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2017/05/02 Tue *予知夢、覚醒夢 / Kate Bush

20170502thedreaming


夢。
そう。
ただの夢。
たかが夢。
されど夢。

夢の中。
起きている事。
追っているもの。
追われているもの。
その生々しさ。

そいつが。
張りついて。
纏わりついて。
何かを呼び覚ます。
何かを掘り起こす。

夢。
夢の中。
それ故に。
無自覚で。
無防備で。

隠していた。
忘れていた。
不安や。
恐怖が。
顔を出す。

そいつが。
夢の中。
それだけで。
済むのであれば。
いいのだけれど。

『The Dreaming』'82年リリース。
ケイト・ブッシュの4枚目となるアルバム。
当時最新鋭だった72トラックを駆使して録音されたと話題を呼んで。
更には2回に渡って録音をやり直して3度目の正直で完成させたとかで。
もともと、その気はあったと思われるケイトの偏執狂的な制作への姿勢が顕わにと。
美しくも、妖しくそして恐ろしくすらあるジャケットもそれを象徴しているかな。
アルバム・タイトル、そしてタイトル・ナンバーである「The Dreaming」は。
所謂、予知夢、覚醒夢を主題にしているとかで。その摩訶不思議な感覚が。
アルバム全体に渡って漂っている・・・貫かれていて。何とも言えない世界になっていて。
それについていけるかどうかが、好みの別れるところなのでしょうが。
ケイトの。その美貌、あの歌声。それに魅せられた、魅入られた者としては抗い様が無いと。
誘われるままに、手招きされるままに、夢の中へと堕ちていくことになるのですね。
元々、現と夢。生々しさと虚しさ。血に匂いと清らかさ。そんな相反するものの鬩ぎ合い。
そんなものがケイトの表現の根本にはあったと思うのですが。
そんな表現を極限まで突き詰めるそんな技術的環境が整ったことによる進化と深化。
それがこのアルバムの最大の特徴で。多重録音で幾重にも重ねられた歌とサウンド。
重ねれば重ねるほど純化されて、住んでいく様でもありながら。
その狂気の重層化がより生々しく迫ってくる様でもあり。あまりに禍々しく魅惑的かなと。
そして。恐らくはケイト自身にとっても魅惑的であった筈で。深く夢みてしまったのか。
このアルバムを世に出した後、精神が衰弱して入院したとも言われたのでした。
その真偽は兎も角として。この後、その創作ペースは段々と落ちていくので。
ケイトの中で何かが一区切りついたアルバムだったのかもしれません。
ケイトが見せてくれる夢の生々しさ、禍々しく魅惑的な甘美さ。精神を擦り減らしても見る価値があるかな・・・

夢。
そう。
ただの夢。
それは夢。
それも夢。

夢の中。
繰り広げられる事。
求めているもの。
求められているもの。
その禍々しさ。

そいつが。
こびりついて。
絡みついて。
何かを誘い出す。
何かを招き寄せる。

夢。
夢の中。
それ故に。
無遠慮で。
無作法で。

隠そうとした。
忘れた振りをした。
邪念や。
我欲が。
顔を出す。

そいつが。
夢の中。
そこだけで。
終わるのであれば。
いいのだけれど。

夢。
そう。
ただの夢。
たかが夢。
されど夢。

夢の中。
その。
生々しさ。
その。
禍々しさ。

追って。
追われて。
求めて。
求められて。
夢の中。

走り。
駆けずり回り。
もがき。
のたうち回り。
夢の中。

伸ばす手は。
虚空を掴み。
延ばされた手に。
襟を掴まれ。
夢の中。

夢の中。
その。
魅惑的な。
その。
甘美さ。

夢。
そう。
ただの夢。
たかが夢。
されど夢。

予知夢。
覚醒夢。
目覚めても。
纏わりつく。
絡みつく。



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