いは振り切って。
動き出そう。いってみよう。
新たな旅に出てみよう。

未だ。
未だだと。
そう。
感じる。
思える。

未だ。
未だだと。
そう。
信じられる。
望める。

それならば。
限界も。
終焉も。
決める必要はない。
迎えにいく必要はない。

蒼くても。
その。
意志のままに。
熱量のままに。
そのままに。

新たな。
出逢いを。
驚きを。
求めて。
望んで。

何が。
起きるか。
待っているか。
わからない。
新たな冒険に。
旅立とう。

精神も。
肉体も。
衰えていたとしても。
意思があるなら。
熱量があるなら。

新たな冒険を。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/11 Tue *戻るところ、帰るところ / The Rolling Stones

20170411greatesthitsvolone


戻るところ。
帰るところ。
それがある。
それがわかっている。
それが大事なのだろう。

いつまでたっても。
落ち着かずに。
苔生さずに。
転がり続けている。
それはそれでいいのだが。

転がって。
揺れて。
揺さぶられて。
その内に。
ふと気がついてみれば。

ここは。
どこなのだろうと。
どうして。
ここにいるのだろうと。
そんな状況に陥って。

平静を装いながら。
その実。
少し・・・かなり。
焦って。
不安に駆られることもある。

そんな時。
戻るところ。
帰るところ。
初めの一歩を踏み出したところ。
そいつを見つけさえすれば・・・なんとかなる。

『Greatest Hits Vol.1』'77年リリース。
カナダ独自編集のローリング・ストーンズのベスト・アルバム。
デッカ(ロンドン)時代のナンバーから14曲が収められています。
『Greatest Hits Vol.2』なるアルバムも同時期にリリースされていて。
当時、日本では何故かRCAから2枚組で『偉大なる軌跡』なる邦題でリリースされました。
この如何にも廉価盤的なやっつけ仕事を連想させるジャケットも魅力がなければ。
選曲も特に特徴があるわけでもなく。曲順に拘りもなさそうな、そんなアルバム。
しかし。これが自分にとっては初めて買ったストーンズのベスト・アルバムだったのです。
リアル・タイムで『Love You Live』を買ったのがストーンズとの歴史の始まりで。
その次が『Get Yer Ya-Y''s Out!』で。『Let It Bleed』で『Goats Head Soup』ときて。
そして。次に、渋谷にあった輸入レコード屋さんで手に取ったのがこのアルバムだったと。
何故、このアルバムだったのか。もうハッキリとは覚えていないのですけどね。
恐らくは初期のナンバーを纏めて聴きたくて。そして値段も安かったのだと思います。
「Not Fade Away」に始まって「Paint It, Black」で終わるこのアルバム。
オリジナル・アルバムを揃えようにも。月に一枚も買えれば上の字だったガキには宝物で。
何度も何度も繰り返し針を落として。暫くはこのアルバムでしか聴けなかったナンバーも。
やがて。オリジナル・アルバムもそれなりに揃ってきて。正統な(?)ベスト・アルバムも。
そうして徐々に役目を終えたのですが。思い出深くて手放せなくて残っているのです。
「I'm Free」とか「Play With Fire」なんて地味なナンバーが妙に刷り込まれているのも。
このアルバムで出会って。繰り返し聴いていたからなのですよね。妙な感じですけどね。
今、針を落とすと。音質も褒められたものではないのですが。愛着はあるのかな。
ストーンズは、自分の戻るところ、帰るところ、自分の原点だと勝手に思っていますが。
その初めの一歩を踏み出した、刻んだのがこのアルバムなのですからね。

戻るところ。
帰るところ。
それがあると。
そのことを感じられる。
それが肝要なのだろう。

いつまでたっても。
腰が据わらずに。
留まらずに。
流離い続けている。
それはそれでいいのだが。

流離って。
流れて。
流されて。
いつの間にか。
ふと気がついてみれば。

ここは。
どこなのだろうと。
はたして。
どこまでいくのだろうと。
そんな状況に陥って。

平穏であると演じながら。
その実。
少し・・・かなり。
怯えて。
不安で堪らないこともある。

そんな時。
戻るところ。
帰るところ。
初めの一歩を踏み出したところ。
そいつを思い出しさえすれば・・・どうにでもなる。

どこだろうと。
どこにいようと。
どこへいこうと。
見つけさえすれば。
思い出しさえすれば。

どこからきたのか。
何者であるのか。
所詮。
それだけのことだと。
それだけの者だと。

それさえ。
わかっていれば。
感じられれば。
なんとかなる。
どうにでもなる。

だから。
いつでも。
落ち着かずに。
苔生さずに。
転がり続けてこられた。

だから。
いつでも。
腰を据えずに。
留まらずに。
流離い続けてこられた。

揺れて。
揺さぶられて。
流れて。
流されて。
そんな時でも。どんな時でも。

戻るところ。
帰るところ。
初めの一歩。
踏み出したところ、刻んだところ。
そいつが信じられれば。それでいいのだ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/10 Mon *残り香の / Georgie Fame

20170410georgiedoeshisthingwithstri


残り香の。
消えぬうちに。
甘い夢に。
浸ってしまおう。
現を抜かしてしまおう。

どうせ。
叶わぬ夢ならば。
せめて。
今日一日は。
夢を見ていよう。

妄想でも。
何でも構わない。
甘美な夢に。
溺れてしまおう。
沈んでしまおう。

未だ。
昨夜の。
香りが。
残っているうちに。
感じられるうちに。

誰かを。
抱く様に。
弦楽器でも。
抱いて。
奏でて。

その。
響きに。
身も心も。
焦がしてしまおう。
現など忘れてしまおう。

『Georgie Does His Things With Strings』'69年リリース。
ジョージー・フェイムの数あるアルバムの中でも異彩を放っているアルバム。
もう、このジャケットだけで。何とも素晴らしいなと思うのですが。
ここでのフェイムはキース・マンスフィールド・オーケストラをバックにして。
そのムーディーなサウンドにも負けない甘い歌声を聴かせています。
モッズのヒーローでもあり、ジャズにも精通していたフェイム。
そのイメージは、いつでもお洒落で、小粋で、伊達で。そんなカッコ良さがあるのですが。
このアルバム、そしてこのジャケットも。そんなフェイムだから成り立ったアルバムかなと。
ひとつ間違えたら。低俗になるか、それとも毒にも薬にもならない凡庸なものになるか。
そこを見事に。筋の通った洒落ものならではの。言わばラウンジ・ミュージックに仕立てて。
実に心地よい、それこそ夢み心地にさせてくれる様な歌声を聴かせてくれています。
あまりにもお洒落過ぎて、はまり過ぎていて。ちょっと嫌味かなと思うくらいですけどね。
ただ、その歌声や、選曲、アレンジにはフェイムならではのセンスがあって。
そのただものではない様、その才能は疑いもなく伝わってくるので。敵わないなぁとも。
ビートルズも、バカラックも。ジャズのスタンダードも。フェイムの手にかかると。
フェイムのナンバー以外のなにものでもない。そのスパイスにオーケストラを利用したと。
それが、この異彩を放っているアルバムの本当のところかなと思ったりもします。
甘美にして、隠微にして、淫靡。それでいてどうにも陽性の明るさを放っていてもいて。
その明るさこそがフェイムの根っ子にある本質で、それは意匠がどうであれ変わらないと。
そして、だからこそ。このアルバムにもモッズの残り香を感じられるのかもしれません。
ところで。このアルバム、制作されてから暫くの間お蔵入りになっていたのだとか。
内容の問題だったのか、それともやっぱりこのジャケットが・・・どうなのでしょうね。

残り香の。
消えぬうちは。
甘い夢に。
浸っていよう。
現を抜かしていよう。

そうさ。
叶わぬ夢ならば。
せめて。
今日一日は。
夢の中で過ごしてしまおう。

妄想なら。
妄想でも構わない。
淫靡な夢に。
溺れていよう。
沈んでいよう。

未だ。
昨夜の。
香りが。
残っている間は。
感じられる間は。

誰かを。
愛でる様に。
弦楽器でも。
愛でて。
奏でて。

その。
響きに。
身も心も。
焦がしたままに。
現など忘れていよう。

残り香の。
消えぬうちに。
甘い夢に。
浸ってしまうのだ。
現を抜かしてしまうのだ。

どうせ。
叶わぬ夢だから。
そうさ。
今日一日は。
夢を見て過ごしてしまおう。

妄想でも。
何でも構わない。
甘美で淫靡な夢に。
溺れてしまおう。
沈んでしまおう。

未だ。
昨夜の。
香りが。
残っているうち、その間は。
感じられるうち、その間は。

誰かを。
思いながら。
弦楽器でも。
思いのままに。
奏でて。

その。
響きに。
身も心も。
焦がしてしまうのだ。
現など忘れてしまうのだ。

残り香の。
消えぬうちは。
甘い夢に。
浸っていたいのだ。
現を抜かしていたいのだ。

せめて。今日一日は。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/09 Sun *会う時にはいつでも / Dusty Springfield

20170409abrandnewme


会う時には。
いつでも。
他人・・・じゃないけれど。
新たな顔で。
新鮮で。

ふと。
今まで。
見えなかった。
気づかなかった。
そんな顔。

あぁ。
こんな顔が。
こんな表情が。
あったのだ。
見せるのだと。

新たに魅せられて。
ワクワクして。
ドキドキして。
今まで以上に。
魅入られていく。

会えば会う程。
知れば知る程。
豊かになる。
その顔、その表情。
それが愛しくて堪らない。

光の。
照明の。
悪戯。
それはきっかけでしかなく。
新たな出会いが確かにあったのだ。

『A Brand New Me』'70年リリース。
ダスティ・スプリングフィールドがソウルに挑んだアルバム。
前作のメンフィス録音による『Dusty In Memphis』に続く試みで。
そちらがサザン・ソウルへの接近を図ったものだったのに比して。
このアルバムはフィラデルフィア録音で。フィリー・ソウルに接近しています。
ギャンブル&ハフ、そしてトム・ベルと。錚々たる面々が名を連ねています。
尤も。フィリー・ソウルが世の中に知られる、世の中を席巻するのは後のことで。
それを考えると。如何にダスティ(とそのスタッフ)が敏感であったかと。
そして新しいサウンドを追及していたのかと。そのことに驚かされもします。
商業的には苦戦を強いられだした頃で。その危機感の表れともとれますが。
旧態依然としたスタイルに拘るのでなく。新たな挑戦を続けることを選んだのだと。
そして。その挑戦が実に素晴らしい実りをもたらしていて。
アルバム・タイトル通りに。新しい、真新しいダスティが生まれているのです。
元祖ブルー・アイド・ソウル・シンガーとも言えるダスティのその歌声と。
本場のソウル・サウンドがとの相性が良かったと言うことなのか。実に生き生きとしていて。
ダスティの歌声がシンプルに、そしてダイレクトに胸に迫ってくる様で。
その迫力と、芳醇な表現力に。改めて驚かされて、魅せられる思いがするのです。
何故か『Dusty In Memphis』もこのアルバムも商業的には全く振るわずに。
この後、長いことダスティは不遇の時代を過ごすことになるのですけれどね。
更に言えば。『Dusty In Memphis』と異なり、このアルバムは再評価もされていないと。
実に勿体ないと思うのですけれどね。ダスティのアルバムとしては勿論のことですが。
ブルー・アイド・ソウル、そしてフィリー・ソウルのアルバムとしても傑作だと思うのですけどね。

会う時には。
いつでも。
他人・・・じゃないけれど。
新たな姿で。
新鮮で。

ふと。
今まで。
見えなかった。
感じられなかった。
そんな姿。

あぁ。
こんな姿が。
こんな佇まいが。
あったのだ。
見せるのだと。

新たに魅せられて。
フワフワして。
ソワソワして。
今まで以上に。
魅入られていく。

会えば会う程。
知れば知る程。
豊かになる。
その姿、その佇まい。
それが愛しくて堪らない。

光の。
照明の。
悪戯。
それは引き金でしかなく。
新たな邂逅が確かにあったのだ。

会う時には。
いつでも。
新たな。
顔があり。
姿があり。

その。
真新しい。
新鮮な。
表情に。
佇まいに。

魅せられる。
魅入られる。
その。
驚きに。
喜びに。

ワクワク。
ドキドキ。
フワフワ。
ソワソワ。
胸に届く、胸が高鳴る。

今まで。
見えなかった。
気づかなかった。
感じられなかった。
そんなものが。
未だあるのだと。

新しい。
真新しい。
新鮮な。
そんなものに。
未だ会えるのだと。

会う時には。
いつでも。
新たな。
出会いがあり。
邂逅があり。

それが愛しくて堪らないのだ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/08 Sat *絆、繋がり / Four Tops

20170408fourtopsgreatesthitsukmono


絆。
繋がり。
そんなものは。
あまり。
考えたこともなく。

来るものは。
選り好みして。
去るものは。
追わずで。
やってきた。

元来。
人見知りで。
どうやら。
好き嫌いも激しくて。
それでいいと。

実際。
強がるわけでもなくて。
誰かが去ろうと。
誰かと別れようと。
大して気にも留めなくて。

その瞬間は。
暫くは。
気になっても。
直ぐに忘れてしまって。
忘却の彼方。

それでいいと。
そう思ってきたのだが。
ふと。
誰かの、奴等の。
顔が浮かぶこともあるのだと。

『Greatest Hits』'68年リリース。
英国独自編集によるフォー・トップスのベスト・アルバム。
このジャケットが、いいですよね。もう歌声が聴こえてきそうで。
ハイ・スクールの同級生4人で結成されたフォー・トップス。
元々はジャズを歌っていて。チェスなどと契約して活動していたものの。
長らく芽が出なくて。ソウルに転向して。モータウンに移籍して。
ドジャー=ホランド=ドジャーと運命的な出会いを果たして。
ヒット曲を連発して。一躍、モータウンを代表するグループとなりました。
このアルバム、全16曲中、14曲がドジャー=ホランド=ドジャーのナンバーで。
如何にモータウンを代表するソングライティング・チームと息が合っていたのかと。
「I Can't Help Myself」「Reach Out I'll Be There」「Standing In The Shadows Of Love」、
更には「Baby I Need You loving」「Barnadette」などなど。珠玉の名曲の数々。
男らしく、伊達な正統派であるリーヴァイ・スタップスの溌溂とした歌声と。
そんなリーヴァイを一体となって盛り上げる他の3人による絶妙なコーラス。
流石は年季が入っているなと。4人の強くて深い絆を感じてしまいもします。
テンプターズが柔だとすると、フォー・トップスは剛かなと思うのですが。
その剛なところを支えている、芯を通しているのはその絆、その繋がりかなと。
言ってしまえば、体育会系それも男子高校の匂いが漂うグループなのですよね。
その生真面目さと潔さが魅力であり、時に少し物足りないところでもあるのですが。
フォー・トップスはオリジナル・メンバーで長く活動を続けたことでも有名で。
そんなところにも、4人の絆の強さ、深さを感じますが。今では3人が鬼籍に入って。
1人残ったリーダーが若いメンバーと共にフォー・トップスとして活動しているのだとか。
そこにも。残された者の。他の3人に対する思いを感じてしまうのは。感傷が過ぎるかもですけどね。

絆。
繋がり。
そんなものに。
あまり。
興味も持てなくて。

来るものでも。
拒む時は拒んで。
去るものは。
いつでも追わずで。
やってきた。

元来。
気分屋で。
どうにも。
人付き合いも苦手で。
それがどうしたと。

実際。
それに慣れてしまったのか。
誰かが消えようと。
誰かと切れようと。
大して気にすることもなくて。

相手によっては。
暫くは。
気になっても。
直ぐに興味をなくして。
それっきり。

それで構わないと。
いまも、そう思っているのだが。
ふと。
誰かの、奴等の。
顔が過ることもあるのだと。

いつかの日。
いつかの日々。
同じ場所で。
同じ時間を。
過ごして。

時を忘れて。
飽きもせず。
つるんで。
遊んで。
悪さして。

何を。
成すわけでも。
何者にも。
なるわけでもなく。
ただそれだけで。

無為で。
無駄な。
そんな。
それだけの。
時間を過ごした。

そんな。
それだけの。
絆とも。
繋がりとも。
呼べない関係。

普段は。
忘却の彼方で。
思い出しもしない。
そんなもの。
それだけのもの。

だけど。
ふと。
そんな。
それだけの。
誰かとの。奴等との。

絆。
繋がり。
そいつが。
浮かぶことも。
過ることもあるのだな・・・



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/07 Fri *いいことも、悪いことも / Aretha Franklin

20170407loveallthehurtaway


いいことも。
悪いことも。
どっちも。
総て。
ひっくるめて。

引き受ける。
受け止める。
それしかないと。
そう言うことだと。
やっと気づけた。

いいこと。
それも。
自分にとって。
いいことだけ。
それだけを見ながら。

生きようと。
そんなことを。
思っていたら。
随分と。
遠回りして。失って。

それはそれで。
それが必要だった。
そうしないと。
どうしようもなかった。
そうだとしても。

もう。
そうだな。
総てを。
自分を傷つけてきたものも。
認めてしまおう。

『Love All The Hurt Away』'81年リリース。
アレサ・フランクリンのアリスタでの2枚目のアルバム。
邦題は『思い出の旅路』だったとか。わかった様な、わからない様な。
アトランティック時代は無敵のソウル・クイーンとして君臨していたアレサですが。
'70年代中頃からは、商業的には苦戦していて。それも原因の一つとなったか。
その路線にも迷いが生じて。試行錯誤を繰り返して。アトランティックとは契約切れに。
アリスタに移籍して心機一転を図るも。前作辺りは迷いが感じられたのですが。
このアルバムでは。随分と吹っ切れたと言うか。覚悟を決めたと思われるものがあって。
おそらくは。制作とか、更には商業的な戦略とかは、もう任せましたと。
ただ歌うだけ。その歌声を聴かせることにだけに専念したのが功を奏したのかなと。
そう。アリフ・マーディンのプロデュースに総てを委ねていて。
故に、全体的に派手さには欠けるし。サウンドはこの時代らしくチープなものもあるけれど。
兎に角。アレサの歌声だけは。何とも堂々としていると言うか。迫力と貫禄たっぷりで。
これでどうだと。文句があるかと。文句は言わせないと。そんな凄味すらあるかな。
「Hold On I'm Comin'」も「You Can't Always Get What You Want」も。
どんなナンバーも。アレサが歌えば。アレサのナンバーに、アレサのソウルになるのだと。
「Love All The Hurt Away」でのジョージ・ベンソンとのデュエットでもジョージを圧倒。
ここでの自信が。後のジョージ・マイケルや、アニー・レノックスとのでシュエットにと。
何を今更とは思いますが。流石のアレサでも。迷いの時代には傷つきもしただろうし。
弱気になったこともあったとか。そんな悪いこと、負の面をも認めることで。
そうして再生し、新たな道へと踏み出せたのかなと。そう考えると邦題もありかな。
ただアリスタ時代は。どうも力業に頼り過ぎている感が拭えなくもあるのですけどね。

いいことも。
悪いことも。
どっちも。
纏めて。
何でもかんでも。

向き合い。
直視する。
それしかないと。
そう言うことだと。
やっと思える様になった。

いいこと。
それも。
自分にとって。
いいことだけ。
それだけを絶対として。

生きるのだと。
そんなことに。
拘っていたら。
相当に。
喧嘩して。損なって。

それはそれで。
そうするしかなかった。
そうしないと。
生きてこられなかった。
そうだとしても。

もう。
そうだな。
纏めて。
自分を傷つけてきたものも。
愛してしまおう。

それなりに。
長く。
折れ曲がった。
道程の。
その途中には。

喜びもあれば。
悲しみもあり。
怒りもあり。
傷つけもすれば。
傷つきもして。

何かを。
得て。
失って。
築いて。
損なって。

そうして。
ここまできた。
そうして。
ここにたどり着いた。
悔いはしないけれど。

もう。
いいだろう。
向き合い、直視して。
引き受けよう。
受け止めよう。

総てが。
あって。
だから。
ここに。
いまあるのなら。

いいことも。
悪いことも。
どっちも。
認めてしまおう。
愛してしまおう。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/06 Thu *どこまで / Donny Hathaway

20170406extensionofaman


どこまで。
行けるのだろう。
未だ。
行けるはずだと。
そうは思うのだけれど。

ここで。
終わりだとは。
ここが。
総てではないとは。
そうは感じているのだけれど。

この先。
ここから先。
行けるのかと。
行こうと思い続けられるのかと。
疑問が浮かぶ。

そこまでの。
力が。
この。
身に、心に。
残っているのかと。

悲しいかな。
疑わざるを得ない。
そんな季節を迎えている。
それでも。
それでもと。

未だ。
行けるはずだと。
可能性は残っているのだと。
それを信じようと。
そいつに賭けようと。

『Extension Of A Man』'73年リリース。
ダニー・ハサウェイ、最後のスタジオ・アルバム。
ダニーはこの頃、27歳くらいだったのかな。ここで極めてしまった。
それ故に。この後は行き詰って。そして生き急いでしまったのか。
それを考えると。何とも悲しくて。何とも切ないものがあるのですが。
意表を突くオーケストラによるインストで始まるこのアルバム。
いつ針を落としても。その素晴らしさ、その輝きに心を奪われてしまいます。
ダニーの歌声、ダニーの描く世界。そこには希望の匂いがするのです。
決して能天気ではなく。諦念や、時に絶望を感じながら、抱きながら。
それでも諦めずに。前を向こう、先へ進もうとする。その意思に溢れているのです。
繊細で内省的だったダニー故に。その闇が垣間見える様な陰鬱なナンバーもあり。
しかし。そこには深く考え、思い。そして闇の中に一筋の光を見出そうとする。
そんなダニーの姿が浮かび上がるのです。本当に稀有な才能の持ち主だったのですよね。
その歌声、そして奏でられるエレクトリック・ピアノの響き。
静かで、そして力強い生命力が宿っているのです。そのしなやかなしたたかさ。
師でもあったカーティス・メイフィールドをも凌駕するものを感じるのですが。
そこへ到達するのが、あまりに早すぎたのか。総てを見てしまったのか。
邦題の『愛と自由を求めて』と言うのは安易に過ぎると言うか、どうかな、と思いますが。
人類の可能性、未来を信じていた。信じようとしていたダニー。
聴く者にも、それを信じさせる力を持っていたダニー。その眩くも優しく温かい世界。
ダニーだからこそ描けたのでしょうが。現実の世界とのギャップ。それを考えてしまった。
その時に。希望の光は、絶望の刃となって。ダニー自信を刺し貫いてしまったのかと。
前を、先へ。その意思を持ち続けること。信じ続けることの難しさを思わされもするのです。

どこまで。
行けばいいのだろう。
もう。
随分きたはずだと。
そうは思うのだけれど。

ここで。
終わりではないらしい。
ここも。
望んでいた世界ではないらしい。
薄々、気づいてはいたのだけれど。

この先。
ここから先。
どこまでも。
続ければいいのだろうかと。
不安が過る。

そこまでの。
力は。
もう。
身に、心に。
残っていないのではないかと。

悔しいけれど。
感じざるを得ない。
そんな季節を迎えている。
それでも。
それでもと。

未だ。
行くことはできると。
光は射しているのだと。
それを信じようと。
そいつに賭けようと。

前を向こう。
先へ進もう。
その。
思いが、志が。
ある限り。

諦念に。
絶望に。
襲われ。
支配されかけても。
終わりはしないと。

どこまで。
行けるのかは。
果てがあるのかは。
それは。
わからないけれど。

光は。
可能性は。
未来は。
あるのだと。
失われはしないのだと。

己が。
身に、心に。
不安があり。
身を、心を。
疑わざるを得なくても。

未だ。
光を。
可能性を。
未来を。
信じて、賭けてみたい。

どこまで。
行けるのだろう。
未だ。
行けるはずだと。
そう、信じ続けていたいのだ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/05 Wed *沈黙の暴動 / Sly & The Family Stone

20170405theresriotgoinonuk


ごらん。
あそこで。
起きていることを。
進んでいることを。
見えるか?聞こえるか?

何が。
起きている。
進んでいる。
何に。
見えるか?聞こえるか?

何故。
起きている。
進んでいる。
何の為に。
見えるか?聞こえるか?

知らぬ存ぜぬで。
済ませてよいことなのか。
見て見ぬ振りで。
聞かない振りで。
大過ないことなのか。

起きている。
進んでいる。
放置しておいたら。
気づいた時には。
もう手遅れ。

そんなことはないか。
そうはならないか。
何が起きている。
何が進んでいる。
見えるか?聞こえるか?

『There's A Riot Goin' On』'71年リリース。
『暴動』の邦題でも知られるスライ&ザ・ファミリー・ストーンのアルバム。
世界が大きく変わるかと思われた時代に現れ、その象徴の如く躍進を遂げていた。
そんな止まることを知らないと思われたスライ・ストーンの八面六臂の大活躍。
しかし。舞台裏では。社会的そして政治的なトラブルや障害も数多く。
スライの内面は崩壊へと向かい始め。過度の薬物中毒にも陥っていったと。
このアルバムも。当初のリリース予定から遅れに遅れて。前作とは2年のブランクに。
しかも届けられたアルバムは。以前とはうって変わった。内省的で陰鬱なものであったと。
レコード会社も、ファンもその変化に戸惑いつつも受け入れて商業的には成功するものの。
この時点で。スライは後戻りできない段階に至り、境界線を越えてしまったのだと思います。
全米首位に輝いた「Family Affair」でさえも。陰鬱な匂いを放つナンバーであり。
怒涛のファンク・チューンとして大ヒットした「Thank You」はテンポをグッと落として。
「Thank You For Talking to Me Africa」と改題され、不気味に鳴り響いています。
そこには変わると思われた世界が、変わらなかった。むしろ後退してしまった事への絶望。
その暗澹たる思いを世界や社会に向けると共に。自らにも向けざるを得なかった。
そんなスライの深く、暗い心象風景が描かれているのです。一筋の希望も感じられなくて。
実質的にほぼ一人でこのアルバムを創り上げたスライ。その孤独を思うと震えるのです。
その象徴とも取れるのがA面ラストに収録されている「There's A Riot Goin' On」の存在で。
このナンバーの収録時間は0分00秒。つまり無音なのです。それをクレジットした。
あらゆる暴動に反対する意思を示したかったとスライは語っているとのことですが。
その反面。そこにスライの無言の暴動、無言の抗議。言葉にならないほどの怒りと絶望。
そんなものを感じないではいられないのです。穿ち過ぎなのかもしれませんが。
そしてこれだけ内省的で陰鬱でありながら。恐ろしくファンキーであること。そこにスライの凄味を感じます。

ごらん。
あそこで。
起きていることを。
進んでいることを。
見えるか?聞こえるか?

何が。
起きている。
進んでいる。
何に。
見えるか?聞こえるか?

何故。
起きている。
進んでいる。
何の為に。
見えるか?聞こえるか?

知らぬ存ぜぬで。
済ませてよいことなのか。
見て見ぬ振りで。
聞かない振りで。
大過ないことなのか。

起きている。
進んでいる。
放置しておいたら。
気づいた時には。
もう手遅れ。

そんなことはないか。
そうはならないか。
何が起きている。
何が進んでいる。
見えるか?聞こえるか?

こうしている。
今も。
今、その瞬間も。
起きている。
進んでいる。

その何かに。
裏はないか。
隠されたものはないか。
それが。
見えるか?聞こえるか?
その何かは。
恣意的ではないか。
誰かの密かな意思が働いていないか。
それが。
見えるか?聞こえるか?

少しでも。
ほんの僅かでも。
腑に落ちないのなら。
おかしいと思うのなら。
問いただそう。

知らぬ存ぜぬで。
見て見ぬ振りで。
聞かない振りで。
済ますのは。
止めにしよう。

ごらん。
あそこで。
起きていることは。
進んでいることは。
放置などしてはならない。

ごらん。
だから。
あそこで。
そう。
沈黙の暴動が始まろうとしている。

あの。
暴動に。
抗議に。
怒りの表明に。
加わってみないか。
先ずはそこからかもしれないよ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/04 Tue *恋が先でも、詩が先でも / Bobby Womack

20170404thepoet


恋をすると。
詩人になるのか。
詩人だから。
恋をするのか。
どっちなのだろう。

兎に角。
どっちにしても。
恋をしていると。
様々な。
思いが胸に浮かび。

ふと。
その思いが。
言の葉に上り。
呟いている。
そんなところ。

巧い言葉も。
難しい言葉も。
知らないし。
使えないし。
そんなものなのだけど。

ただ。
好きだと。
恋しいと。
それだけで。
それを思うだけで。

ふと。
口から零れる。
ただの。
簡単な言葉。
それが詩の様に響くのだ。

『The Poet』'81年リリース。
邦題が『詩人』とそのままだったボビー・ウーマックのアルバム。
長いキャリアを誇るボビーですが。'70年代半ばからは苦戦を強いられたらしく。
まぁ、そうは言っても。それはボビーに限った話ではなくて。
ディスコの台頭が良質なソウル・ミュージックをシーンの片隅に追いやってしまった。
そんな冬の時代があったと言うことなのですよね。ディスコを全否定はしませんが。
結果として。ボビーはメジャー・レーベルとの契約を失って。
実はこのアルバムが初の所謂インディ・レーベルからのリリースとなったのでした。
そして私生活では父親を亡くす不幸に見舞われた直後でもあったのだとか。
そんな公私に渡る転換期が故に、創作意欲を刺激されたのか。
このアルバムでは殆どのナンバーを共作とは言え手がけているのです。
そして西海岸の腕利きのミュージシャンを起用してそれらのナンバーを形にしていき。
そのサウンドをバックに力強い歌声を聴かせるボビー。その歌声が実に魅力的です。
中には余りにも時代に寄り添い過ぎているサウンドもあるのが玉に瑕なのですが。
それをものともしない、爽やかで繊細な表現力を併せ持つボビーの力強い歌声。
流石はゴスペル出身、そしてサム・クック直系のシンガーだと思わされるのですが。
その実力を久し振りに遺憾なく発揮している。その背景には楽曲の良さと、思淹れの強さ。
自らが書いたオリジナル・ナンバーであることが大きく作用しているのかなと。
特に「If You Think You're Lonely Now」「Where Do We Go From Here」の2曲における。
歌声の表情豊かで、情感が溢れる様。まさに詩人であるかの如きなのです。
抑揚、そして緩急の見事さ。そう自らの詩を朗読して魅了してみせる詩人なのですよね。

恋をしたから。
詩人になれたのか。
詩人だったから。
恋をできたのか。
どっちだったのだろう。

兎に角。
どっちにしても。
恋をしたから。
様々な。
思いが胸を過って。

ふと。
その思いが。
言の葉に上って。
呟いていた。
そんなところ。

巧い言葉も。
難しい言葉も。
知らなかったし。
使えなかったし。
それはそんなものなのだけど。

ただ。
好きだと。
恋しいと。
それだけで。
それを思っただけで。

ふと。
口から零れた。
ただの。
簡単な言葉。
それが詩の様に響いたのだ。

恋が先か。
詩が先か。
そいつは。
そう。
鶏と卵の様で。

兎に角。
どっちにしても。
どっちが先で。
どっちが後で。
それに関わりなく。

恋をしていると。
様々な
思いが胸に浮かび。
思いが胸を過り。
それが。それらが。

ただ。
単に。
そのままに。
言の葉に上り。
呟いている。

巧い言葉も。
難しい言葉も。
ないけれど。
そんなもので。
そんなものに過ぎなくて。

ただ。
好きだと。
恋しいと。
口から零れる。
その思い。

詩にも。
ならない。
詩とも。
呼べない。
そんなものが。

独りの。
心を照らし。
行く先を。
指し示してくれる。
そうだから。

恋が先でも。
詩が先でも。
恋する。
詩人である。
それでいいのだ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/03 Mon *波動 / ジョー山中&ザ・ウェイラーズ

20170403reggaevibration


目覚めたら。
両手を広げて。
胸いっぱいに。
空気を。
吸い込んで。

漂っているもの。
その中に。
浮かんでいるもの。
震えているもの。
そいつを感じて。

身と。
心が。
共振する。
共鳴する。
その時を待ってみる。

何かが。
響き。
何かが。
伝わり。
新生、再生。

さぁ。
また。
新たな一日を。
新たな生命を。
生きよう。

目覚め。
感じた。
波動が。
新しい世界を。
示してくれるのならば、覗きにいこう。

『Reggae Vibration』'82年リリース。
ジョー山中が初めてレゲエに挑んだアルバム。
名義はジョー山中&ザ・ウェイラーズで。そう、あのウェイラーズです。
あのバレット兄弟も、ジュニア・マーヴィンも参加していて。
あのタフ・ゴング・スタジオで録音されています。豪華と言うか本苦的と言うか。
ジョーのこのアルバムに賭ける意気込み、本気度が窺われます。
本格的にレゲエに取り組んだのはこのアルバムが初めてだったと思われるのですが。
元々、レゲエには関心があったのでしょうね。実に自然な歌声を聴かせてくれています。
そして。それを受け止める、受けて立つのが、ウェイラーズですからね。
臆することのないジョー、当たり前に、ごく自然に受け容れているウェイラーズ。
勿論、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズとは異なる、別物なのですけど。
それはどちらが優れているとかではなくて。そんな比較には意味がなくて。
ジョーとウェイラーズの間に生まれた、新たな共振、共鳴・・・波動・・・生命。
そんなものの息吹、生々しく温かい息遣いが感じられる様なアルバムなのです。
因みに全曲、英語で歌われていますが。何の違和感も無くて。リズム感も含めて。
ジョーと言うのは、この時代に、それ以前からか世界スケールだったのだなと。
だからこそ。この時代にジャマイカに飛んで。タフ・ゴングでウェイラーズと。
そんな突飛と言うか、ある意味で無謀とも言える試みにも躊躇は無かったのだろうなと。
そう。35年前ですからね。実現させるに至る障壁は今とは比較にならなかっただろうし。
でも、それを。ものともせずに。気にもかけずに。やってしまう。
そこには。やはり新たな共振、共鳴、波動、生命。そんなものに対する、飽くなき希求。
そして、その希求、欲求を自然のものとして受け容れられる大きさがあったのだろうなと。

眠りにつく前。
両手で抱きしめて。
胸いっぱいの。
空気を。
抱きしめて。

漂っていたもの。
その中に。
浮かんでいたもの。
震えていたもの。
そいつを思い出して。

身と。
心が。
共振した。
共鳴した。
その時を思ってみる。

何かが。
響いた。
何かが。
伝わってきた。
新生し、再生した。

そう。
また。
新たな一日を。
新たな生命を。
生きられた。

目覚め。
感じた。
波動が。
示してくれた。
新しい世界を、覗いたのだ。

漂う空気の中。
浮いている。
震えている。
何ものかを。
感じよう。

恐れずに。
躊躇わずに。
両手を広げて。
吸い込んで。
感じよう。

身も。
心も。
開いて。
共振するもの。
共鳴するもの。

そんなものが。
そうだと感じられるものが。
あるならば。
その中へと。
踏み出して。身を投げて。

響き。
伝わり。
そして。
響かせ。
伝え。

新生、再生。
新たな一日。
新たな生命。
そう。
それを生きよう。

目覚め。
感じた。
波動が。
新しい可能性を。
示してくれるのならば、覗きにいこう。

目覚め。
感じた。
新しい可能性。
それを示してくれた。
波動と共に、生きていこう。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/04/02 Sun *辺土の中 / ザ・ルースターズ

20170402insane


深く。
澱んだ。
辺土の中に。
埋もれ。
沈んだ様な。

そんな。
絶望とも。
諦念とも。
言える様な。
言い難い様な。

そんな。
空気に。
囚われて。
閉じ込められて。
ただ見送るだけ。

なんとか。
普段と同じ。
仮面を被って。
装いの中で。
過ごしてはいるけれど。

深く。
静かな。
狂気が。
どんどんと。
浸食して。

景色は。
徐々に。
輝きと色を。
失い。
モノクロームへと姿を変える。

『Insane』'81年リリース。
ザ・ルースターズの3枚目となるアルバム。
初めて総てのナンバーがオリジナルで占められて。
日本語詞のナンバーは2曲だけで。インストも1曲含んで。
全部で7曲。収録時間も短く。それが故か当時定価が2千円だったと言う。
別に曲数とか、収録時間に対価を払うわけではないのですけどね。
時期的に『爆裂都市』への出演とかサントラ盤も録音も行われていた頃の筈で。
そんな中で制作されたので。1stアルバムの没テイクに手を加えたものもあるのかな。
既に。このアルバムで大きな転換期を迎えたのだろうなと感じされられるアルバムで。
A面頭の「Let's Rock (Dan Dan)」こそ、従来通りのロックンロールなナンバーですが。
曲調、サウンドとも幅が広がり多彩になり。キーボードが目立つナンバーも増えてと。
なのに。何故か。急激に褪色が始まって。モノクロームの世界へと向かっている。
そんな印象が強く残るのですよね。特にB面の2曲にはその感が強いかな。
これはやはり。その旺盛な創作意欲や活動の裏側で。大江愼也に訪れていた変化。
それが既に表出してきていたと言うことになるのかな。狂気の一言で片づけたくはなく。
またそれが総てとも思いませんが。「Case Of Insanity」「In Deep Grief」には。
明らかに。どこか異なる世界を覗こうとしている、あるいは覗いてしまった。
そんな空気、そんな匂いを感じてしまうのですよね。どうなのかな。
病んでいると言えば、総ての人間が病んでいると思うのですが。
ある境界、あるライン。その先を見てしまう、感じてしまう人間と。止まる人間はいて。
悲しみ、悲嘆にしろ。絶望にしろ、諦念にしろ。見ないと、感じないといられない。
一時的にしろ、その辺土の中でしか生きられない人間と言うのも存在するのだろうと。
そして。その辺土からの表現故の魅力と言うものも確かにあるのだと思うのです。

深く。
澱んだ。
辺土の中に。
埋もれ。
沈んだ様な。

そんな。
絶望とも。
諦念とも。
言える様な。
言い難い様な。

そんな。
匂いに。
誘われて。
閉じ込められて。
ただ見送るだけ。

なんとか。
普段と同じ。
芝居を続けて。
装いの中で。
過ごしてはいるけれど。

深く。
静かな。
狂気が。
どんどんと。
浸食して。

心象は。
徐々に。
輝きと色を。
失い。
モノクロームへと姿を変える。

おかしいのは。
狂っているのは。
自分なのか。
世界なのか。
それとも、どちらも、か。

受け容れないのは。
撥ねつけているのは。
自分なのか。
世界なのか。
それとも、どちらも、か。

絶望とも。
諦念とも。
言えば言える。
そして言い難い。
その。

空気。
匂い。
それに囚われ。
それに誘われ。
閉じ込められた。

深く。
澱んだ。
辺土の中に。
埋もれ。
沈んだまま。

深く。
静かな。
狂気に。
どんどんと。
浸食されて。

景色も。心象も。
徐々に。
輝きと色を。
失い。
モノクロームへと姿を変えた。

その。
辺土の中から。
何を語ろう。
何を見せよう。
何を発しよう。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/03/30 Thu *その前に / The Mods

20170330jailguns


俯き。
躓き。
膝を折る。
そう。崩れ落ちる。
その前に。

無理矢理。
やせ我慢でも。
カッコつけでも。
構わないから。
拳を握りしめて。

前を向き。
上体を起こし。
膝に力を入れて。
兎にも角にも。
ファイティング・ポーズを。

そいつが。
とれれば。
そいつが。
できるのであれば。
大丈夫。

未だ。
終わりはしない。
未だ。
続けられる。
闘える。

だから。
握りしめた拳が。
両膝が。
震えていても。
立ち続けるのだ。

『Jail Guns』'84年リリース。
モッズの変則的な2枚組アルバム。
各地で収録されたベスト・アルバム的な意味もあるライヴ・アルバムに。
新曲を3曲収録した12インチ・シングルの組合せ。
恐らくはリリース後の全国ツアーに合わせての企画だったのだと思われます。
ライヴ・アルバムは全9曲収録。鹿鳴館から渋公、後楽園スタジアムまで。
会場の大きさも様々なライヴが一度に楽しめる趣向になっています。
「バラッドをお前に」「激しい雨が」と当時のヒット曲も勿論収録されていて。
この2曲のライヴ・テイクが聴けると言うのが売りだったのかもしれません。
ライヴならではの熱いモッズが聴けるのは堪らないものがあります。
どうせならフル・サイズで聴かせてくれよとの欲求不満が募るのと。
意図的なのか歓声が小さく抑えられていて。やや臨場感に欠けるかなとは思うのですが。
逆に、それで。実際のライヴ会場に足を運ばせる意図があったのかな。
時間はあっても、金は無く。体験できるライヴの数も限られていたので。
モッズに関して言えばこのアルバムで。疑似体験して堪えていた時期もありました。
12インチ・シングルの中では何と言っても「Teenage Blue」が最高で。
メロディーも、歌詞も。胸に迫ると言うか、募ると言うか。鷲掴みにされるかな。
極論すれば。切なくなければロックじゃないし。刹那的でなくてもロックじゃないと。
そう思い込んでいるので。そんな人間にとっては。もう堪らないナンバーなのです。
そう。結局ロックなんて、ロックンロールなんて。ボニー&クライドなのだよなと。
こんなアルバム、こんなナンバー、こんなロック・バンドがあるから、いてくれるから。
どんな時も。そんな時も。諦める、敗れ去るその前に。何とかしようと思えるのです。

項垂れ。
震えて。
跪く。
そう。崩れ落ちる。
その前に。

無理矢理。
ハッタリでも。
見栄っ張りでも。
構わないから。
拳を握りしめて。

上を向き。
前のめりに。
膝を奮い立たせて。
兎にも角にも。
ファイティング・ポーズを。

そいつを。
とれれば。
そいつを。
見せられるのであれば。
大丈夫。

未だ。
終わってはいない。
未だ。
続きはある。
闘える。

だから。
握りしめた拳に。
両膝に。
冷汗をかいても。
立ち続けるのだ。

どうにも。
どうしても。
悲しくて。
切なさから。
逃れられないのなら。

どうにも。
どうしても。
虚しくて。
刹那的に。
ならざるを得ないなら。

そうさ。
そいつから。
目を逸らさずに。
向き合って。
立ち続けることさ。

そうさ。
そいつを。
真正面から。
受け止めて。
闘い続けることさ。

握りしめた拳が。
両膝が。
震えていても。
唇が渇いて。
顔が蒼ざめていても。

やせ我慢して。
カッコつけて。
ハッタリかまして。
大見得きって。
ファイティング・ポーズを。

そう。崩れ落ちる。
その前に。
やれることは。
闘えるものは。
まだまだあるってことなのさ。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017/03/29 Wed *その残り香、その残照 / 原田芳雄

20170329lastone


そうさ。
俺は。
古い人間さ。
時代遅れの人間さ。
そう言うことだ。

いつの間にか。
昭和は遠くなりにけり。
そうなのだけれど。
その残り香は。
その残照は。

未だ。
濃く香っている。
強く照っている。
その中で。
生き続けているのだ。

どこか。
不便で。
薄汚れて。
厳しくて。
そんな時代。

でも。
楽しくて。
気楽で。
温かった。
そんな時代。

例え。
懐古趣味だと言われようと。
好きなもの。
信じたもの。
その中を生き続けてやるのだ。

『Last One』'76年リリース。
原田芳雄、堂々のファースト・アルバム。
元々は俳優ではなくても歌手を目指していたとの説もあって。
酔っぱらうとよく歌を歌っていたらしいのですが。飽くまでも趣味で。
レコード・デビューするつもりなど無かったとかで。
アルバム・タイトルにもその意思が反映されているのだと思いますが。
その背中を押したのが松田優作だったのだとか。
その優作を始めとして。荒木一郎、桃井かおり、藤田敏八に、クニ河内。
そして宇崎竜童と阿木燿子と。豪華なメンバーが作品を提供しています。
その意思と、アルバム・タイトルに反して音楽活動を継続することになりますが。
このアルバムでは。後年のブルースのイメージは未だ全面には出ていなくて。
上手いのだか、下手なのだか。兎に角、味わい深い歌声を聴かせてくれています。
西岡恭蔵の、かの名曲「プカプカ」も歌われているのですが。これが絶品で。
様々な人の様々なヴァージョンがありますが。その中でも絶品の部類かなと。
オネエ口調で歌っているナンバーもあって。端々に俳優らしさが感じられます。
そのタイトルが「赤坂・一ツ木・どん底周辺」と言う辺りがまた堪らなくて。
赤坂、そして新宿、渋谷の街の匂い、昭和の街の匂いが濃厚で。
そう。さながら。原田芳雄の出演している映画やドラマを観る時と同様に。
いやでも。あの時代。猥雑で混沌で。でも未だ何かを信じられたあの時代だからこそ。
生まれたアルバムなのだろうなと。そう強く感じさせられるのです。
お洒落でも、こぎれいでもなく。時代遅れと言われれば、それまでなのでしょうが。
だからこその。輝きや温かさが宿っているなと。それが愛しくてならないのです。

そうさ。
俺は。
古い人間で。
時代遅れの人間で。
だからどうしたと言うことだ。

とうの昔に。
昭和は遠くなりにけり。
それは抗えないけれど。
その残り香は。
その残照は。

未だ。
濃く香り続けている。
強く照り続けている。
その中でこそ。
生き続けていけるのだ。

とても。
煩くて。
賑やかで。
煩わしくて。
そんな時代。

でも。
穏やかで。
優しくて。
笑ってしまえた。
そんな時代。

例え。
懐古趣味が過ぎるとしても。
愛しいもの。
感じたもの。
その中で生き続けてやるのだ。

味ない。
匂いもしない。
無味無臭。
そんな空気。
そんな時代。

お洒落で。
小ぎれいで。
でも。よそよそしい。
そんな空気。
そんな時代。

好き好きだけど。
堅苦しい。
息苦しい。
何よりも。
面白くない。

不便で。
薄汚れて。
厳しくて。
でも。
何かを信じていた。

煩くて。
賑やかで。
煩わしくて。
でも。
色々なものを感じられた。

いつの間にか。
とうの昔に。
そんな時代は。
遠くになりにけりで。
そうなのだけれど。

その残り香と共に。
その残照と共に。
生き続ける。
古い人間だと言われても。
時代遅れの人間だと言われようとも。



web拍手 by FC2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年3月 | トップページ